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過去の試験研究課題

ページID:0001323 更新日:2023年8月5日 印刷ページ表示

過去に行った試験研究課題

愛媛甘とろ豚生産性向上技術開発試験

 愛媛県のブランド豚であり、肉質評価の高い「愛媛甘とろ豚」の生産性向上を目指して、繁殖母豚にL-カルニチンを給与しその効果を検討しました。
その結果、育成率改善効果があり、増体量も増加傾向になり、今後の甘とろ豚の子豚生産の促進につながるものと考えられます。
また、肥育豚には、L-カルニチン合成を促進する飼料原料の「ゴマ粕」を添加してみました。その結果、背脂肪厚の改善、肉の歩留まり改善に効果が見られ、
更なる甘とろ豚の生産向上に期待できる結果が得られました。

畜産敷料低コスト化試験

 近年、牛の敷料として利用されている「おが粉」は、県内の製材所の減少等により、供給が不安定になりつつあり、将来的に供給が不足することが懸念されています。
そのため、手軽に調達できるものとして、家畜ふんを発酵乾燥した堆肥を研究しました。良好に発酵した堆肥は水分が少なく、病原菌等を含まず敷料に利用できますが、畜産農家が自前で敷料用堆肥を確保しようとしますと、水分調整用の設備や堆肥の保管施設等が必要となるため、取り組みが難しい場合がでてきます。

 そこで、県内で共同利用している「堆肥センター」の堆肥を調査し、敷料利用方法を検討したところ、いくつかの堆肥センターの堆肥は、敷料として利用することができ、費用面でも低減できるとの試算が得られました。

畜産敷料低コスト化試験の画像

ユズ搾汁残渣飼料化技術開発試験

 一般的に廃棄されているユズの搾汁粕を飼料化しようと試みました。

 ユズ搾汁粕は、果皮が厚い、水分が多い、種子の消化性が低い等の課題がありましたが、水分調製を行い、サイレージ化(密閉による乳酸発酵)することにより、嗜好性良好な飼料とすることができました。
飼料調製は水分を70%に調整、加圧、脱気、密封、乳酸菌資材の添加により12か月間保存可能な良質なサイレージを調製することができました。また、飼料給与については、市販配合飼料の一部をユズ搾汁残さサイレージで代替給与しても健康状態を損なうことなく乳生産を維持し、コスト低減を図ることが可能であるといった結果が得られました。

ユズ搾汁残渣飼料化技術開発試験の画像

サトイモを利用した未利用資源有効活用飼料化技術

 愛媛県はサトイモの生産量が全国第4位と生産がさかんであり、ブランド品種「伊予美人」を中心に更なる生産拡大を促進しています。

 そのサトイモは、親芋と言われる部分は消費されず、廃棄されている現状であり、有効活用の観点から飼料化について検討しました。
サトイモには、牛に有害な硝酸態窒素が多く含まれるのですが、密封で発酵処理されるサイレージという手法により、軽減されることが解明されました。
また、ふすま等の副資材を添加することにより、水分含量の調整や嗜好性が向上するなど更に利用しやすい飼料化が可能であることがわかりました。
サトイモも牛に有効な飼料原料となる可能性が出てきましたので、更なる試験研究を行っていくことを検討しています。

サトイモを利用した未利用資源有効活用飼料化技術の画像1サトイモを利用した未利用資源有効活用飼料化技術の画像2

牛雌雄産み分け技術確立試験

 酪農経営において、計画的に雌産子を得ることは有益であり、最近では雌産子の生産を可能にする性選別精液の利用が拡大しています。

 しかし、性選別精液は封入精子数が少なく、また採精から凍結までの生産工程で精子の活力低下を引き起こすことから、通常の凍結精液と比較して、性選別精液は受胎率が低いことが知られています。
そのため、受胎率改善のため、有効な手法を研究しました。さまざまな試験から、ホルモン処置終了後に排卵が集中する27~30時間後より少し前のホルモン処置終了後24~27時間に、性選別精液の人工授精を実施することで、乳用経産牛において性選別精液の受胎率が向上することが確認されました。

自給飼料不耕起栽培技術確立試験

 畜産農家の高齢化や担い手不足、飼養頭数の増加等により家畜管理の時間が増加するなど、自給飼料生産にかける時間や労力が削減されつつあります。
しかし、飼料作物等の適期の播種や収穫が行われないと、良質な自給飼料は栽培できません。そのため、省力化できる栽培方法として、不耕起栽培を検討しました。
その結果、土壌条件、播種条件等が対応できれば、栽培可能であり、作業時間や燃料費等のコスト低減につながるものと考えられました。また、国が開発した不耕起対応高速播種機等により、さらに不耕起栽培しやすくなっています。

自給飼料不耕起栽培技術確立試験の画像

愛媛甘とろ豚受胎向上技術開発試験

 愛媛県のブランド豚である「愛媛甘とろ豚」生産において、夏季の気温上昇は、性欲の減退を引き起こし、繁殖率低下が問題視されています。

 そのため、精子の造成を促進し、性欲増進、身体、臓器等の機能亢進を果たすアルギニンやアスタキサンチンを添加による改善効果を研究しました。
その結果、明確な数値による差は見られませんでしたが、改善する傾向が見受けられました。
この研究により、甘とろ豚生産農家の方々が利用するようになり、生産性が向上されています。

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