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かんきつ類の統計
1.かんきつ類は国産果樹の王様
国の農林水産統計では国内産の主要果樹14品目について調査を行っていますが、これによれば令和3年産温州みかんの収穫量は第1位、産出額は第3位であり、国内の代表的な果実となっています。また、この温州みかんに中晩柑類を加えたかんきつ類は日本一の国産果樹といえます。
【関連データ】果樹の収穫量と産出額[PDFファイル/66KB]
2.隔年結果の大きな温州みかん
温州みかんの収穫量は昭和50年産をピークに減少傾向で推移していますが、各年の収穫量をみると豊作(おもて年)と不作(うら年)がほぼ交互にやってきます。このような性質を隔年結果といい、中晩柑類やりんごなどでも発生します。この隔年結果は、全国の産地に一斉に豊作と不作をもたらしますが、近年、温州みかんについては栽培技術の向上等により、全国的にこの傾向が緩和されつつあります。
愛媛県について、3年産は、着果量が多く、天候にも恵まれたため、収穫量は増加しました。4年産は、着果量が少なく、秋期の乾燥の影響で収穫量は減少しました。
【関連データ】温州みかんの主要3県の収穫量の推移[PDFファイル/100KB]
3.総合力で他産地を凌駕する“柑橘王国”愛媛県
愛媛県の令和2年産かんきつ類の収穫量は、温州みかんでは全国第3位、中晩柑類は第1位となっています。また、かんきつ類全体では19万トンで第2位となっています。
かんきつ類の品目数を県別にみると、愛媛県は40(温州みかん1+中晩柑類39)あり、これは日本一となっています(2位の和歌山県の1.3倍)。ちなみに、愛媛県が独自に行っている統計調査によれば、名称が確認されたものだけでかんきつ類の収穫品目数は47品目となっています。
かんきつ類の産出額は、他の主産地と比較して高水準を維持しており、令和3年産のかんきつ類の産出額は381億円と高い値となっております。また、本県のかんきつ類は、9月の温州みかんから始まり、愛媛果試第28号(紅まどんな)、伊予柑、甘平、せとか、河内晩柑と続き、生産量全国1位の主力品種を中心としたリレー販売ができる周年供給体制が構築されています。
このように、愛媛県はかんきつ類の収穫量、品種数、産出額など多くの要素で全国トップクラスにあり、年間をとして高品質な果実を供給できる体制も構築されていることから、総合力で他県を凌駕する「柑橘王国」であると考えております。
【関連データ】温州みかん・中晩柑類の上位3県の収穫量の推移[PDFファイル/61KB]
【関連データ】中晩柑類の県別収穫量[PDFファイル/103KB]
【関連データ】愛媛県におけるかんきつ類各品目の収穫量の推移[PDFファイル/120KB]
4.優良品種への転換が進む愛媛県のかんきつ類
愛媛県におけるかんきつ類の収穫量はこの30年間で半減し、圧倒的な収穫量を持っていた伊予柑も近年急激に減少しています。
しかし、その一方で他の中晩柑類への品目転換も進み、愛媛果試第28号(紅まどんな)や甘平、せとかなど食味のよい優良品種が急速に増えています。
【関連データ】愛媛県におけるかんきつ類の収穫量の推移[PDFファイル/70KB]
5.愛媛県における市町別かんきつ類の収穫状況
愛媛県におけるかんきつ類の主要品目である温州みかん、伊予柑、ポンカン、不知火(デコポン)、夏みかんの収穫量を市町別にみると、温州みかん、ポンカン、夏みかんは県南地域が、伊予柑は松山市がそれぞれ多くなっており、また、不知火はあまり地域的な偏りがなく広く栽培が行われています。
近年栽培が急速に増えている優良品種では、県が育成したオリジナル2品種のうち愛媛果試第28号(紅まどんな)は松山市とその周辺市町が、甘平は県下全域で産地化されています。
また、国が育成したせとかとはれひめは松山市と今治市が主産地となっており、海外から持ち込まれた品種のうちカラマンダリンは松山市で、タロッコは県南地域でそれぞれ収穫量が多くなっています。