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中山間地域とは、都市が広がる平野部の外縁から山林の広がる山間地までの、まとまった平坦な土地の少ない地域で、山地の多い日本では、このような中山間地域が国土面積の約7割を占めています。
中山間地域には、多様な自然生態系や美しい風景、伝統的な文化が残されており、多くの方が「ふるさと」として思い描く伝統的な農業集落が数多く存在しています。また、中山間地域は食料生産だけでなく、多くの動植物の生存場所となっていたり、適切に田畑を管理することで、大雨が降ったときの洪水の緩和や、地下水を涵養するなど、多面的で公益的な役割を果たしています。
中山間地域の一例(東温市上林地区)
一方で、中山間地域では過疎化や高齢化が進行し、コミュニティー機能の低下で「消滅」の危機に直面している集落も少なくありません。また、急峻な地形の愛媛県ではみかん畑とならび棚田が中山間地域の山々に広がっていましたが、一枚一枚の面積が小さく、傾斜地で労力がかかることから近年減少を続けています。
このため愛媛県では、農地や水路、ため池などの利活用や農村の景観、郷土の伝統文化を保存する地域住民活動への支援に取り組み、中山間地域の振興に取り組んでおります。
ここでは、中予地方局農村整備第一課の取り組みを紹介します。
農村整備第一課では、主にほ場整備やため池改修などの農業施設を新設や改築する業務を行っていますが、農村地域の核となる中山間地域の農業や農村が元気で活力にあふれたものとなるよう、次の施策(ふるさと水と土ふれあい事業)でお手伝いを行っています。
興味を持たれた方は中予地方局農村整備第一課へご連絡下さい(連絡先は本ページの一番下に掲載しています)。
将来を担う子供たちを中心に、中山間地域に広がる「田んぼ」や「ため池」、「泉」、「水路」等の水辺で魚や昆虫採取などを行い、生き物とのふれ合いを通じ自然環境の大切さや環境保全に対する取り組みへの理解を深める「ふるさと水辺の生き物教室」を開催しています。
生き物教室では、講師の先生方から、身近な自然で多くの生き物が暮らしている事や、外来種が生態系に与える影響、ため池や水路の水質を自分たちで測定して自然環境を保全する事の大切さを学んだり、普段は近づくことのできない「ため池」や「水路」といった農業施設(土地改良施設)の役割などを学んでいただいております。
地区名 |
開催場所 |
実施日 |
講師 |
参加者数 |
---|---|---|---|---|
宮内(みやうち) | 砥部町 | 平成30年6月29日 |
愛媛大学 吉富准教授 |
80人 |
伊台(いだい) | 松山市 | 平成30年6月27日 | 松山東雲短期大学 松井名誉教授 | 80人 |
佐礼谷(されだに) | 伊予市 | 平成29年7月12日 | 愛媛大学 日鷹准教授 | 24人 |
立岩(たていわ) | 松山市 | 平成29年7月19日 | 松山東雲短期大学 松井名誉教授 | 32人 |
畑野川(はたのかわ) | 久万高原町 | 平成28年7月13日 | 愛媛大学 日鷹准教授 | 43人 |
水木泉(みずきいずみ) | 東温市 | 平成28年8月22日 | 愛媛大学 吉富准教授 | 38人 |
美川(みかわ) | 久万高原町 | 平成27年7月14日 | 愛媛大学 日鷹准教授 |
47人 |
高市(たかいち) | 砥部町 | 平成27年7月6日 | 松山東雲短期大学 松井名誉教授 | 45人 |
翠(みどり) | 伊予市 | 平成26日9月2日 | 松山東雲短期大学 石川名誉教授 | 46人 |
下林(しもばやし) | 東温市 | 平成26年7月1日 | 松山東雲短期大学 石川名誉教授 |
32人 |
奥松瀬川(おくませがわ) |
東温市 |
平成25年8月4日 |
松山東雲短期大学 松井名誉教授 |
41人 |
玉谷(たまたに) |
砥部町 |
平成25年7月16日 |
愛媛大学 酒井教授 |
15人 |
片山新池(かたやましんいけ) |
松山市 |
平成24年11月16日 |
愛媛大学 酒井教授 |
76人 |
仕七川(しながわ) |
久万高原町 |
平成24年7月9日 |
松山東雲短期大学 松井名誉教授 |
41人 |
東明神本組 (ひがしみょうじんほんぐみ) |
久万高原町 |
平成23年7月5日 |
愛媛大学 酒井教授 |
49人 |
中樋北堰(なかひきたぜき) |
砥部町 |
平成23年7月12日 |
松山東雲短期大学 松井名誉教授 |
36人 |
父二峰(ふじみね) |
久万高原町 |
平成22年7月8日 |
松山東雲短期大学 石川名誉教授 |
58人 |
正尺池(しょうじゃくいけ) |
松山市 |
平成22年7月7日 |
松山東雲短期大学 松井名誉教授 |
98人 |
蓼原池(たでわらいけ) |
松前町 |
平成21年9月5日 |
愛媛大学 酒井教授 |
36人 |
八竹谷上池、下池 (はったけたにかみいけ・しもいけ) |
松山市 |
平成21年7月1日 |
愛媛大学 酒井教授 |
58人 |
岡中池、下池 (おかなかいけ、しもいけ) |
東温市 |
平成20年9月29日 | 松山東雲短期大学 石川名誉教授 |
59人 |
古泉池(こいずみいけ) |
伊予市 |
平成20年7月25日 | 松山東雲短期大学 松井名誉教授 |
43人 |
直瀬東組(なおせひがしぐみ) |
久万高原町 |
平成19年7月18日 | 愛媛大学 日鷹准教授 |
63人 |
上堰(うわぜき) |
砥部町 |
平成19年7月12日 | 愛媛大学 日鷹准教授 |
72人 |
福徳泉(ふくとくいずみ) |
松前町 |
平成18年9月16日 |
愛媛大学沿岸環境科学研究センター 大森助教授・大西先生 |
21人 |
善応寺新池(ぜんおうじしんいけ) |
松山市 |
平成18年7月7日 |
愛媛大学沿岸環境科学研究センター 大森助教授・大西先生 |
69人 |
森の木泉(もりのきいずみ) |
東温市 |
平成17年8月10日 | 松山東雲短期大学 石川名誉教授 |
47人 |
唐川(からかわ) |
伊予市 |
平成17年7月10日 | 松山東雲短期大学 石川名誉教授 |
45人 |
県下全体の実績はえひめの棚田をご覧下さい。
近年、中山間地域の集落では過疎化や高齢化の影響等で、皆で地域のことについて考え話し合う機会が少なくなっています。
元気で住みよい集落づくりを進めるため、地域にある伝統文化や自然環境、古来より連綿と続いてきた農業と農業を支える農業用施設の役割等を、改めて皆さんで見つめ直していただき、今後の地域のあり方を考える「ワークショップ(集落点検)」を開催しています。
「ワークショップ(集落点検)」では、改めて地域の文化や歴史に触れ地域の魅力を再発見したり、老若男女が一同に会してワイワイと話し合いができた事や、集落の改善したいところや将来像を皆で描くことができたといった感想が寄せられています。
地区名 | 開催場所 | 開催日 | 参加人数 |
---|---|---|---|
下林下・上村(しもばやししも・うえむら) | 東温市 | 平成29年11月18日 | 100人 |
三秋大池(みあきおおいけ) | 伊予市 | 平成28年10月23日 | 101人 |
泊(とまり) | 松山市 | 平成27年9月6日 | 86人 |
上野(うえの) | 伊予市 | 平成26年11月9日 | 90人 |
奥松瀬(おくませがわ)<外部リンク> |
東温市 |
平成25年11月17日 |
49人 |
河之内(かわのうち) |
東温市 |
平成24年11月25日 |
112人 |
上吾川(かみあがわ) |
伊予市 |
平成23年11月20日 |
144人 |
横田(よこた) |
松前町 |
平成22年11月14日 |
51人 |
平村(ひらむら) |
伊予市 |
平成21年12月6日 |
80人 |
北川毛(きたがわげ) |
砥部町 |
平成20年11月23日 |
107人 |
饒(にょう) |
松山市 |
平成19年9月9日 |
141人 |
中津(なかつ) |
久万高原町 |
平成18年11月19日 |
80人 |
下林(しもばやし) |
東温市 |
平成17年11月6日 |
118人 |
井内中(いうちなか) |
東温市 |
平成10年11月15日 |
82人 |
ふるさとづくりワークショップを実施し、地域の素晴らしさの発見や課題を見いだしたものの、具体的な将来構想まではつながらず、集落内の現状認識まででとどまっている集落に対して、ワークショップの効果を継続・発展させるために集落全体で共通の将来像を描き、実践していくための集落の将来ビジョンの策定・それを具体的に実践していくプランの作成を行います。
地区名 | 開催場所 | 実施年度 |
---|---|---|
河之内(かわのうち) | 東温市 | 平成26~27年度 |
下吾川(しもあがわ) |
伊予市 |
平成25年度 |
横田(よこた) |
松前町 |
平成23年度 |
下林下(しもばやししも) |
東温市 |
平成22年度 |
饒(にょう) |
松山市 |
平成21年度 |
都市地域に住む小学生以下の子供を対象に、親子で行う農作業などの農村の生活体験を通じて、棚田を保全する事の大切さや、安全・安心な食料の供給、農村文化の伝承など、農業や農村への理解を深めるため、「棚田ふれあい教室」を実施しています。
地区名 | 開催場所 | 開催日 |
---|---|---|
奥松瀬川(おくませかわ) | 東温市 | 平成28年9月3日 |
河之内(かわのうち) | 東温市 | 平成27年8月22日 |
佐礼谷(されだに) |
伊予市 |
平成25年10月14日 平成24年10月14日 |
七折(ななおれ) |
砥部町 |
平成22年5月29日 |
畑野川(はたのかわ) |
久万高原町 |
平成21年10月25日 |
翠(みどり) |
伊予市 |
平成19年10月21日 平成18年10月1日 |
「ふるさと保全計画」とは、土地改良施設や農地の保全が今後の地域づくりに大きな影響を及ぼすと考えられる中山間地域の集落を対象に、農地・農業用施設にとどまらず、生活環境・住民活動を含めた地域の課題を洗い出し、課題を解決することにより地域が目指す将来像の実現に向けた道筋等をまとめた計画を作成するものです。
地区名 | 開催場所 | 対象農地面積 | 実施年度 |
---|---|---|---|
門田(かどた) | 松山市 | 13ヘクタール | 令和5~6年度(予定) |
大寄(おおよせ) | 久万高原町 | 47ヘクタール | 令和4~5年度 |
玉谷(たまたに) | 砥部町 | 13ヘクタール | 令和3年度 |
中山間地域では多彩な農業、豊かな自然や伝統文化などを活かした様々な地域住民活動により地域の振興が図られています。その地域住民活動をより一層促進させるために、中予地方局では、5名の方に指導員となっていただき、協働活動やイベントの指導や助言を行うなど、尽力していただいております。
名前 | 担当市町 |
---|---|
仲田 正(なかた ただし) | 松山市 |
高市 正志(たかいち まさし) |
東温市 |
正岡 千博(まさおか ちひろ) | 伊予市 |
正岡 英司(まさおか えいじ) | 砥部町 |
秋岡 健悟(あきおか けんご) | 久万高原町 |