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愛媛県防災対策基本条例

ページID:0014462 更新日:2023年11月14日 印刷ページ表示

目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 災害予防対策
 第1節 県民の役割(第9条―第12条)
 第2節 自主防災組織の役割(第13条―第18条)
 第3節 事業者の役割(第19条―第22条)
 第4節 県及び市町の役割(第23条―第35条)
第3章 災害応急対策
 第1節 県民の役割(第36条―第38条)
 第2節 自主防災組織の役割(第39条)
 第3節 事業者の役割(第40条・第41条)
 第4節 県及び市町の役割(第42条―第44条)
第4章 復旧及び復興対策(第45条)
第5章 防災対策の計画的な推進等(第46条―第49条)
 附則
 平成16年に愛媛県を襲った一連の台風が、26名の尊い命を奪い、県内に甚大な被害をもたらしたことは、県民の記憶に深く刻まれている。
 また、平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、想定を超える巨大な地震と津波により我が国に甚大な被害をもたらしたばかりでなく、福島第一原子力発電所の事故を引き起こし、私たちは、災害の脅威をあらためて思い知らされたところである。
 こうしたことから、近い将来、発生が危惧されている南海トラフを震源とする地震をはじめ、津波災害、土砂災害、原子力災害などの様々な災害から、県民の生命、身体及び財産を守るためには、県民、自主防災組織、事業者、県及び市町が、平素から最悪の事態を想定し、万全の対策を講ずることの重要性を認識した上で、より一層、防災対策を推進し、地域防災力を向上させることが必要である。
 これまで、県及び市町では、災害対策基本法及び地域防災計画等に基づき、防災対策を講じてきたところであるが、被害を最小限に抑える「減災」の考え方を基本とした防災対策を進めるためには、年齢、性別、障害の有無その他支援を要する者の事情に配慮しつつ、行政による防災対策の充実はもとより、県民自らが災害への備えを実践し、災害に強い地域社会づくりを実現させることが不可欠である。
 ここに、私たちは、県を挙げて防災に取り組み、災害から命と暮らしを守り、安心して生活することができる地域社会を築くため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、防災対策に関し、基本理念を定め、並びに県民、自主防災組織、事業者、県及び市町の責務を明らかにするとともに、災害予防対策、災害応急対策その他の防災対策の基本となる役割を定めることにより、防災対策を総合的かつ計画的に推進して地域防災力を強化し、もって災害に強い地域社会づくりに寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 (1)災害 災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第2条第1号に規定する災害をいう。
 (2)防災 法第2条第2号に規定する防災をいう。
 (3)防災対策 防災のために行う対策をいう。
 (4)地域防災力 地域における防災の能力をいう。
 (5)自主防災組織 住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織をいう。
 (6)要配慮者 高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人、旅行者その他の特に配慮を要する者をいう。
 (7)避難行動要支援者 要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合(以下「災害時」という。)に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するものをいう。
(基本理念)
第3条 防災対策は、県民が自らの安全は自らで守る自助を実践した上で、地域において互いに助け合う共助に努めるとともに、県及び市町がこれらを補完しつつ公助を行うことを基本として実施されなければならない。
2 防災対策は、県民、自主防災組織、事業者、県及び市町がそれぞれの責務と役割を果たし、相互に連携を図りながら協力して着実に実施されなければならない。
3 防災対策は、災害時において人命を守ることを最も優先させること、及び災害の発生を常に想定し被害の最小化を図る減災の考え方を基本として実施されなければならない。
4 防災対策は、あらゆる事態を想定し、防災対策の主体が災害の発生に備えるための措置を優先的に講ずることを旨として実施されなければならない。
5 防災対策は、被災者等の年齢、性別、障害の有無その他の事情に配慮しながら、その時期に応じて適切に実施されなければならない。
(県民の責務)
第4条 県民は、前条に定める防災対策についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、自ら防災対策を実施するよう努めるものとする。
2 県民は、基本理念にのっとり、平常時から災害に関する危機意識を持って、自己の安全の確保に努めるとともに、地域における自主防災組織等の防災活動に積極的に参加するよう努めるものとする。
3 県民は、基本理念にのっとり、県又は市町が実施する防災対策に協力するよう努めるものとする。
(自主防災組織の責務)
第5条 自主防災組織は、基本理念にのっとり、災害及び防災に関する知識の普及啓発、地域における安全点検、防災訓練その他の災害予防対策を実施するよう努めるとともに、避難、救助、初期消火その他の災害応急対策を実施するよう努めるものとする。
2 自主防災組織は、基本理念にのっとり、県又は市町が実施する防災対策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、来所者、従業員及び事業所の周辺地域に生活する住民の安全確保を始め、災害時において事業を継続することができる体制を整備するよう努めるとともに、地域の防災活動に協力するよう努めるものとする。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、災害応急対策を実施するよう努めるものとする。
3 事業者は、基本理念にのっとり、県又は市町が実施する防災対策に協力するよう努めるものとする。
(県の責務)
第7条 県は、基本理念にのっとり、県民の生命、身体及び財産を災害から守るため、国、市町その他の関係機関等と連携し、防災対策に関する総合的かつ計画的な施策の推進に努めるとともに、県民、自主防災組織等、事業者及び市町が行う防災対策への支援に努めるものとする。
(市町の責務)
第8条 市町は、基本理念にのっとり、基礎的な地方公共団体として、県、自主防災組織その他の関係機関等と連携し、当該市町の地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から守るための施策の推進に努めるものとする。
第2章 災害予防対策
第1節 県民の役割
(防災知識の習得等)
第9条 県民は、防災訓練及び研修等に積極的に参加して、災害の種類ごとの特徴、予測される被害、災害時にとるべき行動その他の防災に関する知識を習得するよう努めるものとする。
2 県民は、自ら生活する地域において、災害が発生するおそれのある箇所、避難場所、避難経路その他の災害に関する情報を掲載した地図(以下「防災地図」という。)等により、土砂災害、浸水被害、津波被害その他の災害に関する危険箇所を把握するよう努めるとともに、災害時における避難場所、避難経路、避難方法その他の安全の確保に必要となる事項について、あらかじめ確認しておくよう努めるものとする。
3 県民は、地域における過去の災害から得られた教訓を伝承し、防災活動にいかすよう努めるものとする。
(建築物の安全性の確保等)
第10条 建築物の所有者は、当該建築物について、建築に関する法令に基づき耐震性の診断を行うよう努めるとともに、その診断結果を踏まえ、耐震改修その他の適切な措置を行うよう努めるものとする。
2 県民は、家具、窓ガラス等について、転倒、飛散等による被害の発生を防ぐための対策を講ずるよう努めるものとする。
3 ブロック塀、広告板その他の工作物及び自動販売機(以下「工作物等」という。)を設置しようとする者は、当該工作物等の耐震性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、当該工作物等を定期的に点検し、必要に応じ、補強、撤去等を行うよう努めるものとする。
(生活物資の備蓄等)
第11条 県民は、食料、飲料水、医薬品その他の生活物資を備蓄し、及びラジオ等の情報収集の手段を確保するよう努めるとともに、避難の際に必要な物資を持ち出すことができるように準備しておくよう努めるものとする。
2 県民は、災害を未然に防止し、及び災害が発生した場合における被害の拡大を防止するため、消火器その他の必要な資機材を備えるよう努めるものとする。
(避難行動要支援者からの情報の提供)
第12条 避難行動要支援者は、自主防災組織等及び市町に対し、あらかじめ避難の際に必要な自らの情報を提供するよう努めるものとする。
第2節 自主防災組織の役割
(防災意識の啓発)
第13条 自主防災組織は、地域住民に対し、防災意識の啓発及び高揚を図るための研修等を行うよう努めるとともに、その構成員を、県、市町等が行う災害及び防災に関する講座等に積極的に参加させるよう努めるものとする。
(災害危険箇所の確認等)
第14条 自主防災組織は、県、市町等が提供する災害及び防災に関する情報を活用し、地域における災害危険箇所並びに災害の発生の危険性及びその態様を確認するよう努めるものとする。
2 自主防災組織は、あらかじめ、防災地図等により、災害の態様に応じた避難場所、避難経路、避難方法等を確認するよう努めるものとする。
(防災訓練の実施等)
第15条 自主防災組織は、少なくとも年1回は、地域住民が主体となった防災訓練を実施するよう努めるとともに、市町等が行う防災訓練に積極的に参加するよう努めるものとする。
(避難行動要支援者の避難支援等に関する体制の整備)
第16条 自主防災組織は、避難行動要支援者の生命及び身体を守るため、市町が行う避難行動要支援者の避難支援等に関する体制の整備に協力するよう努めるものとする。
(資機材等の備蓄)
第17条 自主防災組織は、初期消火、負傷者の救出及び救護その他の応急的な措置に必要な資機材及び物資を備蓄するよう努めるものとする。
(市町等との連携等)
第18条 自主防災組織は、市町、事業者及び関係機関等と連携しながら、地域の実情に応じた災害予防対策を円滑かつ効果的に実施するよう努めるものとする。
第3節 事業者の役割
(安全を確保するための計画及び事業継続計画)
第19条 事業者は、災害時における来所者、従業員等の安全を確保するための計画及び事業を継続するための計画(以下「事業継続計画」という。)を作成するよう努めるとともに、防災訓練及び研修等を積極的に行うよう努めるものとする。
(災害時における事業継続等)
第20条 事業者は、事業継続計画に基づき、災害時において、事業を継続し、又は中断した事業を速やかに再開することができる体制を整備するよう努めるものとする。
(建築物の耐震性の確保等)
第21条 事業者は、あらかじめ、その所有し、占有し、又は管理する建築物及び工作物等の耐震性又は耐火性を確保するよう努めるとともに、応急的な措置に必要な資機材、食料、飲料水、医薬品等を確保するよう努めるものとする。
(地域への協力)
第22条 事業者は、その所有し、占有し、又は管理する施設の指定緊急避難場所(法第49条の4第1項に規定する指定緊急避難場所をいう。以下同じ。)及び指定避難所(法第49条の7第1項に規定する指定避難所をいう。以下同じ。)としての提供その他の地域の防災対策について、地域住民及び自主防災組織等に積極的に協力するよう努めるとともに、これらの者が行う防災活動に参加するよう努めるものとする。
第4節 県及び市町の役割
(防災意識の啓発等)
第23条 市町は、住民、自主防災組織等及び事業者が災害に備え、適切な防災対策を講ずることができるよう、自主防災組織等、事業者及び関係機関等と連携し、住民への災害及び防災に関する知識の普及に努めるものとする。
2 県は、前項の規定による施策の実施を支援するとともに、市町及び関係機関等と連携し、県民の防災意識の普及及び啓発を図るものとする。
3 県及び市町は、関係機関等と連携して、複合型の災害や広域的な災害など様々な災害の発生を想定して、総合的な防災訓練を実施するものとする。
4 県及び市町は、関係機関等と連携して、幼児、児童、生徒及び学生が防災に関する理解を深め、災害時において適切に行動することができるよう、防災教育及び防災訓練の実施に対する支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(災害及び防災に関する情報の提供等)
第24条 県及び市町は、県民、自主防災組織等及び事業者が平常時から災害に備え、適切な防災対策を講ずることができるよう、災害の発生原因となる自然現象、災害危険箇所、避難場所、指定避難所、過去の災害状況その他の災害及び防災に関する情報を収集するとともに、住民に提供するものとする。
2 市町は、当該市町の区域内の防災地図を作成するとともに、住民に周知するものとする。
3 県は、前2項の規定による市町の施策の実施を支援するものとする。
(自主防災組織への支援)
第25条 市町は、自主防災組織の結成を促進するとともに、自主防災組織が行う防災活動に対し、必要な支援を行うものとする。
2 県は、前項の規定による施策の実施を支援するものとする。
(防災リーダー等の育成)
第26条 県及び市町は、自主防災組織が行う防災活動及びボランティアが行う防災活動(以下「ボランティア活動」という。)が効果的に実施されるよう、防災リーダー(防災士その他の自主防災組織が行う防災活動において中心的な役割を担う者をいう。)及びボランティアコーディネーター(ボランティア活動が円滑に実施されるようボランティア相互間の連絡調整を行う者をいう。)の育成に努めるものとする。
(災害時情報収集伝達体制の整備)
第27条 市町は、あらかじめ、災害時における災害及び避難に関する情報を住民に提供するとともに、住民からの被害状況、住民の安否その他の必要な情報を入手する手段を講じておくものとする。
2 県及び市町は、孤立地区(災害の発生により通信及び交通が途絶した地区をいう。以下同じ。)の発生に備え、情報収集及び伝達手段の確保に努めるものとする。
3 市町は、あらかじめ、災害の発生により、帰宅することが困難となり、又は移動の途中で目的地に到達することが困難となった者(以下「帰宅困難者」という。)が帰宅し、到達し、又は避難するために必要な情報を提供するための体制を整備するものとする。
4 県は、あらかじめ災害時における気象、被害その他の災害に関する情報を入手し、並びに市町及び関係機関等に提供するための手段を講じておくものとする。
5 県及び市町は、災害時における情報の提供について、あらかじめ報道機関と連携を図るものとする。
(住民避難体制の整備)
第28条 市町は、あらかじめ、自主防災組織等と連携して、災害の態様及び地域の特性に応じた避難計画を作成するものとする。
2 前項に規定する避難計画には、避難準備情報等の発表等の基準、避難場所、避難経路、避難方法その他の避難のために必要な事項を定めるものとする。
3 市町は、災害時における指定避難所の運営について、あらかじめ、指定避難所の所有者、占有者又は管理者及び自主防災組織と連携して、居住性、衛生、保健医療サービスその他の生活環境に配慮した運営基準を作成するものとする。
4 市町は、自主防災組織等及び関係機関等と連携して、第1項に規定する避難計画及び前項に規定する運営基準(以下「運営基準」という。)を住民に周知するものとする。
5 県及び市町は、孤立地区の発生に備え、輸送手段の確保に努めるものとする。
6 市町は、あらかじめ、避難行動要支援者に関する情報の把握に努め、自主防災組織等及び関係機関等と連携して、避難行動要支援者の避難支援等に関する体制を整備するものとする。
7 市町は、あらかじめ、関係機関等と連携して、疾病等のために通常の指定避難所では生活することができない住民が避難することができる施設を確保するものとする。
8 県は、前2項の規定による市町の施策の実施を支援するものとする。
9 県及び市町は、他の市町又は他の都道府県への広域的な避難が必要な場合に備え、避難を円滑かつ迅速に行うために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(物資等の備蓄及び流通備蓄の促進)
第29条 県及び市町は、災害時における応急対策に必要な物資等の備蓄に努めるとともに、民間企業等の協力による流通備蓄の促進に努めるものとする。
(事業者等との協定)
第30条 県及び市町は、食料、飲料水、医薬品等の供給、緊急輸送の確保、応急の復旧に係る工事の施工その他の災害応急対策が迅速かつ的確に行われるよう、あらかじめ他の地方公共団体及び事業者等との協定の締結に努めるものとする。
(広域防災拠点の整備)
第31条 県は、大規模な災害が発生した場合において、県内外からの人的支援及び物的支援を円滑に受け入れるための受援計画を作成するとともに、災害応急対策の展開及び物資の中継拠点(以下「広域防災拠点」という。)の整備に努めるものとする。
2 県は、広域防災拠点で活動する際に必要な資機材の確保に努めるものとする。
(医療救護体制の整備)
第32条 市町は、あらかじめ、医療救護に関する計画を作成し、災害による傷病者の治療の拠点となる病院等を指定するなど、災害が発生した場合における医療救護体制の整備に努めるものとする。
2 県は、前項に規定する医療救護体制の整備に対する支援及び広域的な医療救護体制の整備に努めるものとする。
(ボランティア活動への支援等)
第33条 県及び市町は、災害が発生した場合において、ボランティア活動が円滑に実施されるよう、関係機関等と連携して、ボランティアの受入体制の整備、資機材及び物資の提供その他のボランティア活動の支援に努めるものとする。
2 県及び市町は、平常時から、ボランティア活動を目的としている団体等との連携に努めるものとする。
3 県及び市町は、県民及び事業者等が積極的にボランティア活動に参加するための意識啓発に努めるものとする。
(公共施設の整備)
第34条 県及び市町は、指定緊急避難場所及び指定避難所の選定に当たっては、災害による危険性等の考慮に努めるとともに、指定緊急避難場所及び指定避難所に指定されている公共施設の耐震性の確保及び非常用電源設備の整備等に努めるものとする。
2 県及び市町は、要配慮者が指定緊急避難場所及び指定避難所を利用する場合を考慮し、必要に応じて、傾斜路等の設置等に努めるものとする。
3 県及び市町は、道路、公園、河川、港湾等の施設について、防災上の観点から、定期的に点検を行うとともに、計画的な整備に努めるものとする。
(研修の実施等)
第35条 県及び市町は、研修等の実施等により、職員の災害及び防災に関する知識の習得並びに防災意識の高揚を図るものとする。
2 県及び市町は、あらかじめ、災害時に職員が的確かつ迅速に対処することができるよう危機管理体制の整備を図るとともに、災害時にとるべき行動等を職員に周知するものとする。
第3章 災害応急対策
第1節 県民の役割
 (円滑な避難行動)
第36条 県民は、災害時において自らの生命及び身体を守るため、災害に関する情報に留意しつつ、災害による危険を回避するための行動をとるとともに、避難準備情報の発表、避難勧告、避難指示又は屋内での待避等の安全確保措置の指示等(以下「避難指示等」という。)があったときは、これに応じて速やかに行動するものとする。
2 県民は、災害時において避難するに当たっては、要配慮者が円滑に避難することができるよう配慮するとともに、近隣住民への呼び掛けを行う等相互に助け合うよう努めるものとする。
(緊急通行車両の通行の確保等)
第37条 県民は、災害時において、法、道路交通法(昭和35年法律第105号)その他の法令の規定に基づき、公安委員会又は警察官が行う車両の通行の規制その他の交通の規制を遵守するとともに、当該交通の規制が行われていない道路においても、緊急通行車両の通行の妨げとならないように車両の使用を自粛するよう努めるものとする。ただし、避難指示等により広域避難の必要がある場合における車両の使用については、当該避難指示等に従って行うものとする。
 (指定避難所の運営)
第38条 指定避難所に滞在する者は、運営基準に従い、相互に協力して自主的に共同生活を営むとともに、避難勧告又は避難指示が解除されるまでの間、避難を継続するものとする。
2 指定避難所の管理者等は、市町及び自主防災組織等と相互に連携を図りながら、男女双方の意向に配慮して、指定避難所を円滑に運営するよう努めるものとする。
第2節 自主防災組織の役割
第39条 自主防災組織は、災害時において、市町及び関係機関等と連携して、情報の収集及び伝達、地域住民等の避難誘導、初期消火、負傷者等の救護、給水及び給食、災害危険箇所の巡視その他の地域における防災活動を積極的に実施するよう努めるものとする。
第3節 事業者の役割
(災害時の応急対策)
第40条 事業者は、災害時において、来所者、従業員等の安全を確保するよう努めるとともに、地域住民及び自主防災組織等と連携して情報の収集及び提供、救助、避難誘導等を積極的に行い、地域住民の安全を確保するよう努めるものとする。
(帰宅困難者への支援)
第41条 事業者は、事業所の周辺地域において、多数の帰宅困難者が発生している場合は、連絡手段及び一時的な滞在施設の提供その他の応急措置に必要な支援に協力するよう努めるものとする。
第4節 県及び市町の役割
(災害時情報連絡体制の確立)
第42条 県及び市町は、災害時において、速やかに情報連絡体制を確立することにより、災害及び防災に関する情報を収集するとともに、住民及び帰宅困難者に対し、迅速かつ的確な情報の提供に努めるものとする。
2 県は、市町が避難指示等を行う場合は、必要な助言を積極的に行うものとする。
(応急体制の確立等)
第43条 県及び市町は、災害時において、迅速かつ的確な避難、救助、医療等の災害応急対策が講じられるよう必要な応急体制の速やかな確立に努めるものとする。
2 市町は、県民や自主防災組織、関係機関等と連携して、避難行動要支援者等の避難を円滑に行うために必要な措置を講ずるよう努めるものとし、県は、これを支援するものとする。
3 県及び市町は、災害時において、関係機関等と連携して、感染症の発生の予防及びまん延の防止その他の公衆衛生の確保のために必要な措置を講ずるものとする。
4 市町は、指定避難所における避難行動要支援者をはじめとする被災者の生活環境の整備に努めるものとし、県は、これを支援するものとする。
(県から市町への応援)
第44条 県は、災害時において、市町から応援を求められ、又は応急措置の実施を要請されたときは、あらゆる手段の活用を検討し、速やかな対応に努めるものとする。
第4章 復旧及び復興対策
第45条 県民は、災害による重大な被害が発生した場合において、国、県、市町、自主防災組織、事業者及び防災関係機関等と協力して、自らの生活の再建及び地域社会の再生に努めるものとする。
2 自主防災組織は、災害による重大な被害が発生した場合において、地域における復旧及び復興対策の実施に協力するよう努めるものとする。
3 事業者は、災害による重大な被害が発生した場合において、事業の継続又は中断した事業の速やかな再開により雇用の場の確保に努めるほか、自らの社会的責任を自覚して、県、市町等が行う復旧及び復興対策へ積極的に協力するとともに、地域経済の復興に貢献するよう努めるものとする。
4 県及び市町は、災害による重大な被害が発生した場合において、住民の参画を図りながら、当該災害からの復旧及び復興に関する計画を策定し、復旧及び復興対策の円滑な実施に努めるものとする。
第5章 防災対策の計画的な推進等
(県地域防災計画及び市町地域防災計画)
第46条 県は、県民の意見に十分配意して、この条例の規定に沿って県地域防災計画を定めるものとする。
2 県及び市町は、それぞれの地域防災計画について、必要に応じ、見直しを行うとともに、当該地域防災計画に定められた施策の実効性の確保に努めるものとする。
3 県は、防災対策の推進に必要な財源の確保に努めるものとする。
(大規模な地震による被害の軽減対策)
第47条 県は、大規模な地震による被害の軽減に向けた施策を総合的かつ計画的に推進するため、地震防災に関する施策の実施に関する総合的な計画(以下「行動計画」という。)を策定するものとする。
2 行動計画には、次に掲げる事項について定めるものとする。
 (1) 地震防災に関する施策の目標
 (2) 地震防災に関する施策の内容
 (3) 前2号に掲げるもののほか、地震防災対策を計画的に推進するために必要な事項
3 市町は、大規模な地震による被害の軽減に向けた施策の総合的かつ計画的な推進に努めるものとする。
(消防団による地域防災力の強化)
第48条 県及び市町は、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律(平成25年法律第110号)第3条に定める基本理念に基づき、消防団の強化、消防団への加入の促進等による地域防災力の強化に努めるものとする。
2 県民及び自主防災組織は、地域防災力の強化に関する施策が円滑に実施されるよう、消防団その他の関係機関等との連携及び協力に努めるものとする。
3 事業者は、従業員の消防団への加入及び消防団員としての円滑な活動について協力するよう努めるものとする。
(えひめ防災の日及びえひめ防災週間)
第49条 県民、自主防災組織等及び事業者の防災に関する関心と理解を深めるとともに、防災活動の一層の充実を図るため、えひめ防災の日(以下「防災の日」という。)及びえひめ防災週間(以下「防災週間」という。)を設ける。
2 防災の日は、12月21日とし、防災週間は、同月17日から23日までとする。
3 防災の日及び防災週間においては、県民、自主防災組織等及び事業者は、災害時においてそれぞれの役割を果たせるように防災訓練の実施及びこれへの参加その他の防災対策を一層充実させるよう努めるものとする。
4 防災の日及び防災週間においては、県及び市町は、その趣旨にふさわしい事業の実施に努めるとともに、県民、自主防災組織等及び事業者により当該事業が実施されるよう支援に努めるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成28年3月29日条例第33号)
この条例は、公布の日から施行する。


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