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【食品化学科】ヒスタミン食中毒にご注意ください!

ページID:0006457 更新日:2021年10月7日 印刷ページ表示

魚を食べたらじんましんが出た、アレルギーかもしれない!と思ったことはありませんか?

もしかしたら、それは食中毒かもしれません。

アレルギーと似たような症状を示す食中毒に、ヒスタミン食中毒があります。

ヒスタミン食中毒とは

  • ヒスタミンを多く含む食品を食べることでおこります。
  • 主な原因食品はサバ、マグロ、イワシ等の赤身の魚です。
  • 原因食品を食べた直後~1時間程度で発症します。
  • 主な症状は顔面紅潮、頭痛、吐き気、じんましん等のアレルギー様症状です。
  • ヒスタミンの中毒量は22~370mgとされています。

図1ヒスタミン食中毒発生状況

ヒスタミンとは

ヒスタミンは体内でも合成されますが、食中毒の問題となる場合は、ヒスチジンというアミノ酸を多く含む食品を室温等の不適切な温度で保存した場合に、食品に付着したモルガン菌(Morganella morganii)等のヒスタミン産生菌によって産生されます。

図2ヒスタミンの生成経路

ヒスタミンはどんな食品に含まれているの?

一般に販売されている食品70品目について、ヒスタミン含有量実態調査を行ったところ、ヒスタミンは魚介加工品や一部の調味料に含まれていましたが、直ちに健康に影響を及ぼす量のものはありませんでした。

表1 ヒスタミンが検出された食品の例
食品の種類 検出検体数
魚介乾製品 魚の丸干し(いわし、さより等)、魚の開き干し(ほっけ等)、煮干

9検体

魚介加工品 味付け魚(ぶり、まぐろの照焼等)、すり身

7検体

調味料 しょうゆ、ナンプラー等

6検体

食中毒の原因としてのヒスタミンの特徴

  • ヒスタミンは加熱しても分解されません。
  • ヒスタミンが増加しても味や臭いは変化しません

つまり、ヒスタミンを多量に含む食品を調理・加熱しても、ヒスタミンは分解されず、味や臭いに変化がないため、気づかずに食べてヒスタミン食中毒を引き起こす可能性があります。

食中毒予防の三原則といえば、「つけない、増やさない、やっつける」です。

しかし、ヒスタミンは上記のような特徴をもつため、ヒスタミン食中毒においては、ヒスタミンを「増やさない」ことが重要です。

ヒスタミンが増えるのはどんなとき?

ヒスタミンがどのように増えるのか明らかにするため、販売店で購入した生のサバを25℃、4℃、-30℃でそれぞれ保存し、ヒスタミンの増加を調べました。

サバを25℃で24時間放置すると、ヒスタミンの量は4,500µg/gに増加しました。これはこのサバを4.9g食べただけで食中毒を発症する量です。(食中毒の発症量を22mgとした場合)

一方、冷蔵庫に保存した場合、1週間まではヒスタミンが増加しませんでしたが、2週間以上保存するとヒスタミンが増加しました。

また、-30℃では4週間保存後もヒスタミンは増加していませんでした。

このことから、食品の保存温度、保存期間には注意が必要であることがわかりました。

図3保存条件とヒスタミンの量

ヒスタミン食中毒を予防するには

ヒスタミン食中毒の予防には温度管理が重要です!

保管・調理するとき

  • 保存温度、保存期間は適切か?
  • 冷蔵庫・冷凍庫は故障していないか?(温度表示は正確か?)
  • 冷凍魚介類は常温で解凍しない
  • 凍結・解凍を繰り返さない

食べるとき

  • 食べたときに舌や唇がピリピリしないか?

以上のことに気を付けて、ヒスタミン食中毒を予防しましょう!

参考文献

こちらもご覧ください。

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