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平成22年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010913 更新日:2018年1月12日 印刷ページ表示

平成22年1月4日(月曜日) 10時

県庁第二別館6階 大会議室

 

皆さん、明けましておめでとうございます。あいさつが少し長くなりますので、どうぞお楽な姿でお聞きください。昨年は激動の一年でしたが、例年に比べて短い年末年始の期間でございましたけれども、皆さん、家族団らんのもと、休養をとられて、新しい一年に備えられたことと存じます。さわやかな今日の天候のように、今年一年がさわやかに皆さんと一緒に仕事が進められればと願っております。今年は庚寅の年と言われておりまして、ものの本によりますと、改革を継続して新たな道筋をつける意義深い年になるということでありますので、そうあってほしいと念じております。
昨年は漢字で「新」、新しいという言葉が選定されました。新政権の誕生という画期的な変革がありましたし、またそれを受けて、戦後政治の大転換という形で、事業仕分け等のいろいろの事柄もあり、愛媛県にも少なからず影響を及ぼした面もございました。また、新型インフルエンザが本県におきましても蔓延いたしましたし、高速道路料金の割引とか、裁判員制度の創設とか、新しい事柄が次々ありました。更には、一昨年のリーマンショックに端を発しました経済不況が本県にも大きな景気低迷となって影響をもたらしましたし、経済面でも円高・デフレの傾向が進行し、場合によっては本年二番底の懸念すらささやかれております。本県でも雇用が大変悪化いたしておりまして、特に高校新卒業の若者の就職が大変心配でもあります。そして、地域医療の崩壊が様々なひずみをもたらした一年でもありました。そうした中にありまして、皆様方におかれては、それぞれの司、司において、4年間に及ぶ給与カット、そして昨年のボーナスカットと大変苦しい思いの中で懸命にがんばっていただきまして、立派な成果を収められたことに心から感謝の意を表し上げたいと存じます。
景気雇用対策では、昨年1月に緊急雇用対策本部を設置して以来、過去に例のないことでありますが、1月及び5月に臨時県議会を召集いたしまして、緊急雇用対策の措置を講じ、そして特に中小企業に対する支援の面では、大幅な融資拡大によって、中小企業の倒産を最小限に止めることができたのではないかと思っております。
大きな事柄としての地域医療対策がございました。愛媛大学の地域医療学の講座を設置していただくほか、地域医療枠で入学される本県の学生に、医師確保のための奨学資金の貸与を開始いたしましたし、八幡浜・大洲圏域並びに宇摩圏域での地域医療再生計画を策定していただきました。懸案の県立三島病院の譲渡先の優先交渉権者も公立学校共済組合に決定いたしました。また、4月に新型インフルエンザ危機対策本部を設置いたしましたが、これはかなり長期戦の構えになるであろうと想定いたしております。
地域活性化関連としましては、何と言いましても、しまなみ海道開通10周年事業がございまして、4月からの半年間、特に高速道路料金割引と相まちまして、大幅な賑わいを創出できたことは喜びでもございます。農林水産業の振興に関しましては、ひじきの養殖協定の締結でありますとか、本県が誇る「甘とろ豚」の名称を決定いたしまして、全国ブランドとして強力に売り込みをかけたいと思ってもおります。このほか、愛媛スイーツコンテスト等様々な試みがありました。産業面では、セルコソーラーエナジーの企業立地が決定いたしましたほか、様々な企業の進出によって、それぞれの地域での活性化が期待できるところでもあります。ほかにも、松山・上海便の就航5年、特に上海便の存続というのが大きな課題でありましたが、なんとかしのぎきって未来へつなげたいと思っております。また、愛媛マンダリンパイレーツへの出資ということもございました。
懸案で大きな事項でありましたのが、西条工水の経営改善計画でありまして、企業で言いますと二百数十億円の損切りに相当するわけでございますが、衣替えをして建て直しを図ることができました。教育委員会では歴史教科書の採択ということもございました。
一方、暗いニュースとしましては、国庫補助事業に関連いたしまして、会計検査院のメスが入り、不適正経理の発覚にともなって全庁調査を行って、その結果を公表させていただきました。出納事務局を始め、皆さん方にご苦労をかけましたが、古い体質を改めて職員一丸となって県民の信頼回復に努めてまいりたいと思っております。
明るい話題としては、結婚支援センターで約1,000組を超えるカップルが誕生し、そのうちすでに11組の結婚に結びつけられてもおります。今年はより多くの結婚が生まれることと期待をいたしております。また、とべ動物園では開園以来、1,300万人の入園を達成し、白熊ピースが10歳になったことを始め、アフリカゾウの砥夢(とむ)君が誕生し、あるいはトラの赤ちゃんオス3匹が誕生いたしました。
県の文化・スポーツ賞で、年初に「悼む人」の天童荒太氏を、そしてスノーボードの青野令さん、それから世界陸上選手権でメダルをとられた村上幸史選手等々の活躍された皆さん方に賞を進呈できたことも喜びでございましたし、特に玉春日関が引退されて楯山親方を継承され、特別功労賞を進呈させていただいた次第でもあります。
今年はこれらの昨年の事項を受けまして、取り組むべき多くの課題が山積もいたしております。今までは、どちらかというとトップダウンで言わなければなかなか物事が動かなかった初期に比べますと、今日はボトムアップで皆さん方の知恵と工夫と創造とアイデアで多くの事項が進展していることを大変喜んでもおりますし、こういった意気込みを今年も続けていただければと願っております。
基本的には財政状況に鑑みまして、財政構造改革4年間の予定を1年繰り延べまして継続するということで、将来への道筋をなんとかつけれればと願っておりますが、このことはとりもなおさず、なお皆様方に様々な負担、ご苦労をかけることになろうかと想定いたしております。社会資本整備に関しましては、3月に宇和島道路が開通いたしますし、また西予宇和から宇和島北までの南予高速道路は順調に進行する予定でございますが、その先の展望は開けておりません。特に、山鳥坂ダム建設の問題に関しましては、予算の執行停止がございましたし、このことについては粘り強く国の理解を求めていく必要があろうかと思っております。
経済対策の面では、何と言いましても、3月に本県の経済成長戦略を策定する予定でありまして、4つの分野に特化して県としての道筋をつけ、取り組んでまいりたいと思っております。2月には農商工連携ファンドが創設されます。また、4月には紙産業特別コースが紙産業研究センターの施設を活用した形で、愛媛大学のコースがスタートいたします。昨年の暮れに始まりましたスペシャルドラマ「坂の上の雲」、このムードを活用いたしまして、松山市を先頭として本県の観光振興に取り組む必要がございますけれども、議員立法によるお接待の心観光振興条例と相まって、本県を全国に大きく強く発信する絶好のチャンスであろうかと思っております。伊方原発に関しては、担当の皆さん方にご苦労をかけましたが、国の安全安心耐震指針に基づく安全確認が行われれば、2月にも稼動がスタートすると見込まれてもおります。11月の原子力安全監視センターの開所と相まちまして、県民への不安を解消しながら、安全第一でのプルサーマル計画の進捗を願っております。
文化・スポーツ面では、私の願いでもありました愛媛オペラが10月に「ラ・ボエーム」の演目で開催される予定であります。このほか愛媛国体へ向けての準備も様々な形で進捗いたしますが、特にバンクーバーオリンピックでのスノーボードの青野令選手、あるいはワールドカップ南アフリカ大会での長友佑都選手の活躍、大きく期待いたしたいと思っております。愛媛マンダリンパイレーツも6年目、愛媛FCも5年目のシーズンを迎えますが、奮起を願っております。それから、先ほど申し上げた「愛媛甘とろ豚」をはじめといたしまして、「愛」あるブランド産品の普及促進のためには、皆様方全員のお力をお借りしたいと思っております。
このほか、医療技術大学が独立行政法人化4月からスタートいたします。また5月には中央病院の新本院の新築起工式が行われる予定です。10月の国勢調査では多くの方々にまたご苦労をおかけいたします。
以上を踏まえまして、今年のキーワードとして年初のテレビ番組では一言で漢字で結ぶ、「結」というのを私の抱負とさせていただきました。これはこういう厳しい状況の中にありまして、愛媛県を支え前進させるには、全ての県民の心を結束させ、一致協力して立派な結果を出すべき年であると認識したからであります。と同時に、私にとりましても、12年間に及ぶ加戸県政の最終年でもありますだけに、いい結果で結実させたいという願いを込めてもおるわけであります。前漢の王劉安という方の言葉に「万人の更ゝ(こもごも)進むは、百人の倶(とも)に至るに如かざるなり」という言葉が淮南子の中にあります。これは百四十数万の県民がバラバラでそれぞれ前進するのに比べれば、百人であっても一緒に目指したものに到達することができれば、実績ははるかに上がるであろうということを意味いたしてもおります。どうか、一致結束をして愛媛の未来へ向けての、今年一年のお働きを心からお願い申し上げます。
県政のスローガンといたします、ふるさと愛媛の「輝くふるさと愛媛づくり」のために県民、並びに県職員の力を結集して「愛と心のネットワーク」で地域や人を結びつける、そういう加戸県政最終年のために最後の力をお貸しいただければと思います。皆様方のご尽力に心から期待申し上げ、年頭のあいさつといたします。どうかよろしくお願い申し上げます。

 

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