ホーム > 県政情報 > 知事 > ようこそ!愛媛県知事室へ > 知事記者会見録 > 合同会社えひめ森林発電による木質バイオマス発電施設の新設に係る共同記者発表の要旨について
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更新日:2015年4月2日
日時:平成27年3月30日(月曜日)10時~10時23分
場所:知事会議室
(林業政策課長)
それでは、時間もまいりましたので、ただ今からえひめ森林発電による木質バイオマス発電施設の新設に係ります共同記者発表を行います。
私は、本日の司会を務めさせていただきます農林水産部森林局林業政策課長の山内でございます。どうかよろしくお願いいたします。それでは、さっそく共同記者発表を行います。まず始めに、知事からあいさつをお願いいたします。
(知事)
このたび、松山市の大可賀におきまして、本県で初めてとなります木質バイオマス発電事業に着手する運びとなりましたので、本日は合同会社えひめ森林発電の森田職務執行者、松山市の野志市長とともに、共同で発表させていただくことといたしました。
合同会社えひめ森林発電におかれましては、森林資源の有効活用、そしてまた森林環境の改善、再生可能エネルギーの普及促進に貢献していきたいという熱意を持ちまして、平成26年3月に、再生可能エネルギー固定買取制度、その認定を受けられまして、本県での木質バイオマス発電事業に取り組んでいただくこととなりました。
現会長さん、前社長さんがですね、愛媛県大洲市出身ということもありまして、愛媛県での事業展開に、そうしたふるさとの郷土愛というのも非常に大きな力になってくれたのではなかろうかとそんなふうに思っております。
事業着手に当たりましては、原料となる未利用木質資源の安定確保や事業実施場所の選定、また四国電力との発電施設に対する接続調整など、いくつもの課題解決に向けて粘り強く対応されまして今日に至りました。森田職務執行者をはじめ関係者の皆様に本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
県といたしましても、松山市と連携しまして、円滑な工場建設に向けて、今年度当初予算で14億円の融資に係る予算を計上したところでありまして、今後、燃料となる未利用材の安定供給やチップ加工施設等、必要となる体制整備に向けて全面的に協力をさせていただきたいと思います。
また県では、豊かな森林資源を背景にして、本年度から、間伐に加え主伐を計画的に導入することとしております。県産材を増産する「林業躍進プロジェクト」を展開しているところでありますが、今回の取り組みは、間伐に伴う林地残材を活用していただくこと、また主伐に伴う伐採木材の全てを使用するなど、木材の利活用にもつながってまいります。林業の成長産業化に向けた一つの大きな一歩となるものと期待しております。
本県での木質バイオマス発電に着手されました、今回のご厚意に対しまして深く敬意を表し、皆様方のご活躍をお祈り申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
(林業政策課長)
それでは、続きまして企業立地市であります松山市の野志克仁市長様からあいさつをお願いいたします。
(松山市長)
失礼いたします。はじめに、職務執行代理者の森田様には、先ほど知事からもありましたが、県内初となる木質バイオマス発電所を松山市に新設をしていただきますことをこの場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。
松山市では、当時の中村時広市長のリーダーシップのもと、平成20年から松山サンシャインプロジェクトを展開しておりまして、例えば太陽光発電の導入促進であったり、環境ビジネスの創出、誘致などによりまして、低炭素型社会のまちづくりに取り組んでおります。
また、公共交通機関や自転車などを生かしたコンパクトシティであること、そして、おかげさまでこれは今も継続をしておりますが、市民一日一人当たりのゴミ排出量が、人口50万人以上の都市の中で、8年連続で最も少ないことなどを評価されまして、一昨年の3月に当時およそ1,700の自治体がある中でわずか20しか選ばれておりませんでした環境モデル都市に選定をされております。
今回の木質バイオマス発電、間伐材をはじめとする未利用材の利用促進、そして廃材の再利用によりまして循環型社会の構築につながるものです。松山市の再生可能エネルギーのさらなる普及につながるものと大いに期待をしております。
また、発電施設の建設に当たりましては、総額で約55億円の投資とともに、11名の新規雇用が計画をされていると聞いておりまして、地域経済の活性化にも期待をしております。
今回、松山市は、愛媛県と連携をさせていただきまして、建設候補地の選定段階から関わらせていただきましたが、この間、燃料となります木材チップの確保、電力会社との調整など、さまざまな課題解決を経て、今日に至ったものでございまして、森田様をはじめ、関係者の皆様のご努力に心から敬意を表します。
また今後とも、県と市が連携をいたしまして、円滑な事業運営ができるよう最大限の御協力をさせていただきます。
結びになりますが、木質バイオマス発電所の建設を御英断いただきましたことに重ねて御礼を申し上げますとともに、合同会社えひめ森林発電様の今後ますますのご発展、そして建設工事の安全と無事の完成を心からお祈りを申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。本日は誠にありがとうございます。
(林業政策課長)
どうもありがとうございました。それでは続きまして、えひめ森林発電の森田孝職務執行者様からあいさつ及び会社概要、事業計画概要の説明をお願いいたします。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
えひめ森林発電の森田です。今から約2年前にですね、愛媛で何とかバイオマス発電ができないかということで検討を開始しております。その後、県、それから松山市に大変なご支援をいただきまして、本日、皆さんにこうやって発表することができた次第であります。
愛媛県は非常に森林が豊富な県でございまして、バイオマスをやるにはかなり有力な候補地ということで最初から考えておりました。しかしながら、いろいろ紆余曲折がありまして、思った以上に時間がかかってしまったということになりました。とはいえ、皆さんの御支援があって、ここまでやってくることができました。
これから建設を開始いたします。まだまだ発電するまでにはしばらく時間がかかりますけれども、その間に皆さんとゆっくりと話し合いをしながら木が安定的に供給していただけるようなかたちを取っていきたいというふうに考えております。
先ほど知事、それから市長の方からもお話がありましたように、地域に根ざしてですね、資源循環型の社会をつくるべくこれからも努力していきたいと思いますので、どうぞ皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
(林業政策課長)
どうもありがとうございました。
それでは、記者の皆様から質問をお受けしたいと思います。質問のある方は挙手のうえ、社名及び誰に対しての質問かを言っていただいた上で、質問をいただければと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
(NHK)
知事に伺いたい。今の愛媛県内の林業の現状を踏まえ、今回の木質バイオマス発電にどのくらい林業の活性化を期待しているのか。
(知事)
愛媛県は御案内のとおり2年前まではヒノキの生産量が全国1位を5年連続で続けていた林業県でございます。スギも全国9位くらいでありますけれども、他県がですね、非常に主伐を拡大して、順位が4位になっているのが現状でございます。
そこで愛媛県としては、他県の動向を見ますとですね、結構、民間が主伐を拡大しているという兆候が顕著に表れていて、その後の手当てというのができていないという現状も確認できましたので、愛媛県では再造林というものをしっかり助成制度を設けてですね、その上で主伐に入るという「林業躍進プロジェクト」を立ち上げたところでございます。これによって供給体制がドンと増えていくと思いますけれども、ただその利活用というものについては、販売の強化、そしてまた残っている部材についての有効活用というのが大きなテーマになっておりました。林地残材、あるいはその主伐から出てくる品質の仕分けの中でこの木質バイオマスの発電に供給できるということは、今言った増産体制の中でも非常に大きな役割を果たすものと確信をしております。
供給体制もしっかりと見極めた上での誘致ということでありますし、また紙パルプ産業が盛んな地域でありますが、こういったところの意見も意向も踏まえた上での今回の誘致決断でありますから、非常にスムーズに離陸していただくことができるのではないかというふうに思っております。
(愛媛新聞)
森田さんに伺いたい。先ほどのあいさつの中で、愛媛は森林が豊富というふうに理由を言っていたが、近隣県等でも他に豊富なところはいろいろあると思うが、その中でも愛媛県を選ばれた理由は何か。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
いくつかあるんですけれども、一つはやっぱり木が豊富にあるということですね。それから、実はバイオマス発電というのは、この近辺でも随分すでにやってらっしゃったりする方がおられるんですけれども、そんなにたくさん立地ができる産業ではないというふうに思っております。したがって、すでにわれわれが検討したときにまだやられる方が決まっていなかったことが大きな要素であったと思います。
一つの県で大体一つから二つくらいしかバイオマス発電は多分できないというふうにわれわれは考えておりまして、ということは逆に言うと、先にやる人がいたらできないということになりますので、先にやっておられる方がいなかったというか、検討されている方はいたんですけれども、そういう中で私どもを選んでいただいたということだと思います。
(愛媛新聞)
立地に当たって、松山市の大可賀を選んだ理由というのは何か。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
実は随分苦労しました。なかなか適地がなくてですね、最後は松山市の方にお願いをして、今の場所でやれるよってことでご紹介いただいて、ようやくそこに決まったということですですね。
この県は非常に産業が発達しているというか、それなりに産業がありますので、なかなか空いた土地がないんですね。ということで、特にわれわれがバイオマス発電をやろうと思うと、いくつか立地に対して条件がありまして、まず一番目に送電線に近い、要するに電気をつくったら電気を流さないといけないので、送電線から遠かったら、送電線をつくらないといけないという作業が発生します。
従って、できれば送電線に近いところにいたい。それから、発電するのに水がいるんですけれども、工業用水がそれなりに豊富にないと発電ができないということになります。
電線が近くにあって、木が近くにあって、水がそばにないといけないという、この三つの条件を満たすところというのは、山の中にいくと水がないとかですね、電線がないとかいうことになりますので、この三つの条件を満たすところがなかなか見つからなかったというのが今回でございます。
(NHK)
使用燃料が年間12万トンで、そのうち未利用材が6万トンと約半分だが、全て未利用材というのは難しいのか。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
今、お願いをしております。というのは、できれば県内材で全部やりたいというのがわれわれの意向なんですけれども、今のところ出せるのが6万トンぐらいだろうというふうに言われておりまして、それでとりあえず6万トンからスタートと考えておりまして、プラント自体は全部が未利用材になっても燃やせるようなプラントを設計しております。
従って、今、県の方にはできるだけ早く12万トン全て県内材にしてほしいということでお願いをしておりますので、近い将来そうなるというふうに希望しております。
(南海放送)
関連して、知事に伺いたいが、現在は6万トンだが12万トンまでお願いしたいということだが、6万トンを供給する際に未利用材ではなくて、いわゆる本当に商品として使える木材をこちらに充てないといけないとか、そういう心配はないのか。
(知事)
今ですね、ちょうど記者会見でも申し上げたとおり、40年生を迎えた木が85パーセント迎えておりまして、まさに主伐、出荷の年齢を迎えている木が大量に愛媛県は持っているわけですね。
それから、県内の民有林もですね、人工林面積が22万ヘクタールございまして、その85パーセントが40年以上ということになりますんで、利用可能な森林は増えるというような状況にあります。
年間の生長量は約100万立方メートルにのぼっておりまして、この生長量部分だけでもですね、十分に需要が満たされていないという状況にございます。今回、県内の森林組合、それから素材の生産者、それから森林組合連合会、チップ加工業者、皆でチームを組んで供給体制をしっかりと組み立てていますので、まずとりあえずの6万トンの確保は十分に可能だと思っております。
今後、またそういった御要望とマッチングすべくですね、販売状況や生産状況をしっかりと捉えながらですね、御要望に少しでも近づけるように供給体制を考えていきたいと思っております。
(愛媛新聞)
知事に伺いたいが、森林組合、県森連であったり、あとチップ加工業者に対する補助というのを何か考えているのか。
(知事)
これは特にこの点に関しての補助というよりは、林業躍進プロジェクトの中でですね、いわば主伐に関わるさまざまなメニューを取りそろえてますので、その中で考えていったらいいと思っております。
(テレビ愛媛)
森田さんに伺いたいが、発電施設自体はどのくらいの事業費をかけて建設するのか。
また、平成30年頃から営業開始見込みということだが、初年度というか、最初どのくらいの売上高を想定しているのか、可能な範囲で教えてほしい。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
まずプラントの建設費ですけれども、約53億円くらいを今予定をしております。それから初年度の売り上げをですね22、3億円くらいを今見込んでおります。
(テレビ愛媛)
市長の話にも少しあったが、こちらの方での新規雇用も生まれてくるということだが、どのような考えか。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
おそらく10数名の方を新規で働いていただくことになると思います。ぜひ地元の方たちと一緒にやっていきたいと思っておりますので、ほとんどというか、全員が地元で採用をしていきたいというふうに考えております。
(南海放送)
53億円の建設費に対して、補助はどういうかたちで出るのか。いくらくらいか。
(知事)
愛媛県の方はですね、今回の当初予算で盛り込ませていただきましたけれども、無利子の初期投資に係る融資をいたします。それが14億円ということになります。
(愛媛新聞)
野志市長に伺いたいが、10数名新規雇用の場合、企業誘致の補助金みたいなのはあるのか。
(松山市長)
今回適用されるということですね。具体的には御説明いたします。
(松山市産業経済部企画官)
企業立地促進条例というのが松山市にあります。今回、森林の関係での補助金を支出させていただきますが、そういった補助金を支出するルールに基づいてですね、ルール違反にならない範囲の中で、しっかりと後方支援したいと思っております。
(愛媛新聞)
森田さんに伺いたいが、燃料の確保については、県森連との契約みたいなものはもう済ましているのか。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
契約までは至っておりませんけれども、覚書を交わしております。年間6万トンは最低保証していただけるというような覚書を結んでおります。
(愛媛新聞)
これは10年間固定価格ということでよいか。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
そうですね。
(NHK)
森田さんに発電の規模について伺いたいが、年間で一般家庭でいうと、何世帯分の電力に当たるのか。また、この規模については、四国最大規模とかそういったことがいえるのか。
(森田えひめ森林発電職務執行者)
まず一般家庭でいうと、2万4千世帯分くらいになります。四国で最大かといわれると輸入材のプラントがありますので、輸入品だけでたかれるプラントを除けば最大級になると思います。
(知事)
それから、さっきの雇用でちょっと、こういう考え方をしてますので。11名程度新たな雇用ということをおっしゃったんですが、間接的な作業が入ってきます。それは発電に係る木材の搬出やトラックの運搬などになるんですが、大体こちらの分野を、間接的な作業を考えるとプラス50名程度の追加雇用になるんではないかというふうに予測をしております。
(林業政策課長)
他にございませんか。よろしいでしょうか。それでは、ないようですので共同記者発表を終了いたします。なお、せっかくの機会でございますので、記念撮影をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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