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愛媛県人口減少問題セミナー知事あいさつ

ページID:0010895 更新日:2022年10月13日 印刷ページ表示

日時:令和4年8月29日(月曜日)13時30分

場所:愛媛県医師会館

 

 本日は人口減少問題セミナーに企業の経営者の皆さん、自治体の関係者の皆様、また、このリアルな会場での出席者だけでなく、オンラインでも大勢の皆さんに参加をいただいていると聞いています。

 我が国の人口減少問題、非常に頭の痛い、日本全体にとって、愛媛県にとって、大きな課題として横たわっております。ただ、日々日々の変動というのは実感できませんから、気付いたときには手遅れになる。今もう瀬戸際にきているような気がしてなりません。

 御案内のとおり、日本は1億2千万人の人口を抱えておりますが、少子高齢化・人口減少が続く中で、今の1億2千万人がやがては8千万人台までというような推計も出ています。現実問題、愛媛県でも、ピーク時153万人の県民がいらっしゃいましたが、現在は131万人ということで、愛媛県ですら、やがては100万人というような推計も出ているところです。考えてみますと、我が国では、1年間に、多いときでは270万人ものお子さんが誕生していましたが、昨年の出生数は81万人ということでありますから、3分の1。しかもその親世代が100万人くらいが続いていますから、この出生率から言えば、人口は先細りになっていくという状況になってまいります。

 一方で、世界は、例えばアジアの国々は、非常に若々しい、かつての日本のピラミッド型の人口体系を有しており、勢いが出てきております。例えば、インドネシアが2億7千万人で、平均年齢が32歳。ベトナムが1億人で、平均年齢が34歳。フィリピンが1億1千万人で、平均年齢が29歳。日本は1億2千万人の平均年齢は48歳ということですから、数字的に見ても、その中身が全く異なってきている状況であります。

 人口が減ってきますと、当然のことながら、ピラミッド型の人口構造で成り立っていた日本の社会保障制度が成り立たなくなる。あるいは、国内の市場が縮小して、ビジネスという観点から言ってもあらゆるところが売り上げ減少に立ち入ってくるというようなことでありますから深刻です。

 こうした中、県では、出生率をどう高めていくか、また人口流出をどう食い止めていくか、あるいは人口流入をどう促進していくか、3方向から、この10年、いろんなアイデアをいただきまして、施策を実施に移しておりますけれども、なかなかこれが、人々の生き方等々の問題が絡んできますので、結果が出ていない状況にあります。ただ、特にこれからの切り口として、これに加えて、さらなるデータ分析を行い、施策を考える必要があると実感をしています。

 その中で、例えば、人口流入の促進につきましては、7年前の平成27年度には、1年間で愛媛県に移住されてくる方々が270人くらいでしたけれども、昨年度は4,900人と、約20倍に増えてきておりまして、一定の効果が表れてきています。

 一方で、流出の観点でデータを分析いたしますと、愛媛県の場合、18歳から20代前半の女性の流出が突出して多くなっているのが特色であります。これは、どこの地方も大体同じような傾向が出ているのですけれども、この問題を克服するためには、働く場の確保、そしてまた県内企業の皆さんの、こうした世代にとって魅力がある職場づくり、このようなことが欠かせないと感じております。

 今日は企業の関係の皆さんも多くいらっしゃっていますが、ぜひぜひ、その認識を持って、共有していただけたらと思います。子育てのしやすい職場環境なのか、また、チャレンジをして十分なチャンスが待っている職場なのか、いろんな要素があると思いますけれども、現実問題、若い女性が流出しているということを考えると、人手不足が叫ばれる今日に至っては、企業としても、大いに取り組みを進めていただいたら幸いに思っているところです。

 また、今日はもう一つの観点、不妊治療の早期実施の重要性という観点からも、専門家の先生に来ていただいていますけれども、皆さん方からも「こんなアイデアがあるよ」というようなことがあれば、県の方にも、どんどんお寄せいただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、今すぐに目の前で大問題になるという話ではありませんけれども、指をくわえていたらやがては大問題になることが確定をしているというのが、少子高齢化・人口減少問題であるということですので、それぞれの団体、関係者が力を合わせて、一気に取り組みを進めていく必要性を本日のセミナーで共有できたら幸いに思っております。

 今日はどうぞ、最後までよろしくお願い申し上げまして、開会に当たっての挨拶といたします。


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