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試験研究成果

ページID:0037741 更新日:2024年1月26日 印刷ページ表示

試験研究成果一覧

【令和4年度成果】

試験研究課題名

実施年度 実施部署 目的 主な成果 資料
漁業資源調査費 昭和52~ 水研センター_環境資源室・栽培研_浅海調査室・東予駐在 わが国200カイリ水域内の漁業資源、発生量等を調査、数量化し、漁業資源量や資源水準及び漁獲許容量を推定するために必要な資料を整備する。

〇調査データは、データ交換システムを通じて委託元の(国研)水産研究・教育機構水産資源研究所及び水産技術研究所へ報告した。

〇対象魚種の体長組成、成熟状況、性比、肥満度や卵稚仔の分布状況等の生物データ及び標本船日誌、水揚量等の漁獲データを収集した。

 
漁況海況予報事業費 昭和39~ 水研センター_環境資源室・試験船「よしゅう」 本県沿岸域の漁況海況の調査を行い、関係漁業団体や漁業者へ迅速に情報を提供する。 〇宇和海、伊予灘、燧灘の海況及び宇和海の漁況について調査し、収集した情報をとりまとめ、関係漁業団体や漁業者に広報した。 宇和海海況情報サービス [PDFファイル/414KB]
漁場環境モニタリング調査指導事業費 平成12~ 水研センター_環境資源室・試験船「よしゅう」・栽培研_浅海調査室・東予駐在 赤潮等による漁業被害を未然に防止するための水質・底質等漁業環境のモニタリング調査を実施する。
西部瀬戸内海沿岸6県が広域共同調査を行い、有害赤潮の分布拡大域状況を情報化する。
赤潮による被害を防止するため、へい死機構の解明と発生予察を行う。
〇調査で得たサンプルを各県と愛媛大学で分析し、水産技術研究所と共同でデータを解析することで、赤潮発生予測方法について検討した。
〇愛媛県沿岸の漁場環境を把握するため、水質・底質・藻場・有害有毒プランクトン等の調査を行った。
 
ブリ迅速育種技術開発試験費 令和3~6 水研センター_養殖推進室 遺伝子分析を活用して、高成長や低魚粉飼料に適応する形質を有し、生産コスト削減や付加価値向上に資する本県オリジナルの優良家系ブリを迅速に作出する。 天然及び人工種苗より、有用とみられる形質を持ったブリを継続飼育し、令和5年度に実施する種苗生産の親魚候補とした。また、DNA分析により種苗生産に使用した親魚の遺伝子型を決定した。  
有用水産資源増大技術開発試験費 令和2~4 栽培研_浅海調査室 流れ藻を利用するガザミやメバルなどの有用水産資源の保護・増大を目指し、瀬戸内海流れ藻調査やその結果をもとに人工流れ藻の作製・実証試験を行う。 〇流れ藻調査により流れ藻構成種の季節的変動を把握した。また、ガザミの稚ガニやメバルの稚魚など多くの生物が流れ藻を活用していることが確認された。
〇人工流れ藻の機能性評価試験を実施し、流れ藻に適した素材や有効な構造を明らかにした。
 
アサリ資源回復技術高度化試験費 令和3~5 栽培研_浅海調査室東予駐在 本県西条市高須海岸干潟では、毎年5–6月になると、天然のアサリ稚貝が発生しているが、食害や餌料不足等を原因に成貝となる前にその大半が消滅するため、漁獲に繋がっていない。
本事業では、過去の研究においてアサリ稚貝に対し、一定の保護効果を示した被せ網(底網あり)と、同じく一定の餌料環境改善効果を示した施肥を組み合わせて、他県では報告例のない新手法を検討し、資源回復に向けた技術の高度化を目指す。
〇新構造の被せ網によって、従来構造の被せ網と同程度の保護効果を維持しつつ、設置にかかる負担を減らすことに成功した。
〇施肥と被せ網の併用によって、一定の成長性の向上効果を確認した。
 
高水温耐性ノリ作出技術開発試験費 令和3~5 栽培研_浅海調査室東予駐在 近年、全国的な問題となっているノリ養殖漁場の高水温化に伴う養殖ノリ減産への対策として、当所では、H30–R2年度まで高水温下でも養殖可能な品種の作出に取り組み、候補となる株の選抜に成功した。本事業では、同候補株を用いて室内培養試験及び養殖試験を繰り返し、本県のノリ養殖漁場に適したオリジナル品種の作出を進める。 〇ノリ漁期中(10~3月)に毎週ノリ漁場環境調査を実施し、「ノリ養殖漁場栄養塩速報」として関係各所へ広報した。
〇28℃(高水温)で選抜を繰り返し、高水温耐性候補株として保存した。
○令和5年度に試験を実施するため、前年度選抜株及び、対照品種(U-51株)を用いて、カキ殻糸状体の育成を開始した。
 
資源管理推進事業費 平成13~令和2 水研センター_環境資源室・栽培研_浅海調査室・東予駐在 県内の重要水産資源であるサワラ、カタクチイワシ、マコガレイについて、漁獲・資源動向の把握と、適切な資源管理の確立に努める。 〇対象魚種の体長組成、成熟状況、性比、肥満度や卵稚仔の分布状況等の生物データのほか、水揚量等の漁獲データを収集した。
〇サワラについては、ALC標識の確認を行い、放流魚の再捕状況を調査した。
〇カタクチイワシについては、調査データを基に、パッチ網漁の適切な解禁日を決定した。また、今期の不漁原因についての考察を行った。
 
重要水産資源管理手法策定調査費 平成30~令和4 水研センター_環境資源室・栽培研_浅海調査室・東予駐在 有用魚種であるタチウオ及びトラフグの漁獲量の減少傾向に歯止めがかからず、両種の資源管理が不可欠となっている。そのため、資源管理に必要な産卵場や育成場などの生態情報を収集し、資源管理手法を蓄積する。 タチウオの産卵特性を明らかにするとともに、年齢査定により資源量推定の基礎となるデータを収集した。トラフグについては漁獲物の体長組成を把握するとともに、人工種苗の標識放流調査を実施し、放流効果を推定した。  
伊予の媛貴海養殖種苗生産強化事業費 令和1~4 水研センター_養殖推進室 愛育フィッシュの牽引役となる「伊予の媛貴海」を周年にわたって販売できるよう種苗生産体制を高度化し、優良種苗の安定供給を図る。 〇これまでに得られた知見(餌料用孵化仔魚の一部代替、餌の切替タイミング等)を導入した新しい生産システムを考案し運用した。
〇養殖用種苗39,700尾を生産し養殖業者に出荷した。

スマ [PDFファイル/368KB]

媛スマ養殖生産拡大技術開発試験費 令和2~4 水研センター_養殖推進室 スマ養殖の産業化に向けて必要なスマ用配合飼料の開発を民間企業と共同で進めるとともに、中間育成時や養殖時における生残率の改善に必要な飼育技術の高度化について取り組む。 〇日齢8程度からの配合飼料への早期餌付けを検討した。飼育密度や水温を工夫することで例年より高い生残率での餌付けに成功した。
〇中間育成時に、餌料にビタミンを添加することで、成長と生残率が向上することを明らかにした。
〇長期飼育試験の結果から、ブリ類用配合飼料に比べて、酵素処理魚粉が含まれるマグロ用配合飼料の方が成長が良いことが明らかになった。

スマ [PDFファイル/368KB]

媛貴海 [PDFファイル/377KB]

海外輸出向け新養殖魚開発「ハイブリッドハタ作出技術開発」 令和2~4 水研センター_養殖推進室 中華圏において、「赤いハタ」は慶事に欠かせない最高級品として大きな需要があり、高価格で取引きされている。そこで、人工交配技術により、赤い体色を備えたハイブリッドハタの作出、養殖技術を開発する。 〇マハタ、クエ、キジハタの3魚種を雄または雌として使用した交配試験から、全ての組み合わせで受精は確認できたが、魚種が異なる組み合わせではふ化率が低い傾向がみられた。
〇キジハタ♀×マハタ♂及びマハタ♀×キジハタ♂の組み合わせで種苗生産を実施したが、初期の生残率が低く十分な数を生産できなかった。
 
アコヤガイへい死緊急対策事業費 令和1~4 水研センター環境資源室・養殖推進室・魚類検査室 宇和海において令和1年からアコヤガイが稚貝を中心に大量にへい死しており、稚貝不足の発生により真珠・真珠母貝養殖業への大きな影響が生じていることから、産学官が連携して大量へい死の原因究明を進めるとともに、環境変化に順応できる強い貝づくりに向け、オール愛媛の体制で取り組む。 〇漁場調査により、大量へい死は夏場を中心に母貝養殖漁場の全域で起こっていることが確認された。
〇各種漁場環境調査より、高水温、餌条件、赤潮などが主原因ではないと推定された。
〇遺伝的多様性調査より、近親交配の状態にはないと判断された。
〇感染試験より、何らかの感染症による可能性が高いと判断された。
〇高水温期に感染リスクの少ない宇和海北部漁場で稚貝を飼育することで、へい死率が軽減されくことが確認された。
〇大量へい死に強い貝の作出を目指して系統選抜を実施中。
 
真珠母貝仕立技術開発試験費 令和4~6 水研センター_養殖推進室 真珠生産過程におけるアコヤガイの肉質や血液成分の変動について調査し、従来の勘や経験に頼らず、科学的な裏付けに基づき、貝の状態を把握する指標を探索することで、生理的変化を科学的・定量的に明らかにして、真珠養殖業者間で大きな差のあった真珠の製品率と貝の生残率を高いレベルで安定化させ、生産技術の高度化を図る。 〇アコヤガイに真珠の基となる核を挿入する適期について、業者の勘に頼らず、挿入部位である生殖巣上皮の弾粘性により判定できることが分かった。
〇真珠となる核を挿入される貝と、核に付ける外套膜細胞片を採取する貝について、両者の相性を判断する手法を考案し、相性を考慮して作業をすることで、真珠品質が向上することが分かった。
 
県産サーモン開発試験費 令和4~8 栽培研_増殖技術室 サーモン需要の高まりに伴い、栽培資源研究所では平成28年度からサケ類、特にニジマス海面養殖の本県に適した海水馴致方法や成果品の高付加価値化の試験を実施した。しかし、本県では海面水温や養殖後の小型個体の出現により、県内で事業化された事例は少ない。
そこで本事業では、県内におけるサーモン海面養殖の普及を図るため、これまでの知見や技術を活用し、本県の漁場環境に適したサーモンの系統作出とその養殖技術を確立し、県内におけるサーモン海面養殖の普及を図る。
県内漁場2か所で全雌種苗及び高成長種苗の試験養殖を実施し、平均1.5kg以上で出荷が行われた。
〇高水温処理を施した親魚の成熟を確認し、海水飼育で高成長を示した親魚及び偽雄と交配し、稚魚約5万尾がふ化した。これらは、評価試験に用いるため、当所の循環ろ過水槽及び内水面の養殖場で飼育中である。
 
マダイの消化生理に基づく低価格・高効率飼料の開発 令和2~4 水研センター_養殖推進室 養殖魚にとって理想的な飼料原料である高品質な魚粉と、酵素処理した安価な植物性原料を用いて、現場において飼料の使用量が多い育成サイズのマダイにおける原料の消化率やアミノ酸利用率の違いを調査する。併せて、それらを摂取したときの消化機構や遺伝子発現、代謝系を調べることで、魚の生理状態の変化を明らかにしていく。 〇マダイに試験飼料を与え、タンパク質の消化率を求めた。濃縮大豆タンパクとコーングルテンミールで高く、フェザーミールで低い値となった。
〇低魚粉適応系統マダイ、通常系統マダイと低魚粉飼料、通常飼料を組み合わせて成長比較試験を行った。試験終了時に系統・飼料間で魚体重や肥満度、健康状態などに大きな違いは認められなかった。
低魚粉 [PDFファイル/930KB]
養殖マダイの重要疾病のリスク管理技術の開発 令和1~5 水研センター_魚類検査室 養殖マダイで発生した原因不明の疾病について、診断法、防除法を開発する。また、国際獣疫事務局(OIE)が指定する疾病のひとつであるマダイイリドウイルス病(RISV)について、疾病の清浄性担保の概念であるゾーニング(地理的区分での管理)による管理が可能であるか検証する。これらの課題は、水産研究・教育機構水産技術研究所と連携して実施する。 〇原因不明で死亡したマダイからサンプルを採取し、詳細な検査を実施した結果、複数のウイルスが検出された。
〇宇和海中部および南部の2漁場で定期的に採水し、海水中のイリドウイルス遺伝子量を調査した。
〇養殖魚及び養殖場周辺の天然魚をサンプリングし、イリドウイルス病遺伝子の保有状況を調査した。
 
マリンバンテルの使用成績調査 令和3~4 水研センター_魚類検査室 動物用医薬品は法に基づく定期的な再審査が求められるので、これに必要な成績調査を実施して結果を取りまとめて提供した。 防除能力と魚体への安全性を再確認した。  
水産用ワクチン植物創出基盤技術開発事業 令和4~5 水研センター_魚類検査室 養殖漁業では1経営体あたり数万から数十万尾、あるいはそれ以上の規模で魚を飼っている。このため、安価なワクチンへの要望は強く、また、注射でなく、餌に混ぜて投与が可能なワクチンが求められている。これに対応する技術を開発するべく、民間企業、茨城大学と共同で研究を行っている。 植物に大量産生させたウイルス様粒子を魚に与え、免疫機能が向上する傾向を確認した。  
クルマエビ資源管理体制高度化推進事業 令和3~6 栽培研_増殖技術室・浅海調査室東予駐在 クルマエビは、単価が高く収益性が高いことなどから、本県の重要な水産資源の一つであり、栽培漁業の代表種として燧灘を中心に県内各地で種苗放流が盛んに行われている。
しかしながら、その漁獲量は、全国的に減少傾向にあり、国内の総漁獲量はピーク時の1割以下にまで激減している。このため、本種資源の減少要因解明に繋がる情報収集に取り組み、資源管理方策高度化の検討に必要な瀬戸内海における系群構造を推定していく。
〇令和4年8~9月にかけて愛媛県漁業協同組合河原津支所に水揚げされた計2,041尾のクルマエビに標識(IDタグ)を装着し、燧灘の干潟域に放流した。翌年3月末現在、標識放流したクルマエビのうち、計2尾の再捕報告があった。
〇また、燧灘の標本市場において、水揚げされたクルマエビの体長測定や交尾状況等についての調査を継続している。
 
サメを用いた高機能抗体作製技術開発 平成29~令和7 栽培研_増殖技術室 ドチザメ科のサメを入手し、飼育管理し、愛媛大学から提供された抗原を用いてサメに免疫し、血液、組織等を愛媛大学に提供する。また、事業化に向けた飼育技術の高度化を図る。 〇エイラクブカ(ドチザメ科)の周年飼育をおこない、免疫試験に供した。  
ニジマス海面養殖安定生産技術開発 平成30~令和4 栽培研_増殖技術室 低水温性のサケ類の中では、比較的高水温に強く、高成長のため短期間で出荷が可能という利点を持つニジマスの海面養殖の安定的な産業化に向けて、成長のばらつきを抑えた海水馴致技術を確立する。さらに、高水温耐性や高成長・高生残といった海面養殖に適した優良家系の作出を試みる。 淡水での飼育時に20gでの海水経験を行うと、海水移行により上昇した血液浸透圧を、早期に正常値へと調整できた試験区の成長が速いことが確認された。
○過年度試験で海水飼育において成長のよかった系統を用いて親魚養成し、9尾中8尾から計3万5千粒採卵できた。
〇海面養殖において成長の良かった個体同士を交配して得た種苗では、950g以上で海面養殖を開始すると、成熟が先行し成長不良個体の出現が増加することが分かった。
サケ類 [PDFファイル/292KB]
アオノリ漁場生産力回復実証試験 平成30~令和4 栽培研_浅海調査室東予駐在 近年海水中の栄養塩濃度低下に伴う貧栄養化が問題となっており、県内アオノリ養殖漁場でも栄養塩不足による品質低下と生産量減少が起きている。そこで、これらの問題を改善するため、アオノリ養殖漁場への栄養塩添加技術を開発し、品質向上と増産を図る。 〇アオノリの養殖漁期に、支柱漁場で栄養塩添加試験を10日間実施した結果、アオノリの色調と品質の向上を確認した。
〇アオノリ養殖漁期中(4月~5月)、漁場環境調査をおこない、水温、塩分、栄養塩濃度の情報を、関係機関および養殖業者に広報した。
 
ブルーカーボンの評価手法及び効果的藻場形成技術の開発研究 令和3~6 栽培研_増殖技術室・浅海調査室・東予駐在 温室効果ガスの吸収源として期待されている藻場について、藻場タイプ別の二酸化炭素吸収量評価手法の開発や貯留量の全国評価を進めているところであり、本県では、CO2吸収源を増強する取組みとして、令和4年度からアオノリ養殖技術の改良とその増殖効果を検証する。 〇人工採苗による増産効果を検証するため、人工採苗網と天然採苗網による養殖試験を実施した結果、人工採苗網の方が網1枚あたりの試験期間中の総摘採量(湿重量)が多かった。
〇令和5年度漁期中に実施する試験のため、人工採苗を実施し、アオノリ種網を作成した。
 

【水研センター】:農林水産研究所_水産研究センター
【栽培研】:農林水産研究所_水産研究センター_栽培資源研究所

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