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更新日:2016年8月26日
【記者発表資料】
日時 平成28年8月25日(木曜日)11時00分~11時10分
場所 知事会議室
(知事)
今年度、新たに実施する原子力災害時における伊方町佐田岬半島部の住民避難個別訓練について、発表させていただきたいと思います。
昨年度は、国と行いました原子力総合防災訓練におきまして、大分県や海上自衛隊等にご協力をいただき、伊方町三崎地域の住民の皆さんが大分県へ海路避難する際の動線や、住民搬送に当たる自衛艦の三崎港への接岸等について、実地に確認を行ったところでございます。
今回実施する住民避難個別訓練は、お手元に配付させていただきました資料のとおり、海路避難時の動線について、さらに踏み込んで、実際に伊方町の瀬戸地域、三崎地域の住民の皆さん約400人、職員等含めますと総勢約500人ぐらいになると思いますが、多くの方々に自家用車や町公用バスを利用して、自宅等から一時集結所となっている三崎小中学校体育館や三崎総合体育館に集合していただき、そこで安定ヨウ素剤の緊急配布を受けた後、町公用バスで移動し三崎港に参集するという一連の流れを検証する訓練となっております。
訓練は9月4日、日曜日の午前9時30分から開始いたしますが、当日は私も住民の方々とともに避難訓練に参加をさせていただきまして、一連の流れを確認したいと考えております。
今回の訓練の特徴として、一つ目のポイントは、例年行っている原子力防災訓練は、伊方原子力発電所から30キロメートル圏内の市町の住民の皆さんを対象とし、「警戒事態」から「全面緊急事態」に陥り、放射性物質放出に至るまでの一連の流れについての訓練でありますけれども、今回は、伊方町佐田岬半島部の瀬戸地域及び三崎地域の住民の方を対象として、「全面緊急事態」において海路避難する場合に、住民の皆さんが自宅等から三崎港まで参集する訓練に特化させていただいているところでございます。
また、二つ目のポイントとしては、昨年度は、自家用車で避難できない住民を想定し、町公用バスで三崎地域の各集落を回りまして、自主防災組織のリーダーなどの約70人の住民を搬送する訓練を行いましたが、今年度は、瀬戸地域及び三崎地域のほぼ全地区から約400人の住民の方々にご参加いただき、地区ごとに策定している避難計画に基いて、住民自らが自家用車等を利用して一時集結所に集まり、そこから港までは町公用バスにより移動するという、原子力災害時において実際に利用する避難経路や行動を住民の皆さん自らが確認していただくとともに、町職員等による避難誘導が円滑に行えるかなどを検証することにあります。
最後に、三つ目のポイントは、昨年度の訓練では、定期船及び海上自衛隊の艦船を活用した大分県への海路避難訓練を実施したところでありますが、今回の訓練では、この4月に、「原子力災害時の船舶による輸送等に関する覚書」を締結した愛媛県旅客船協会の協力をいただきまして、県内への海路避難も想定しながら、一層の輸送能力の増強を図るため、定期船以外の民間船舶の三崎港への着岸等について実地検証することといたしております。
今回の訓練結果につきましては、今年度秋頃に実施を予定しています原子力防災訓練と併せて検証を行いまして、県広域避難計画に反映させるなど避難対策のさらなる実効性の向上に取り組んでまいりたいと思います。
なお、原子力防災訓練につきましては、現在、関係機関と調整を進めているところでありますが、海路避難につきましては、昨年度に続きまして、大分県にご協力をいただき、実際に大分県まで避難する訓練を行いたいと考えております。
住民避難個別訓練の詳細につきましては、先ほどお話がありましたように、後ほど担当課から記者室で詳細を説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
(南海放送)
伊方原発3号機が再稼働して、来月の7日にも営業運転が再開される見通しだが、そういった時期に佐田岬地域に特化した訓練を行う目的はどうか。
(知事)
とりわけ稼働したからというふうなことではなくて、実際、稼働しても、稼働しなくても、そこに原発はあります。そういう意味ではリスクは一緒でありますから、逆に言えば稼働していないときは、プールに燃料棒を置いてあってですね、水位が低いですから不安定なところもあるんですね。一概にどちらが安全かというのはよく分からないところがあるんですよ。いずれにしましても、そういうふうな観点で見極めるべきだと思いますから、稼働していようが、稼働していまいが、そこに原発はあるということを念頭に置いて、常に安全対策と避難計画の充実というのは、積み重ねていくべきものだというふうに考えております。
昨年は、さっきお話させていただいたとおり、大分県への避難を想定して、三崎港も耐震工事が完了しましたところですから、揺れにも強くなった。そこに海上自衛隊の船を接岸して、実際に大分まで運ぶ動線の確認を行ったところなんですけれども、今回は、そこまでをどうするかということに一歩また違った角度から検証したいと思いますので、ある意味では、前々から申し上げておりますとおり、いろんなことを積み重ねながら充実を図っていく過程というふうにお考えいただいていいんじゃないかと思っています。
(NHK)
原発のリスクの面はともかくも、やはり再稼働という状況を踏まえて、住民の方、特に心理的にも緊張感という面では変わってくると思うが、訓練に参加する住民の方にどういったことを期待しているのか。
(知事)
そうですね、やはり正しく恐れていただくということが大事だと思います。繰り返し説明させていただきましたけれども、やはりこうした訓練を通じて、じゃあ一体、稼働に至る経緯はどうだったんだろうかとか、また思いをはせていただく機会にもなろうかと思いますし、それからいろいろな意見がありますけれども、例えば南海トラフと中央構造帯、それぞれしっかりと見極めてリスク判断をするというようなことも、正しく恐れるためには大事な視点だと思いますので、こういう訓練をする機会においてですね、ちょっとそんなことにも思いをはせて、皆さんが話を深める機会になればいいのではないかと、そこにも期待させていただきたいと思います。
(南海放送)
当日、知事も参加するということだが、どのような形での参加になるのか。
(知事)
移動に参加するというふうに考えているんですが、まだちょっとそこら辺は、これから詳細を詰めていきます。
(原子力安全対策課長)
後でまた、紹介させていただきます。
(南海放送)
実際に参加した際には、どういったところをポイントとして注目するつもりか。
(知事)
そうですね、前回の総合防災訓練の時に動線の確認はできましたので、この前の時に70人のリーダーの方にお集まりいただいたんですけれども、次なる検証というのは、各集落からその港までだということを、あの時にもお話させていただいた記憶があるんですが、まさにそこを検証したいというふうに思っています。
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