更新日:2013年3月8日
賃貸住宅のトラブル3
2010年2月22日
相談概要
8年間住んでいる賃貸マンションを退去したが、3ヶ月分預けていた敷金の内、2,700円しか返金されなかった。入居していた8年間の内、6年間は法人契約であったため、2年前に新たに賃貸契約を締結し、その時、敷金3ヶ月分を支払った。契約時、敷金3か月分の内、1ヶ月分は退去時に補習費用として差し引くと聞いていた。退去時には仲介業者にも立ち会ってもらったが、1ヶ月後になって、壁やフローリングの補修、壁クロスの洗浄代などが引かれて、2,700円だけが口座に振り込まれた。
(50歳代・女性)
相談処理
国土交通省の原状回復のガイドラインについて説明し、自主交渉の方法を助言するとともに、関係機関を紹介した。また、少額訴訟についても説明した。
アドバイス・対処法
- 「原状回復」義務はここまで!賃借人の「原状回復」義務について、過去の裁判の判例からは「賃借人の原状回復の対象範囲は、賃借人の過失により破損した箇所や変更・改変した箇所の損害賠償のみであり、通常の使用による汚損、磨耗部分は対象外である。これら賃借物の使用に当然伴うものは、本来の使用の対価である賃料(家賃)によってまかなわれるべきものである」とされています。また、契約書の特約事項も、法律に違反する内容のものや当事者間の合意がなされていない場合には無効になるものもあります。家主からの一方的な補修費請求に対して納得いかない場合には、最寄の消費生活相談窓口へ相談するか、簡易裁判所の「民事調停」を利用しましょう。「民事調停」は手続きが簡単で、費用も安く、法律に基づいて公平な解決が図られます。
- 賃貸住宅を選ぶときには、家賃や敷金だけでなく賃貸借契約書をよく確認しましょう。賃借人に一方的に不利な内容になっている場合もあります。賃貸借契約の内容については、国土交通省が「賃貸住宅標準契約書」を示して業者指導を行っていますので、この標準契約書に沿った内容になっているかどうかも安心して借りれるポイントです。
- 退去時には、必ず家主の立会いのもとで次の事項を確認しましょう。
- 補修の必要な箇所
- 補修費の見積書を見せてもらう
- 補修費の負担割合を明確にする
- 敷金と補修費との関係を明確にする
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