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更新日:2015年6月16日
【記者発表資料】
日時 平成27年6月15日(月曜日)11時28分~11時40分
場所 知事会議室
(知事)
本県では、福島第一原発事故を教訓に、万一の原子力災害への備えとして、住民が迅速かつ円滑に避難できるよう、平成25年6月に避難先や避難経路を複数選定した県広域避難計画を策定するとともに、翌26年2月には、防災訓練の検証結果等を踏まえて、伊方原発以西の半島地域をPAZ、5キロメートル圏ですけれども、PAZと同時に早期避難を開始する予防避難エリアとして位置付ける修正を行うなど、避難対策の充実強化に努めてきました。
その後も市町や防災関係機関、さらには周辺県や国等とも連携を図りながら、避難計画の実効性向上のための取り組みを進めてきたところでありますが、今回、それらの取り組みを踏まえて、2回目となる県広域避難計画の修正を行ったものでございますので、発表をさせていただきます。詳細については、後ほど担当部長から説明をさせていただきますが、私のほうから主な修正ポイントを述べさせていただきます。
まず一つ目のポイントは、周辺県との連携強化でございます。これはもうすでに報道もされていますけれども、愛媛県からの呼び掛けにより立ち上げた、四国4県及び山口、大分、広島の7県で構成する広域連携推進会議において、先般6月10日に、事故発生時等の本県から各県への連絡通報体制の整備と、また原子力災害時の避難者受け入れへの適切な対応等の広域連携の合意がなされました。これらの合意事項について、今回の計画に反映をさせていただいております。
次に、二つ目のポイントは、伊方原発が半島の付け根付近に位置しているという地理的特徴から避難の困難さを指摘する声もある佐田岬半島部の避難対策の充実強化をポイントとしております。この地域については、前回の修正で、PAZと同時に早めに避難を開始する、先ほど申し上げた予防避難エリアと位置付けるとともに、昨年の訓練では自衛隊の揚陸艇やヘリによる避難や東西2カ所でのスクリーニング検査を行うなど重点的な訓練を実施したところでありますが、今回さらにこの地域の避難対策の精緻化を図りました。具体的には、災害発生初期、警戒事態の段階で、陸・海・空路等の避難手段決定のため、道路や港湾、ヘリポート等のインフラ施設の状態確認を行うこと。陸路が使用可能な場合には、PAZと同じ段階で陸路による予防避難を行い、陸路が制限される場合には、海路や空路なども利用して大分県等へ避難することを明記したこと。必要な場合には屋内退避を実施することなどの対応を追加して避難対策の精緻化を図らせていただきました。さらに大分県への避難対応については、大分県のご協力をいただき、大分県側の避難先市町や避難先候補施設を計画に盛り込んだところが特色でございます。具体的には、例えば、津波等の複合災害時には内陸部の市町村を中心に受け入れるなど、大分県内の災害状況を考慮しながら受入市町村を決定していただくことになっています。また、二次避難先に指定させていただいている山口県からも避難先候補施設の具体的な提示をいただきましたので、これを計画に反映させていただいております。
このほか国の交付金を活用して半島部を中心に整備を進めている、要支援者等の屋内退避施設となる放射線防護対策実施施設を盛り込んだほか、先般4月22日の原子力災害対策指針改正により、避難等の防護措置の判断には用いないこととされたSPEEDIの記述の削除や、実測の放射線量に基づく避難指示範囲の具体化などを計画に反映したところでございます。
現在、伊方原発の安全対策については、国の原子力規制委員会による審査が進んでおり、県としても四国電力に対して国の基準を上回る追加安全対策を求めるとともに、伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会において、しっかりと安全性の確認を行っているところでありますが、原子力防災対策についても、市町や周辺県、さらには自治体支援を強化している国とも緊密に連携を図りながら、防災対策に終わりはないという認識のもと、原発の安全対策と並行して、避難計画の不断の見直しを進めるなど、一層の充実強化を図って行きたいと思います。以上です。
(共同通信)
予防避難エリアにおける避難対策の充実強化ということだが、従来の計画から変わった点というのが少し分かりづらいので、どういう点を変えたのか内容を簡単に説明してほしい。
(知事)
今、詳しく説明したつもりなんですけども、一番大きいのは、初めて周辺の自治体と、県ですね、連携協定を結びましたので、とりわけ大分県が、具体的に佐田岬、原発以西の避難の必要性が生じたときに、どこの市町が、そしてどこの施設が受け入れるかということのマッチングを具体的に行っていくということ。これは全く新しい取り組みになります。山口県も同じように、いざという時の施設の、受け入れ施設を提示いただいていますので、これが一番大きなポイントになると思います。
(共同通信)
受入れの市町村の数と施設の数、それぞれ大分、山口で教えてほしい。
(原子力安全対策課長)
大分県が施設数が269、収容可能人数が約18万人。山口県が施設数が843、収容可能人数が約46万人となっております。
(共同通信)
県下の全市町村になるのか。
(原子力安全対策課長)
全市町村になります。
(共同通信)
必要な場合には屋内退避を実施するということだが、必要な場合とはどういう場合を想定しているのか。
(原子力安全対策課長)
例えば、放射性物質の大量放出があって屋内退避を優先されるような場合、それからあと避難路が確保できないような場合です。
(共同通信)
海路、空路含めてということか。
(原子力安全対策課長)
そうです。
(愛媛新聞)
再稼働の判断をするに当たって、避難計画の実効性というのは、どういうふうに位置付けているのか。
(知事)
これはわれわれも、ずっと今まで申し上げてきたように終わりがありませんから、当然、並行して常に行っていくものと位置付けています。今の段階でできることというのは、当然100パーセントの力を発揮して追い求めていくということを、その都度、その時点で常に求めていくということに尽きると思っています。
(愛媛新聞)
今回、計画を修正したが、今の現状で再稼働するということになったら、問題はないと考えているのか。
(知事)
再稼働については、繰り返しお話ししていますとおり、国から要請がない限り白紙の状態から一歩も出ることはありませんので、今、ここでどうだという議論はできないです。
(テレビ愛媛)
今後、県がこれまでやってきた広域避難訓練等に、大分や山口も一緒になって、もう少し広い範囲で訓練等を行うことを検討するということはあるのか。
(知事)
当然、それが出てくると思いますね。もうすでに、前回の訓練で、海上自衛隊の協力もいただきまして、ホバークラフト等、特殊な船を使った実地訓練も行ってますので、これはとりあえず乗せるという段階ですから、今度は運ぶということも含めてですね、当然、こうしたような協定ができたことによって、具体的な受け入れが可能に、いざというときに道筋ができますので、そういった訓練をどこかでやれたらなというふうには思っています。ただ、相手さんがあることなので、ちょっといつということは、この場では確約はできないんですけれども、やりたいなという気持ちはあります。
もう一つ言うと、今の答えにちょっとつながるんですけど、安全対策と避難対策は同時並行で常に追い求めていくものなので、最も大事なのはそういう事態を起こさせないという、そこさえ確保できればそういったことは起きないわけですから、これはどっちを優先するということではないんだけども、ともかく起こさせないということを今までもずっと追い求めてきましたので、そのために、他の地域ではやっていない県独自の安全対策要請というのを電力会社に行ってきたつもりでございます。
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