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県職員に対する知事就任あいさつ

ページID:0010964 更新日:2014年12月5日 印刷ページ表示

日時:平成26年12月1日(月曜日)13時

場所:県庁第二別館6階大会議室

 

 本日から、2期目をスタートさせていただくことになりました。1期目は、瞬く間の月日の流れであったようにも思いますけれども、初めてのことでありましたから、そもそも公約自体も自分の頭の中でイメージした中で、作り上げたものでありました。ただ、きっとこのエリアにおいては、こうしたことを展開すれば、成長につながるのではないだろうか、あるいは、この分野に関しては、こうした取り組みをもってすれば課題を克服できるのではないだろうか、そんなイメージ的なものが中心でした。

 ただ、今回訴え続けたことについては、4年間、皆さんと共に取り組んだ現場体験、あるいは、地域の方々からお聞かせいただいた生の声、こうした非常に現実感覚、皮膚感覚のある中で、作り上げた公約でもありました。17日間、県内全域を走り回ってきましたけれども、今回は、4年間の思い出というものを感じながら訴え続けることができたのではなかろうかと思います。その中で感じたことは、4年間の実績の成果でありました。行く先々で、「地方局の職員がよう来てくれるようになった」、「市・町との連携が進んでいる」、「本当に話しやすくなった」など、いろんな声を聞かせていただきました。これからの時代を考えたときに、本当に上下関係ではなく、「チーム愛媛」で物事に取り組んでいく、新たな市町との関係をつくり上げることが必須であると思いましたし、また、五つの意識改革でも、待ちの姿勢では県民の期待に応えることができない、政策立案型行政への脱皮が非常に重要になってくるということを呼び掛けてまいりましたが、そうしたことを受け止めていただく中で、県庁の皆さんと一緒に多くの仕事をさせていただきましたけれども、まさに、その実績というものが、大勢の県民の心に届き始めていることを実感した17日間でもありました。

 今回、2期目の審判をいただきましたが、事程左様に、自分自身への期待ではなく、いわば、4年間、皆さんと一緒に取り組んだ実績に対する評価が得票という形で表れたのではなかろうかというふうに思っています。今回、4年間の見通しでいくつかの新たな公約を作らせていただきました。基本的には、1期目の延長でありますけれども、大きなステージとしては三つです。

 その一つは、この4年間に東日本大震災が発生し、そして、多くの人々の防災や災害に対する意識が大幅に変わったことを受け、その不安感を払拭するため、防災・減災対策というものが、最初の大きな分野です。とりわけ、この分野につきましては、全部局が関係してくると思いますし、また、県全体で取り組む共通課題もあれば、地域ごとの特性というものをしっかりと見極めた上で取り組んでいく個別課題もあり、大変広範な分野です。例えば、災害が起こったときに、初動で力になる地域のコミュニティ強化のために、自主防災組織や防災士の養成を呼び掛けてまいりましたが、まだまだ、これも道半ばです。災害が起こったときには、避難所となる拠点、県でたちまち思い浮かぶのは、県立高校でありますけれども、この耐震化率は全国最下位というような状況から、スタートしました。47.6パーセントの耐震化率も、来年の3月末には、82パーセントが視野に入ってまいります。平成29年度までには、全校舎の耐震化を完了させることも、一つの公約であります。またその避難所を運営していくためには、医師や看護師をはじめ、保健師、薬剤師、そして養護教諭の先生方、こうした方々のネットワークを構築しなければ、人々の期待に応えることはできない。これを充実していくのも、一つの課題です。

 また、個別の課題といたしましては、当然のことながら、南予地域は津波の対策。そして、その他の地域では、揺れの対策。これは、木造住宅の耐震診断から改修にかけてどういうバックアップをしていけばいいのか、知恵をひねらなければなりません。そして今回、全く新たに、公約として掲げましたのが、県民の命を救うためのドクターヘリの導入であります。このドクターヘリの導入に関しましては、特に山間部、島しょ部、へき地によっては、多くの方々が望んでこられました。担当部局は、ぜひこのことをしっかり受け止めて、愛媛らしいシステムの構築に邁進してもらいたいというふうに思います。

 二つ目の課題は、経済政策であります。今日は、円安、そして株高が進んでいるようですが、国の放った経済施策は、あくまでもカンフル剤。これは、言い続けてきたことであります。金融緩和にせよ、財政出動にせよ、いつまでもできる政策ではなく、また、これに頼りすぎた場合には、副作用が当然生じてまいります。その効果があるうちに、本当の意味での離陸をしなければなりませんけれども、成長戦略や地方創生の政策というのはいまだよく見えないのが現実であります。国の動向を待つという時代ではない。そんなことから、愛媛県では、「実需の創出」を合言葉に、県内の中小企業の技術力や、あるいは1次産業が作り出す高品質なものを側面的にバックアップする営業戦略という新たな考え方を導入しました。すでに、初年度の8億円、2年目の27億円、そして今年度は上半期で23億円でありますから、目標の50億円が視野に入ってきています。2期目では、これをさらに充実強化させ、100億円を目指していくということを公約に掲げさせていただきました。営業力の弱い県内の中小企業や1次産業を側面的に後押しするというのが、われわれに課せられた新たな経済政策である、ということを共有していただきたいと思います。そのためには、1期目でも呼び掛けましたように、「総合商社愛媛県」、その中で全員が専門分野は別として、「等しく営業マンたれ」という意識をより強く持っていただきたいというふうに思います。

 そして、三つ目の大きな課題は、少子高齢化に伴う人口減少問題への対応であります。この問題は、放置するわけにはまいりません。国の根幹、県の存続にかかる重要な問題であるからに他ありません。ただ難しいことは、結婚にせよ、出産にせよ、子育てにせよ、これは個人個人の自由意思でありますから、これをすれば確実に改善されるという政策があるわけではなく、気が付いたことをともかくやり続けることで対処せざるを得ないわけです。そんな中でこれまで実施してきた、縁結び事業や新たに提案した子育て相談体制の充実。あるいは、乳幼児医療制度の補助、そしてまた、保育所待機児童の解消等々と、やるべき課題は山積しておりますから、これも、丁寧に丁寧に結果を追い求めながら、出生率の改善という大きな目標にチャレンジをしていきたいと思います。

 以上が、大きな三つの柱でありますけれども、それ以外にも、国体の開催、あるいは、長年の継続課題である高速道路のミッシングリンク解消の問題等々やるべきことは山積をしております。これまで以上に力を結集していかなければなりません。ただ、4年間の経験からして、県庁マンはそれに応えてくれると思っています。「いやし博」の展開もそうでありました。そしてまた今年度行った「瀬戸内しまのわ2014」もそうでありました。日本で最大規模、そして日本で初めて、供用済みの高速道路を止めるというあのサイクリングイベントも、本当に大勢の県庁マンの結束によって無事に終了し、1期目の課題である「しまなみ海道を『サイクリストの聖地』に」という目標には到達できたのではなかろうかと思います。2期目では、これをさらなる観光振興に結び付けるべく、「愛媛県全体を『サイクリングパラダイス』にする」という二次的な戦略展開を図っていきたいと思います。それをもって、ぜひ、愛媛県の活性化に結び付けていくという最大の目標に向かって頑張っていきたいと思います。

 ただ一つ、今日はお願いがあります。年明け早々にですね、早々ではないかもしれませんが、原発の問題が浮上してくる可能性が出てまいります。これはですね、皆さんが県民の方から、「一体この問題、再稼働については、県はどういう風に考えているんだ」と唐突に質問を受ける可能性も出てきます。そのとき、県庁職員として、ばらばらの発言をされては、県民は混乱するばかりでありますから、等しくしっかりとした、県の現在までの対応、そして今置かれている状況、今後の展開について基本的なことだけは、全職員に語れるよう知識を身に付けておいていただきたいと思います。もちろん、専門的な部署ではない方々がほとんどでありますから、細かいところよりも、基本的なところであります。基本を申し上げますと、一貫して言い続けてきているのは、愛媛県の原発再稼働の方針につきましては、総合エネルギーをつかさどる国の方針はどうであるのか、これは責任問題、安全管理はどうであるかも含め、国の方針というのが第一。第二に、電力事業者たる四国電力の姿勢、これは県民に対する向き合い方、安全対策に対する取り組み方、こうしたことも含めた電力事業者の姿勢、この二つが県民の前にオープンに提示される中で、国が再稼働の要請をするかもしれません。そのときに初めて、本格的な議論が始まってまいりますけれども、これについては、いろんな意見があります。一つの意見に集約されることはないでしょう。だからこそ、県の姿勢というものの基本が大事になってまいります。立地地域の議論や周辺の議論、そして、県民の代表たる県議会での議論をそしゃくしながら、最終的には、自分自身でどっちにするかという決断を下すということになりますが、今、申し上げたように、最初の国の方針が示されていないという段階でありますから、再稼働については、現在の県の方針は白紙の域から一歩も出ていないと。これが今の現実であります。国の方針、電力事業者の姿勢、そして、県民の議論、これを受けて最終的に知事が判断していくという中で、その第一の、国の方針が出ていない現段階では、白紙であるというのが公式見解でありますから、これはぜひ、皆さん等しく、県民の皆さんに誤りなく伝えていただきますようにお願いしたいと思います。

 その中で、注意点が二つあります。よく「福島と同じ事が」という議論に巻き込まれますけれども、福島と伊方の場合は、立地条件が全く異なります。特に一番異なるのは、福島のようなプレート型の海底構造ではありませんので、津波の心配はないということであります。福島の場合は、前面に1万メートルの水深を抱えるプレートがあり、当然のことながら、歴史的にも10数メートル、20メートルの津波が幾度か押し寄せてきた場所に立地していました。丸飲みされたというのは、そういう背景があったからに他ありません。伊方の場合は、内海側で、最大規模の南海トラフでも、2メートルから4メートル、前面海域で起こっても、4メートル程度でありますから、その場所であった上に、海抜10メートルの所に立地していますので、同じことが起こるという可能性はないわけであります。ただ、揺れということに関しては、全く同じリスクを持っている。これは事実であります。原発は絶対安全なものではない。そういう中で、国が安全審査をしていますけれども、愛媛県は全国の立地県の中で、唯一、県独自で電力事業者に対して7項目にわたる独自安全対策を要請している県であります。それが、原子力本部の香川県から愛媛県への移転であり、そして独自に実施する揺れ対策であり、そしてまた、「国が求めた電源対策だけでは足らない。県の要請に従って、もう1ルート電源対策を追加せよ。」こういったようなことを突き付けてまいりました。こうしたことも、ぜひ県民の皆さんに正しく伝える役割を県庁職員の皆さんそれぞれが担っていただきたいと思います。

 以上、課題は今申し上げたように、全庁にまたがって山積しています。しかし、本当に一人ひとりのマンパワーは、非常に高いと思いますので、自分の役割は、どう、その皆さんのポテンシャルを、チームワークの中で発揮していただくか、その環境をつくっていくことに尽きます。また4年間という月日の中で、自分自身も全力で頑張ってまいりますので、愛媛県の発展、そしてまた、県民の幸せを願いながら、また皆さんと仕事をさせていただきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたしまして、2期目スタートに当たっての挨拶とさせていただきます。


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