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伊方原発3号機の原子炉設置変更許可等に関する記者発表の要旨について

ページID:0046130 更新日:2015年7月24日 印刷ページ表示

日時:平成27年7月23日(木曜日)11時6分~11時33分

場所:知事会議室

 

(知事)

ちょっとここ最近の状況を一括してご報告をさせていただきたいと思います。

伊方原発3号機につきましては、7月15日に、原子力規制委員会において、「新規制基準に適合しているものと認められる」として、原子炉設置変更許可がなされまして、同日に四国電力社長から報告があり、その後も一連の動きがあったことから、県としての対応も含め、整理して発表させていただきます。

原子力規制委員会の田中委員長は、当日の記者会見で、「伊方3号機については、原子力規制委員会として、法律に基づいて、運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保されることを確認したことになる」と発言されておりまして、四国電力が平成25年7月に申請を行って以降、約2年間にわたりまして厳正な審査が行われた結果、福島第一原発事故を教訓として策定された新規制基準に適合していることが確認されたものと認識をしています。しかし、何よりも重要な安全性に関する国の判断であり、県としても、国まかせにすることなく、伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会において確認していくこととしておりまして、昨日も、同部会を開催し、原子力規制委員会の審査官から、審査結果等の説明を受けたところであり、引き続き、慎重に確認をしていくこととしています。

四国電力の佐伯社長には、私の方から、地元住民への丁寧な説明を積み重ねていくこと、さらなる揺れ対策について、評価結果がまとまれば速やかに報告することなど、県から要請している独自の追加安全対策について、引き続き取り組んでいくよう、あらためて強く求めるとともに、新たなアディショナルな対策として、伊方原発の敷地は急峻な地形でありますため、万が一の事故の際における作業スペースの確保の検討を要請し、佐伯社長から「しっかり対応したい」との回答をもらったところであります。

四国電力では、これまで県の要請に真摯に対応されていると基本的には考えておりますが、引き続き、新たな追加安全対策要請への対応も含め、四国電力の取り組み姿勢を注視していきたいと思います。

許可の翌日、16日には、伊方原発から30キロメートル圏内の市町域が含まれる大洲市、西予市、宇和島市、伊予市、内子町の首長の方々から、「地元の説明会での国や県等からの説明」、「県の厳格な安全確認とその結果の情報提供」、「県が最終判断する前の意見交換」の3点について要望があり、できる限り丁寧に対応していく旨、回答をさせていただいたところでございます。

また、その日の16日午後には、宮沢経済産業大臣から、私の方に直接お電話が入りまして、「自分が直接出向きたいが、国会開会中でもあるため、資源エネルギー庁長官に文書を持参させ、自分の思いを伝えさせてほしい」とのお話しがあり、翌17日に、上田長官の訪問を受けました。その時に、私あての経済産業大臣名の文書を受領するとともに、直接内容の説明をいただいたところであります。

受け取った政府方針文書につきましては、既に知事メッセージに添付して公開をしていますが、政府として伊方3号機の再起動に求められる安全性を確認したこと、万が一事故が起きた場合には責任を持って対処することなどを明確に文書で記載した上で、本県に対して、伊方3号機の再起動を進めることについて協力要請が記されていたところでございます。

また、本県がこれまで四国電力に求めてきた、他の地域では見られない独自要請、さらなる揺れ対策、電源対策、戸別訪問による地元住民への真摯な説明、全てのトラブルを県に通報連絡する「えひめ方式」の徹底といった独自の追加安全対策については、「全国的にも特筆すべき取り組み」として、書面上高く評価をいただき、私としても、県民の安全・安心の向上につながるものと再確認をしたところでございます。

長官との会談では、国に確認したい事項があるので、まずは大臣にお会いしたいと伝え、一昨日、当初からこの時期に上京日程が入っておりましたので、「21日でいかがか」ということでアポイントを取らせていただきました。そして宮沢経済産業大臣と、事前に会談の中身をやり取りすることなく、その場でオープンにやりたいというふうな申し出を行いまして、面会が実施されることになりました。

大臣との会談では、私から、次の八つの事項について口頭で要請を行わせていただきました。まず、避難対策として、大洲・八幡浜道路の整備促進。そして二つ目に大分県への避難訓練への協力。三つ目に、先ほど申し上げた新たに四国電力に要請した伊方原発の緊急時の作業スペース確保への協力。四つ目が、わが国の逼迫した課題である使用済燃料の中間貯蔵の国の取り組みの方針確認。そして五つ目が、最終処分への責任ある取り組み。また、六つ目が、伊方原発における廃炉技術の研究。これは実は日本の国はですね、東海の廃炉経験ありますけれど、極めて小型のガスタービンの廃炉でありまして、その他の原発に転用できる経験にはつながっていないと。今、福島の方では、廃炉が進んでおりますけれども、これは全て沸騰水型の原発の廃炉であり、愛媛県の伊方の加圧水型の廃炉となりますと全くやり方が変わってまいりますから、いわば経験もなくマニュアルもないということでこの点を強調させていただきました。そして、また、今回は国会開会中ということもありますので致し方ないと思いましたけれども、やはり大臣が現場をしっかり見るということの重要性を伝えまして、来県の要請。そして、最終的には、やはり県民の皆様からしましても、議論をするためにも、事故が起こったときの最終責任は誰が取るのかというふうなことを明確化する必要があるということで、総理の言葉をいただきたいという、以上8点のことについて直接要請をさせていただきました。

これに対し、大臣からは、各々今後調整や検討を行って、対応していきたいということでありましたので、その対応状況などを見極め、それらは全て県民の皆さんに、国の方針というような観点から、情報をフィードバックしていきたいと考えております。

伊方3号機の再起動に関しては、県としても、学識経験者で構成する県の原子力安全専門部会で、国の審査結果等を踏まえた安全性の確認を進めるとともに、今回の一連の動きを受けて、こうした材料をもってさまざまな議論も起こってくると思いますので、それらを踏まえた地元の状況や、四国電力による追加安全対策への取り組みの姿勢、そういった状況を引き続き注視し、最終的には、これらを総合的に踏まえ、知事として判断していきたいと考えています。以上です。

 

(読売新聞)

おととい、経産大臣と東京で会ってから、まだ日が経ってないが、その後、国の方から何らか返答というのはあったのか。

 

(知事)

まだそれはあのままです。

 

(愛媛新聞)

高レベル放射性廃棄物の最終処分地に関することについてだが、先月末に愛媛県でも、自治体向けの説明会を国が非公開で開いており、将来的に科学的有望地ということで、処分地を示していくということになっているが、現時点で愛媛県に受け入れるという、知事の考えとかはあるのか。

 

(知事)

いえ、全く今は考えていないです。これまではですね、一番の変更点というのは手上げ方式だったんですね。手上げ方式で進めていったけれども出てこないということで、国の方で責任を持ってというふうな姿勢に変わったところが大きな変更点だったと思います。それについて、おそらく、手上げ方式で出てこなかったんで、国の方でどこが可能性があるのか、どこだったら影響がないのか、いろんな観点で分析して、場所を示していく過程に入っていくと思うんですけれども、これはすぐにできる話ではないということは十分分かっているんですが、誰かがいずれですね、そういった最終処分のあり方をいろんな議論を一手に引き受けて決めていかなかったらいけないんですよね。その姿勢がどうなのかというのは、まだ法律ができて間もないですから、とりあえず説明会、こういうふうに法律が変わったという説明会をしているだけであって、その後、どういうふうにしていくのかという姿勢というのをちょっとお聞きしたいなというふうに思っていたわけです。ですから、政府として、本気で答えを見出すんだという強い意志が感じられるかどうか。これが大事な点ではないかなというふうに思っております。

 

 

(毎日新聞)

 

経産大臣への要望を口頭で行ったということだが、要望が再稼働への前提であるという理解でよいか。

 

(知事)

いや、そうではなくてですね、前々から申し上げているように、今の段階での知事の役割は、電力事業者の安全対策に対するその姿勢ですね、あるいは県民との向き合い方、いわば事業者の姿勢というものがいかなるものなのかということを、言葉を悪く言えば、あぶりだすというかですね、県民の皆さんに分かりやすい形で見えるようにしていくということが、ある意味では一つの役割であると。もう一つは国の方針というものを同じようにですね、県民の皆さんに分かりやすい形で見えるようにしていくというふうなことが、今の時点での自分の役割だと思っています。この8項目については、分かりやすい形でオープンに要請したわけですから、そういう要請に対して、国がどういう姿勢で答えてくるのかというのを県民の皆さんに見ていただくという段階だと思っています。

それを受けて、今度は県民の皆さんが議論の材料にしていくと。その材料を受けた議論というものを鳥瞰図的に眺めながら、最終的に、これは賛否融合することはないですから、トータル的に判断をして、最終的に知事が決断するというふうなことを考えていますので、これはあくまでも県民の皆さんが議論をするための材料というかですね、要素の一つであると位置付けていただけたらいいのではないかなと思ってます。

 

(毎日新聞)

知事は常々、国の方針とか、四電の姿勢、地元の同意、あとは専門部会の議論の行方をその判断の基準とするというふうに言ってきたが、基本的にそれが満たされれば、知事が再稼働に向けて最終的な判断を行うための前提条件が整うという理解でよいか。

 

(知事)

最初から言っているように、四国電力、電力会社の姿勢というのは、この事故以降3年間、ずっとオープンな形で、独自の対策も含めてですね、突き付けてきました。実はこれはあまり大きくなってないんですが、愛媛県だけなんですね。地域で独自に国の安全対策に付け加える形でアディショナルな対応を求めて実現に結び付けているのは、実は愛媛県だけでございます。ですから、それはもう「えひめ方式」と言ってもいいと思うんですけれども、そういったものにこだわり続けて、電力事業者の姿勢を県民の皆さんに明らかにするということが一つですよね。国もですね、川内が今、先にやっているようですけれども、川内がこういうふうな形でやったからどうだということは私どもは全く考えていません。あくまでも、愛媛は愛媛であるというふうな形で「えひめ方式」にこだわって、国の姿勢というものを引っ張り出す作業を自分はすべきだというふうに考えておりますので、そういった観点で国の姿勢というのを明確化していきたいと思ってます。

この二つを受けて、全部情報をオープンにしてますから、県民の皆さんが冷静に、かつしっかりとした議論をいろんな段階でされていくでしょう。普通に考えればですね、原発立地地域である伊方町。これはもう一番もとになる議論ということになろうかと思います。そのために今回、経産大臣にも、あえて伊方町長と会っていただきたいというふうなことも申し上げました。先般、その周辺の市長さんや町長さんも来られましたんで、その方々にも県がどうのというのではなくて、市や広域でやるかはまだ決まってもいないですけども、説明が聞きたいというのであれば、当然のことながら、丁寧な対応をするというのも必要でしょう。それもまた議論の要素になってくる。すなわち、今は県の立場というのは、そういった冷静な議論ができる材料をどうやって分かりやすく提供していくかということに尽きると思っています。その中で、いろんな議論が飛び交っていくと思います。最終的には、原発立地地域である伊方町、そしてまた今言ったような周辺の皆さんの議論の推移、そして県民の代表である県議会の議論というものを踏まえて、これはもうどちらかに決めなければならないということになりますと、自分がその任を、知事という仕事を今与えていただいている以上は、担っていかなければならないというふうに思ってます。

 

(時事通信)

かねてから四電の姿勢と国の方針と地元の理解というのを挙げており、今回、経産大臣に会って、八つの要望を突き付けたが、八つの要望に国が応えてきて、それがある程度良しと知事が判断すれば、国の方針という一つの条件は満たされたということになるのか。

 

(知事)

いや、違います。ですから、今申し上げたように、今の段階というのは、電力事業者の姿勢と国の方針を引っ張り出すということですから、それを今しきりにやってるんですね。そして、皆さんの判断材料の要素にしてみてくださいというふうなことのために、分かりやすい大事な点について、その方針や姿勢を引っ張り出すというのが今の作業です。それを受けて、住民の皆さんの議論があって、それらをトータルで判断していくということになりますから、国が愛媛県の突き付けた要請に応えたからといって、それで判断が決まるというわけではありません。

 

(時事通信)

国の方針という一つの条件はまだまだ満たされないということか。

 

(知事)

姿勢を引っ張り出すということについては、まだ応えていただいてないですから、それを県民の皆さんにフィードバックするということが次なるステップだと思ってます。

 

 

(読売新聞)

 

知事が判断するというのは、どこの機関に向けてか。安全協定を結んでいる四電に対して再稼働を同意するということになるのか、エネルギー政策をつかさどる国から要請があったから、それに対して応えるという形になるのか。

 

(知事)

再起動ですか。

 

(読売新聞)

はい。

 

(知事)

再起動については、ですから、今言ったような議論を踏まえた上でですね、最後に判断するときは要請のあった国に対してということになると思います。

 

(読売新聞)

経産大臣に会った時に8項目の要請を行ったが、その回答をいつまでに欲しいということはあるか。

 

(知事)

それも含めて、国の姿勢というのが、逆に言えば見極められるんじゃないかなと思っています。

 

(愛媛新聞)

首相との面会というものを一つ根拠として入れているが、今後の他のプラントへの影響等ということもあり、かなり国の方も慎重になるとは思うが、県民の理解を得るために首相に面会するということは、どれほどの位置付け、ウエイトを持つものだと考えているのか。

 

(知事)

これは県民の皆さんが最後判断されると思いますね。やはり知事として県民を代表してそういう要請をしたわけですから、それに対して、首相自らが言う必要がないというふうな方針が示されれば、僕はその情報を県民にフィードバックするわけですから、それによってどう受け止めるか。あるいは、それは大事だということで最終責任者としてちゃんとした言葉を愛媛県民の皆さんにメッセージとして送りますというのであれば、それをそのまま県民の皆さんにフィードバックします。どっちになるかは分かりませんよ。はっきり言って。でも受け止め方、県民の皆さんの受け止め方は全然変わってくるんじゃないですかね。それをどういうふうな気持ちで向き合っているかというのは、今の国の、政府の、この問題に対する姿勢がいかなるものなのかということをクローズアップするようなことにつながるのではないかなというふうに思っていますけど。

 

(愛媛新聞)

関連してだが、国として最終的な責任ということで、その中の経済産業省から出てきた文書の中にある「関係法令に基づき責任を持って対処する」と、「関係法令に基づいて」という前提が付いていますが、そこらへんは知事の考えている最終的な責任と法令に基づきというのは一致する部分か。

 

(知事)

そうですね、どうしても何かあったときというのは、法令を超える部分が出てくる可能性はあると思うんですね。例えば、法改正をしなければいけない事態が出てくるかもしれないし、特別な法律を作る必要性が生まれるかもしれない。だから、要は極めて政治的な責任というものの観点が重要であると思っているので そこで最終的な言質、最高責任者の言質というのは、しっかりとメッセージとして出す必要が個人的にはあるのではないだろうかということで、その覚悟をお聞かせいただきたいというふうなことを申し上げたわけでございます。

 

(あいテレビ)

15日以降、矢継ぎ早にいろいろ対応しているように見受けられるが、知事としては、やはり早く判断材料をそろえたいという考えか、それとも再稼働を急ぎたいということか。

 

(知事)

というか、もう議論というものは起こっていきますので、要請が実際来たわけですから。今言った姿勢、事業者の姿勢と国の方針というのは議論する判断材料として県民の皆さんにできるだけ早く提供すべきでないかなというふうには思っていますけど。それがあった場合の議論とない場合の議論は、また全然違ってくると思いますので。

 

(テレビ愛媛)

早々にそういった判断材料ができていき、県民の議論が思った以上にどんどん加速化していったら判断する時期も早くなるのか。そのあたりのスケジュール的なことは想定しているのか。

 

(知事)

全くまだ考えていないです。というのは、伊方町にせよ周辺にせよ、まだまだこれからですし、県議会の方もですね、これからの議論だと思いますので、そういう意味ではいつまでにということは、この時点で全く考えていません。

 

(毎日新聞)

大臣への8項目の要望の中で、伊方での廃炉技術の研究というものを挙げているが、これは知事自身の発案ということでよいか。

 

(知事)

そうです。

 

(毎日新聞)

いつ頃からそういう思いを持っていたのか。

 

(知事)

1年以上前からそういう思いは、本当に再起動の要請が来たときにはその思いをぶつけるべきだなと思ってました。実はこれは知事会でも発言している記録が残っていると思います。それを国に対して要請すべきだというふうなことを文言に盛り込んで、知事会としての提言にも入れたことがございます。

特に何でそれを思ったかというと、エネルギーベストミックスが、いろんな意見があると思いますけど、とりあえず国が出しました。原発の依存度低下というふうなことにつながりますので、そのためには最終処分とそれから中間処理もこのままいったら満杯になりますから、そのあり方、どういう方法があるのか、少し延ばすとかですね、そういう技術的な追求もしないといけません。そして、またやめるとなったら廃炉の作業が入ってきますから、こういったことを事前にちゃんとしたスケジュール感を持って取り組んでいくんだという方針があればですね、この原発依存度低下というふうな目標というのは本気だというふうにも思えますし、それを抜きに将来はこれぐらいに減らすんだと言っても、それは説得力がないんじゃなかろうかと。廃炉、特に加圧水型の廃炉というのは全く経験がない、データもないわけですから、それはもう、やっておくべきじゃないかというふうに思っておりました。

 

(毎日新聞)

もし仮にその研究が本格的に進むとすれば、原子力の関連企業の誘致にもつながる話かなとも思ったりしているか。

 

(知事)

可能性はあるかもしれないですね。廃炉関係ですね。この前も申し上げたんですけど、例えば愛媛県には機械加工産業とかですね、そういった技術を持った、はやぶさの部品作っている会社とか、そういう技術も場合によっては役立つ可能性も出てくるかもしれないです。

 

(毎日新聞)

そういった点も考慮して、提案したということか。

 

(知事)

そうですね。全部トータルで考えてたどり着いた要請だと思っていただいて結構です。

 

(毎日新聞)

この件に関して、事前に四国電力と話をしているのか。

 

(知事)

やってないです。


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