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平成25年度9月補正予算案等に関する記者発表の要旨について

ページID:0008731 更新日:2014年5月29日 印刷ページ表示

 

日時 25年9月4日 11時6分から

場所 知事会議室

平成25年度9月補正予算案等記者発表

(知事)

 今回の補正予算は、財政の先行き大変厳しく不透明な中ではありますけども、当初予算後の情勢変化等を踏まえ、編成を行わせていただきました。

 具体的には、南海トラフ巨大地震や頻発する豪雨災害に備えまして、県民の生命・財産を守るため、国の臨時交付金を活用し、避難道路の整備など緊急に行うべき防災・減災対策を積極的に推進することといたしました。

 併せて、農林水産業や商工業、観光の振興、特別支援教育の充実など、速やかに実施すべき課題を絞り込んで編成することといたしております。

 その主な内容として、一つには、緊急防災・減災対策の推進でございますけども、まず県単独緊急防災・減災対策事業として、避難道路の改良促進や危険箇所の解消、橋りょうの耐震補強、河川、海岸、港湾施設等の改修・機能強化、河床掘削、がけ崩れ防災対策など、可能な限り推進をしたいと考えております。

 また、海岸保全基本計画等の見直しにも取り組ませていただきたいと思います。

 そして、県立学校の耐震化でありますけども、スケジュール的には申し上げてきたとおり、平成27年度までに特別支援学校、また、平成29年度までには県立学校、全学校の耐震化完了実現、これが目標でございますので、それを目指して整備を進めるとともに、法に基づく大規模な民間建築物の耐震診断も促進をすることといたしております。

 そしてこれも大きな課題でありますが、オフサイトセンター、効率化も含めて西予土木事務所との合築によるオフサイトセンターの整備を進めることといたしました。

 二つ目に、当面する課題への対応でございますが、まず産業振興ですけれども、農林水産業につきましては、農業というのは川下の部分ではIT化が進んでおりますが、川上の部分、生産管理の分野ではICT化が遅れておりますので、クラウドコンピューティング等の活用も視野に入れながら、生産管理の分野でICTを活用し、生産コスト低減等につながるモデル事業を県内で実施をさせていただきたいと思います。また、円安等々で飼料価格高騰に直面しております畜産農家の対策として、これに対応した自給飼料生産の効率化を進めていきたいと思います。また林業については、間伐が主体でありましたけども、今後スギ・ヒノキの主伐の計画的な導入を進めていくべく、その実証事業を推進したいと思います。また、価格低迷が続いて、大変厳しい状況におかれているしいたけ、原木乾しいたけの生産振興、トレーサビリティシステムの電子化等を進めていきたいと思います。また、新たな養殖魚種の養殖技術の早期開発も推進をしていきたいと思います。

 次に、商工業・観光でございますけども、まず厳しい経営環境にある中小企業者等に対する融資枠の拡大を図りたいと思います。また、しまなみ海道における世界的規模のサイクリング大会開催に向けた着実な準備も進めさせていただきたいと思います。

 次に、地域医療の問題でありますけども、地域医療再生基金を活用しまして、二次救急・三次救急医療機関等の設備整備等の促進を図ってまいります。また、災害拠点病院等の医療・救護活動に必要な資機材等の整備を進めさせていただきます。

 三つ目に安心で魅力あるまちづくりでございますけども、とべ動物園の魅力向上を図るため、チンパンジーの展示施設の整備を行う予定でございます。とべ動物園のチンパンジーはかなり高齢でありまして、若いチンパンジーをということで進めていたんですが、施設面でちょっと厳しいという評価をいただいておりましたので、これをもってようやく、若いチンパンジーが久しぶりにとべ動物園に来るということになります。

 次に、通学路の安全確保等のための信号機の新設・更新など交通安全施設の整備を図ってまいります。

 四つ目に、教育・スポーツの充実でございますが、まず肢体不自由児の教育環境を改善するため、東予及び南予地域への特別支援学校分校等の2校同時開設を一気に進めていきたいと思います。予定は27年4月を目指します。そして、財政も厳しい折でございますので、既存校舎の改修という手法で整備を図っていきたいと思いますが、東予は新居浜西高校、南予は宇和特別支援学校、こちらの空き教室等を活用しまして改修設計に取り組んでいきたいと思います。

 五つ目には、県・市町が連携して、電子入札共同利用システムの導入を進めてまいりたいと思います。このほかに、今年もお迎えいたしますえひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地高校生の本県への修学旅行支援の充実、また国からの返還要請に基づく復興関連基金、地域自殺対策緊急強化基金、そして森林そ生緊急対策基金、これの返還を行うことといたしました。

 この結果、9月補正予算総額は、一般会計で215億9,421万円となります。昨年度は164億円でありましたから、これを大きく上回り、また、東日本大震災の発生直後で、緊急防災対策を講じた平成23年度、これが224億円でありましたので、これに匹敵する規模となっております。

 特に、防災・減災対策については、今年度当初予算で既に104億円を計上しておりますが、これもかなり思い切った予算を組んだつもりでありますが、今回の9月補正では、地域の元気臨時交付金を活用して、前倒し実施を図ることとし、緊急道路の整備など48億円を計上した結果、先ほどの当初予算104億円と合わせた額、これが152億円となります。これで見れば、昨年度は116億円でありますので、大幅に上回る規模を確保させていただいたところであります。

 また、条例等の議案については、更新時期を迎える核燃料税の課税方式を見直しまして、税率を13パーセントから17パーセント相当に引き上げるための愛媛県核燃料税条例の制定などを提案する予定でございます。

 

(愛媛新聞)

 県財政の見通しが厳しく、不透明という中、国でも消費税がまだペンディングになっている。また、概算要求では交付税が少しプラスになっているが、地方としても国動向次第で腰の定まらないところもあると思われるが、中長期の県財政の見通しについて、変動要素も含めて教えてほしい。

 

(知事)

 まず、就任以来、何かがあったときのための備えが必要だろうということで、引き継いだときに財政調整基金が200億円でありましたので、これを同じ規模の自治体の平均値並みは確保したいということで、目標を330億円に掲げて財政運営を行っています。昨年度は300億円を上回るところまでは積み増しはできたのですが、取り崩しもありますので、今後ともまだまだどうなるか見通しが立ちにくい状況でありますが、これはもう大規模災害が起こったとき等にある程度の構えがなかったら、即応体制が取れないという致命的な弱点にもなりかねませんから、ここは県民の皆さんにもご理解いただいて、もしものときの備えとして、類似団体の平均値並みくらいは財政調整基金というのを確保するということはこれからも目標に掲げていきたいと思っています。

 長期的には今日も新聞、ニュースで出ていましたけど、政府が消費税の問題につきましては、来月の2日くらいを目途に今後どうするか決めると出ておりましたけれども、正直言って今年度は15カ月予算、選挙のこともありましたので、かなり規模的には大きな国全体の予算が組まれていることはご案内のとおりであります。これを余裕を持って組んでいるのか、それとも消費税の増税をある程度先取りする形で組まれているのか、これは分かりません。国での議論でありますから。つまびらかな資料があるわけでもありませんので分かりませんが、いずれにしましてもこれは相当厳しい状況にあるのではないかと思っています。この厳しい状況の中で、消費税の扱いがどうなるかによって、当然消費税というのは国の歳入だけではなく、地方の歳入にも大きく関わってくる問題でありますから、こうした点がまだ不透明なので、この問題の成り行きによって見通しが大幅に変わってくるということは、予想しておかなければならないと考えています。

 それからもう一つは、少子高齢化で、繰り返し申し上げてまいりましたが、人口構成の変遷、自然な増加要因だけでも、毎年国には1兆円、地方には7千億円の社会保障費がオートマティカルに積み上がっていきます。だからこそ、根本的な制度改革抜きにこの国の社会保障の未来は見えないということを申し上げてまいりました。今、社会保障会議でいろいろ議論されているようでありますけれども、地方の意見を聞いたうえで進めている状況ではありません。これが非常に懸案事項でございます。例えば、先般の介護保険にしても要支援1・2は廃止して、市町村へというように単純に扱っていますけれども、どうもそれは国の支出を抑えることのみで、構造的な問題よりも支出を、ここを削りやすいのではないかとの発想があるかもしれない。そういったところがよく分からないので、やはり現場の意見を聞いて、要支援1・2の状況、そしてそれが移行したときの財源移譲の問題なんかも徹底的に議論した上で進めていく必要があると思います。ですから、この社会保障の分野がどうなっていくかも見通しが全く立たないので、正直言って、先ほどの消費税の問題、それから社会保障のこれからの改革の問題、この二大要因が不透明な段階で中長期の見通しを立てるのは極めて困難であると思っています。

 そうはいっても、何らかの対応を地方でもしておくべきなので、先ほど申し上げたいざというときの備えのための財政調整基金の積み増しや臨財債を除いた県債の残高の推移、これは順調に減額の過程に入ってきておりますから、こういったところを十分に見つめながら、必要な事業を絞り込んで対策をとっていくということを積み重ねていきたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 補正の結果、財調はいくらになるのか。

 

(知事)

 今の見込みで214億円です。去年の9月補正予算で取り崩した金額はいくらですか。去年の同じ時期との比較を調べてください。

 

(財政課長)

 24年度の9月時点の基金残高の見込みは251億円です。

 

(愛媛新聞)

 国の借金残高も1,000兆円を超えているような状況の中、地方として、県としてどのように財政運営に当たっていきたいと考えているのか。

 

(知事)

 根本的な問題の解決をしなければ自主・自立の財政運営はできないということから、地方としては、国に対して権限・財源の移譲というのをずっと求めてきたわけです。しかし、それが進捗しないということでありますから、例えば自助努力、一生懸命やれば、行革を進めれば、例えば交付税が減らされるとかという仕組みになっています。そこら辺の根本的な仕組みを考えないと地方の場合は、皆さんご案内のとおり非常にきめ細かなチェックが、地元のマスコミの皆さんや県民の皆さんや市町だったら市民、町民の皆さんから厳しく入るわけです。僕は今の状況は分かりませんけれども、非常に荒っぽい財政運営というのはなかなかできないわけです。だから厳しい監視の効くところにむしろ財源を移した方が無駄なく、国民の福祉向上につながるような使い方が可能であると自分は思っていますので、やはり根本の問題を解決するためには国から地方への権限・財源の移譲がなかったらできないという思いが強くなってますので、こうした声を引き続き上げていきたいと思っています。

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