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試験研究報告21要約

ページID:0001307 更新日:2023年9月12日 印刷ページ表示

飼料給与方法の違いが泌乳最盛期牛の泌乳成績や生理状態へ及ぼす影響

枡井和恵、家木一、嶋家眞司

泌乳最盛期牛の適切な飼料給与技術を検討するため、分離給与下で初回に濃厚飼料を給与する区(C1区)とエン麦乾草を給与する区(H1区)および混合型飼料を給与する区(TMR区)の3処理について、泌乳成績や生理状態、特にルーメン内性状に及ぼす影響を調査した。その結果、飼料の摂取状況、泌乳成績およに尿中アラントイン排泄量に処理間に差は認められなかった。ルーメン内性状の日内平均は、pH、アンモニア態窒素(NH3-N)および総揮発性脂肪酸(VFA)濃度に処理間の差は認められなかったが、VFA組成のうち酢酸濃度と酢酸/プロピオン酸比率が、TMR区で高くなる傾向を示した(p<0.10)。ルーメン内性状の1日の推移では、10時におけるC1区のNH3-N濃度が他の区に比べて有意に低い値を示した(p<0.05)。また、酢酸/プロピオン酸比率はTMR区が他の処理に比べて1日を通じて高い傾向を示した(6時、10時、14時:p<0.05)。以上のことから、飼料給与方法の違いはルーメン微生物合成効率には影響しなかったが、ルーメン内発酵においては、TMR給与が分離給与に比べて酢酸日率の高い安定した発酵型を示すことが明らかになった。

キ-ワ-ド:乳牛、泌乳最盛期、TMR飼料、ルーメン内性状、揮発性脂肪酸

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超音波診断装置による黒毛和種繁殖牛の脂肪蓄積量と繁殖性の関連

岡田栄一、桧垣邦昭、山本哲、田端克俊

超音波診断装置を活用して、黒毛和種繁殖牛160頭の分娩前後の脂肪蓄積量を把握するとともに、分娩後の受胎日数との関係を明らかにして、繁殖雌牛としての適正な栄養状態を検討した。分娩前後の部位別皮下脂肪蓄積量は、部位により違いがあり、き甲部<第6-7肋間上部<尾根部<臀部の順で、腰角を境に蓄積量に大きな違いが認められ後躯への脂肪蓄積が多い結果であった。6部位の分娩後の皮下脂肪蓄積量は分娩前に比較して有意に減少した。この要因としては、分娩後の養分充足率の低下と考えられた。また、肋間脂肪蓄積量も分娩後有意に減少し、皮下脂肪と同様な傾向を示した。分娩前の産次別皮下脂肪蓄積量は、き甲部、第6-7肋上部ではほぼ一定の蓄積量で推移した。しかし、臀部や尾根部では産次が高くなるほど増加傾向を示し、後躯への脂肪蓄積量が増加する傾向が認められた。また、臀部は分娩を繰り返す毎に一定の割合で増加し、8産目がピーク値を示し10産目以降は減少傾向を示した。分娩前後の各部位の脂肪蓄積量と平均栄養度では、正の相関が認められ、特に臀部蓄積量と栄養度でr=0.63~0.65の比較的高い相関係数が認められたことから、分娩前後の栄養状態を把握する上では、臀部の蓄積脂肪に注意を払う必要があった。経産牛150頭の分娩4~2週前の臀部皮下脂肪蓄積量と分娩後の受胎日数で有意(p<0.05)な相関が認められ、最も良好な受胎日数が得られる分娩前の臀部皮下脂肪蓄積量の範囲は26~35mmで、平均受胎日数は67.9日であったことから、この範囲が分娩後の受胎性を高めるための適正な栄養状態と考えられた。

キ-ワ-ド:黒毛和種繁殖牛、超音波診断装置、皮下脂肪蓄積量、栄養度、繁殖性

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黒毛和種去勢牛肥育牛に対するビタミンCの添加が産肉性に及ぼす影響(第2報)

岡田栄一、桧垣邦昭、山本哲

伊予牛の高品質化の推進を目指した効率的な肥育技術体系の確立を図るため、ビタミンAをコントロールした中でビタミンC(CVCF90)を生後15ヶ月齢から出荷まで、1日体重1kgあたり40mgを毎日添加して、増体量、血液成分、肉質に及ぼす影響について検討した。増体積席は、終了時体重や通算DGには両区にに差は認められなかった。飼料摂取量は、肥育後期において添加区の濃厚飼料摂取量がやや多い傾向にあったが、粗飼料摂取には差が認められなかった。通算のTDN、CP、DCP要求率に差は認められなかった。肥育後期38週時の添加4時間後の血漿中ビタミンC濃度は、添加区3.31、対照区2.85mg/lで添加区が高い傾向を示した。

また、経時的変化は、添加4時間後にピークを示し、8時間以降で添加前の濃度に戻ることが推測され、血中ビタミンCの持続的な濃度維持は出来ないことが示唆された。枝肉成績は、歩留まり基準値で有意な差が認められた。また、ロース芯面積、バラ厚、BMSNo、脂肪交雑等級で添加区の高い傾向が認められた認められた。しかし、今回の添加量では、締まり・きめに対する効果は認められなかった。枝肉販売価格は添加区が対照区と比較して約5万円高く、肥育差益でも14,000円高であった。

キ-ワ-ド:黒毛和種去勢牛、ビタミンC添加、産肉成績、経済性

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