ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 企画振興部 政策企画局 > 広報広聴課 > 平成27年度12月知事定例記者会見(平成27年12月24日)の要旨について

本文

平成27年度12月知事定例記者会見(平成27年12月24日)の要旨について

ページID:0011220 更新日:2015年12月25日 印刷ページ表示

日時:平成27年12月24日(木曜日)

 11時04分~11時58分

場所:知事会議室

 

 

(テレビ愛媛(幹事社))

 衆議院制度改革について、有識者調査会の答申に愛媛県が小選挙区で定数4から3に削減される見通しとなったが、知事の所感を伺いたい。

 

(知事)

 この制度はですね、最高裁の判決、そしてまた、政党の定数削減の国民に示した公約、こうしたものを受けて、衆議院に設置された有識者による制度に関する調査会が議論を重ねてきたところでありますけれども、16日に愛媛県の小選挙区の定数を1減することを含む衆議院の総定数を10減とする改革案が出されました。来年1月に議長へ答申を提出する見込みとなったことは、報道で承知しているところです。今申し上げた状況の中で考慮した一つの結論ではあると受け止めてはおります。ただ、その中身がどうであるかは、国民の皆様一人一人がご判断をすることだろうと思います。

 ただ一方で、7月にですね、参議院の選挙区が一部合区となったことを受けまして、全国知事会においては、人口の多寡にかかわらず、広く地域の声が国に届く仕組みを検討するよう提言を行っているところであります。また、今の段階では、地方創生、そしてその先の地方分権に至る過程の中で、地域の声が国政に反映される意義は非常に強いわけでありまして、こうしたような実情、地域の声が反映されるような選挙制度への見直しが必要であると考えます。

 そういう意味で、国と地方の役割分担が明確になる中で分権が進めば、国政そして県政、市政の役割というものがおのずから変わってくると思いますけれども、まだその段階に至っていないということ。そしてまた、参議院と衆議院の役割というものがいかなるものなのかということが、非常に大きなテーマになっています。そうしたことを議論した上で、地域の代表枠をどうするか、これは憲法の問題も関わってきますけれども、大きな議論を進めていくことが求められていると思うのですが、それがなかなか進んでいないからこそ、この弥縫(びほう)策的な定数の修正というような作業の中で定数の振り替えが行われているので、いろいろな問題が起こってくると思います。ただ、この根本のところをやらない限り、また人口移動によって同じことが繰り返されていくのだろうと思いますので、まさに申し上げた国と地方の役割分担、地方分権の推進、そして衆議院・参議院の役割の明確化、その中で、それぞれの地域の声を反映させるための仕組みづくり、憲法の問題も含めて、大いに国会で議論していただきたい。そのことを強く求めたいと思っています。以上です。

 

(愛媛新聞)

 国政と地方の役割分担、地方分権の推進等ということを今後の課題に挙げているが、改めて、地方分権を進めてほしいというのはどういうところか。

 

(知事)

 これは、ずいぶん前から、議論、俎上(そじょう)に載っているのですが、そもそも国は、基本的には外交、防衛、安全保障、福祉、それから全国的な教育の問題等を集中的に議論する場であってほしいと思いますし、それ以外のことについては可能な限り地方に権限と財源を移し替えるというのが、そもそもの地方分権の大枠の話だったと思います。ただ、それが進んでいない、なかなか進まないというのは皆さんもご存じのとおりだと思いますので、ここが進めば、本当に議会、これは国もですね、地方も含めてありようが変わってくるはずなんですね。ここが中央集権から地方分権に変わっていかざるを得なくなっている現状ということを考えて進んでいかないとですね、いつまでも、毎回毎回、1票の較差がどうだから、ここの部分は憲法違反の疑いがあるということが、延々と繰り返されていくんじゃないかなと、そんなふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 今回、愛媛とか地方のほうでは定数削減というのが集中した一方で、首都圏のほうでは逆に定数が増えたりしているところもあるが、全体の総数の問題は、どう考えているのか。

 

(知事)

 これは、あれだけ国民の目の前で、与党、野党が定数削減を約束したわけですから、その答えの10が十分なのか否かというのは、これはもう国民一人一人が判断することではなかろうかと思っています。

 

(テレビ愛媛)

 現状の四つの選挙区の今の状態を見て、これが単純に3に減るということについて、率直に知事としてはどのように考えているのか。

 

(知事)

 先ほど言った根本的な流れの中で出てくる場合と、今回のようにこれまでの延長線で弥縫(びほう)策で数字をいじるというものとは全く異なると思うので、この状況の中で減るというのは、決して好ましいことではないと思います。

 

(テレビ愛媛)

 先般、今治市が国家戦略特区の指定を受けたが、県として、どのような事業を期待しているのか。また、今後の支援について、どのように取り組む方針か。

 

(知事)

 12月15日に開催されました国家戦略特別区域諮問会議におきまして、今治市が新たに国家戦略特別区域に指定されました。これは、愛媛県も共同提案者の立場でございますので、大変うれしく思っております。

 特に、今回の特区指定によりまして、その実現に向けて国の岩盤規制の突破口が開かれることとなりました今治新都市への獣医師養成系大学の設置につきましては、これはもう加戸前知事の時代から15回特区申請をしてきたんですね。そういう長い年月での行動が背景にありますので、四国地域における獣医師の安定確保や、大学立地に伴う地域活性化を目指すものとして、平成19年11月に初めて申請してますけども、そこから15回にわたって、今治市と共同で構造改革特区の提案を行ってきたところでありますが、20年度からは国への重要要望に位置付けて、文部科学大臣等への要望も毎年継続してまいりました。県としてもさまざまな取り組みを積み重ねてきたところでございます。

 獣医師養成系大学、そして、学部の新設は、過去をさかのぼってみますと、昭和41年以降、49年間全国で一度も認められていません。今後ですね、規制緩和に向けた内閣府や文部科学省の協議・検討にスピード感を持って適切に対応し、早期に実現が図られるよう、今治市を支援してまいりたいと思います。

 また、今回、今治市では、外国人材の受け入れやスポーツ・ベンチャー支援といった課題についても特区指定されていますことから、しまなみ海道を中心に急増している外国人サイクリストのためのガイド育成をはじめ、地場産業であるタオル、縫製、造船分野での外国人技能実習生の受け入れ期間延長等が早期に実現して、同市における「国際観光・スポーツ拠点」の形成が図られることを期待しております。

 今後は、国家戦略特区の支援措置を最大限活用しながら、獣医師系の国際教育拠点の整備をはじめ、観光・教育・創業などの分野におけるイノベーションの創出に向け、今治市の取り組みを後押しして、地域経済の活性化や人口減少の抑制、若者の地元定着等に努めてまいりたいと思います。以上です。

 

(あいテレビ)

 知事自身も、県内では獣医師が足りていないという認識か。

 

(知事)

 やはり県はですね、今、総定数を減らしていますから、現職員そのものは減らしているんですけれども、その中で、例えば、今年は獣医師5名を募集していたんですが、4名しか受けていただいていないという状況、こういう状況が続いております。

 それとですね、もう一つは、先ほど申し上げたとおり、49年間新設を認められていないんですけれども、実態はどうなっているかといいますと、全国の獣医師の学部はですね、ほとんど定員を超過している状況にあります。さらに、西日本に拠点がない。そういうことで、そのニーズは十分にあると思っています。

 

(あいテレビ)

 これまで獣医師というのは、全国どこでも使える国家資格ということで、特区が認められてこなかった背景があると思うが、ここに来て認められたことについては、どう思っているのか。

 

(知事)

 これまで十数回に渡ってですね、10年近く言い続けてきたことが、一つの布石になっているのではないかと思っています。

 

(あいテレビ)

 経済効果はかなりあると考えているのか。

 

(知事)

 いや、これは分からないですけどね。ただ、ニーズはありますから、愛媛だけではなく、特にこれから、例えば口蹄疫の問題であったり、鳥インフルエンザの問題であったり、このような問題に対処するためにも獣医師の役割は非常に大きいんですね。ですから行政的なニーズも高まっている状況ですし、先ほど申し上げたとおり、現実、定員に届かない受験者しかいないような状況もありますので、非常に、ただ単に経済だけという問題ではなくて、県政を推進するに当たっての重要な役割を担っていただけるんじゃないかなということには期待をしています。

 

(日本経済新聞)

 獣医学部の建設等を特に進めていきたい市と、外国人材の活用であったり、ビッグデータの活用等をより強く進めていきたい国との間に、若干、温度差があるような気もするが、そのあたりはどのように感じているのか。

 

(知事)

 それは感じないですけどね。それはやはり両方同じ重要なテーマですから、並行してずっと言い続けてきていることなので、それを合わせて特区にしたというふうに受け止めてはいますけど。

 

(あいテレビ)

 先月末まで商品券の使用があったと思うが、愛顔のえひめ商品券の利用状況について、把握していたら教えてほしい。

 

(知事)

 使用状況なんですけども、発行総額が120億円でありました。で、8月末までの約2カ月間で、そのうちの約61億円、半分が使用されています。ですから、購入後、比較的短い期間に、2カ月で半分ですから、この夏の消費には結び付いているのではないかなというふうには思います。で、11月30日までの利用期間が終了したんですが、取扱店舗の換金期間が12月末までになってますので、最終の分析はこれからということになります。

 ただ現時点で把握している分について言いますと、発行額120億円のうち、90パーセントに当たる110億円が換金されております。ですから、これから年末までにあと残り10億円がどうなのかということは、ちょっと今の段階では出てないということです。そういう意味では、換金されているということは、利用券が使われているということだろうと思いますので、一定の消費喚起効果はあったのではないかとは思いますが、これは使い方にもよると思うんですね。

 ただ単に日用生活品を前倒しで買っている場合もあれば、あるいはそのお得感というものを受けて、普段買わないものをちょっとこう買ってみようかという消費もあるんで、この辺の分析は正直言ってまだ全然できてない状況です。

 ただ一方でですね、店舗の取り組みを見ると、店舗独自でいろんなセールスをやったりですね、来店促進策を企画した店舗もかなりあったと聞いておりますので、こういった熱のこもった取り組み状況というのは消費を刺激している側面もあるのかもしれませんので、ちょっと明確な分析ができてないんですけども、ある程度の効果というものはあったんではないかなというふうに思っています。

 

(あいテレビ)

 他県では、個人的にいろんな人に頼んでいっぱい買うとかもあったようだが、県内では見受けられないか。

 

(知事)

 愛媛県はどうだったの。

 

(経営支援課長)

 県内では、1人3セットというふうにしてましたけれども、最終的には、八幡浜市がちょっと増えてたところもごさいました。大まかに、そんな他県で見られるようなことは、こちらの方には情報入っておりません。

 

 

(愛媛新聞)

 

 消費税に関して、自公の税制改正大綱で軽減税率が導入されることになったが、このことについて、知事の考えを聞かせてほしい。

 

(知事)

 そうですね、税というのは、基本的に公正、公平、簡素というのが理想といわれる世界なんですけども、軽減税率というのが正しい表現なのか分からないんだけど、例えば、下がるわけではないので、据え置き税率かなというふうには思うんですが、税率を据え置くということを導入するということで、税率が複数になると。ということは、その原則である簡素というところからは、外れていくわけですね。ですから、そこら辺を鑑みて、その手続きの面で、できるだけ複雑にならないような工夫が求められるんではなかろうかなというふうには思います。

 一方で、これは国会でもこれから議論になっていくんでしょうけども、その線引きの難しさというものを、今の段階でもよく分からないところがありますので、どう区分していくのかということを、そのさっきの簡素と関わってはくるんですけども、しっかりしないと混乱する恐れがあるので、この辺は、制度設計をきちんとしていただきたいというふうに思ってます。

 低所得者対策ということについていえば、給付が良かったのか、それともこの据え置き税率がいいのか、僕もちょっとこれは判断がつきかねるところがありますけども、そういったところに対する何らかの対処が必要だと思ってますので、国の方では、それを後者に求めたということではなかろうかと思います。

 

(愛媛新聞)

 税率が複数になることで、実際に店舗での対応が必要になってくると思うが、県としてはその辺を何か支援する考えはあるのか。

 

(知事)

 基本的にはですね、支援はもちろん、支援というかサポートはしていくつもりですけども、国の税制改正に関わることなんで、システム上の変更の問題とか、そこで係る経費というのは当然のことながら、国が措置していただくべきものというふうには思っています。そこの裏付けがあって初めてさまざまなサポートができるんではなかろうかと思います。

 

(読売新聞)

 中身として、加工食品が含まれることになったこと自体に関してはどのように考えているのか。

 

(知事)

 だからそこがまだ見えないんですよね。例えば、よくニュースでも出てますけど、テイクアウトすれば据え置き税率で、店で食べれば10パーセントというわけでしょ。本当にそれが実現した場合、どんな人の動きになるのかというのも想像がつかないんですよね。だから、まだまだこれは議論を詰めていく必要があるんじゃないでしょうかね。

 

(NHK)

 今年一年の総括を端的に伺いたい。印象に残った出来事とか、県政課題への対応等、一年を振り返っててどうか。

 

(知事)

 そうですね、まあ、ちょうど今頃、2期目の県政をスタートしたわけなんですが、2期目の公約をしっかりと県庁の組織の中に位置付けてスタートを切ることを重視していましたので、そういう意味では、無事離陸できたんではないかなというふうに実感できる一年ではありました。もちろん、もう既にできたものもあれば、大半は結構時間のかかる課題が多かったんで、特に今回の2期目の柱というのは防災減災、あるいは少子高齢化に伴う人口減少、それから地域経済の活性化でありますから、長い目で見る必要がある課題ばかりですので、まあそういう意味ではこれからまたさらにステップアップしていくということが重要であると改めて認識をしています。

 個々の印象に残っていることといえば、やっぱり、賛否両論のあった原発の議論。それから、ゆるキャラでみきゃんが多くの皆さんの後押しで活躍した件。特に、ゆるキャラという、みきゃんを通じてですね、多くの人たちがこうつながっていくというね、そういう実感がありましたので、思わぬ効果というのがあるんだなということを知らしめられた一件でもございました。

 それからもう一つは、やっぱり、県内のプロスポーツの活躍というのが非常に印象に残っています。アマチュアも含めて。まあ、高校野球もそうでしたし、それから何といってもアイランドリーグが全国優勝し、愛媛FCが初めて、プレーオフに進出したこと。これも全て初めてのことでしたから、地域に根差したプロチームの存在が県民に元気や夢を与えてくれる。これまでも言葉では言ってたんだけども、優勝、それからプレーオフ進出もありませんでした。来年こそは、来年こそはの繰り返しだったんですけども、やっぱりその存在というのが非常に大きなものなんだなということを感じた一年でもありました。

 

(NHK)

 来年以降、原発の再稼働が具体化してくる可能性があるが、その決断を踏まえての展望や原発への向き合い方はどうか。

 

(知事)

 何ら変わりはないんです。特に今までと変わることなく、日々日々、新たな安全対策が必要とされるような問題が出てきたら、それはもう速やかに事業者に対して要請をするという姿勢を決して忘れないということ。それから、もう一つは、もちろん過酷事故を起こさなければ避難は必要ないんですけども、そこにまず最重点課題は置きますが、最悪の場合も想定して、避難計画の充実を図っていく必要性もありますので、今回の大規模訓練を十分に検証した上で、次なる訓練の充実に生かしていかなければという、そういう思いを持ち続けたいと思っています。

 

(テレビ愛媛)

 大規模訓練に関しては、先日の中間発表で、訓練参加者のアンケートの結果がまとまり、2割余りの方が、この状況ではなかなかスムーズに避難はできないんじゃないかと回答したが、これが高い低いの感覚も含めて、どのように受け止めているのか。

 

(知事)

 双方100パーセントということはありませんから、要はその積み重ね、今回の計画がどういう意味を持っていたのかというのをしっかりとわれわれも咀嚼(そしゃく)しながらですね、またその情報を的確に住民の皆さんにもお伝えしていく努力を続けなければいけないし、その後に、じゃあこれを受けて何をするかという次のステップの取り組みというのを進めるということが大事だと思っています。

 特に今回のケースは、大分県への避難を実際に船を使って行うことが、一つの動線の確認という意味において、重要なテーマの一つでありました。耐震工事を終えた三崎港が使えるということで、初めて海上自衛隊の船を着岸させるという、これもどの程度なのかが分かりませんでしたから、その確認、そしてそこから、とりあえずは定期便を使いましたけども、当然のことながら、この海域に何隻のフェリーがあって、それがどれくらいの時間で、いざというとき集結できるかという分析も行います。そういった動線の確認ですね、大分への動線の確認。そしてまた、全員というわけにはいかないんで、地域の自主防災組織のリーダーの方等中心にですね、実際に渡っていただき、そしてまた避難先である大分県と連携して、その施設まで運んでいくという、こちらも陸地側での動線の確認がまず一つの目的でございました。

 それからもう一つは、完成したばかりの新オフサイトセンター、これらの機器を実際にフル活用するのは初めてでしたので、これは国との連携、情報交換であるとか、連携も含めてですね、オフサイトセンターの機能確認も大きなテーマでありました。

 それからもう一つは、福祉施設の避難マッチング、これを全員ではないですけども、一つ一つやれるところは確認していくというのも大きなテーマでありました。こうしたことが今回の目的であったわけであります。

 これを受けて、原発西側、それぞれ集落ごとに防災組織がありますから、じゃあそこの動線までこの集落の方々を連れて行くにはどうすればいいのかという訓練が次の課題になってまいりますので、そのステップにつなげていくことがさらなる今後のテーマになってくるというふうに思っています。

 一方で、過酷事故が起こって、港が使えなかったら意味ないじゃないか、というご意見もありました。確かに、言われたらそうなんですけれども、ただここはいつも申し上げているように、冷静に正しく恐れていくということが大事だと思っています。津波で港が使えなくなるということになりますと、この場合は南海トラフ地震になります。南海トラフ地震の場合は当然のことながら震源地が太平洋沖、太平洋側になりますので、伊方原発に届く津波というのは、2.5メートルということになりますから、伊方原発そのものについての津波の心配はないと。ただしその場合、場合によっては内海側には確かにその心配があるかもしれません。しかし、その南海トラフ地震の巨大地震が襲ってきたときの揺れは震源地が遠いですから、伊方原発の揺れの想定は181ガルになってますから、650ガル、また補強工事で1000ガル対応をしている伊方に揺れで壊れる心配はないと。ですから、南海トラフの場合は、津波で港が使えなくなる可能性はあるけれども、過酷事故につながる可能性がないので、その場合は避難する必要が生じないということになります。

 一方、過酷事故が起こるとするならば、伊方前面海域での強烈な揺れということになりますので、ただしこの場合は南海トラフではないですから、津波が発生しませんので、港は使えるということになりますから、当然のことながら、港が使えるということで、過酷事故が発生した場合の船による避難というのは現実的であろうというふうに思います。同時に発生するというのは、それはゼロパーセントとは言わないですけれども、そもそも地震のメカニズムが全く異なります。震源地も違う。そして、歴史上同時に発生したことは記録にありません。ただ、ゼロパーセントでないことだけを捉え、じゃあ意味がないというふうに片付けてしまうのがいいのか、それとも目の前の揺れが起こった時の過酷事故の方が、可能性としてはさっきの同時よりは高いわけですから、そのときは港が使えるので、そちらをしっかりと訓練を積み重ねる方を優先させるのがいいのか、ここは意見が分かれるところなんですね。われわれとしては、発生する可能性のある方に対してしっかり対策を打っておくことを優先すべきだというふうな判断をして、西側の方の海路を使った避難訓練を実施したところでございます。

 こういったことを一つ一つ丁寧に伝えきれていないということはあるんですけれども、これからも伝え続けていくことが大事だと思っています。もちろん、伝えようということはやっているんですけれども、なかなか情報というのは出しても届くかどうかは、これまた別問題なので、出したら終わりではなくて、常に今後とも丁寧に出し続ける努力を続けていくということが大事なことだと思っています。

 

(テレビ愛媛)

 訓練後の丸川大臣の来県の際に、複数の対応の一つとして屋内退避施設の充実をということを町長からも提案されたという話もあったが、このことについては、また引き続き、国に求めていくということか。

 

(知事)

 もちろん求めていきます。これは国の予算との絡みもありますので、大臣発言を受けて、しっかりとこれは要望を強めていって、その言葉どおりぜひやっていただきたいというアクションを今後とも強めて実現に結び付けていきたいというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 国の政府機関の地方移転に関し、先日、政府の中間の方針が決められたが、内容については、愛媛県からの海技研の移転の提案が生き残っているものの、組織であるとか、設備の面では困難であるという見通しとなっている。このことについて、どう考えているか。

 

(知事)

 そうですね、海技研は、検討というところには入っていますけれど、ご指摘のとおりですね、中身を見ますとですね、海技研は各分野を横断した一体的な研究を実施しており、移転によって研究機能が低下すること、所管の国土交通省との緊密性が必要であること、今治地方に造船分野の研究機能が集積しているとはいえないということ等の理由を挙げて、非常に難しいというふうなことを言われています。非常に残念な結果となったと受け止めております。

 そもそもこれは、国がですね、こうした機関の東京一極集中を正していこうとするもので、政治主導で行われている案件ですから、事務レベルになるとどうしてもこういうことになるんですね。できない理由がどんどん出てくると。そのギャップを感じざるを得ませんでしたね。ですから、これからどう政治的に処理していくのかまだ見えませんけれども、今の段階では、事務レベルでは、このような答えがあったと受け止めています。

 

(愛媛新聞)

 年度内に結論が出ると言っていたが、それまでには県としては、再提案とか行うのか。

 

(知事)

 そうですね。ただこれはどうなるか分からないですけど、あれだけこう、何というかこういうことをやるんだということを打ち上げていたんですが、中身を見ていますと、他の道府県の提案についても、その多くがうちと同じような理由なんですよ。で、移転自体は不可という結論になっていますので、現時点で、新たに移転が実現できそうなのは、1機関です。これは東京の国立健康栄養研究所を大阪府へ移転すると。今の段階では、これしか見込みが立っていないというのが実態でありまして、残念な状況ではないかなというふうに思っています。

 ただ一方で、当初の提案どおり、うちもかたくなにやっていても多分全然動かないと思いますので、国の方は自分たちの今やっている運営というのを視点にして、できない、できない、できないという論理だと思うので、われわれはですね、地元の造船業界の発展であるとか、競争力強化のために、こういうことが必要で、その中でこれが可能なんだという違った観点でね、引き続き、折衝を続けていきたいなというふうに思っています。

 

(日本経済新聞)

 タオルメーカーの一広が、今治タオルとして未認定だったタオルを出荷していたことについての知事の所感は。また、今治タオル全体への影響をどのように考えているのか。

 

(知事)

 まだちょっと実態が分からないんですけどね。私も業界の発展を願っていろんなところで吸水性が規格をクリアしたもののみ、さらに今治で生産されたもののみがこのマークを活用し、他とは絶対違うんだということをどんどんやってきましたんで、今回の件は残念に尽きます。

 ただ起こった以上は、一刻も早く対処していただき、またそういったことが二度と起こらないような方策を打ち出していただき、実施していただくということに尽きる。それをもって、逆に言えば、何かがあったらちゃんと正直にこういうふうに出すんだよということで、ピンチをチャンスに変えるじゃないですけども、信頼度を高めるようなことに結び付けてほしいなというふうに思ってます。

 

(愛媛新聞)

 県としては、組合に対して何か指導とかというものは行うのか。

 

(知事)

 今のところはちょっと詳細が分からないんで、いまの段階ではどうということはないです。もちろん県も調査に入っていますけども。

 

(愛媛新聞)

 TPP関連での質問になるが、経済効果の政府試算が今日示される予定で、報道ベースではGDPを14兆円押し上げるという数字が出ている。このことについての知事の受け止めを聞かせてほしい。

 

(知事)

 ちょっと僕はその数字をまだ見ていないんですが、効果に関して、県内企業の反応に興味があったのでアンケートを取っているのですが、県内では、好影響が23パーセント、悪影響が4パーセント、影響なしが73パーセントということなんで、まだよく分からないというのが実際のところだと思います。動いていかないとですね。

 特に影響があるだろうということが容易に想像つくのが1次産業の分野だと思います。このことについてしっかりとした対応を国はしていただきたいということを、この前も農林水産大臣が来県の折に申し上げさせていただきました。特にこれは国が決めたことでありますから、そこから生じるマイナスについては公約しております関係のこともありますからね、守りということに関しては国がしっかりと対応していただきたいと思います。

 そして、攻めということに関しては、地域も積極的に打って出る政策をやっていますので、これはまた、タイアップしながらやりたいというように、メリハリの効いた対応をお願いすることがこの前の大臣に要請した趣旨でありました。

 その中で、いろいろな予算もTPP関連で打ち出されておりますので、こういったことをしっかりと県でも上手く活用しながらですね、乗り越えて、マイマスの影響があるところについては乗り越えていきたいと思ってます。また、プラスのところについては、輸出関連が大きいと思いますけれども、これも業種によってばらつきがあるので、ちょっと今の段階で県内企業でどこがどうだということは、正直、把握できているのかといえば、まだ把握できていません。

 

(愛媛新聞)

 前回の2013年は、国の試算を受けて、県でも影響額を試算したが、今回も試算を行うと考えているのか。

 

(企画振興部長)

 影響額試算は国の発表が今日なので、中身について今すぐには分かりませんが、単純に国の影響試算というのは都道府県別を積み上げたようなかたちではないので。

 それを踏まえ、どういうふうな影響があるのかを、単純にそれを割り戻すというふうにもならないかもしれないし、しっかり影響を見極めて対応していく必要があると思います。

 

(テレビ愛媛)

 国の姿勢というか、元々TPPは農家を守りますよと強いことを言っているが、少し譲歩というか、受けざるを得なかった大筋合意だったかと思われる。

 先日、農林水産大臣が来県した際に、オレンジとみかんのすみ分けはできていますというような回答もあったが、国の受け止め方は、地方から見たら認識が甘いんじゃないかなという声もやはり農家から上がってきているが、そのあたりを見て、国の対応や体制をどう思うか。

 

(知事)

 そうですね。まだまだスタート時点ですから、この段階ではまだ甘いと思いますよね。

 だから、われわれも、これ本当にどの程度の影響が出るかは、さっきの試算の問題じゃないですけど分からないわけですよ。

 だから、今の段階でしっかりと対応した措置ができているというのは時期尚早だと思います。これから実際に動き始めていろんな問題が出てきますから、そこに現場感覚を持ってきめ細かく対応できて初めて、十分な対応ができたというふうに言えるんじゃなかろうかなと思いますね。

 

(愛媛新聞)

 そういうことも関連して、先日、国の補正予算が閣議決定されているが、TPP対策であるとか、あるいは内閣改造の目玉になった一億総活躍社会に向けてのビジョンというものは見えてきているのか。

 

(知事)

 そうですね、TPPの対策についてはですね、例えば、農地の汎用化であるとか、大区画化を意図した新たな予算配分であるとかですね、それから、畜産が前々から影響が非常に大きいだろうと言ってきましたけれども、畜産クラスター事業、これは地域ぐるみの畜産の収益性向上に結び付けるという、これも新たに出てきた。それから、この前選果機の問題でちょっと大臣に個別案件をお話ししたんですが、これは、それまでの制度では対象にならなかったものも、今回設定された産地パワーアップ事業というものを活用すれば組み込めるかなというヒントをもらいましたので、そういう意味では、新たな予算、前向きなところに使える予算というのが出てきているなというふうには思っています。

 

(愛媛新聞)

 一億総活躍社会はどうか。

 

(知事)

 一億総活躍社会は、まだよく分からないです。というのは、まだ地方創生との絡みがちょっと個人的によく見えないんですよね。地方創生というのがバーンと出てきて、まさに作業を地域ごとに行ってきてて、これはもちろん分権に至るまでの過渡的な措置としていいというふうな判断でやってるんですが、まだその検証、実績も出てないわけですよね。そこに一所懸命にやっているところにですね、ボーンと一億総活躍社会が来たんで、一体どういう整合性とかがあるのかというのがちょっと読み取れないところがあるんで、まだ評価のしようがないですね。

 

(愛媛新聞)

 先ほどのTPPの補正予算の関連で、これを踏まえて、さらに国に求めたいこととか、県として独自に上乗せしてやっていきたいことなどはあるか。

 

(知事)

 今のところはまだこの分析、今回、予算を当初も含めてですね、そちらに集中していますので、この段階で、さあそれに上乗せしてということは考えてないです。

 

(あいテレビ)

 国政で次の参議院選に向け、安保法制反対の一点に絞って野党統一候補を立てようという動きが県内でもあったり、逆に県外では実際に候補擁立を成功したという報道も見られるが、そういった動きに関してはどう思うか。

 

(知事)

 今の一強多弱といわれる状況では、ある意味では反対意見というものがなかなか浮上しないというような危機感が野党にあってそういう形が取られたんだろうと思いますけども、これは、そういう意味では自然な流れなのかもしれません。

 ただ、やる以上は何をもって統一、ブリッジが架かっているのかというのは国民に明確にする必要があると思います。

 

(あいテレビ)

 成功すると思うか。

 

(知事)

 分からないです、それは。

 

(愛媛新聞)

 先日、大阪市の橋下徹市長が退任し、いったん政界を引退するということだが、知事は橋下さんに対して、どのような評価をしているか。

 

(知事)

 政治の世界を知らないで、弁護士としての実績をもってですね、いきなり首長になられたわけですから、何というか、全ての事象、特に大阪の場合、大都市であるが故のいろんな問題点が蓄積されていたと思いますので驚きの連続だったと思いますね。それに対して国との折衝の問題も含めてですね、そんなものかなという視点は全くなくですね、これはおかしいというふうなことをストレートに世に問うてですね、問題点を浮き彫りにしていったということについては、非常に大きな役割を果たしてくれたんじゃないかなと思っています。

 特に二重行政の解消、大阪府と大阪市というのはまさにその象徴だと思うんですけども、それを訴え上げて大阪都構想という構想を打ち出しました。これはもちろん賛否両論があったわけですけども、他の地方都市では、都なんてという発想は規模からいっても難しいんですけども、大阪という規模を持っているが故に都構想というものを通じて二重行政の無駄を排斥しようというプランには非常に引かれたものがありましたし、また国からの制度改正を受けて動いていたのではなくて、地域レベルの現場からの意見の積み上げで構想を練ったというところに新しい胎動を感じましたので、個人的にはその実施というのを見てみたかったなというのは今でも変わりはありません。

 ただ、それを投げ掛けたことによって、多くの有権者が政治に関心を示したというのは住民投票でも立証されたのではなかろうかと思いますので、そういう意味では非常に新しい政治のスタイルを世に提示した実績というのは大きいものではなかったかなというふうに思います。そのエネルギーというのは、やはり自己保身がないというところに尽きるんだろうと思いますので、それであるが故に嫌われることも直言されてきたと思いますし、ただその手法が今までの政治家のスタイルとは違いましたので、既存の政治勢力からすれば極めて違和感をもって捉えられた側面があったことによって、いろんな激突が生じたのではなかろうかというふうに思っています。これからはフリーの身ですから、さらに一層言いたいことを言われるんじゃないんですかね。

 

(愛媛新聞)

 このまま引退され続けると思うか。

 

(知事)

 ただ、橋下さんが残した政治勢力というのは、橋下さんがあっての勢力だと思いますので、それは多分、本人の気持ちは別としても、時代の流れであるとか、そういった方々の中心とする人の要望であるとか、こういったものが集約されて、何らかの出番が出てこざるを得なくなるんじゃないかなというふうには個人的には思いますけどもね。

 

(あいテレビ)

 まだ流通間もないが、あかね和牛の評判や販売状況とかは把握しているか。

 

(知事)

 まあ、今年度は25頭ですからね。そもそも流通ということについていえば、極めて希少販売ですので何とも言えないですが、食べられた方は非常に評判良いですね。異口同音にむつこくない、おいしさが残ってあっさりしているので、どんどん量が食べれそうだと、こういう話はよく聞きますね。

 

(テレビ愛媛)

 今年1年、原発の重要な判断等しんどいこともあったと思うが、1年が終わり、迎える新年正月は、どのように過ごす予定か。

 

(知事)

 今年は正直言って前に申し上げたのですが、1年がすごく長く感じたんですね。それだけ密度が濃かったということもあり、課題も大きかったということもあるんでしょうけれども、ともかく長く感じましたので、やっぱりその中にずっと身を置いているとですね、発想力も貧困になってきますので、年末年始はちょっと休ませていただこうかなというふうに思っています。

 別にどこに行く予定も全くありませんので、自宅を中心にですね、のんびりと年末年始は過ごしたいなというふうに思ってます。風邪ももう引き終わりましたので、今日で大体完治ということですね。


AIが質問にお答えします<外部リンク>