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更新日:2021年1月12日
海外に渡航される場合、衛生状況が悪い国・地域があったり、重篤な感染症が流行している地域もあり、感染症に対して注意を払うことが必要です。
安全で快適な旅行を楽しみ、元気に帰国するために、以下の情報を参考にしてください。
渡航先(国や地域)や活動の内容によって、り患する可能性のある感染症は大きく異なりますが、最も多いのは、食べ物や水を介した消化器系の感染症です。
A型肝炎、E型肝炎、コレラ、赤痢、腸チフスなどは、開発途上国など公衆衛生の整備が不十分な地域では広く発生する感染症です。生水、氷、生の魚介類や野菜の飲食は避けてください。
マラリア、デング熱、チクングニア熱は、熱帯・亜熱帯地域で広く発生する感染症です。また、ウエストナイル熱は、北米を中心に患者が報告されていて(原因となるウイルスは、アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、北米など広い地域に分布しています。)、感染時期のピークは夏から秋とされています。
野外活動の際には、長袖・長ズボンを着用する、素足でのサンダル履き等を避ける、虫除けスプレーを使用するなど、蚊やマダニに刺されないための対策が必要です。
野生動物や家畜はどのような病原体を持っているか分からないことが多く、重篤な感染症の病原体を持っている可能性もあります。海外ではむやみに動物に触れることはやめましょう。
狂犬病は、我が国では昭和32年以降発生はみられませんが、依然として世界中の国々で発生しています。犬だけでなく、他の哺乳動物(ネコ、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリなど)からも感染することがあります(狂犬病は発病してしまうと有効な治療方法がありません。)。野犬をはじめとする野生動物との接触を避けることが大切です。
鳥インフルエンザ(H5N1)は東南アジアを中心に、中東、ヨーロッパ、アフリカの一部地域などで、鳥インフルエンザ(H7N9)は中国で発生しています。感染した鳥やその臓器、体液、糞などと濃厚に接触した場合に感染するおそれがあります。
一般的なインフルエンザの予防方法(手洗い・うがいの励行、マスクの着用、十分な栄養と休養をとることなど)を心がけるとともに、生きた鳥が売られている市場や養鶏場にはむやみに近寄らないようにしましょう。
アフリカの中央部から西部で発生しています。エボラ出血熱患者や感染した動物(サルなど)の血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触で感染する可能性があります。
流行地への旅行を控え、野生動物や患者に触れないようにしましょう。
中東のサウジアラビアを中心に、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、クウェート等で発生が報告されています。中東周辺のヒトコブラクダがウイルスを保有しており、他の動物からの感染も疑われています。また、家族内、医療機関内での限定的なヒト-ヒト感染も報告されています。
手洗い等を励行するとともに、未殺菌の乳や生肉など加熱不十分な食品を避け、咳やくしゃみなどの症状を示している人やヒトコブラクダなどの動物との接触を避けましょう。
黄熱は蚊にによって媒介されるウイルス性感染症ですので、蚊に刺されないようにすることが大切です。しかし、森林や森林に隣接した都市部では蚊の猛襲を受けることがあり、こういった場合には防虫スプレー(忌避剤)だけでは効果は期待できません。1回の接種で10年間有効な予防接種がありますので、流行地に旅行する際は接種を受けることをお勧めします。
海外で感染症にかからないようにするためには、感染症に対する正しい知識と予防方法を身につけることが必要です。特に、飲料水、虫刺され(蚊やダニなど)及び動物との接触には注意が必要です。
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