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平成22年度新規採用職員辞令交付式知事あいさつ

ページID:0010916 更新日:2018年1月12日 印刷ページ表示

日時:平成22年4月1日(木曜日) 10時

場所:本館4階 正庁

 

ただ今、愛媛県職員としての新規採用の辞令を交付させていただきました。たった一枚の薄い紙切れですが、これが愛媛県と皆様方との間の三十数年間にわたる雇用契約の証しであります。ある意味で、皆様方が愛媛県を選ばれたことについては、これが正解だと思っておられる方が多いと思いますが、県の立場からすると、この雇用契約が正しかったかどうかは、これから三十数年間にわたる皆様方の勤務を通じて、将来証明されることになります。
昨日、愛媛県を退職する190名に退職感謝状を交付し、見送らせていただきました。その方々が欠けた後の新規補充要員としてここにいらっしゃる47名の方が、退職された190名の代わりの仕事を行うことになります。ちょっと計算してみてください。190を47で割るとおよそ4です。ということは、昨年1年間、県が提供した行政サービスを単純に量だけで計れば、皆様方に4倍の仕事をしてもらわないと計算が合わなくなります。また、御承知のように、今、国は借金だらけで、地方も厳しい財政難に見舞われています。国民や県民は自分たちの私生活の不平や不満を持っていく場所がありませんから、それを制度にぶつけ、あるいは県や市町村にぶつけるというように、批判の矛先が国や地方自治体に向いておりますけれども、県は、財政難のために厳しい運営を余儀なくされています。そういう中でのチャレンジですから、皆さんにとって賢明な選択だったかどうかというのは、皆様自身がこれから体感することになろうかと思います。決して、皆様方に4倍の仕事をしてほしいとは申しません。ただ、少なくとも、県民の負託に応えて、県行政あるいは県政の歩みの中で、自分の持てる力を発揮し、ベストを尽くしていただきたいということをお願い申し上げます。
現下の状況は、リーマンショックに端を発した世界経済不況の中、日本経済もやや立ち直りの兆しを見せておりますが、大きな社会問題になっているのは、この4月に学校を出たけれども、職が得られない若い人たちの雇用をどうするか、ということです。新しい働き場所を確保するためには、雇用の基礎となる産業を興していかないといけない、これが当面の大きな課題であるとともに、少子高齢化の中にあって、高齢者の医療、介護、福祉といった状況も整備していかなければならない。また、子育てのためにどれだけの応援ができるかなど、様々な課題を抱えております。
私は、愛媛県政の中で、「愛と心のネットワーク」を訴え続けて参りました。全て税金でやってください、国がやってください、県がやってください、そういった「御上(おかみ)」依存の体質ではなくて、自分たちでできることは自分で、地域で助け合えることは地域で、そして、最後に力が及ばないところは政府や県、市町村が補佐をする、そんな形でなければ、この国は、あるいは仕事自体が成り立ちません。その意味で、第3期加戸県政では「輝くふるさと愛媛づくり」と銘打って、県民全てがお互いに助け合い、支え合うことができる社会づくりを目指しております。私の任期もあと1年を切りました。次の知事が新しい命題を掲げると思いますが、当面、愛媛県政は今申し上げたようなコンセプトの中で、皆さんと共に仕事をしていくことになると思います。
本県が生んだ正岡子規と並んで、偉大な俳人と言われております高浜虚子の句に「春風や闘志いだきて丘に立つ」があります。11年前、県知事に就任した時に、自らの気持ちを表現した句でもあります。どうか、厳しい状況の中にありますけれども、逆に、県民から寄せられている大きな期待に応える闘志を抱いて、春風を受けて頑張っていただければと思います。
皆さんの健闘を祈ります。

 

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