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伊方原発に関する知事メッセージ(令和2年)

ページID:0014978 更新日:2020年12月23日 印刷ページ表示
伊方原発に関する知事メッセージ(令和2年)
日付 内容
令和2年12月23日 安全協定に基づく事前協議への対応について
―使用済燃料乾式貯蔵施設・伊方2号機廃止措置計画―
令和2年8月3日 伊方発電所異常事象に関する原因と再発防止策への対応について
令和2年3月17日 伊方発電所異常事象に関する原因と再発防止策の報告について
令和2年1月29日 伊方発電所異常事象に関する四国電力社長からの報告について

安全協定に基づく事前協議への対応について―使用済燃料乾式貯蔵施設・伊方2号機廃止措置計画―

 12月23日、四国電力の長井社長と面会し、同社が平成30年5月25日に国に申請し、同時に県に対しても、安全協定に基づく事前協議の申し入れを行った使用済燃料乾式貯蔵施設の設置、及び平成30年10月10日に、同様に申し入れがなされた伊方2号機廃止措置計画について、県として、いずれも了解したことをご報告いたします。

 県の原子力安全専門部会においては、乾式貯蔵施設設置及び伊方2号機廃止措置計画について、乾式貯蔵施設の先行事例である東海第二発電所や福島第一原発の現地調査を実施するなど、国の審査と並行して、安全性等を厳しく審議するとともに、それぞれの許可及び認可後には、国に対し、審査結果や原子力政策を確認した上で、12月17日、親会である伊方原子力発電所環境安全管理委員会でも、国の審査結果は妥当との意見が取りまとめられました。
 特に、乾式貯蔵施設については、安全性に加え、「一時保管」ということが必須条件であり、知事として、四国電力による設置検討段階から、機会あるごとに、同社や国に対して、「一時保管」であることをはっきりと示すよう要請し、同社社長と経済産業大臣から、あくまでも再処理工場に搬出するまでの「一時保管」との明確な回答を得ておりましたが、原子力安全専門部会においても、その旨をしっかりと確認できました。
 その後、立地自治体である伊方町と隣接自治体の八幡浜市からも、両事前協議を了解する意向が示されたことから、県民の代表である県議会における安全性や説明責任などの議論も含め、総合的に判断した結果、四国電力に対し、乾式貯蔵施設に係る5項目七つの要請事項、さらに、2号機廃止措置計画に関する5項目六つの要請事項の遵守を前提に、事前協議を了解しました。
 なお、了解に当たっては、原子力政策をつかさどる国に対しても、事業者の保安活動等の厳格な監視・監督、原子力政策に関する長期的な視点に立った丁寧な説明及び低レベル放射性廃棄物の処分への積極的なサポートなどを要請しております。

[添付資料1:四国電力に対する事前了解文書[PDFファイル/218KB]
[添付資料2:関係省庁に対する事前了解通知文書[PDFファイル/204KB]

 また、四国電力に対しては、上記要請事項に加え、今後とも、信頼関係の源である「えひめ方式」による通報連絡を徹底するとともに、全国の感染状況を踏まえ、今まで以上に新型コロナウイルス感染症対策を徹底するなど、伊方発電所の安全確保に万全を期すよう求めました。

 長井社長からは、事前協議了解の前提となる要請事項にしっかり取り組み、改めて気を引き締め、「えひめ方式」による通報連絡と新型コロナウイルス感染症対策に徹するとの決意が示されました。

 県としては、本日の要請事項への対応を含め、四国電力の取り組み状況を厳しく確認するとともに、引き続き、知事メッセージ等を通じて、広く皆様に対し、丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。


令和2年12月23日
愛媛県知事 中村 時広

伊方発電所異常事象に関する原因と再発防止策への対応について

 8月3日、四国電力の長井社長と面会し、本年1月に、伊方発電所で連続発生した重大なトラブルに関する原因と再発防止策を取りまとめた四国電力の報告書について、県として、適当と判断する旨を伝えた上で、さらなる安全性向上のため、7項目について要請を行いましたのでご報告いたします。

 3月17日に提出された四国電力の報告書については、国においても検証がなされ、4月8日に了承されました。県といたしましては、これまでと同様、伊方発電所の安全対策を国任せにすることなく、県独自に追求していくという信念の下、原子炉工学やリスク評価などの専門家で構成する原子力安全専門部会において、技術的・専門的観点から厳しく審議いただき、親会の伊方原発環境安全管理委員会から、「四国電力が取りまとめた原因と再発防止策は適当であり、さらなる安全性向上のため、5項目の要請を求める」旨の報告を受けました。[管理委員会からの報告<外部リンク>][原子力安全専門部会報告書<外部リンク>

 このため、8月3日、私から長井社長に対し、四国電力の報告書は適当と判断する旨を伝えるとともに、管理委員会からの5項目に、県としての2項目を加えた7項目についての要請書を手交し、しっかりと取り組むよう強く求めました。

 なお、要請書の主な内容は次のとおりです。

  1. 制御棒引き上がりでは、トラブルの原因である原子炉内で発生する鉄の酸化物について、その発生メカニズムと低減対策等を調査・研究し、学会等で発表するなど加圧水型原子炉のさらなる安全性向上に積極的に取り組むこと
  2. 所内電源の一時的喪失では、メーカーとも連携し、今回短絡(ショート)した断路器の改造や新設備導入等の恒常的対策を検討すること
  3. 双方向のコミュニケーションを積極的に活用するとともに、海外事例も含めて広く情報収集をすることにより、安全文化の醸成に向けた取り組みを不断に見直すこと
  4. 作業計画の妥当性を検討する新チームについて、CAP制度(包括的な改善活動)やリスク評価を活用するなど研鑽を重ね、安全性向上を担う中核組織として育成すること
  5. 3号機一基体制による経験機会の減少を踏まえ、社内教育の充実・強化だけでなく、他電力やメーカー等海外も含めた外部組織からの情報収集を積極的に行い、技術力の維持・向上に努めること
  6. 県民に対し、再発防止策の内容や実施状況を丁寧に説明し、今回のトラブルで大きく失墜した県民の信頼回復に努めること
  7. 事業者の責任として、最新の知見等に基づき、再発防止策を含めた安全対策の不断の向上に努めること

[添付資料:要請文書[PDFファイル/210KB]

 また、上記要請事項に加え、今後とも、信頼関係の源である「えひめ方式」による通報連絡を徹底するとともに、定期検査の再開に伴う県外作業員の入構を踏まえ、今まで以上に新型コロナウイルス感染症対策に努めるなど、社長自らがリーダーシップを発揮し、伊方発電所の安全確保に万全を期すよう要請しました。

 長井社長からは、再発防止策の徹底はもとより、県からの要請事項にも関係者が一丸となってしっかり実行し、伊方発電所の安全確保と県民の皆様の信頼回復に全力で取り組むとの決意が示されました。

 県では、本日要請した事項も含めた再発防止策の実施状況について適宜報告を受けるとともに、必要に応じて現地確認を実施した上で、原子力安全専門部会でも確認いただくなど、今後とも、県民の皆様の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。

 令和2年8月3日
 愛媛県知事 中村 時広

伊方発電所異常事象に関する原因と再発防止策の報告について

 3月17日、四国電力の長井社長から、本年1月に連続して発生した重大なトラブルに関する原因と再発防止策を取りまとめた報告書が提出されましたので、ご報告いたします。

 県では、これまでも、伊方発電所の安全対策を国任せにすることなく、地元の視点から、国の基準を上回る揺れ対策や電源対策等のアディショナルな対応を四国電力に求め、その取り組み状況を逐一確認するなど、県民の皆様の安全・安心の確保に全力を挙げてまいりました。

 そうした中、本年1月に伊方発電所で重大なトラブルが連続して発生し、県民の皆様に大きな不安と不信感を抱かせる事態を招いたことは、誠に遺憾であり、1月28日、謝罪に訪れた長井社長に対し、私から、原子力本部長を伊方発電所に常駐させた上で、個別事象だけでなく、トラブルが連続して発生した背景も含め、徹底的に原因を究明し、再発防止策をしっかり検討するよう強く要請したほか、実効性ある再発防止策が講じられるまでは、次のステップは到底容認できないことを言明していたところです。

 これに対し、本日、四国電力の長井社長から、報告書が提出されました。[添付資料:四国電力報告資料[PDFファイル/454KB]

 

 今回、四国電力では、各トラブルの原因やそれらが連続して発生した背景について、組織面や技術面、発電所員等の意識面など、さまざまな観点から深堀りを行い、総括的な再発防止策を取りまとめたとしており、主な内容は次のとおりです。

中央制御室非常用循環系の点検に伴う運転上の制限の逸脱

 原因:作業手順の確認不足

 対策:チェックシートを作成し、作業計画の妥当性を確認

原子炉容器上部炉心構造物吊り上げ時の制御棒引き抜き

 原因:堆積物が挟まったことにより、再結合

 対策:切り離し確認手順を追加、定期検査毎の堆積物の除去

燃料集合体点検時の落下信号発信

 原因:点検用ラック開口部が小さく、開口部の視認性も悪い

 対策:点検用ラック開口部の拡大、水中カメラ・照明の設置

所内電源の一時的喪失

 原因:設備故障、試験用に1~3号機を一つの送電線から受電

 対策:状態監視の強化、点検時系統構成の変更(3号機未接続)

総括的な再発防止策

 対策:

  • 上記4事象の対策を他の作業にも水平展開し、要領書等を見直し
  • チェック体制強化のため、独立した立場の新チームを設置
  • CAP(※)による包括的な改善活動を強力に推進
  • 社長等幹部と関係者との双方向のコミュニケーションを充実
  • 教育訓練機会の増加、要領書記載内容の充実による技術継承

 ※令和2年4月から本格運用を開始する「是正処理プログラム」

 私からは、長井社長に対して、

  • 報告書については、専門家で構成する県の原子力安全専門部会において、技術的・専門的観点から厳しく審議・確認していただき、安全上必要と思われることがあれば、追加で対応を求めるので、しっかりと対応すること
  • 今後とも、安全性の不断の向上に積極的に取り組むとともに、信頼関係の源である決して隠し事はしないという「えひめ方式」の徹底と県民への丁寧な説明により、信頼回復に全力を挙げること

 の2点を強く要請しました。

 県では、本日四国電力から提出された報告書について、県の原子力安全専門部会で厳しく審議・確認していくとともに、安全上必要と思われることは、四国電力にしっかりと対応を求めるなど伊方発電所の安全確保に、引き続き、万全を期してまいります。

 

 令和2年3月17日
 愛媛県知事 中村 時広

伊方発電所異常事象に関する四国電力社長からの報告について

 1月27日、四国電力の長井社長から、年明け以降、伊方発電所でトラブルが続き、県民の皆様に心配をおかけしていることについての謝罪と対策に関する報告がありましたので、ご報告いたします。

 四国電力に対しては、伊方発電所の運転に当たり、何より安全確保を最優先に取り組むよう繰り返し要請してきましたが、年明け早々、約2年前の定期検査において、保安規定の定めと異なる時期に検査がなされていたことが判明し、県に異常通報連絡があって以降、制御棒の引き抜き事象、燃料集合体のラック枠への乗り上げ事象が相次いで発生しました。県としては、安全上重要な設備に係るトラブルであるなど、その内容を踏まえ、副知事等から繰り返し厳重注意をするとともに、迅速な原因究明と再発防止策の徹底を要請したところであり、四国電力では、こうした状況を受けて、社長および原子力本部長が、伊方発電所において訓示を行いました。

 しかしながら、訓示直後にもかかわらず、1月25日に伊方発電所内の電源が一時喪失する事象が発生したことから、謝罪と対応方針の報告があったものです。

 長井社長は、トラブルが続き、県民の皆様に大変なご心配をおかけしたことを陳謝するとともに、今回のトラブル続発を極めて重く受け止め、定期検査の作業を中断し、トラブルの原因究明と再発防止策の策定に総力を挙げて最優先で取り組み、原因と対策を社長自ら責任を持って取りまとめるとの報告がありました。

 また、基本ルールの徹底という「原点」に立ち返り、一つ一つの作業を慎重かつ確実に実施できるよう、社長自身が発電所に赴き、一人ひとりの従業員へ意識付けを図り、意見交換しながら安全意識の向上に努めていくほか、自治体や県民の皆様との「信頼関係の源」である「えひめ方式」による通報連絡を迅速・的確に行うとのことでした。

 私からは、このたびの一連のトラブル発生により、県民の皆様の不安と不信感はかつてないほど高まっていることを全社挙げて認識するよう厳しく伝えた上で、

  • 当面の間、原子力本部長が伊方発電所に常駐し、今回のトラブルへの対処や伊方発電所の安全確保等について、関係者をしっかり指揮し、責任を持って対応すること
  • トラブル発生の原因を徹底的に究明し、再発防止策をしっかり検討するとともに、関係者の意識改革をはじめ、伊方発電所の安全対策を総括的に検討すること
  • 信頼関係の源である通報連絡体制「えひめ方式」を、引き続き徹底すること

 を強く要請しました。

 長井社長からは、原子力本部長の常駐をはじめ、これらの要請について真摯に対応するとの回答がありましたが、県では、今後の同社の取り組みをしっかりと確認し、安全確保に向けた万全の対応を求めてまいります。

 令和2年1月29日
 愛媛県知事 中村 時広

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