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愛媛県ハワイ州姉妹提携10周年記念式典・レセプション知事あいさつ

ページID:0010949 更新日:2013年12月6日 印刷ページ表示

日時:平成25年11月22日(金曜日) 18時(現地時間)

場所:ワシントンプレイス(州知事公邸)

 

 

 皆さんこんばんは。中村でございます。アロハ。

 今日は、シャン・ツツイ副知事さんをはじめ、本当に大勢のハワイの大切な友人の方に御参集を賜り、このような素晴らしい会を開催していただき、まずもって心から厚くお礼申し上げます。

 昨日の朝にホノルルに到着しまして、たった2日しかたっていませんが、本当にいろんなことがございました。到着直後には訪問団全員で慰霊碑に献花をさせていただき、訪れた全員が、大変きれいに清掃を続けてくださっている、管理を続けていただいている、ハワイの方々の気持ちに触れまして、感動いたしました。

 先ほどからお話に出ていますように、ハワイと愛媛県の関係は悲しい事故から始まりました。

 当時、就任から2年くらいたったころでしょうか。加戸前知事さんがこの問題の対応に追われていたことを思い出します。私もまだ松山市長に就任して2年もたたないときでありました。宇和島市長さんは就任直後のことだったと記憶しております。

 会合で加戸前知事にお会いするたびにいろいろな話をお聞きしました。国によって制度や考え方、法律、価値観全てが異なります。特に大きな問題であったのが、船体の引き揚げでございました。日本人の心情として、どうしてもふるさとに連れて帰りたい、そのためには船体の引き揚げが必要になるということをアメリカ側に最終的に受け止めていただきました。

 しかし残念ながら、一人だけハワイの海で眠っています。今日、イオラニ高校にお伺いしたときに、アカミネ先生からこんな話をお聞きしました。知人と一緒に、えひめ丸が沈んだ海域に船で行ったとき、何もないはずの海にイルカが集まっていたそうです。そして、最後の最後まで一匹のイルカが元気に泳ぎ回っていたということでした。まだ見つからない水口君が、そのイルカに移って元気に泳いでいるんだというふうな気持ちになって、このことを水口君の御両親に伝えられたそうであります。

 そうした温かい思いと、そして10年にわたる管理・清掃活動が多くの方々の気持ちを変えていきました。きっかけは悲しい事故だったけれども、二度とこうした事故が起こらないようにという共通の願いと、この関係を未来志向で考えていこうという気持ちが広がっていったと思います。

 昨日、10年の月日を経て、アバクロンビー知事と私の間で姉妹提携の再調印を行うことができました。愛媛県側としても、さらなる強い絆をハワイとの間につくっていきたいと改めて決意をしたところです。

 その後、ホノルル市長さんとお会いしました。ハワイではなかなか残業はしないと聞いていたんですけれども、就業時間を過ぎた5時半に時間を取っていただきまして、予定の30分を大幅に上回る懇談をさせていただきました。また、本日は日本政府を代表し重枝総領事も出席していただいています。

 ハワイ日米協会のお世話をいただきまして、子どもたちの交流も非常に盛んになっています。2006年からは、ハワイ大学との間でサマーインターンシップが始まっています。今日は、今後の交流の拡大を願ってハワイ大学にも行ってまいりました。この会にも出席してくれていると思いますけれども、愛媛に来た学生たちも集まってくれました。そして、今年から愛媛県の高校生をイオラニ高校とセントルイス高校で受け入れてもらう事業もスタートいたしました。イオラニ高校では、日本語を学ぶ子どもたち、愛媛の高校生を受け入れてくれた子どもたちも集まってくれました。また、セントルイス高校で日本語を学ぶ子どもたちは、クラブとしてボランティアで慰霊碑の清掃活動を続けてくれているそうであります。こうした絆が、確実にこの長い10年の間に積み重ねられているということを改めて感じた次第です。

 歴史にはさまざまな出来事があります。時には悲しい出来事もあります。しかし、知恵を出し、そして友情で結ばれてそれを乗り越えていくのがわれわれ人間です。ハワイと愛媛の交流の積み重ねは、まさにそれが可能であることを証明しているように思います。

 私はここで皆さんに一つお願いがございます。犠牲になった9名の子どもたちや教員の先生方に、悲しい事故を乗り越えて、こんなに交流が拡大していることを黙とうで伝えることができたらと思っています。同じ思いで交流のこの光景を頭に描き、そして魂の安らかなることを祈って、みんなで黙とうをしていただけたら幸いです。できれば立っていただけたらと思うのですけれども。それでは同じ思いで黙とう。

 ありがとうございました。どうぞお座りください。そして最後に、今日は、この素晴らしい交流を本当に心行くまで味わいながら、今後のさらなる交流につなげていくことをお互いに確信し合って挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。


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