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令和6年度新規採用職員辞令交付式

ページID:0069070 更新日:2024年4月12日 印刷ページ表示

日時:令和6年4月1日(月曜日)11時00分

場所:ANAクラウンプラザホテル松山

 

 愛媛県知事の中村時広と申します。今日は大勢の皆さんが県の職員として仲間入りを果たす日でございます。皆さんにとりましては大半が新卒での採用ということになりますから、社会人として第一歩を踏み出す人生においてメルクマールになるような記念すべき日でもございます。中には社会人経験をして、途中から愛媛県に奉職をしようという使命感で来られた方もいらっしゃると思いますが、その方々にとっても新たなステージの第一歩ということになります。まずはその使命を迎えられた皆さんの門出に心からお祝いを申し上げたいと思います。今日は、皆さんにとって初日でありますから本当に期待と不安、両方が錯綜(さくそう)するような心境だと思います。あまり肩の力を入れないで心地いい緊張感、そしてまたこの日の初心忘るべからずという言葉がありますけれども、心に刻むような一日にしていただいたらというふうに思います。

 これから6ヶ月間はさまざまな研修を経て、そして10月からは正規の職員として主戦力になっていただくわけでありますけども、途中、研修の中で政策、県のすべきこと、こうしたことについては私の方からお話をする機会も設けておりますので、今日はその期待と不安錯綜(さくそう)する皆さんへ、社会人としての若干の先輩として、心構えだけお伝えしたいなというふうに思います。

 今日から皆さんが即戦力として活躍していただけるとは思っていません。しかし近い将来、大きな戦力として県民のため、そして愛媛県のために力を発揮してくれると確信をしております。さて、その中でも今日から皆さん即戦力としてできることがあります。これから職場に帰るわけでありますけれども、まずはこれはもう官民問わず、挨拶というものが非常に大事であるということを刻んでおいていただきたいと思います。例えば県民や市町の職員が県庁を訪ねてきた時に、県庁職員がすれ違う時に何も語りかけなかったらどんな気持ちに相手はなるでしょうか。「こんにちは」「おはようございます」「お疲れ様です」その一言で相手の印象は随分と変わるものであります。職場においてもひとしく同じであって、例えば全職員がそれができているとは思いません。私も時折廊下で「こんにちは」と声が返ってこない時は、「挨拶しようや、それが大事だよ」っていうことを声掛けする時もあります。でも皆さんはそういう意味ではフレッシュな気持ちで臨むわけですから、この点においては先輩を凌駕する即戦力と私は思っております。大きな声でハキハキとすると何が起こるか。職場が明るくなります。人間関係が良くなります。前向きな仕事ができるようになります。挨拶というのは基本中の基本、そんなこと分かっていると思うかもしれないけど意外とできてないものであります。この挨拶運動というのは県庁全体でやることもありますので、ぜひ皆さん今日から明るい職場づくりにも一役かっていただきたいというふうに思います。

 そして二つ目は学生時代であれ、社会人経験者であれ、皆さん勉強を積み重ねてハードルを乗り越えて、県庁の試験に合格しここに座られているわけでありますから、相当な実力をそれぞれが得意分野をお持ちだと思います。それは大いに自信として持ってください。ただし過信になったら人の成長が止まるということを忘れないでいただけたらと思います。自信を持ちつつも謙虚というものが非常に大事で、例えば「知識を得る最良の手段は己が無知だと悟ること」という言葉があります。謙虚さがあれば、まだまだ知らない分野たくさんあります。経験もこれからです。それらの吸収力がガラリと変わってきます。ぜひ適正な自信を持ちつつ、謙虚さを失わずに大いに成長、いろんなことを吸収して成長に結びつけていただきたいと思います。

 そして三つ目は期待と不安という話をさせていただきましたけれども、これから6カ月間は公僕である公務員として、あるいは県庁職員としての心構えや、また県庁全体がどんな仕事をしているのかということを鳥瞰(ちょうかん)図的に勉強するいい機会だと思います。県庁の仕事多岐にわたっています。県民の命を守るための防災減災、あるいは高齢化社会に対応するための保健医療、次なる世代を育成するための教育、世界全体の大きな課題である環境対策、地域を活性化させるための観光振興あるいは経済政策、本当に多岐にわたった仕事でありますけれども、それらがトータルとして愛媛県として成り立っている。皆さんが配属される職場もその中で重要な役割を果たしているユニットであります。この機会に全体ってどうなってるのかな、その中で自分の仕事はどんな位置づけになっているのかなという、視野の持ち方、広い視野というものを常に持って、特に最近は国際情勢やデジタル技術の革新や人口減少、さまざまな課題がありますから世の中の変動要因がかつてないほど激しいです。常に情報をキャッチしていろんなところに関心を広めて、そして自分の仕事を深掘りするというような視点で仕事に向き合っていただけたらいいんではないかなというふうに思います。

 6カ月間はこうしたベース、基礎を作る時、そしてもう一つは社会人としてこれは官民関係ありません。3年から5年これは本当に大事です。この期間というのはいわば基礎訓練の期間と思って臨んだらいいんじゃないかなと思います。スポーツでもこの基礎練習本当に地道で地味で場合によってはつまらないかもしれない。自分が考えているのはこんな仕事じゃなかった。こんなふうなことをやることではないんだ、こんなことができるんだ、と思うかもしれないけども、そこでこの基礎訓練ないがしろにする人が本当に社会人多いです。でもスポーツでそうであるように、この基礎練習というものをみっちりと仕上げた方々は、3年経って5年経って相当な成長の差となって現れてきます。この足腰を鍛える社会人になってからの3年から5年間、皆さんが長い人生を歩んでいくにおいて本当に重要な期間だと思いますので、毎日毎日が成長の糧になるんだというような気持ちで臨んでいただいたらいいんではないかと思います。私ももう40年前、初めて社会に出た時、不安でいっぱいでありました。自分が描いていた仕事とは全く違う。そんな気持ちになったこともあります。でも途中で気がついたんです。仕事っていうのは見方を変えればいくらでも楽しい仕事にできるんだな。例えばこの前に二つ仕事があって分類すると、常にやってみたい、やりたい、自分が求めていると感じられる仕事があるとする。かたや、こんなのは義務的だな、こんなことをコツコツやらなきゃいけないのかと義務的な思いを抱いてしまうような仕事があるかもしれない。両方あると思います。でもこの場合ですね、やってみたい仕事の比率が自分の心の中で高ければ高いほど前向きになれます。そして昨日まで義務的にやっているとしか思えなかった仕事も、見方を変えればやってみたい仕事にいくらでも変えていくことができます。ルーティンの仕事、いやちょっと待ってよと、自分の感覚からすればこれはもう一工夫すれば大きな改善につながるんじゃないか。県民サービスの向上につながるんじゃないか。常に受けるだけではなくて、視点をそういったところから持ち込むことによって、昨日まで義務的に感じていた仕事を変えて、良くしていくというエネルギーを持ち込むことによって、やってみたい仕事に変えていくことはいくらでもできます。その比率を高めるということを頭に入れておくと、いろんな仕事が前向きに捉えられるようになると思います。ぜひテイクノートしていただけたらというふうに思います。

 これから半年で基礎を覚えて5年6年で成長して、その間10年間では最低三つぐらいの仕事は経験していただくと思いますけども、本当にいろんなチャレンジができる仕組みにしています。実は私自身、公務員ではありませんでした。総合商社という民間企業の最前線で働いていた立場でありますけれども、どちらにも良い面、悪い面があります。それを複合させてこの13年間、愛媛県庁は他の地方自治体には見られないようなアグレッシブな自治体としてトレーニングを積んできました。メニューを選択して実行すれば事足りる。そんな自治体ではダメだ、自らが政策を作っていく。大変なことでありますけどもできた時のやりがいというのは本当に大きなものがあります。そしてまたフィールドも愛媛県だけでは部署によってはありません。日本全国、あるいは世界を飛び回っている職員もいます。こうしたところに希望があればチャレンジするような制度もできています。それぞれの希望を胸に今日のフレッシュな気持ちを忘れずに、もう一度申し上げます。初心忘るべからず。その気持ちを大切に頑張ってください。まあ頑張るというよりは本当に愛媛県のために県民のために一緒になって仕事をしましょう。皆さんの県庁入庁を心から歓迎申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。


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