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風しんの発生状況について(2019年)

ページID:0006817 更新日:2022年1月28日 印刷ページ表示

 風しんは、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、主な症状は発疹、発熱、リンパ節の腫れなどであり、まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。

 妊娠初期の女性が風しんに感染すると、生まれてくる子どもが先天性風しん症候群(おもな症状は難聴、心疾患、白内障など)を発症することがありますので、妊婦への感染を防ぐことが重要な疾患です。

風しん発生状況

(1)愛媛県内の風しん発生状況

 風しんが全数把握対象疾患となった2008年以降の報告数は、2008年1例、2011年1例、2012年2例と、少数で推移していましたが、2013年は32例と多発しました。

 その後、2014年2例、2015年1例と再び少数となり、2016年、2017年の報告はありませんでした。

 2018年は、7例の患者報告がありました。「風しんの発生状況(2018年)について

 2019年は、第3週、第9週、第19週、第29週にそれぞれ1例、第30週に2例の計6例の患者報告がありました。内訳は男性4例(10歳代1例、20歳代2例、30歳代1例)、女性2例(10歳代、50歳代)です。

(2)全国の風しん発生状況

 全国の患者報告数は、2008年303例、2009年147例、2010年87例、2011年378例でしたが、2012年2,386例と増加し、2013年は14,344例と多発しました。

 その後、患者報告数は減少し、2014年319例、2015年163例、2016年126例、2017年91例でした。

 2018年は2,946例の報告があり、2008年の全数届出開始以降では2番目に多い報告数となりました。

 2019年は第52週までに2,306例報告されています。内訳は、男性1,804例、女性502例で、男性では30~40歳代が男性全体の59%、女性では20~30歳代が女性全体の64%を占めています。

患者報告数推移

累計患者報告数推移

風しんについて

(1)病原体

 風疹ウイルスの感染によって発生する急性の発疹性感染症です。風疹ウイルスは、トガウイルス科ルビウイルス属に属し、エンベロープを持つ一本鎖RNAウイルスです。

(2)経過と症状

 感染から2~3週間(平均16~18日)の潜伏期間の後、発疹、発熱、リンパ節の腫れ(特に耳の後ろ、後頭部、首)が現れます。ただ、発熱は患者の約半数にみられる程度です。また、感染しても症状が出ないまま免疫ができる(不顕性感染)人が15~30%程度はいると言われます。

 子供が感染した場合の症状は比較的軽いのですが、まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。大人が感染すると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。

(3)感染経路

 原因ウイルスがのどや鼻の分泌物に排出され、咳やくしゃみなどの飛沫や、それらが付着した手指や物を介して感染します。

 発疹が出る2~3日前から発疹が出た後の5日くらいまでの期間は感染力があると考えられます。

(4)国内での流行状況

 かつてはほぼ5年ごとに大きな流行が発生していましたが、1994年(平成6年)以降は大きな流行はありませんでした。2011年から、海外で感染して帰国後に発症する輸入例が散見されるようになり、福岡県、大阪府、神奈川県等で地域流行が認められました。その後、2012~2013年にかけて大規模な流行となり、この2年間で16,000人を超える全国流行となりました。2014年以降患者報告数は減少し、2017年は年間93例でした。

(5)予防方法

 特異的な治療方法はなく、発熱や関節炎などに対して解熱鎮痛剤を用いるなど、対症療法を行います。

 予防にはワクチン接種が有効です。弱毒生ワクチンを接種すると、通常の風しん感染と違ってほとんど症状は出ませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。

 現在は、麻疹ワクチンと混合した麻疹風疹混合(MR)ワクチンが「定期の予防接種」で使われます。定期の予防接種は、1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の幼児(第2期)に2回接種し、費用は公費負担を受けることができます。1歳のお誕生日に、ワクチンをプレゼントしましょう。

 予防接種スケジュール 国立感染症研究所<外部リンク>

 また、妊娠を希望する女性やそのご家族のうち、風しんの抗体を持っていない人は、任意での予防接種をご検討ください。愛媛県では、風しん抗体検査を無料で実施しています。詳しくは下記ホームページをご覧ください。

 風しん抗体検査事業の実施について(愛媛県ホームページ『感染症情報』へリンク)

 2019年(平成31年)から感染拡大防止のための追加的対策として、抗体保有率の低い世代の男性に対する予防接種・抗体検査を実施することとなりました。ワクチンの効率的な活用等のため、対象者に抗体検査を実施し、その結果、抗体価が低いと判明された方は、風しんの定期接種を受けることができます。対象者は、1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性(現在40歳から57歳の男性)です。詳しくはお住いの市町の保健センター等にお問い合わせください。

 風しんの追加的対策について 厚生労働省ホームページ<外部リンク>

先天性風しん症候群について

 妊婦、特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を先天性風しん症候群といいます。

 先天性風しん症候群の患者報告数は、2014年に9例あり、その後報告がありませんでしたが、2019年は4例ありました。

 予防接種を受けることによって、妊娠中に風しんにかかることを予防できますし、妊婦以外の方であれば妊婦などに風しんをうつすことを予防できます(ただし、妊娠中は風しんの予防接種を受けられませんし、接種後2ヶ月間は避妊が必要です)。

1 風しんの定期予防接種対象者は、できるだけはやく予防接種を受けましょう。

 風しんの定期予防接種対象者は次の方です。

  • 1歳児
  • 小学校入学前1年間の幼児

2 妊婦を守るため、抗体価が十分であると確認できた方以外の次の方は任意での予防接種をご検討ください。

  • 妊婦の夫、子ども及びその他の同居家族
  • 10代後半から40代の女性(特に妊娠希望者または妊娠する可能性の高い方)
  • 産褥早期の女性

参考


AIが質問にお答えします<外部リンク>