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平成20年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010859 更新日:2018年1月12日 印刷ページ表示

平成20年1月4日(金曜日) 10時

県庁第二別館6階 大会議室

 

あけましておめでとうございます。平成20年の仕事始めに当たりまして、あいさつを申し上げます。
原油価格が史上最高の1バレル当たり100ドルを超えるという、あまり環境のよくない中で新年のスタートを切り、国際経済、日本経済にとって厳しい船出かなという感じは正直いたしております。
いずれにしましても、この年末年始の間に皆さん、それぞれ休養を取られ新しい年へ向けての新たな決意、想いを抱いて今日は登庁されたことと思います。皆さんのお力を借りながら、愛媛県政、平成20年の歩みを確かなものにしていきたいと思っております。
十干十二支では、今年は「戊子(つちのえね)」の年と言われております。「戊」は樹木が繁茂することを意味しておりますが、茂りすぎて、その枝や葉が樹木の成長を妨げ、間伐を必要とする。そんな意味もございますから、更に無駄を省きながら、県民の望むいい方向へ行政を進めていく、ピッタリの年かなという気がします。
十二支の「子」のねずみは繁殖力が旺盛で、これから大いに伸びていくという意味も持っております。ですから、新しい芽が吹き出して新たな生命力を培う年であるとも言われております。十干十二支を県政に当てはめれば、無駄を排して、それぞれ重点的に愛媛の未来に繋がる施策の芽を出していく年と理解できますので、財政構造改革3年目を迎える愛媛県にとって、今年一年を示唆するにふさわしい十干十二支、「戊子」の年であろうと思っています。それぞれの部局で多くの課題を抱えており、仕事の軽重、濃淡の差はあっても、職員全員が一丸となって、愛媛の未来づくりに踏み出す年でもあります。
昨年末、仕事納め式では一年の回顧をいたしました。仕事始めですので、今年一年の展望をさせていただきます。
まず、愛媛が元気に羽ばたいてもらいたい。そんな意味の“躍動えひめ”に関しては、3月に9年先の愛媛国体会場地の第2次内定が発表され、大まかな方向性が決まります。
それから、11月には「愛媛教育の日」が制定されることになっております。御承知のように、文部科学省に勤めていましたので、教育に対しては特別な思いがございます。政治も経済も教育も、あらゆるものはそれ自体が人間の目的ではありません。社会の中で進むべき道を方向付けるための手段にしか過ぎないと、私は思っております。ですから、この「愛媛教育の日」の制定は、どのように教育をするかということを主眼としたものではありません。むしろ愛媛を誇りにし、人に対する思いやりを持ち、お互いに助け合う、そんな県民が多く集うことこそがあるべき姿であり、これを実現するための一つの手段であろうかと考えています。この「愛媛教育の日」制定に向かっての活動、並びに制定された後の愛媛における教育が高く評価され、世界の範となることを強く期待いたしております。
二つ目のジャンルが“共生えひめ”。共に生きる愛媛というテーマを掲げておりますが、この分野では、御承知のように社会保障に関して多くの課題があります。国の財政、地方の財政を大きく圧迫しているのが、この社会保障関係経費です。抜本的な税制改正なくしては、この問題の解決はありえないと私は思っておりますが、当面は、今の状況の中で愛媛の進むべき道を示し、また、歩んでいかなくてはなりません。
こうした中、保健福祉部においては3月に地域保健医療計画、がん対策推進計画、健康増進計画、そして医療費適正化計画などが策定、または改定されます。一つの目標ですから、その通りになるわけじゃありませんけれど、現在の置かれた環境の中で愛媛の進むべき社会保障の道を示すことになります。そういった点で、非常に大きな意味合いを持つものと私は思っております。
乳幼児の医療費助成に関しましては、これから県議会で御審議をいただくわけでございますけれども、6歳児までの入院、3歳児までの通院に関する日本でトップクラスの医療費助成を維持した上で、通院費についても6歳児まで助成対象とします。県財政、地方財政が厳しい状況下、若干の負担を求めることになりますけれど、子育て支援の大きな一歩であり、期待をいたしております。
第三のジャンルの“快適えひめ”。私たちが住んでいるこの愛媛の社会が快適であるように、県議会の御理解を得た上で、4月に野生動植物の多様性の保全に関する条例の制定、公布を予定いたしております。自然の中での動植物を大切にしていくこと、これは人間社会を大切にしていくことと同等に必要な、重要な事柄でもあり、私たちが誇りに出来る愛媛の社会づくりのために、意義深いものだと思います。
それから、例年のこととなりましたが、今年もサマーボランティア・キャンペーン、あるいはウィンターボランティア・キャンペーンを実施する予定です。昨年はサマーボランティアだけで3万人を超える参加者がありました。ウィンターボランティアは1月末までですから、まだ数字は出ておりませんけれども、この数字がどんどん大きくなっていくこと、そしていずれの日にか、県民すべてが何らかの形でボランティア活動に従事していただいて、すべての人がお互いに助け合い支えあうという理想の社会、ユートピアになればと思います。ユートピアの原義は「この世に存在しない社会」です。しかし、存在しない社会にいくらかでも近づくような努力をすることが大切で、愛媛のボランティア・キャンペーンが全国に広がっていくことを期待しております。
四つ目の分野を“活力えひめ”と称しておりますが、とにかく元気を出すことであります。この面では雇用の拡大が喫緊の課題であり、地道な取り組みと同時に、今年も3月には首都圏・近畿圏で「えひメッセ商談会」を開催しまして、愛媛の産品、あるいはノウハウ等を、大いに全国に発信したいと思っております。
そして、何よりも10月には全国育樹祭を開催いたします。愛媛が全国に誇る木造の県武道館を式典会場として、屋内で実施する初めての育樹祭となります。育樹祭の開催は、森林そ生元年を掲げてスタートした加戸県政の中で大きな意味を持ちます。皇族殿下御来県の下に開催されるこの育樹祭が、愛媛に大きな活力を与え、県民に喜びを与えるものとなり、成功いたしますことを念願しております。
五つ目の“交流えひめ”の分野では、肱川流域の支流、久米川の災害復旧事業が完成する予定で、一つホッとしたところでもあります。
また、本県が誇るとべ動物園が、この4月に開園20周年を迎えます。先日、私も孫たちを連れて参りましたが、全国でも珍しいくらいたくさん動物の赤ちゃんが昨年生まれ、みんなすくすくと成育して遊んでいました。ゾウの媛ちゃん、そしてライオンのリリーちゃん、バリーちゃん、レッサーパンダの喜喜ちゃん。愛媛の子どもたちが健やかに育つ象徴のようで大変うれしく思っておりますし、日本一の家族愛に満ちた、子育て上手な動物園という評判も得て、北の旭山動物園、西のとべ動物園、東西の両横綱として高い評価をいただければと願っております。
その他の分野としては、移住促進型観光推進事業を2月に実施します。観光で愛媛に来た方がそのまま住み着くという保証はありませんけれども、少なくとも愛媛の自然の素晴らしさ、人情のすばらしさを全国に喧伝していただくきっかけにもなるかと期待しております。
大きな流れとしては、今年度3月までに国土形成計画が策定され、それに基づく四国版の計画も年内には策定される予定で、愛媛の将来の方向性を示すことになろうかと思ってもおります。
新春のテレビ番組等で、今年のキーワードとして「我慢坂に自慢坂」と述べさせてもらいました。昨年、小泉元総理が参議院選挙を皮肉った、「政治の世界には上り坂もあれば下り坂もある。そして、“まさか”という坂もある。」という言葉からの連想ですが、「坂の上の雲」になぞらえまして、今年一年、私は愛媛県政の歩む道を「我慢坂」と「自慢坂」にさせていただきました。「我慢坂」は申し上げるまでもありません。財政構造改革を進め、行政のスリム化、簡素化、効率化を求めていきますから、県庁職員の皆さんにはいろいろな御苦労、御負担を強いることになります。特に地方局の再編成では、5局体制が、中予地方局、東予地方局、南予地方局の3局体制となりますから、今まで以上の行政サービスの確保が必要となります。そして、これらをひっくるめての「我慢坂」の中に、さきほど申し上げました、愛媛が誇るもの、「日本一やで、四国一やで、西日本一やで、世界一やで」と言って自慢できる材料をたくさん見つけ出す。そういった「自慢坂」でありたいという願いを込めて、今年のキーワードとさせていただきました。
実は、今、生涯学習センターで、昨年の12月15日から今年の3月9日まで「政尾藤吉展」が開催されております。大洲の生んだ偉人で、タイに渡って、タイの近代法整備に力を尽くされた方で、山田長政以上の名声をタイで得られている政尾藤吉の名前を記憶する愛媛県民は少なくなっております。かつて地元放送局の専務をされておりました故池内央(ひろし)さんから、この愛媛が生んだ偉人を県民の皆さんに再認識してもらいたいとの相談がありまして、いろいろな遺品や、資料の収集を行いました。宇和島出身の穂積陳重(のぶしげ)、八束(やつか)の兄弟など、日本の法制度の礎を作られた本県出身の偉人がいらっしゃいますけれども、タイへ渡り、その国のために大きな貢献をされた郷土の人がいるんだという事実を、愛媛県民みんなに認識してもらえればありがたく、志を高く持っていただければと思っております。
輝くふるさと愛媛づくりのために、一年間、私も先頭に立って、老骨に鞭打って頑張ります。私よりもはるかに若い皆さんです。息を切らさないで私のあとからついてきていただきたい。そして、愛媛の未来を築くすばらしい年として、この一年の終わりを迎えたいと期待いたしております。辛抱を強います。我慢を強います。しかし、その中に、本当に私たちが自慢できる愛媛を作るために頑張りましょう。よろしくお願いします。
ありがとうございました。

 

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