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更新日:2017年2月10日
日南1号 | 宮川早生 | 南柑20号 | 南柑4号 | はれひめ |
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(紅まどんな) |
天草 | 甘平 | 媛小春 | |
たまみ | はるみ | 伊予柑 | ネーブル | |
県内の極早生みかん栽培面積の約6割を占める代表品種です。果肉が早く熟すことから、収穫時期が早いものは果皮に緑色が残ります。
1979年に宮崎県日南市の野田明夫氏が、「興津早生」の木に着色が早く酸抜けの良い果実が結実している枝を発見し、これが「日南1号」となりました。
極早生みかんには、「日南1号」のほか、「上野早生」、「はつひめ」などがあります。露地栽培温州みかんのトップバッターとして10月に出荷され、秋の訪れを告げるさわやかな香りと味わいです。
県内の早生温州栽培面積の8割弱を占める代表品種です。また、本県露地栽培みかんの全栽培面積の約3割を占める主力品種です。
1915年頃に福岡県城内村(現:柳川市)の宮川謙吉氏の宅地内で在来系温州みかんの枝変わりとして発見され、その後、1925年に田中長三郎博士によって「宮川早生」と命名されました。
11月に出荷される早生温州には、「宮川早生」のほか、「興津早生」、「田口早生」などがあります。極早生みかんに比べ、甘味が増加、酸味が少なく、袋の薄さは温州みかんの中でも一番です。
県内の中生温州栽培面積の7割強を占める代表品種です。また、本県露地栽培みかんの全栽培面積の2割弱を占める、「宮川早生」に次ぐ主力品種です。
1924年以来数度にわたり愛媛県南部において村松春太郎氏(後に愛媛県南予柑橘分場の初代分場長)が温州みかんの優良系統探索を行っていたところ、1926年に宇和島市の今城辰男氏の園地で発見された系統を優秀であるとして、これを南予柑橘分場にちなみ「南柑20号」と命名しました。
12月に出荷される中生温州には、「南柑20号」のほか、「愛媛中生」、「石地」などがあります。早生温州に比べ、コク(味の濃さ)が増しています。
県内の普通温州栽培面積の約5割を占める代表品種です。
1924年以来数度にわたり愛媛県南部において村松春太郎氏(後に愛媛県南予柑橘分場の初代分場長)が温州みかんの優良系統探索を行っていたところ、1926年に同県吉田町(現:宇和島市)の薬師寺惣市氏の園地で発見された系統を優秀であるとして、これを南予柑橘分場にちなみ「南柑4号」と命名しました。
12月下旬から出荷される普通温州には、「南柑4号」のほか、「大津4号」、「ひめのか」などがあります。中生温州と同様、コク(味の濃さ)の成分が高くなっています。
農業食品産業技術総合研究機構が育成した。清見×オセオラ(♀)と「宮川早生」(♂)の交雑品種であり、2004年6月に種苗法の登録を受けました。
晴れの日が多く、雨量の少ない年ほど美味しさが増します。オレンジ系のさわやかな香りは母親から、食べやすさは父親から、それぞれいいとこ取りで受け継ぎました。
愛媛県は、日本一の「はれひめ」の産地で、12月上旬から出荷されます。
愛媛県が育成した「南香」(♀)と「天草」(♂)の交雑品種で、品種名は「愛媛果試第28号」、2005年3月に種苗法の登録を受けました。“紅まどんな”は全国農業協同組合連合会の登録商標です。
成熟期は12月、果肉が口の中でゼリーのようにとろけ、のどごしもなめらかです。果皮が薄くてデリケートなため、果実に雨が当たらないよう雨よけ栽培が基本です。
これからの愛媛柑橘を担うひとつとして期待も大きく、県内でのみ生産されています。
コンパクトな大きさ、皮のむきやすさ、価格の手ごろさの3拍子そろった、おやつに最適の手軽な柑橘「ぽんかん」です。酸味が弱く甘味が強いので、子供にも人気です。愛媛県は日本一のポンカンの産地です。
ポンカンには、1月に出荷が始まる「太田ポンカン」、2月に出荷が始まる「今津ポンカン」などがあります。「太田ポンカン」は、1947年に静岡県清水市(現:静岡市)の太田敏雄氏の園地で発見された「庵原ポンカン」の枝変わり品種です。「今津ポンカン」は、1951年に愛媛県吉田町(現:宇和島市)の今津伊勢夫氏が、高知県土佐市の市原覚氏より譲り受けた穂木を育成した品種です。
独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構が、中間母本の「清見興津早生No.14」(♀)と米国生まれのタンゼリンタンゼロ「ページ」(♂)の交雑から育成した柑橘「天草」です。1995年8月に種苗法の登録を受けました。
外観は紅色が鮮やか、果肉は芳醇な果汁があふれ、まろやかな味わいの美人柑橘です。外皮が薄く、少々むきにくいので、カットフルーツにして食するのが一般的です。出荷時期は、1月下旬から2月中旬までで、愛媛県は日本一の「天草」の産地です。
愛媛県が育成した、「西之香」(♀)と「ポンカン」(♂)の交雑品種であり、2007年8月に種苗法の登録を受けました。自慢の甘味と平たい形から「甘平」と命名されました。
成熟期は2月で、薄い袋は母親から、果肉の歯ごたえと強い甘みは父親からそれぞれ受け継ぎ、その食味は既存の品種や新たな育成品種の中でもトップクラスの良好さです。
果皮がとても薄いため、生育中に裂果が発生しやすく、細やかなかん水など丹精込めた栽培管理が必要です。これからの愛媛柑橘を担うひとつとして期待は大きく、愛媛県内でのみ生産されています。
愛媛県育成の「清見」(♀)と「黄金柑」(♂)の交雑品種であり、2008年10月に種苗法の登録を受けました。最も食味が優れた黄色系柑橘のひとつである幻の父「黄金柑」の美味しさをそのままに、みかんのような食べやすさを兼ね備えた新しいタイプの柑橘「媛小春」です。愛媛県が育成した最も新しい品種で、愛媛県内でのみ生産されています。生産量はまだごくわずかで、本格生産はこれからです。成熟期は1月下旬~2月、早春を告げる愛らしい黄金色の柑橘です。
農業食品産業技術総合研究機構が、「清見」(♀)と米国生まれのミカン類「Wilking」(♂)の交雑から育成した品種が「たまみ」であり、2006年12月に種苗法の登録を受けました。
愛媛県では上島町で生産が行われており、同町産の「たまみ」は“しまひめ”という愛称で販売が行われています。出荷時期は2月上旬から3月中旬まででオレンジ系のスッキリとした味わいで、果肉には発がん抑制などの機能性が注目されているβ-クリプトキサンチンの含有量が高いとされています。
農林水産省果樹試験場(現:農業食品産業技術総合研究機構)が、「清見」(♀)と「ポンカンF-2432」(♂)の交雑から育成した品種が「はるみ」であり、1999年11月に種苗法の登録を受けました。「不知火」と同様、「清見」と「ポンカン」の交配で育成されました。
果肉を構成するひとつひとつの粒に張りがあり、口に含むと弾けるような食感があります。出荷時期は、2月上旬から3月上旬まで2月中旬以降が特に食べ頃です。
愛媛を代表する柑橘「伊予柑」の品種はほとんどが「宮内伊予柑」で97%を占めています。「宮内伊予柑」は1955年に松山市の宮内義正氏の園地で発見された「普通伊予柑」の枝変わり品種です。2~3月が食べ頃で、爽やかな香りとジューシーな味わいが特徴です。その他伊予柑には、「大谷伊予柑」と「勝山伊予柑」があり、「大谷伊予柑」は、1972年に吉田町(現:宇和島市)の大谷政幸氏の園地で発見された「宮内伊予柑」の枝変わり品種です。「勝山伊予柑」は、1976年に松山市の樋口光雄氏の園地で発見された「宮内伊予柑」の枝変わり品種です。
愛媛県は、日本一の「伊予柑」の産地です。
「ネーブル」の果実の中にもう一つ小型の果実が生成され、その一部が顔を出しヘソ(英語:navel)となります。ぎっしり詰まった果肉には濃厚な甘味があふれます。出荷時期は、1月中旬から4月中旬です。
品種は、1952年に大三島町(現:今治市)の藤原義衛氏の園地で発見された「ワシントンネーブル」の枝変わり「大三島ネーブル」や、1932年に静岡県細江町(現:浜松市)の加茂吾郎氏の園地で発見された「ワシントンネーブル」の枝変わり「白柳ネーブル」などがあります。
「はるか」は1980年頃に福岡県二丈町(現:糸島市)の石井徳雄氏が自宅の庭に捨てた「日向夏」種子から発生した偶発実生であり、1996年10月に種苗法の登録を受けました。「不知火」は頭の部分に突起ができますが、はるかはお尻の部分に丸いくぼみ(凹環)ができます。出荷時期は2月中旬から3月下旬までで黄色い外観から想像しがちな酸味はほとんど感じられず、その一方でまろやかな甘味があり、見た目と味のギャップを最も感じる柑橘のひとつです。
愛媛県は日本一の「はるか」の産地です。
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