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令和2年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010869 更新日:2020年1月23日 印刷ページ表示

日時:令和2年年1月6日(月曜日)10時

場所:県庁第二別館6階大会議室

 

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 今年は非常に穏やかな正月となりましたけれども、それぞれが十分に英気を養って、今日を迎えられていることと思います。

 昨年は、新しい事業が多かった年でもあって、多忙を極めたと思いますけども、少し振り返ってみますと、まずは、何よりも大きな課題であったのは、西日本豪雨災害からの復興への取り組みでありました。おととしに発生した災害、非常に大きな傷痕を残しましたけれども、第一段階の問題をクリアして、徐々に復興への道のりを歩み始める中で迎えた新年でありました。ただ、大きな方向性というものにつきましては、被災された皆さんにも、少しずつ見えてきているのかな、そんなことも実感をしています。もちろん、まだまだ復興途上ではありますけれども、地域の課題につきましては、特に、サテライトオフィスでがんばっていただいた職員の皆さん、お疲れさまでした。当初お願いしたとおり、計画を一緒に作る、そして申請手続きも丁寧に一緒にやる、その使命を帯びて、サテライトオフィスで、地域に寄り添ったかたちで仕事をしていただきましたけれども、どこよりも早く、申請作業完了の段階を迎えることができました。今後はこのグループ補助金を生かして、それぞれが見えてきた道筋に従って、復興に向けて足を進めていく段階を迎えるんではなかろうかと思います。

 また、心配された一次産業の被害、特に、かんきつ産業は、壊滅的な打撃を受けた地域もありましたけれども、幸い、全員が、乗り越えていくんだという意識を持って、皆さんが離農せずにやっていくという意思を固めてくれているところでありますが、原形復旧・改良復旧・再編復旧と、三つの被災に応じた、きめ細やかな対応も浸透しまして、あと2箇所ばかりが最後の調整をしておりますけれども、大きな方向性が見えてきたんではなかろうかと思います。

 そして、復興に向けた取り組みが一年中続いた一方で、新規の取り組みも多くありました。3月には、愛媛国際映画祭のプレイベントが開催され、4月からは、東予東部地域の市長さんからの要請を受けまして、同圏域では初めての地域振興イベント「えひめさんさん物語」が7か月間にわたって展開されました。また5月には、土木部職員が開拓した、大型クルーズ船の松山港への初入港がございました。これを皮切りに、今年は昨年以上に入港する予定が立っているところであります。7月には、本当に長年の月日がかかりましたけれども、悲願であった松山-台北便が新たに就航し、今年の4月からは週4便への増便も決定したところでございます。搭乗率も非常に順調でありますから、これをさらに育てていくことができればというふうに思っております。また、ソウル便についても、回復の兆しが徐々に見えてきています。職員の皆さんの中にも、プライベートで行かれた方が多くいらっしゃったと思いますが、何とか、一番苦しいときの下支えができたんではなかろうかと思っております。さらに、秋口には、愛媛県で初めての大きな国際会議が二つ、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合、そして日中韓3カ国地方政府交流会議と、これらも無事に完了し、今後の展開へと結びついていく種がまかれたんではなかろうかというふうに思います。

 年末には、うれしいニュースも飛び込んできました。研究チームが16年の月日をかけて開発した、愛媛県初めてのオリジナルブランド米「ひめの凜」について、11月に千葉県で行われた全国の品評会での5,000種をこえる競い合いの中で、西予市の農家が作ってくれた「ひめの凜」が初デビューでいきなり最高賞を取るという快挙を成し遂げてくれました。これから、この受賞を機に、多くの生産農家でも「ひめの凜」への注目が上がり、質の面での米どころになり得る可能性が生まれてきたんではなかろうかと思います。また、同じ時期に、長年取り組んできた自転車施策についても、しまなみ海道が、国が創設したナショナルサイクルルートの指定第1号を受けました。名実ともに、日本を代表するサイクリングコースとしての地位を確立できたんではなかろうかというふうに思います。

 さて、こうしたことを受けまして、新たな年を迎えましたけれども、依然として、今年最大のテーマは、西日本豪雨からの復興、これに尽きると思います。まだまだ、仮設住宅での生活を余儀なくされている方も、たくさんいらっしゃいます。道筋は見えたとはいえ、まだまだ復興へは時間がかかるという方々もたくさんいらっしゃいますので、皆さん方には、西日本豪雨災害からの復興が最大の課題であるということを、あらためて心に刻んで臨んでいただきたいというふうに思います。

 また、昨年末、南予の市長・町長からの要請がございました復興イベントについては、来年、「南予、元気だぞ」ということを全国に発信するイベントを開催できるよう、準備を行っていくのが今年になっていくと思いますので、関係部署一丸となって取り組みを進めていただきたいと思います。

 そして、今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年であります。昨年のラグビーワールドカップに続きまして、スポーツで、大いに日本中が沸く年になるかもしれません。これをうまく活用するために、聖火リレーをはじめとする関連イベントの実施、そしてまた、種をまいてきた事前合宿、すでに、マレーシアのバドミントン、モザンビークの各種目、台湾のパラリンピック種目、また、西条市が進めるオーストリアのクライミングや新居浜市が進めるウエイトリフティング等も可能性があると思いますので、こうしたことも通じて、県民の皆さんに、オリンピックをより身近に感じていただけるような機会になるように取り組みをしていきたいと思います。もちろん、選手として出場可能なアスリートたちが愛媛県内にもたくさんいますので、そのフォローをし、一人でもオリンピック代表になれるよう後押しをしていきたいというふうにも思います。

 また、オリンピック・パラリンピック終了直後には、日本スポーツマスターズの全国大会が開催されます。スポーツ熱が一番ピークを迎えているときに行われる大会であり、国体のときのように、多くの方々が全国から訪れますので、愛媛ファンを増やす最大のチャンスと位置付けて、準備に当たっていきたいと思います。

 さらに、新年早々、昨年のプレイベントに続きまして、第1回の愛媛国際映画祭が開催されます。文化も、人々を感動させ、つないでいく大きな力を持っていますが、メニューの方は、昨年の経験を生かして、準備が進められていますので、大いに盛り上げていきたいというふうに思います。

 また、昨年の9月議会で、条例が制定されました官民協力型の「子ども子育て応援基金」も、本格的に今年から基金を活用した事業のスタートを切ります。初めてのマッチング式の基金。寄附をいただいた金額と同額を愛媛県が積むということで、基金の充実を図り、そして、公平な立場で審査を行った上で、例えば、子ども食堂であるとか、不登校児童対策であるとか、民間できめ細かく、しっかりと行っている方々をフォローする新たな取り組みを始めていきたいというふうに思います。

 そして昨年、5Gをはじめとするデジタル化の時代を迎えるに当たりまして、これをどのように活用するか、どのような絵を描けるかどうかの勝負だということで、プロジェクトチームを発足させていただきました。各部署の若手職員が集まって、知恵を絞って、さまざまな提案が出てくるのが今年ではなかろうかと思いますので、できれば当初予算で、このデジタル化に向けた新たな取り組みの芽出しの事業を行うことができればと、期待をしているところでございます。

 オリンピック・パラリンピックまでは、何となくの空気で上昇的な気持ちが続くと思いますけれども、問題はその後であります。少子高齢化に伴う人口減少、また、格差の問題、さまざまな課題がわれわれの前に立ちはだかっています。社会保障制度もどうなっていくのか、全くまだ見込みが立っていない状況にあります。しかしそれを、指をくわえて見つめているだけでは遅れてしまう。いわば、オリンピック・パラリンピック終了後の経済動向を、あるいは社会保障のあり方を先取りして、県としてできることは手を打っていくという、まさに政策立案型の行政体の真価が問われる年にもなろうかと思いますので、昨年やったことと同じことをやってるだけでは、意味がないということを肝に銘じて、それぞれの部署で、大いに知恵を絞っていただきたいと思います。

 事程左様に、非常にやるべきことが多い年になろうかと思いますけれども、一緒に仕事をさせていただいて10年目を迎えますが、職員の皆さんには、10年前とは見違えるような政策立案力が根付いてきたんではなかろうかと思います。これからも一人一人のマンパワーをフルに発揮していただき、それをつなぎ合わせていけば、越えられない課題はないという、大きな自信を持って、今年一年、歩んでいただきたいと思います。また、体調管理をしっかり行うことがいい仕事にもつながると思いますので、職員の皆さんには、健康に十分注意されながら、大いに愛媛県のために尽くしていただきたいと思います。

 今年も1年間、どうぞよろしくお願い申し上げて、年頭に当たっての、仕事始めのあいさつとさせていただきます。


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