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令和5年度8月知事定例記者会見(令和5年8月10日)の要旨について

ページID:0011127 更新日:2023年8月18日 印刷ページ表示

日時:令和5年8月10日(木曜日)

11時18分~11時55分

場所:知事会議室

 

 

 

(南海放送(幹事社))

 それでは、会見に移ります。記者クラブからの代表質問は1問です。「物流の2024年問題」に対する、県の対策についてお伺いします。

 来年4月から、トラックドライバーの時間外労働規制が強化されることに伴いまして、輸送能力が不足して、これまでのように物が運べなくなるという「物流の2024年問題」が懸念されております。本県は、かんきつや水産品など、生産量がトップクラスですが、首都圏など大規模な消費地から遠い上に、鮮度の高さが要求される、それらの商品の出荷が多いので、大きなリスク要因と考えられています。

 つきましては、知事に、この問題に対するご認識と、県の今後の対策などをお伺いしたいと思います。

 

(知事)

 時代の流れの中で、働き方改革が進められて、その中で社会に大きな影響を与えるであろう「物流の2024年問題」が急浮上しています。法律が制定されましたので、それに伴って実施に移されることになりますので、その対応状況というのは、それぞれの地域によって、生産物も違いますから、対応の仕方も変わってくると思いますが、本県は特に一次産業が、基幹産業でございますので、そこへの影響を懸念しております。

 令和6年の4月からトラックドライバーにも、この働き方改革関連法が適用されるということで、中身は時間外労働が年間960時間に制限をされるというのが、この法律の一番大きな改正点でございます。また、1日当たりの拘束時間も短縮されることになります。ということで、ドライバーの方々の労働時間が法律で決められて、短くなるということになりますから、当然のことながら、その結果、輸送力が低下する。特に長距離物流への影響が懸念されます。

 具体的には早朝、それから深夜をはじめ、日時指定による納入や出荷が難しくなることが予想されます。また、配送時間の長期化等の問題が生じまして、荷主側の生産効率の低下、それに伴った売り上げの減少、顧客の流出、こういったことも危惧されているところでございます。

 一方で運ぶ側、トラック運送業界は、燃油価格、昨日もガソリン価格の補助金が減少してきたことによって、180円を久方ぶりに超えるというような、ニュースも流れておりますけれども、軽油も含めて燃油価格が高騰しておりますので、非常に厳しい経営状況にあります。

 また、他産業と比べて長時間労働、賃金の問題、人材不足も深刻でございまして、労働環境の改善や生産性の向上は、喫緊の課題であることは間違いありません。

 しかし、それらは業界の自助努力のみで解決できるレベルを超えてきているというふうに思います。そのためには、適正な運賃への是正、荷待ちや荷役など物流にかかる負荷の軽減、また納品期限の見直し等、荷主の企業や消費者の行動変容による取引環境の改善が必要と思います。

 そうでなければ、物流の維持は困難になっていく段階に入っていくのではないかと、「2024年問題」というのは、それだけ大きなインパクトをもたらすというふうに捉えております。

 これを受けて県では、県トラック協会に対しまして、運送事業者はもちろんのこと、いま申し上げたような状況ですから、発注者である荷主側の理解促進を図る必要があると判断し、セミナー開催等の啓発事業をはじめ、大型免許の取得や健康診断の実施など、業界の人材確保につながる取り組みに対しまして、運輸事業振興助成金により助成しているほか、運送事業者の中長期的な経営を支援するため、エコタイヤ購入に対する補助を実施しているところでございます。

 特に、基幹産業である本県の農林水産業の分野では、温州みかんの7割が首都圏、関東の首都圏に出ています。また、水産物も5割以上が首都圏以北に運ばれている状況であります。問題は、そのほとんどがトラック輸送で対応しているということにありますので、今後「出荷したい時期に、出荷したい量を運べなくなる。」ことも懸念されるなど、この問題への対策は、本県の農林水産業にとって、極めて重要な喫緊の課題であると思います。

 このため、県では生産者団体との情報共有や、意見交換を重ねているところでありまして、現時点で事業者の具体的な対応としましては、かんきつの方では、船舶による代替輸送ができないかという検証が行われております。それから、荷待ち時間や荷積み時間の短縮方法の検討も行っております。また、計画的な出荷方策や、JR貨物列車、こちらの利用拡大、こちらは検討中でございます。トラックがほとんどだったのを、分散させていくという方法で、まず対応できないかを、いろんな角度から検討しております。

 また、効率的に集出荷を行うことができるのが、パレット対応なんですが、この導入については選果場そのものの整備や、高額ないろんな設備の購入が必要となりますので、これは、すぐにというよりは中長期的な課題として検討をしております。

 それから、水産物の方なんですが、こちらは関西や中部地域に中継拠点を設けて、複数ドライバーによるリレー輸送、こちらを検討しております。それからまた、活魚船、こちらも船ですね、船の利用のシフトも検討しております。また、出荷形態も活魚、これ専用のトラックになりますけど、活魚から、鮮魚あるいは冷凍加工品へ一部変更することも検討しております。

 引き続き、検討状況を注視しまして、必要に応じて支援策を検討するなど、本県農林水産業をしっかり支えていきたいと思います。

 現在、県トラック協会や荷主側の業界団体等をメンバーに、実務者レベルで協議をするための検討会議の設置準備を進めておりまして、本県への影響の把握と、事業者等が取り組むべき対策を、今申し上げたように精査しながら洗い出して、県としての有効な支援も検討しながら、物流の維持に向けた取り組みを加速させていきたいと思います。

 以上です。

 

(南海放送(幹事社))

 ただいまの答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。

 

(南海放送)

 すみません、南海放送です。農林水産以外にも知事もおっしゃってたんですけども、知事の中で一番どの点が今回の「物流の2024年問題」では、特に問題だと御認識されていますでしょうか。

 

(知事)

 そうですね、法律で決まったことですから、それに従っていくというのは、法治国家である以上当たり前なんですけれども、いつもそう思うのですけど、国の方はエイヤーで全国一律でやるっていうことが多いんですが、その検証の過程の中で、現場感覚、これが明らかに不足しているのは言うまでもない。なにせ現場を持ってない、知らないですから。

 だから、どういう影響が起こるのかというのは、つまびらかに議論を、本当に積み重ねてきたのかっていうと疑問を感じます。

 これは知事会でもこうした議論をしていましたけども、だからこそ、地方から「こういうことが起こるんですよ。」っていう声を上げ続けるというのが、とても大事でありまして、法律を作った以上、その対応に対する、それぞれの都道府県、そんなに財源が豊かではありませんから、「こういうことをやりたい。」と「こういう法律改正によってこのことが起こった、こういうことをやらなきゃ対応できない、それにかかる経費については責任持ってほしい。」という、この一連の流れをしっかりと、愛媛県としても、それから全国としても、地方でですね、声を上げ続けなければいけない、大きな課題になってきているというふうに認識しています。

 

(南海放送)

 他県では、超法規的な措置を求めるような知事の発言があるところもあったように聞いているんですけど、そこまでは考えてはいない。

 

(知事)

 今は、そこまでは考えてないです。はい。

 特に、国の支援策というのも一応用意はされているんですけども、業界の声を聞きますと、国の事業というのは、大規模な設備投資が必要な助成制度が大半を占めておりまして、その結果、事業者も躊躇(ちゅうちょ)するというような声も聞こえてきております。そういったところも、声を上げていかなきゃいけないなというふうに思っています。

 

(テレビ愛媛)

 すみません、この問題に関してなんですが、先ほど中継基地を関西・中部に設けるという、これは、県としての立ち位置としては、財政支援をするというようなお考えなのでしょうか。

 

(知事)

 そうですね、それも含めてどういう形であればカバーできるのかっていうことが見えてきたときに、県として何ができるかを考え、そしてまた、今さっき申し上げた話と連動しますけれども、現場感覚のない国の政策展開に伴って、対応が迫られる、それに伴う財政措置について、責任取るべきじゃないかっていうような議論は当然のことながら、起こしていかなければいけないというふうに思っています。

 

(テレビ愛媛)

 まずは業界と協議しながらと。

 

(知事)

 そうですね。はい。本当だったら、法律の制定前にこうした状況を現場で広く吸い上げた上で、支援メニューもセットに法改正というふうなことが、丁寧なやり方だったのではないかなというふうに思いますね。

 

(南海放送(幹事社))

 他によろしいでしょうか。それでは代表質問以外で質問のある社はお願いします。

 

(あいテレビ)

 すみません、あいテレビです。県民文化会館の南側の県有地についてなんですけれども、今まさに活用アイデアを募集している最中かと思うのですが、こちらの募集状況でしたり、進捗っていうのはいかがでしょうか。

 

(知事)

 はい。今月の9日時点なんですけれども、県内、それから県外からも81件のアイデアが届いています。本当に、そうしたいろんな知恵、最初、もちろん実現できる、できないは別なんですけれども、中には、思い付きでこんなのどうかっていう案もありますが、中には具体的な案もあれば、それぞれです。そういった中で、最初の取っ掛かりっていうのは、アイデアっていうのがすごく大事だと思いますので、いろいろな提案をいただいたことに本当に感謝申し上げたいと思います。引き続き、今月18日まで募集しておりますので、自由な視点でアイデアを御寄せいただけたらというふうに思います。

 中身についても、現時点でも宿泊施設、あるいは国際会議場、あるいは大型商業施設、あるいはスポーツ施設、自由な観点からさまざまなアイデアが寄せられております。18日が締め切りですから、後日、取りまとめて、改めてお知らせさせていただきたいと思います。

 

(あいテレビ)

 ありがとうございます。もう一点すみません。国際便についてなんですけれども、松山-ソウル便は定期路線、今、再開されていて、上海便と台北便について10月28日までは欠航が決まっているかと思うんですが、その先の見通しなどっていうのはいかがでしょうか。

 

(知事)

 そうですね、今年それぞれの交渉を直接行ってきましたんで、ある程度皮膚感覚でも分かってるつもりなんですが、まずソウル便については、本当に順調に再開していただきました。2月に行きまして、早い段階で3月から再開ということで、しかも、休止前の週3便から週5便へと増便の上で再開した上で、非常に良い搭乗率を出していただいております。

 そして今、さらにやっているのが、同じ韓国なんですけども、先般行ってきました。直接交渉してきまして、とりあえずはゴルフが非常に盛んな国なんで、空港から近い場所にゴルフ場が複数ある愛媛県の立地条件を非常に前向きに捉えていただいてますので、特に、今回は釜山の、ソウルとはもう全然違った場所になりますけども、釜山ということで、最初はどうかなと思ってたんですが、人口状況調べますと、大体周辺人口含めると800万人ぐらいいますんで、これは日本で言ったら大阪圏域ぐらいの人口。かつ、総人口は日本よりも少ないんだけれどもゴルフ人口は日本より多いという状況になって、ニーズがあると。とりあえず1,700席10便、チャーターでやっていただいたんですが、あっという間に1,600席ぐらい完売しております。

 あちら側としても非常に面白いと。そこに観光あるいはビジネスというのが加えられたら、面白い路線だという認識をいただいてますので、場合によっては定期便という可能性は十分今後出てくるんではなかろうかと思います。

 次に台北便については、これ本当にコロナ前にですね、増便が約束されて実施に移されようとする直前にコロナの問題が発生したという状況がありました。こちらももう台湾の方に行きまして直接交渉してきたんですけども、実は飛んでいた会社の内部事情もありまして、パイロットが不足しているという状況。それからどちらかというと大型機材の保有率が高い企業なんで、我々の商圏からすればやっぱり170~180人乗りがベストだと思います。やっぱり300人乗りになるとちょっとなかなか搭乗率回すのが厳しいんで。そういったいろんなもろもろの航空会社の事情があるということ。それから日本側についても、グラハン(※)の人員の不足という事情があるということ。いろんな問題が宿題として残ってます。

 それから当面はチャーター便で飛んでいただいてますけれども、同時にその会社の状況を踏まえて、ちゃんとお話もしてきましたんで、別の会社にもアプローチを開始しております。こちらも非常に関心は持っていただいてますけども、急な話ですから、いろんなやりくりをしなければならないんで、すぐにってわけにはいかないんですが、非常にあのチャーター便も含めて、定期チャーター便も含めてですね、何とかしたいなというメッセージは送られてきてますので、しっかりとこの後の水面下での交渉を続けていきたいというふうに思ってます。

 上海便については、今日、中国から団体旅行の許可が発表されたところですけども、大都市については、徐々に上海便も直行便が飛び始めてますが、これ長い目でみるとやっぱり、どこもそうなんですけど、イン・アウト両方が使わなければ維持ができないんで、ただ中国の場合、ビザの問題がまだ残っておりますので、その辺もよく見極めながら、じっくりと、ただ、航空会社とは水面下で折衝はずっとこのコロナ禍でも続けていますので、条件が整った段階で、再開というふうなことを常に念頭に置きながら、対応を積み重ねていきたいというふうに思います。以上です。

 

(愛媛新聞)

 すいません愛媛新聞です。よろしくお願いします。中国の方が日本からの輸入海産物に対して全面的な放射線検査を7月から始めておりまして、こうした中国の対応への知事の所感と、県内事業者への影響、それに対する県として何か対応などあれば教えていただけますでしょうか。

 

(知事)

 そうですね。中国これはもう国と国の問題が根っこにありますので、なかなか県がうんぬんということで解決できるような条件ではないというふうに思ってます。

 日本の農産物、これは放射線検査の厳格化によりまして、通関に現在10日間以上要するんですね。そうすると、活魚それからチルド、これはもうほとんど輸出できないというふうな状況になってまいります。本県において中国向けというのは、マグロとシマアジが中心で輸出をしておりました。また、冷凍品についても保管費用がかさむことから、各水産会社では、現在輸出を見合わせている状況にあります。

 実数で言いますと、本県水産物の中国向け輸出実績は年間15億円ぐらいで、輸出全体では118億円ありますので、シェアとしては13%ぐらいでございます。

 主な輸出品であるマグロについては、北米や東南アジア。それからシマアジについては台湾や国内向け、これに仕向け先を変更して、出荷しているところでございます。業界に聞きますと、現時点でそういった仕向け先変更によってですね、荷がさばけてまして、現時点では在庫が積み上がっている状況ではないというふうに聞いております。

 ただし、これ長期化していきますと、現地の日本料理店での代替品によるメニュー変更によってシェアを奪われていく、せっかく取引が出来たのが奪われてしまう可能性もありますし、それこそ他国産への置き換わりということにもつながっていくので、そういった影響を中長期的には懸念をしています。

 報道によりますと、政府では処理水の放出を今月下旬に決定する方向で調整しているということであります。今後の状況を注視するとともに、中国以外での動き、また国や事業者と緊密に連携して情報収集に努めたいというふうに思います。ただやっぱり客観的・科学的な根拠に基づいた対応というのが求められているのではないかなと。そこをしっかり押さえながら、交渉を粘り強くやっていく必要性があるというふうに思います。

 

(時事通信社)

 時事通信の山口です。よろしくお願いします。全国知事会についてお尋ねします。全国知事会長の平井鳥取知事が、次期の会長選に出馬をしないとの意向を明らかにしました。まず、そこに対する受け止めを、知事のご意見を。

 

(知事)

 はい。この前、全国知事会が行われたばかりなんですが、そういった退任の、次、出馬しないなんていう話は、みじんも感じさせないような状況だったんで、ちょっと急な話で驚いてます。

 もう既にですね、立候補締め切りが来週月曜日ですから、この急なタイミングでの退任発表っていうのは、ちょっと遅かったんじゃないかなっていうふうなことは感じます。やりたい人がいれば、それなりの準備、自分が知事会長になったらこういうことやりたいっていう政策の煮つめ、こういった期間が必要で、それがほとんどない状況で突っ込んでいくということになるので、その点は、ちょっと残念だったなと思います。

 ただ、非常に、2年間、平井知事に安定したハンドリング、マネジメントを行っていただいて、本当にお疲れ様でしたと言うことを申し上げたいと思います。

 

(時事通信社)

 その上でですね、昨日、宮城県の村井知事が立候補を表明されました。今回の会長選において、中村知事は、例えば、村井知事を推薦するであるとか、他の候補を推薦するであるとか、どういうふうな対応を取っていきますでしょうか。

 

(知事)

 もう出たい人が手を上げられたらいいと思いますけども、任意の団体ですから、なんか地域対地域、あるいは地方対都会みたいな椅子を巡った争いは避けていただきたい。だから、できれば話し合いを、立候補したいっていう方が、集まって話し合うとか、そういう形でやられた方が、後々の運営も上手くいくんではないかというふうに思いますので、今、申し上げたような対立構造を持った形にはなってほしくないということで、ニュートラルにしたいと思います。

 

(時事通信社)

 どなたかを推薦するお考えは、いまのところは。

 

(知事)

 ありません。

 

(時事通信社)

 知事ご自身が立候補する予定も。

 

(知事)

 ありません。愛媛県のことで、僕は手一杯です。

 

(テレビ愛媛)

 すみません、ローカル線に関してなんですが、先日、JR西日本の方が10月の法改正にあわせて、再構築協議会の設置を国の方に申し入れたと思います。他県のエリアではありますが、現状JR四国の方から、何かこの再構築協議会に関して、話し合いの打診といいますか、どのような状況になっておりますでしょうか。

 

(知事)

 JR西日本のことについては、他地域のことですし、実態が分かりませんから、あのコメントのしようがないと思うんですけれども、これ知事会でも発言し、また国交大臣、そして昨日は自民党の地方創生本部の林本部長にも直接申し上げてきたんですけども、そもそも論の議論を国でやるべきではないかというお話を繰り返しています。これ、もう一度整理しますと、そもそも鉄道インフラというのは、全国あまねく整備すべき社会インフラであるということで、国の事業として成り立ちがございました。

 しかし、長年にわたって、時代も変わってくる中で、効率的な経営体制等々で見ますと、国営事業で続けていくことはどうなのかという議論があって、民営化の問題が出てきた。民営化をするときに、どういう人たちが、どういう議論したかは分かりませんけれども、分割というふうな形で議論が進んでいきました。当時から懸念されていたのが、新幹線事業は収益事業になりますけれども、それ以外は非常に厳しい。ということは、新幹線事業を持たないブロックについては、相当経営が厳しくなるだろうというのは、もう当時から分かっていたことで、それでもあえて分割民営化が実施された経緯があります。

 特に当時、新幹線事業のなかったのが、北海道、それから北陸、四国、九州だったんですけれども、北陸と九州については、そのうち新幹線が通って、いま九州もその収益事業というのがしっかりと確立されました。北陸もそうですね。残ってるのは、四国と北海道なんですけども、収益事業がないにもかかわらず、分割で、それぞれのブロックで、会社が運営する形態をとっています。これをカバーするために、当初のスタート段階から、絶対無理だろうということで基金というのが設定されました。

 そのときの、スタート時の条件というのは、人口は今後とも右肩上がりで増えていくであろう、経済は緩やかながらも発展し続けるであろう、かつ、当時1980年代ですから、例えば銀行金利なんかもですね、5~6%の時代なんですね。ということは基金をある程度積んでおけば、そこから5~6%の金利で得られる果実が発生する。その果実を、特に経営の厳しいJRに補填することで経営を成り立たせようという仕組みになっていたと思います。

 でも、このスタート時の条件、全部崩れました。人口増加は減少に転じ、経済成長は低成長に入り、金利、ゼロないしはマイナス金利になると、この3つが全部崩れてですね、だとするならば、その前提条件で実施された分割民営化、社会インフラとしての意義、こういったことを、国の責任で議論すべきときが来たというふうに個人的には思っています。

 こうしたような背景で、鉄道のあり方を、特に国交大臣や昨日の(自民党)地方創生本部、それから知事会にも投げ掛けて、要請をしているところでございますので、一番大事なとこはここじゃないかなと、今そういったことを抜きに、鉄道のあり方、協議開始してくださいって言われてもですね、そう簡単に物事が進むような話ではないということを、関係者にも分かっていただきたいなというふうに思います。

 これをちゃんと、問題の本質をひもといておかないと、例えばJR西日本なんかは、もうかるところだけ残して、あとは切り捨てようっていう、絶対にそっちにいっちゃうんですよ。となれば、北海道や四国はひとたまりもないんですね。だから本当に、今こそ、特に愛媛それから四国、北海道の国会議員、人数少なくなっちゃっているんですけど、声を大にして暴れていただきたいなというふうに思います。

 

(愛媛新聞)

 すみません、愛媛新聞です。お願いします。関連してなんですけれども、国の方の対応について、中村知事どう考えているか、お伺いしたいんです。粘り強くその自治体に参加の要請をしていくというような国交大臣の発言もあったと思うのですけど、それについてそのどういうふうに知事お考えでしょうか。

 

(知事)

 これも会見でずっと申し上げてきたんですけど、議論するのは全然構わないですよね。活用をどうしようかとか、どうやれば利用者が増えるだろうか、活性化できるだろうか、大いにやりたいと思いますけども、ただ、最初に廃止とか、そういうありきみたいな、においがするのであれば、それはちょっと違うんじゃないかということを申し上げざるを得ないし、仮に議論するのであれば、例えばJR四国の場合、非上場企業なんで、情報がなかなかオープンになってない面もあると、人件費であるとか本社経費であるとか、こういったことも全部表面に出していただいて、みんなで議論するっていう土俵になればいいなというふうに思っています。

 

(南海放送)

 マイナンバーカードのトラブルについてなんですけれども政府が秋中の総点検の方針を示されています。一部報道ではその実務を行う自治体への業務が膨大になるのではないか等の懸念も示されているんですけれども、これについて知事のご意見をお伺いします。

 

(知事)

 本当にいろんな声が上がるたびにぶれていくのがちょっと心配しています。方針が、日々メニューが変わっていくのでやっぱりそうなるとですね、準備が足りなかったのかなって捉えられかねない。そうでないならばやっぱり丁寧に説明して多少のハレーションはあるとは思いますけども、そこに自信があるのであれば、ぶれずに丁寧に説明して進んでいくっていう姿勢がないとなかなか信頼に結び付かないんじゃないかなというところを逆に懸念をしております。大丈夫なのかなっていう不安の方が拡大するのは当然のことだと思います。

 そういうまず前提がありますけども、県の方では国の要請がありました実態調査を行っておりまして、7月末までに、県内の市町分も含め国への調査結果の報告を行わせていただきました。一昨日、国から中間報告が公表されまして、県内では愛媛県および六つの市町が個別データの点検対象自治体になる旨の連絡がありました。しかし、これにもまた問題がありまして、国・市町とも国が点検対象として示した事務の中には、一部対象とされた理由に疑義があるんですね。なんかまだこれ現場を知らずに一律でやっていますから、「えっ」ていうような対応も含まれているので、現在、制度所管省庁と協議をしています。これ違うんじゃないですかっていう現場感覚で協議を行っています。協議の結果次第でどうなるか分かりません。その次第で、点検対象からやっぱりそうでしたね、外しますっていうことになるかもしれないので、現時点で具体的な市町名や事務の中身については、ちょっと公表は今協議中なので、控えさせていただきたいと思いますけど、今そういう段階でございます。

 国では、最終的に点検の対象となる自治体・事務について今月下旬、今言った協議も踏まえて、新たに正式に公表予定というスケジュールだそうでございます。それでも点検が必要と判断された場合は、県・市町が連携して確実に点検作業を進めていきたいと8月の公表を待って、最終結果を待って対応していきたいと思っています。

 なお、障害者手帳関係、こちらについては、国からひも付け方法に関わらず、こちら総点検は実施するという方針が出されていますので、既に必要な作業に着手しているところでございます。

 なお、国の方で先般1,000件程度新たにひも付けの問題が発生したっていう発表がありましたが、県内はですね、健康保険証関係については、先行して各保険者による総点検実施されております。7月末でそれも完了しております。県職員関係、共済組合ですね、それから市町関係、これは国保と後期高齢者医療制度、これについては、ひも付けの誤りは確認されていないという報告が上がってきています。その他の保険者の状況については県が点検作業に関わってないので、ちょっと把握しておりません。

 

(時事通信社)

 副知事の人事についてお尋ねします。今、八矢副知事が去られて、そちら一席、副知事の席が空席になっておりますけども、今後9月議会以降の副知事人事の上程の検討状況についてお尋ねいたします。

 

(知事)

 まだ全然。八矢副知事も来たときは副知事としては来てないんですね。その前の原さんもそうです。その前の長谷川氏もそうですから、やっぱり、来ていただいて、慣れていただく、人脈を作っていただく、任せるに足る人材の確認、こういったことを踏まえての話なんで、今はまだその中途段階にあるということです。

 

(南海放送(幹事社))

 これで会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 (※)グラハン…グランドハンドリングの略。航空機が空港に到着してから出発するまでの間に行われる地上支援作業の総称であり、航空機の誘導や客室の整備、旅客の案内、手荷物・貨物の搭降載、燃料の給油等の業務のこと。

 

 議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。


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