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愛媛県人口減少対策セミナー知事あいさつ

ページID:0010902 更新日:2023年8月18日 印刷ページ表示

日時:令和5年5月30日(火曜日)13時30分

場所:愛媛県医師会館5階ホール

 

 本日は、人口減少対策セミナーを呼び掛けさせていただきましたところ、会場にも関心のある方に多数お集まりをいただきますとともに、ウェブでの参加も200名以上いらっしゃるとお聞きしています。人口減少問題に多くの皆さんが関心を寄せていただいておりますことを大変心強く感じるとともに、感謝申し上げます。

 昨年12月からスタートした愛媛県政「新ステージ」において、この人口減少対策、大きな課題として位置付けております。もちろん、これまでも、考えられることはやってきてはいるのですが、この人口減少対策は本当に難しい課題であります。人々の生き方にも関わるテーマでもありますから、本当に呼び掛けの手法も難しいですし、これさえやれば結果が出るという明確なものもございません。言わば、手探りの中で、これをやったら効果があるのではないだろうかと思いついたことをどんどんやっていく、追いかけていく、そのような取り組みが必要な分野であります。

 しかし、問題を放置するわけにはいきません。昨年、県では、ストレートに人口減少の予想を県民の皆さんにお示しさせていただきました。何も手を打たず、現在の出生率が続いた場合、現在約130万人の愛媛県の人口が、40年後には、78万人に減少するという衝撃的な結果となっています。

 人口が減少するということは、社会全体が縮小することであり、国内市場の売り上げ減少や人手不足の深刻化、さらに、社会保障制度の崩壊など、さまざまな問題の発生が懸念されます。

 このため、本県では、人口減少問題の根本的な解決のために、出生率を上げる、県外への流出人口を食い止める、県内への流入人口を増加させる、この三つの方向から、各種施策を展開しております。

 例えば、出生率については、平成20年に「えひめ結婚支援センター」を開設し、企業・団体やボランティアの方々と連携し、結婚を希望する独身男女に出会いの場の提供を図り、多くのカップルの誕生に結びついているところです。

 しかし、それだけで解決するものでもありませんので、県独自で子育てのしやすい環境づくりに向けて何ができるかということを考え、取り組んでいく必要があります。幸い、本県には、本社や製造工場等が立地する紙おむつメーカーが3社あることから、この3社に県と共同での子育て支援事業の実施をお願いしたところ、快く引き受けていただきました。これに、県内市・町にも参加いただき、現在、愛媛県では、官民協働で、二人目のお子さんの誕生以降、1年間、紙おむつが無料で支給される事業を展開しております。

 また、これからの子育て支援は、行政だけでは無理だと判断し、令和元年には、子育て支援の条例による「子どもの愛顔(えがお)応援ファンド」を創設し、民間の寄付額と同額を県が出捐し、そして、官民で構成する「子どもの愛顔応援県民会議」で実施する事業が議論され、子どもの居場所づくりや地域で子育てを支援する団体のサポートなどに活用されています。こうした取り組みを組み合わせながら、出生率の低下と対峙しているところです。

 さらに、県外への人口流出を食い止めるためには、早い段階から魅力のある愛媛県内の企業を青少年に紹介していくことが必要であると考え、中学生が県内企業の職場体験学習を行う「えひめジョブチャレンジU-15」を実施しております。加えて、県内への流入人口の増加については、コロナ禍で人々の意識が大きく変わり、平成27年度には愛媛県に移住されてくる方は年間270人程度でありましが、令和3年度は4,900人まで急増し、令和4年度には、おそらく7,000人をこえるのではないかと思っています。場所を選ばないで働ける業種が増え、都会を離脱して地方へ、という人々の意識変化もその背景にあると思っており、ありとあらゆることを行いながら、人口減少に立ち向かっているところです。

 そして、今年度、もう一つ、新たな事業をスタートさせました。これからは、職場のありよう、企業経営者の考え方、これが少子高齢化に対して立ち向かっていくときに重要になっていくだろうと考え、職場の改善・改革、例えば、男性育休取得100%を目指すなど、こういったことをサポートする奨励金制度をこの4月から立ち上げさせていただいております。もちろん、県でも率先して行っていきますが、現在、愛媛県から県外へ出て行くいちばん多い層が、20歳から24歳の女性です。そこは、職業の問題もありますが、職場環境、子育てに理解がある企業、職場なのかどうか、あるいは女性のキャリアアップ、キャリアが保障されている職場なのかどうか、これが選択肢で非常に重要な要素になっていることが、アンケート結果からも明らかになっています。いわば、県全体で、どこへ行っても愛媛県の職場というのは本当に子育てに理解があって、女性のキャリアにも配慮されているという環境を整えることが、その地域における人口減少対策として大変重要であると考えております。企業もそうしなければ、人口減少になっていますので、人手を確保できない時代に入っていくと思います。

 ぜひ、皆様と問題意識を共有して、若い人たちが愛媛に定住できる、あるいは外から来ていただく、そして、出生率を高めるためのさまざまな制度を整える、このような工夫を凝らしながら、人口減少対策に向き合っていきたいと思っており、今回のセミナーは、その第一歩と位置付けていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日の基調講演の講師に、厚生労働省の元事務次官の村木様にもお越しいただいております。本当に、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。皆さん、今日は最後までよろしくお願い申し上げます。


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