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中村修二氏ノーベル物理学賞受賞記念講演会知事あいさつ

ページID:0010966 更新日:2015年2月13日 印刷ページ表示

日時:平成27年2月4日(水曜日) 14時

場所:ひめぎんホール

 

 

 どうも皆さんこんにちは。

 郷土の誇りある先輩、中村修二先生が昨年ノーベル物理学賞を受賞され、初めてふるさとの愛媛県に帰ってこられました。昨日は大洲市の方で名誉市民の称号を受けられ、今日は午前中に愛媛県の最高の賞である愛媛県県民賞を表彰させていただいたところです。せっかく、ふるさとに帰ってくる機会ですから、できれば次の世代を担う若い皆さんに中村先生の貴重な話を聞かせていただけないだろうかとお願いしましたところ、それはもう自分で役に立つのならばということで、快く引き受けてくれました。

 ご存じのとおり、中村先生の発明された青色発光ダイオードは、われわれの身の回りでキラキラと輝いています。いわば、一時代の文明すらも変えてしまうような大変な発明をされました。そしてもうすでに、次なる研究を追いかけて日夜がんばっていらっしゃるという話でした。でも今、ノーベル物理学賞でスポットライトを浴びられていますけれども、実はそこに至るまでには大変な苦難の道のりがあったと思います。特に、通常そうした賞を取られる方は、学校で研究される方が多いのですが、中村先生は民間企業で研究に没頭されました。いわば、学校と違って、結果を出さなければ居場所がなくなるという非常に厳しい環境の中で、がんばって研究の成果を挙げられた方です。そして、おそらくお話もあると思いますけれども、幾度となくもうだめではないかという挫折を味わい、それを乗り越えて今日に至ったと思います。

 ともすれば、日本は最近、内向きの傾向が強くなっています。かつては世界の経済大国を目指して、世界に打って出る、そんなエネルギーが満ちあふれていました。私も、学校を卒業してからは商社に入りまして、世界、自分の場合は十数カ国でビジネスの仕事をする、そんな経験もさせてもらいましたけれども、愛媛県には、実は世界に通用する技術力を持った中小企業がたくさんあります。四国中央市の紙・パルプ産業、そして、住友グループが発祥した新居浜市、さらには、先端産業の工場群が並ぶ西条市、あるいは造船業が盛んで、タオルの製造日本一を誇る今治市、こうした工業地帯をはじめ、最近では、中予地域のカーボンファイバーの工場もフル回転しているところであります。

 ところが、こうした大きな産業を支えている技術力のある中小企業は、技術はあっても、外になかなか出る機会がありません。これではもったいないということで、最近は愛媛県とタイアップして、東アジアを中心に、売り込みをかける、そんな世界的スケールの経済政策を打っているところです。

 先月はインドネシア、昨年末に台湾の方へ行ってきました。確かに、日本の方がまだまだ進んでいる部分は多くありますけれども、例えばインドネシアの場合は人口が2億4千万、日本が1億2千万。もう一つ決定的な違いがあります。日本人の平均年齢は約46歳だそうです。インドネシアは平均年齢が約29歳です。若い人のエネルギーが満ちあふれています。そうした世界の状況というものに視野を持って、打って出ていく時代が、おそらく今日集まっている皆さんの時代だろうと思います。その先駆者として、研究者として、道を切り開いてきた中村先生の話が、これから皆さん、それぞれの道を選択して歩いていくことになると思いますけども、大変貴重な道しるべになることを確信しています。

 今日は県内の高校生、そして大学生に呼び掛けさせていただきましたけれども、メインホールいっぱい集まってくれたこと、きっとこの世代が未来の愛媛や日本を担ってくれると非常に心強く思いました。限られた時間ではありますけれども、どうぞ皆さん、中村先生からいいエキスを受け取って持ち帰ってください。皆さんに有意義な時間を送れたことを心からうれしく思いまして、挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。


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