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令和5年度12月知事定例記者会見(令和5年12月21日)の要旨について

ページID:0039786 更新日:2024年1月10日 印刷ページ表示

日程:令和5年12月21日(木曜日)

時間:11時00分~12時01分

場所:知事会議室

 

(南海放送(幹事社))

記者クラブからの代表質問は1問です。成果重視の県政運営への転換についてお伺いします。今年度の県の予算額が過去最大に膨らむ中、来年度以降の3カ年では約400億円の財源が不足する見通しとなっておりまして、今後も難しい予算編成が予想されています。

そのような中、県の予算編成では、業績の評価指標、KPIを設定して成果重視の予算編成を行っていると伺っていますが、どのような課題を持って取り組んでいかれているのでしょうか。お教えください。

 

(知事)

その前にですね、コロナの感染状況。年末年始を迎えますので、県民の皆さんにお伝えして、注意喚起だけさせていただきたいと思います。

気温が一段と下がりまして、本格的な冬の到来を迎えております。新型コロナおよび季節性インフルエンザについては、全国的に増加傾向が続いております。年末年始、人の移動、交流が活発になって、感染リスクも高まってまいりますので、改めてお願いをしたいと思います。

まず患者報告数なんですけども、昨年度の第8波以降、定点当たりの患者報告数をこのグラフは示しております。昨年度は12月に入って感染が急拡大しまして、1月上旬に42.33人まで増加しました。今年度の直近の数字は、5.69人でございます。ただし、低い水準ではあるんですが、ご覧のように増加傾向が読み取れます。

次のパネルなんですけども、こちらはインフルエンザの報告数でございます。コロナ禍では感染防止を徹底していただきましたので、ご覧の通りほとんどインフルエンザが確認されない年が続きました。

赤色の線が今年度になります。青色の線が昨年度になります。緑色の線は、これ直近過去5年で最も報告数が多かったのが、平成30年度になるんですけど、そこを載せております。今年度は5月以降、ご覧のように、感染の流行を示すのが1人なんですけども、それを下回ることのない流行状況が続いてます。この赤色のところですね。ずっと続いてます。10月下旬には51.46人まで増加して、一旦低下したんですけども直近は17.95人で、依然として警報が続いております。こちらも今後、この緑色の平成30年度の感じを振り返りますと、注意が必要であるということはお分かりいただけるんではなかろうかと思います。

帰省、旅行、忘年会、新年会があると思いますので、感染拡大の可能性も十分ありますので、また年末年始はコロナ禍と違って多くの医療機関が休診になります。救急医療機関が逼迫(ひっぱく)するおそれもございます。

そこでもう一度思い起こしていただきたいのが、体調不良時、体調が良くないというときは、会食、イベント等への参加は見合わせていただきたいということ。それから、行うときも室内の換気、これをもう一度考えていただくということ。また、こまめな手洗い、アルコール消毒も結構いろんなところに配置されてますので、こういったものを活用し、場面に応じて、マスクの着用など基本的な感染対策を心掛けていただきたい。これアフターコロナ、ウィズコロナの社会を進めていくに必要だということを思い起こしていただけたらと思います。

また、来年3月まで新型コロナのワクチン接種、3月までが公費負担無料となっております。高齢者や基礎疾患をお持ちの方など重症化リスクの高い方は、ワクチン接種をご検討いただけたらと思います。

基本的な感染対策が一番の対策になりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

以上です。

 

(知事)

県民の皆さんには、私は、100を超える公約をお示しさせていただきまして、仕事をせよと選んでいただいた経緯があります。それを実現することが大事でありますから、これをベースに策定したのが総合計画でございます。この中では、九つの政策、37施策を掲げておりまして、そのそれぞれに重要目標達成指標、KGIを設定しております。このKGIは、県庁全組織に言わせていただいたのは、簡単に到達できる目標設定は何の意味もないと。決して到達できない夢物語のような目標設定も意味がないと。一生懸命頑張れば届くかもしれないという、現実的で、かつ、高いところに置くのが目標であるので、そういった考え方で、それぞれ数値目標を掲げてほしいということを言ってまいりました。その目標達成に向けて取り組む事務事業には、重要業績評価指標、KPIも設定しまして、これまで以上に皆さんの期待に応えられるよう、成果を重視した県政運営に現在努めているところでございます。

現在、職員には、政策立案から予算編成、それから執行、それから決算、さらには評価に至る一連のプロセスがございますが、この全般にわたりまして、成果を重視するよう意識改革を求めております。私の方から指示を行って、今年度初頭から、部局長を含めた全職員を対象に、KPI設定のための研修も実施しております。専門家による継続した伴走支援も、それぞれに行っております。早期の県庁組織への浸透、新しい財政、予算編成の考え方ですね、事業執行の考え方、これが浸透できるように取り組んでいるところでございます。

こうした中、本県の経済情勢は、観光産業を中心に、コロナ禍からの回復が見られるものの、ご案内のとおり、長引く物価高騰をはじめ、混迷する国際情勢もありまして、これを背景に、依然、先行きは不透明でございます。一方、先月公表した本県の財政見通しでは、この見通しというのは、あくまでも国の試算等を基に算定した、ざっくりとしたものでございます。その、今のざっくりとした数字で言うと、今後3年間で384億円もの財源不足を見込んでおりまして、来年度だけでも143億円の財源不足が想定され、当初予算編成はかなり難しい舵取りになるんじゃないかなというふうには思っております。

総合計画に掲げた「人」、「経済」、「暮らし」の三つの観点で示しましたとおり、人口減少対策、地域の稼ぐ力と県民所得の向上、災害等のリスクから県民の命を守るための備え、防災・減災対策、本県が抱える県政課題は山積しております。そのため、職員一人一人が総合計画の目標を強く意識して、これまでの延長線上ではなくて、どうすれば達成できるか。これ、当初から政策立案型行政体への脱皮、その意識改革の中で、なぜできないかからどうすればできるかというのを掲げてまいりましたが、こういった視点で、県庁一丸となって、積極的なチャレンジを予算という形で具現化したいというふうに思います。

6年度の当初予算編成にあたりましては、成果を重視したマネジメントを徹底し、メリハリの効いた政策展開と安定的な財政運営の両立を目指し、歳入・歳出の両面から必要な財源対策を講じながら、多様化・複雑化する県政課題を決して先送りすることなく、積極的に政策展開を図っていきたいと思います。

この前も記者会見で申し上げましたけども、これまで何かというと行政改革重視で、スクラップ・アンド・ビルドという言葉はよくお聞きになられたと思います。スクラップをして浮いた財源で何かをやると。ただ、これはどちらかというと消極的前進で、今、考えているのは、ビルド・アンド・スクラップ。逆転の発想で、やるべきことをまずやって、じゃあそれを実施するために何をやめて財源を捻出するか。そういう発想の中で物事を組み立てていく、そんな意識改革も浸透させていきたいというふうに思っています。以上です。

 

(南海放送(幹事社))

ただ今の答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。

 

(読売新聞)

読売新聞の長尾です。今、知事がおっしゃった、何をやめて財源を捻出するかというところなんですけれども、成長のためには投資が要るということで、必ずしも赤字の県になることが悪いことではないと思うんですけれども、その回収をする面についてですね、それはどういうふうにして回収していこうというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

 

(知事)

回収というのは、なかなか行政では、明確に民間と違ってですね、利益を追う団体ではありませんから。例えば、文化やスポーツっていうのは、必要だけども回収できる分野ではないですよね。福祉もそうですし。ちょっとその辺の回収ということについては、お答えするのは難しいかなと思うんですけど、要は、そのルールもどんどん変わっていきますので、そういった変化もあるだろうということを想定しながら、例えば決算であるとか、いざという時のための蓄えである財政調整基金であるとか、そういった将来にわたって必要とされる基金を、前もって用意しておく基金の造成であるとか、こういったことを全体的に常にオープンにしながら、健全財政を求めていくということになろうかと思います。ちょっと個々の事業でリターン・回収っていうのは、なかなかちょっと難しいかなと思います。

 

(南海放送)

南海放送です。今回のKPIも含めてなんですけれども、直接的ではないかもしれないんですけれども、県民にとってはどういった点で利益と言いますか、メリットと言いますか、あると知事は考えてらっしゃいますでしょうか。

 

(知事)

そうですね、やっぱり、なんと言っても、県庁、公に尽くす組織ですから、そこが明確な方針のもとに活性化して動いていくという結果に結び付くということ、これが、ひいては、県民のためになるというふうに思います。ビジョンが無ければ、組織は目の前にあるものをだらだらと片付ける存在になってしまいます。発展性、将来性、そういったものが見えなくなっていきますので、こうした意識が浸透することによって、常にアグレッシブ、かつ、活発、クリアなですね、県政に結び付くというのが最大のメリットとお感じいただけたらいいんじゃないかなと思います。

 

(南海放送)

職員の方にもそれを汲(く)んでもらったと。

 

(知事)

そうですね。はい。

 

(南海放送(幹事社))

他によろしいでしょうか。それでは代表質問以外に質問のある社はお願いします。

 

(NHK)

ライドシェアの話題についてお伺いします。一般ドライバーが、自家用車を使って有料で人を運ぶライドシェアについて、政府は来年4月からタクシー会社による運行管理を条件に、一部の地域や時間帯などに限定しながら導入する方針を明らかにしました。

まず、県として、このライドシェアについてどう受け止めているか。また独自の支援など検討していることがあれば、お願いします。

 

(知事)

急にこれ、ライドシェアの話が活発になってきて、ただ皆さんも、どういうものなのか分からない方も多いので、簡単に言えば、一般のドライバーの皆さんが自家用車を使って、お金を取って、タクシーのように有償で乗客を送迎する、これがライドシェアでございますけれども、現行の法律上は、2種免許、緑ナンバーじゃないとそういうことはできないので、そういう一般の人がやる場合、やってしまった場合は、よく聞く白タク行為ということで禁止をされているというのが、現行法でございます。

しかし、今、タクシーの運転手さんが不足している。今日も朝、テレビでやっていましたけれど、東京のタクシー会社が、運転手さんが確保できないので、車が半分ぐらい稼働してないとかですね、そんなニュースをやっていましたけれども、運転手さんの不足。それから、地方においては、交通機関の空白地域、バスもなくなってしまったとかですね、そういった地域もあるので、こういった問題をクリアする、あるいは、解消することを目的に来年4月から、これ条件があって、タクシーが不足する地域や、時期、時間帯に限って、全面解禁ではなくて、部分解禁されることになりました。

県の空白地域等々を考えると、有効な一つの手段ではあるなというふうに思っています。

ただ、今回の政府の方針というのは、タクシー会社が安全担保のための車両整備や、運送の責任を負わなければならないと、これ安全対策として、そういうルールにするということだそうですけれども、それに加えまして、公共交通の現状や課題は、先ほど申し上げましたように、都市部と地方では異なっているということ。それから、乗客やドライバーが、被害者となる事件発生の懸念、それから、現行のタクシー制度との棲(す)み分けがどうなのかという点、まだまだ問題点も多いのも事実であります。

現時点では、そういったことを含めた制度設計は、不透明でございます。まずは、県としては、今、有効な手段としては認識しているけれども、特に安全確保等への対応などの国の検討状況をしっかり見極める必要があるのではないかというのが、今の立場でございます。

県独自でというお話もありましたけども、今述べたとおり、国の制度設計がまだ検討段階でありますので、まだクリアすべき課題も多いこと、それから、地方と都市で状況が異なるように、愛媛県においても、市町によって状況が全く異なっています。だから、そういったことを鑑みて、まだ市町等の方から特段の要望は来ておりません。現時点では、独自の支援策はまだ考えていないです。

 

(読売新聞)

関連してなんですけれども、ライドシェアについて、運転手さんの年齢をですね、80歳まで引き上げるというような議論もなされているかと思います。知事の話しですと、安全性という部分でもちょっと一定の懸念がおありだということなんですけれども、その年齢の部分について何かご意見ありますでしょうか。

 

(知事)

そうですね、ちょっとどういう制度なのか分からないし、議論に参画しているわけじゃないんですけど、一般論として言えば、今、高齢者の運転に伴う事故等もありますので、例えば、もし年齢をある程度高めにするのであれば、何ですかね、資格検査であるとか、何らかのことはやるべきではないかな、というふうには思いますけどね。

 

(テレビ愛媛)

すみません、先ほど交通機関の空白地帯もある中で有効な手段であるというお話でしたが、都市部と過疎地域、中山間部、それぞれ違いはあると思いますが、どういった点で有効であると考えていますでしょうか。

 

(知事)

これは本当に、都市部は何となくなら分かりますよ、そもそも車があって、運転手さんがいないと。そういうところにカバーする、車両なんかも貸し出すとか、自家用車を使う場合もあれば、それは分からないんですけど、ちょっと状況が分かりません、都市部の関係は。空白地帯に行くと、実は現行法の中でも既にできることがあるんですね。例えば、既に愛媛県では、実は14の市町で自家用自動車を利用した有償旅客運送を実施しています。これ、コミュニティバスとかですね、デマンド交通。これはもう、現行の法律の中でもできる形態は実施しているので、そういったところと、どうバッティングするのかというのは、よく分からないですし、むしろ、こちらの新しい制度の方がいいというのであれば、シフトするところも出てくると思いますから、それはもうやっぱり、一番地域の現状を把握している市町ごとに考えていく、それを受けて県が動いていくという形が一番自然なのではないかな、というふうに思います。

 

(NHK)

すいません、NHKの秋山です。2023年の会見としては、本日が最後になるとは思うんですけれども、改めて今年1年を振り返られて、また、再選されて12月で1年経ったりとかっていうのもあったと思うんですけれども、改めて今年1月、12月振り返られて知事として印象に残った点、また来年に残った課題といったものがあれば教えていただけないでしょうか。

 

(知事)

そうですね、何といっても、昨年は、一昨年からコロナの株というのは変質をして、弱毒化してきていましたので、割と早い段階からオミクロン株に対応した制度に切り替えるべきだということは申し上げてきたんですけども、むしろ県民の皆さん、国民の皆さんの方が、オミクロン株の性質を見抜いて、いろんな動きをし始めたっていうのが先行したと思うんですね。5月になってようやく5類移行が正式に決まって、完全にステージが変わったというふうな1年だったと思います。

特に3年以上にわたってコロナ禍の経済活動や社会生活が続いてましたんで、ただ、やっぱり3年もああいう形が続くとですね、本当に人々の価値観が変わったなっていうことを実感します。例えば、それは働き方のスタイルにも現れましたし、レジャーの過ごし方にも現れましたし、暮らし方にも現れて、その変化っていうのを本当に考えた上で、政策の見直しをする必要があるなというのを実感した1年でもありました。

また、この中で、国際情勢も大きく変わり、その影響をどうすればいいのか、あるいは、本当にリアルな活動が経済的にもできるようになったんで、そのスタートダッシュをどうやるか、という課題から、本当にステージが変わったことによって、何もかもが新スタートを切るというふうなことに集中する、ホップステップジャンプで言えばホップというようなことを意識する1年ではなかったかなというふうに思いますね。

ある程度のことは、例えば一番分かりやすいのが航空路線の再開だと思いますけども、目に見える形で明らかにこの3年前とは違った動きが始まってますんで、これを来年はホップからステップへと持っていくという気構えで臨んでいきたいと思っています。

 

(読売新聞)

読売新聞の長尾です。すいません、ちょっと、来年の準備をする前にということでもあるのですけれども、今、国会でですね、国会議員のパーティー券問題、裏金化しているということに強制捜査が入っている段階です。県からも県選出の議員、清和会所属の議員が3人いらっしゃいます。3人いるということで少なからずの県政への影響とかも考えられるのですが、知事としては今回の政治資金問題をどのように考えられますでしょうか。

 

(知事)

分かりません。政治資金、私もパーティーありますし、政治活動をやっています。そもそもですね、全部のステージを経験させていただいたので、立場立場で置かれている環境が全然違うんですね。例えば、国会議員であれば、税金を原資とした公費で、例えば文書通信費や、それから公設秘書の給料とか、全部税金で出ますよね。かつ、そこで、政党に属していた場合、さらにそこに、これも税金を原資とした政党交付金というものが出ます。

地方の場合は、例えば無所属、地方で政治をやる場合は、この二つとも税金を原資としたものはないんですね。唯一あるとすれば、政務活動費、これは税金を原資としてある程度議員さんには認められています。

ただ、首長の場合は、さらになくてですね、政務活動費もありません。交際費というのがあるんだけども、これは、本当にしっかりと、どういう場合に使うかっていうのは管理しています。例えば、公の立場で参加をし、会費を求められた場合の交際費支出とか、それは全部オープンにしてます。

何もなくしなければ、何が起こるかっていうと、例えば僕の場合、事務所も持たずやった場合ですね、もう公務以外は何もできないと。果たしてそれで良いんだろうか、こういう大きな問題があるのは県勢の発展に結びつくような人脈の開拓もできないし、それから、下手をするとですね、公私混同の恐れがあるんですね。今、私の活動っていうのは、公務、公人としての活動と、政治活動と、それから個人の活動と、この場合は公人なのか、政治活動なんかって、いつも考えてるんですよ。

そのときに、移動手段も含めてしっかり考えておく必要があると思うんですけど、公の仕事から個人の仕事、あるいは個人の活動に行く場合ですね。ここの移動の下りるとこまでは公用車が使えるんですけど、その次の段階では、自分で運転するか、事務所の車で行くか、そこも考えながら、全て公私のなんていうんですかね、セパレートっていうのを意識しながらやってます。

そういうふうな活動を、公私の区別をはっきりさせるということプラス、愛媛県勢を発展させるために、いろんな人と出会わなきゃなんない。でもその結果ってのは先ですから、それが公費として認められるかと言ったら難しいと思うので、これはもう政治活動でやるしかないと。

そういうふうなことを行うために、私どももやっていますが、無所属の場合は企業献金団体献金ないですから、パーティーでやるしか方法がないですね。そういう中でやってます。ただし、大事なことは、どの立場であれ、法律の下に、政治活動で集めたお金は収入をちゃんと記録すること。それから支出はこういうふうに使いましたということを記録すること、これは最大原則だと思うので、今回はそれを大きく逸脱してるような、まだ分かりませんけども、そのような感じがするので、そこは説明すべきだというふうに思いますね。

 

(愛媛新聞)

愛媛新聞です。すいません、関連してなんですけれども、そもそもここまで混乱をしている国政について、例えば知事はどういうふうに見てらっしゃるのか。

 

(知事)

そうですね。昔と今は本当に違うなということが一つあります。それは、ここまで混乱したら、少なくとも、私も昔、何十年前、国会にいましたけど、若い政治家は暴れますよ。でも、なんでこんなに静かなんですかね。若い政治家が立ち上がろうというような声、活動、全く聞こえてこないっていうのは、本当にどうなってんだろうかなっていうことは感じますね。

 

(愛媛新聞)

続けて申し訳ないんですけれども、すいませんちょっとお話が変わってしまうんですけど、松山市政でですね、坊っちゃん列車を考える会っていうのが動き出していたと思うんですけれども、それについて、あの当時、坊っちゃん列車を動かし始めた知事からのご意見というか、受け止めをお聞かせ願えればと思います。

 

(知事)

もうあれから20年経つので、ここでいったん、当時関わった者として整理しておくことも必要かなと思いますので、ちょっとお答えさせていただきます。

当時ですね、松山市の仕事をお任せいただいたときに、当時の松山というのは観光面でいうと、道後温泉とお城しかないということをよく言われました。これではリピーターの確保もできないし、いろんなまちづくりを進めていく中で、トータルで魅力度アップをさせていこうということを常に考えていました。

一つには坂の上の雲のまちづくりもそうでしたし、ハード面で言ったらロープウェイ街の整備や堀之内公園の整備や道後温泉周辺の整備、いろんなことをやった記憶があります。その中に一つ、シンボルが欲しかったんですけども、かねてから市民の間で坊っちゃん列車あったらいいねっていう声はたくさん聞いてましたんで、実はこれは松山市の方から伊予鉄の方に、坊っちゃん列車の復活を検討していただきたいという話を持っていった経緯があります。これが最初なんです。そのときに公共交通機関を担う会社として検討するというお答えはいただきました。そのときに助成制度っていうのはなかったんですね。国の助成制度でも、新しい車両を導入するときというのはバリアフリーとか、そういうものについては助成制度が4分の1があったんですよ。でも、坊っちゃん列車ってのは逆のバージョンですから、そういう国の助成制度は一切ないと。そんなことを考えるときに伊予鉄が坊っちゃん列車復活を発表したんです。もう自前でやるということで、これはもう僕も当時から絶対これは収益が取れるような話ではないし、もう本当にまちのためにやろうっていうふうな心意気に本当に拍手を送りました。

それであるがゆえに、4分の1の助成制度ぐらいはあってもいいんじゃないかということで、松山市の単独で助成制度を作って、4分の1の坊っちゃん列車導入時の導入支援という制度を作りました。これが8000万から9000万だったと記憶してます。だから、大半は20年前の支出になってます。まさにそういう中で当時、伊予鉄さんも今の時代と違って、今以上に余力があったと思うんですね。それから赤字を出しても、松山市のためになるんであればやろうということでずっと続けていただいてきた経緯があります。ここははっきりさせておく必要があると思うんですね。その後やっぱり、時代が変わって、民間企業ですから、収益構造も変わっていく中で非常に厳しくなってきたっていうのが、数年前というお話を聞いてますけども、そこでどういうやり取りが今の松山市と伊予鉄の間であったかは僕は分かりません。

だから、その中でいろんなやり取りはあったんだろうなと思うんですけど、そのやり取りの中身が分からないんで、ここは何とも言えないんです。今回の件を後で聞くとやり取りがあった上での発表だったと聞くんだけど、やっぱり唐突にポンと来たっていうのはちょっと驚きました。もう少し事前にあってもよかったんじゃないかなと。一方で、松山市も今までにいくら出したっていうことは、それはもう過去20年前の話なんです。今の運営ということに関して絞った方がいいんじゃないかなと思ったんで、記者会見の時に、両方とも冷静にお話し合ったらどうですかっていうことを言わせていただいたんです。どっちがどっちっていうことじゃなくて、観光のコンテンツとしてどう位置づけるのか、重要性をどう考えるのかっていうことも含めて議論し、その中で復活ということになれば、どうするのか、現状、かつての状況とか経済情勢も違ってますから、冷静に考えていく必要があるんじゃないかなっていうことで、それの中から、今回、会が開かれたことは良いことだと思ってます。結果はどうかは別にしてね。

ただやっぱりちゃんと経緯をしっかり踏まえた上で、当時の伊予鉄道の先人たちは僕はもう本当に感謝してます。赤字が出ても、まちのためにっていう心意気、それを製作するのに、古い設計図を引っ張り出して辞められた坊っちゃん列車の記憶が残っている社員さんが汽笛の音を再現するのに汗をかいたりですね、いろんな先人たちの思いがあの列車運行には集約されていますので、当時の記録も残ってると思いますけども、そういった人たちの気持ちも考えて議論してほしいなというふうには思いますね。

 

(愛媛新聞)

関連してというか、やはり知事もかなり思い入れはあると思っていいですかね。

 

(知事)

それはそうですね。やっぱり、朝、あの汽笛が鳴り響く光景がもう常態化してましたし、坊っちゃん列車に乗りに来るってお客さんもたくさんいますし、ある意味ではまちのシンボル的な存在なんじゃないかなと思ってます。観光パンフレットにも、これは松山市だけじゃなくて愛媛県でも、坊っちゃん列車の写真をいっぱい使わせてもらってますから、これも運行再開がもうないことになってしまうと変えなきゃいけないし、いろんなことを考えますね。

 

(読売新聞社)

関連なんですけれども、運休が表面化した際にですね、11月の会見だったと思うけど、まずはその話し合いの主体は、まずは市ありきだとおっしゃってましたけれども、現時点でもそのお考えは特に変わりはなく。

 

(知事)

変わりないです。ある意味では坊っちゃん列車も、観光まちづくりビジョンの中でどう位置付けるかっていうのが重要だと思ってるんで、前も申し上げましたように、JRの問題も含めて国際ホテルの問題も含めて、二番町、三番町に広がる更地の問題、L字の問題もいろんな課題が溜(た)まっていますので、これらのまちをどうするかっていうビジョンの中で、坊っちゃん列車が関わるべきっていうふうな角度も必要だと思うんですね。だから、できるだけ早くビジョンを出していただきたいという気持ちは変わりません。これだけの問題を動かす組織として動いていくには、個々にやっても、なかなかスピードアップしないと思うんで、ビジョンの中で一気に組織力でいくっていうことが、課題解決に向けてのエネルギーになるんじゃないかなというふうに思います。

 

(読売新聞社)

特に今回の考える会には県もオブザーバーとして参加されてますけれども、特段主体的にお話しした支援というか、そういうことを考えてらっしゃるわけではないですか。

 

(知事)

ないです。オブザーバーとしての参加は依頼があったんで。前の坊っちゃん列車導入時は市の単独事業です。

 

(読売新聞社)

分かりました。はい。

 

(愛媛新聞)

すいません。愛媛新聞です。今年1年の話が先ほどあったと思うんですけれども、坊っちゃん列車も含め、結構、中村知事側から市政に対して注文をするっていうようなシーンがどうしても目立ったなというふうに振り返ってみて思うんですけれども、そこについてどういった意図があるのかというのが一つと、あと例えばバスタに関しても、まちづくりに関しても注文をしていた件が、どのように市から回答があったのか、なかったのか。

 

(知事)

まちづくりの主体っていうのはそれぞれの市町なんですけれども、ちょうど来年は鉄道高架事業、これは国と県でやって、まちづくりは市でという役割分担の中で始まってますから、これが高架の方が完成してしまいます。これは加戸前知事の思いからスタートした事業ですけれども、その完成を迎えるに当たって、まだ周辺整備がどうなっていくかビジョンがまだ見えていないので、ちょっとその辺りの焦り、こんなチャンスないから生かしてほしいというそんな思いはあります。

それとやっぱり街中の状況を見ていると、例えば国際ホテルにしろ、L字にしろ、私の時はロープウェイ街の問題があったんですけれども、市が中に入って率先してやらなかったら動くはずがないと思います。そこをぜひ分かってほしいと、どんどんやったらいいんじゃないかっていう期待ですね。さっきちょっと言った話ですけど、組織、市役所も県庁もそうなんですけれども、活性化させるためには最初にビジョンがすごく大事だと思います。物事なんでもそうだと思いますけれども、ビジョンがあれば、それを共有することによって役所の職員の皆さんが力を発揮してくれますので、今まさにそこが大事なんじゃないかなというふうに思いますので、ささやかながらのアドバイスと受け止めていただいたらいいんじゃないかと思いますね。それで動いていただけたらハッピーです。

 

(愛媛新聞)

ちなみに知事がいくつかアドバイスをされてたと思うんですけれども、市側から今こういう状況ですというような回答は一定程度あったんでしょうか。

 

(知事)

まだないので繰り返し言っているという状況。だから早くされた方がいいのではないかと。

 

(時事通信)

時事通信の山口です。先週ですね、四国電力さんが、香川の高松と直島にマンダリンオリエンタルグループさんがホテルを進出するという発表をされましたけれども、よその県の話ではあるんですけども、松山でホテルが少なくなっている状況で、お隣の県がそういうふうに栄えていっている状況を含めて、四電の事業について改めての見解をお願いいたします。

 

(知事)

そうですね。この問題はですね、前の核燃料税とも絡んでくるんですけども、一番懸念しているのは、伊方発電所を抱える愛媛県の特殊性、いわば、四国電力の上層部が新規事業、全く経験のない新規事業に踏み出すわけですよね。そしたら関心がそっちに行って、原発の安全対策がおろそかになる可能性があると。ここが一番の懸念なんです。何を優先するかっていうのを間違ってもらっちゃ困る。だからこれはもうさらに厳しく、安全対策は確認していく必要があるなというふうなことが第一印象です。

それを踏まえた上で、別に四電さんがどうだというわけではないですけれども、香川県は香川県で、非常に優位性がありますよね。国の出先機関が集中しているということと国の事業によって港の整備が行われて、そこに国の出先機関が集中するっていう、ちょっと愛媛県にはない良い材料がありますので、一概には比較できません。ただ、ご指摘のように今この松山でいろいろな会を誘致したりしているのですけれども、ご指摘の通りですね、大きな宴会ができる場所がなくなっている。かつて、それを受けてくれていた東京第一ホテル松山も無くなりまして、かつて宴会もやっていた道後の(一部の)旅館も宴会は全て中止(※)にしましたので、本当に場所がない。本当に弥縫(びほう)策なのですけれど、そのために前回の議会で、県文のレストランの再開を目指して動き始めた。これは、弥縫策ですよね。でも、やっぱり香川がどうだということではなくて、今後の発展を考えた時には、やはりそれなりの宴会や会議が可能なそういった施設が、欲しいと思います。

ただ、これはひょっとしたら、松山の総合的なまちづくりのビジョンの中にそういった機能を持たすような構想があるのであれば、これはまた話が違ってくるのですね。県文の活用、もうこれもスピードが勝負だと思っていますので、丁寧にスピード感を求めながら、進めていきますけれども、構想があれば、何をしようかなっていうことを考える必要があったのですが、それもまだ出てきていないので、もう先に行こうということで、MICE機能というものを考えた民間施設を募集しようという決断に踏み切りました。ともかく、スピードが大事だと思っています。

 

(時事通信)

今回の香川のホテル事業の方には四電さん以外にも、JR四国さんであったりとか、あと四国の四つの地銀が入っているっていうのはすごく印象的で、なんていうか、高松に全てを持っていかれるっていうわけではないのですけれども、高松になんか全てが集まっているようなそういう印象を受けてしまって、ちょっと松山が周回遅れなのではないかというふうな感覚をちょっと受けたのですけれども、知事としてその四つの地銀さんが入っていることの意味をどういうふうに考えておられますか。

 

(知事)

別にそれは良いんじゃないですか。こっちで何かやるときにも、入ってくれたらいいわけですから。だから、まちづくりという点については、本当にビジョンについては、市の方にお問い合わせいただけたらと思います。

 

(愛媛新聞)

まちづくりに関連してなんですけど、この半年以上にわたって、知事は松山市側にビジョンを示してほしいという呼び掛けを続けられてきたと思います。しかし実際のところ、市の方から特段分かりやすい回答があったとはちょっと思えなかったということだと思うのですけれども、そういった中で、県文南側の県有地を動かすという、そういう動きがあったと思います。その中には、いつまで待っても、なかなか市側のビジョン・考え方が伝わりにくいので県の方が動いた、そのように受け止められるところがあると思うのですけども、その中に政治家の知事としてですね、野志市政あるいは野志市長に対する失望的なものも感じとるところがあるのですが、その辺について知事はどのようにお感じになられているのでしょうか。

 

(知事)

いやいや、そんなことはないですよ。もう一生懸命やられていると思いますし、細かい対策もやっているのですが、ただここの大きな変動要因があるので、大きなビジョンが必要になってきている。だからそういった段階を迎えているので、こういうふうにした方がいいんじゃないかっていう、自分なりの思いを送っているだけで、それをどう受け止めるかどうかは、これは個人個人の判断ですから、僕もコメントのしようがないのですけれども、ただ、さっき言ったように現実的に、やっぱり問題がたまってきているので、それをやっぱり一気呵成(かせい)に解決、組織力でもって解決するには、本当にリーダーシップがすごく重要になってきているので、頑張って欲しいなという立場です。

 

(愛媛新聞)

分かりました。ありがとうございます。

 

(南海放送(幹事社))

他によろしいでしょうか。それではこれで終わります。

 

議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。

 

(※)「大規模な宴会を縮小したりやめてしまった旅館、ホテルもある」という意味合い

 


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