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かんきつ新品種の名称決定に関する記者発表の要旨について

ページID:0011398 更新日:2019年4月15日 印刷ページ表示

日時 平成31年4月12日(金曜日) 11時21分~11時35分

場所 知事会議室

 

(知事)

 ちらほらとその存在というのを皆さんにお伝えしてきた経緯がありますけども、みかん研究所で十数年にわたって研究をしてまいりました新品種は、西日本豪雨災害でその苗は残りました。そして、そのことによってようやく生産への道筋というのが見えてくる段階を迎えましたので、発表させていただきたいと思います。

 この品種、今までは愛媛48号と言っておりましたけども、正式な名称が決定しました。その名は紅プリンセス。紅まどんなに続く、紅プリンセスという商品名といたします。紅プリンセスは、愛媛を代表する高級かんきつの紅まどんなと甘平(かんぺい)の二つが親になります。平成17年から開発を始めまして、14年の月日がかかりました。もう本当にどこのかんきつ生産県もまねできない品種となると思います。

 もう一つ言うと紅まどんなは12月~1月、その後に甘平が1月後半から2月で、こちらは3月~4月の出荷となりますので、時期がずれて、まんべんなく高級かんきつ中晩柑を出せるという体制が取れるということで大いに期待をしているところであります。

 命名にあたりましては、紅まどんなのゼリーのような食感と甘平の濃厚な甘味という特色を受け継いだ「プリンセス」として、誰からも愛される存在になるようにと思いを込めたところであります。

 また、名称と合わせてロゴデザインも作成させていただきました。紅プリンセスは春真っただ中に登場するかんきつでありますから、ロゴには春らしい淡い紅色を用いるとともに、王女らしい華やかさと気品が伝わるよう金色のティアラ、王冠ですね、ティアラを「Ehime」のアルファベットを使ってデザインしています。

 さて、今後のスケジュールでありますけれども、もちろんすぐに出荷できるわけではありません。ようやくめどが立ったということなんで、育成した苗木の(農家の)皆さんへの配布、これから苗木を増やしていきますので、これが2022年、令和4年になります。最初の収穫がそれから3年ほど、栽培収穫まで時間かかりますんで、2025年、令和7年が正式な初出荷、試験出荷とかはありますけども、初出荷はまだまだ時間かかりますけども、ここから全国のご家庭の食卓にお届けできるということになりますので、まだしばらく先になりますが、今のうちからこうやって皆さんに知っていただくことで、生産農家も(栽培を)やろうという気になっていただけると思います。ぜひご紹介していただけたらと思います。

 以上です。

 

(NHK)

 これまでも魅力的なかんきつをいくつも世に出してきたわけだが、その中でこの紅プリンセス、48号というものの位置付けを県としてはどう考えているのか。もう一つは、これがいい品種だとしてもこれがブランド化するためには、戦略が必要だと思うが、現時点で考えているブランド化に向けた戦略がもしあれば教えてほしい。

 

(知事)

 今、具体的にまだ6年先になりますから、こうしたかっちりとした戦略ってのあるわけではありません。ただ既に、これまでのかんきつ王国を築いてきた戦略というのは経験値として持ってますので、これらをフルに生かしていく、例えば紅まどんなの戦略も、もう本当にうまくいきましたし、当初年間800トンぐらいで、僕が関わるようになって、そう記憶してるんですけど、今はもう3,000 トンぐらいで、もっと作ってくれというオーダーがどんどん入ってます。しかもそのイメージ戦略が功を奏して、値段ではないと、ともかく欲しいという商品で、その商品が愛媛県産かんきつ類全ての高級感につながって、常に温州みかんを含めて、他県と同じ品種であっても5%から10%は高値がつくという非常に良い役割を果たしています。

 すなわち、よそができない高級中晩柑を、また再び世に出せるのが愛媛県と、そのこと自体がブランド戦略になると思ってます。やっぱり愛媛県は違うんだと、非常に品質の高いものをこだわりながら作っているという事実でもあるし、そのイメージが広がることが、まさにブランド戦略じゃないかなと思ってます。

 特にこの紅プリンセスにつきましては、先ほど申し上げましたように、紅まどんなも甘平、クィーンスプラッシュも期間が非常に限られていますので、そことかぶったら意味がなかったんですけども、そことずれることによって生産者自体の収入安定につながると思ってますので、是が非でも成功させたいと思っています。

 

(朝日新聞)

 豪雨災害復興に向けて、このかんきつの期待感というか、どのように今後のかんきつの再生に寄与していくかと思うが、そのあたりの思いはどうか。

 

(知事)

 生産者の皆さんが豪雨災害によって、非常に厳しい状況にあることは、もう事実その通りなんですね。その一方で、割と若い後継者も増えてまして、この災害とは別ですよ、全体的な話で、それはなぜかっていうとやっぱり、しっかりとした産業として基盤があるという証だと思います。ただ、それが大々的に知られることはあまりないんですね。でも実態はそうなんですよ。ですから、やり方によってしっかりとした取り組みさえすれば、十分に収益を上げられる業種なんだということを、復興を期にですね、より多くの方々に知っていただくことが後継者の確保につながるとも思っていますんで、かんきつ王国の誇りにかけて復活するんだって、まさにそういうところも含めての話でありますから、あの愛媛県の基幹産業であるかんきつ、しっかりとした収益基盤になり得る、若い人たちの参入をお待ちできるんだというような業種であるということを、復興を通じてよりアピールをしていきたいなというふうに思ってます。それが愛媛の未来にもつながると考えます。

 

(朝日新聞)

 この品種自体も復興のアピールに大きく寄与するのか。

 

(知事)

 いや、これはですね、時期的にまだ復興はだいぶ先ですから、むしろさっき申し上げたように紅まどんな、甘平、非常に市場評価が高く定着していますけども、だからといってそこに甘んじてるわけじゃないと、さらなるもう次の手を打ち始めてるっていうことが、やっぱり、全国のかんきつファンの中での、愛媛かんきつのステージアップにはつながるんじゃないかなと思ってます。

 

(読売新聞)

 関連して、知事が一番最初にいった豪雨災害でも苗が残ったというのは、どういう話か。

 

(知事)

 結局、その14年間、吉田町にあるみかん研究所で交配させたり、どうだろうかってずっと、そういう試験研究所の技術職ががんばってきてくれたんですね。実は、豪雨災害の時、みかん研究所はかなりやられました。土砂災害で。そこにたまたま、やられたところにその苗はなかったんですね。土砂災害の被災場所じゃないところにあったので、苗木は全部助かったんです。それがやられていたら、もうこのプロジェクトは全てゼロになってました。

 

(読売新聞)

 その一か所でしか、育ててこなかったということか。

 

(知事)

 はい。

 

(NHK)

 紅まどんななら、糖度とか色見とかで、ある程度選別されると思うが、紅プリンセスも同じような選別になるのかということと、もしそうであれば、どれくらいの割合が紅プリンセスとして出荷できるのか、見通しがあれば聞かせてほしい。

 

(知事)

 糖度は14度です。紅まどんな方式(とするかは)かはまだ分からない。もう少し、まだいろんな方々と相談しながら、過去の経緯からすると、甘平と紅まどんなは、何が違うかっていうと、紅まどんなは品質保証品なんで、光センサーを通して規格以外のものについては名前を名乗れない。ということは、紅まどんなという名前で正式に出荷されるものについては、全て糖度や外観や品質が保証されているということになりますけども、甘平の場合は、その苗から採れたものはもうフリーで出していた経緯がありますが、登録の関係でね。その結果ですね、市場評価というものが、実は当初、十数年前になるんですけども、スタート時点で同じぐらいの値段だったと記憶してるんですよ。ところがですね、甘平は苗からできたものは、全部そういう名前で出てますから、いいもの、悪いものの品質のばらつきが大きすぎるという声が挙がって、その声の拡大に従って価格も下がっていった経緯があるんですよ。

 でも今は、技術が高まったんで、だいぶ品質は良くなって価格は戻りつつ、紅まどんなほどではないですけど戻ってるんですが、そこで、紅まどんな方式をとらないと安定した収益につながらないっていうんで、クィーンスプラッシュという概念を持ち出したんですね。

 ただ、クィーンスプラッシュの規格はあまりにも高いんで、なかなか採れないっていう、逆に採れないから欲しい、欲しいっていうことにつながってるんですけども、この辺は、こうした過去の経験も踏まえて、戦略を皆さんと練っていきたいなと思っています。

 

(神野副知事)

 今、知事が14度以上といったのは、今の状態でこの品種自体が14度以上あるということ。ラインの線引きという意味ではありません。

 

(NHK)

 今の話に関連して、気になるのはどれくらいの値段で買えるようになるのかということと、今日、話を聞いている限りでは高級品種としてのブランド力を作っていきたい印象に感じるが、路線としては高い値段をつけるとか高級品種として売っていくとか、どこにでも茶の間にもあるというよりは、高い品質、高い値段でということを狙っているのか。

 

(知事)

 品種的に、もちろんそうなります。愛媛県のいいところは、手頃なみかんもある。そしてまた、こうした高級品種もある。要はニーズっていうのは、消費者もいろんな多様化したニーズがありますので、それぞれに応じられる体制をとれるからこそ、かんきつ王国という名前がついていると思うので、こちらについては紅まどんな、甘平の路線ということになりますね。

 

(朝日新聞)

 今日の発表から、初出荷までの期間が3年ぐらい空くわけだが。

 

(知事)

 いや苗木(の配布まで)が3年。

 

(朝日新聞)

 試験出荷とかでPRするのか。

 

(知事)

 もちろんやります。ただ量が、みかん研究所でしか作ってないんで、量が少ないんで、皆さんに試食してもらえる分くらいは、何とかがんばって収穫を(したい)。(ここにあるもので)いいんじゃない、あとでちょっと食べてもらって。一切れずつですよ。

 

(読売新聞)

 知事が試食した感想とかはあるか。

 

(知事)

 甘いことはほんと甘いです。食べたときに甘さの感覚っていうのは甘平のような感じで、食感は紅まどんなに近いんですよ。だから、紅まどんなの食感と甘平の甘味という感じでしたね。


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