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風しんの発生状況について(2013年)

ページID:0006814 更新日:2022年1月6日 印刷ページ表示

 風しんは、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、主な症状は発疹、発熱、リンパ節の腫れなどであり、まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。

 妊娠初期の女性が風しんに感染すると、生まれてくる子どもが先天性風しん症候群(おもな症状は難聴、心疾患、白内障など)を発症することがありますので、妊婦への感染を防ぐことが重要な疾患です。

風しん発生状況

(1)愛媛県内の風しん発生状況

 第52週(12月23日から12月29日)に、風しんの報告はありませんでした。

 平成25年の累計は32例で、全数把握となった平成20年以降最多であった平成24年の2例を大きく上回りました。

 32例の内訳を地域別にみると、東予15例、中予11例、南予6例であり、性別は男性19例、女性13例で男性が約6割を占めていました。男性では30~40歳代が多く、女性では20歳代と50歳代に多くみられました。

 今回の報告症例は、ワクチン接種歴がない、もしくは不明がほとんどです。麻しん風しん混合(MR)ワクチンは、定期の予防接種(1歳と小学校就学前1年間)です。1歳のお誕生日に、ワクチンをプレゼントしましょう。また、妊娠を希望する女性やそのご家族にうち、風しんの抗体を持っていない人は、任意での予防接種をご検討ください。

 (予防接種スケジュール 国立感染症研究所<外部リンク>

 風しんが全数把握対象疾患となった平成20年以降の報告数は、平成20年1例、平成23年1例、平成24年2例と、少数で推移していましたが、平成25年は32例と、多発しました。

図:愛媛県における風しんの患者数推移
図:愛媛県風しん患者の感染地域(推定)
図:愛媛県風しん患者の年齢別、性別

(2)全国の風しん発生状況

 第51週の全国の風しん患者報告は15例であり、各地で散発的に発生しています。

 第51週までに報告のあった14,340例の内訳は、男性10,972例、女性3,368例で、男性では20~40歳代が81%、女性では20~30歳代が56%を占めています。

 全国の患者報告数は、平成20年303例、平成21年147例、平成22年87例、平成23年378例、平成24年2,392例と、平成24年以降多発しています。

図:全国風しん患者報告数推移
図:全国風しん患者累積報告数

風しんについて

(1)病原体

 風疹ウイルスの感染によって発生する急性の発疹性感染症です。風疹ウイルスは、トガウイルス科ルビウイルス属に属し、エンベロープを持つ一本鎖RNAウイルスです。

(2)経過と症状

 感染から2~3週間(平均16~18日)の潜伏期間の後、発疹、発熱、リンパ節の腫れ(特に耳の後ろ、後頭部、首)が現れます。ただ、発熱は患者の約半数にみられる程度です。また、感染しても症状が出ないまま免疫ができる(不顕性感染)人が15~30%程度はいると言われます。

 子供が感染した場合の症状は比較的軽いのですが、まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。大人が感染すると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。

(3)感染経路

 原因ウイルスがのどや鼻の分泌物に排出され、咳やくしゃみなどの飛沫や、それらが付着した手指や物を介して感染します。

 発疹が出る2~3日前から発疹が出た後の5日くらいまでの期間は感染力があると考えられます。

(4)国内での流行状況

 かつてはほぼ5年ごとに大きな流行が発生していましたが、1994年(平成6年)以降は大きな流行はありませんでした。2011年から、海外で感染して帰国後に発症する輸入例が散見されるようになり、2012年は近畿地方を中心に、2013年は関東地方を中心に急増しています。

(5)予防方法

 特異的な治療方法はなく、発熱や関節炎などに対して解熱鎮痛剤を用いるなど、対症療法を行います。

 予防にはワクチン接種が有効です。弱毒生ワクチンを接種すると、通常の風しん感染と違ってほとんど症状は出ませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。

 現在は、麻疹ワクチンと混合した麻疹風疹混合(MR)ワクチンが「定期の予防接種」で使われます。定期の予防接種は、1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の幼児(第2期)に2回接種し、費用は公費負担を受けることができます。

 昭和54年4月2日~平成7年4月1日生まれの男女は接種率が低く、昭和54年4月1日以前生まれの男性は子どもの頃に定期接種のチャンスがありませんでした。これらの方は、必要に応じて任意での予防接種をご検討ください。

 予防接種の実施医療機関については、かかりつけ医やお近くの小児科医療機関、またはお住まいの市町の保健センター等にお問い合わせください。

先天性風しん症候群について

 妊婦、特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を先天性風しん症候群と言います。

 予防接種を受けることによって、妊娠中に風しんにかかることを予防できますし、妊婦以外の方であれば妊婦などに風しんをうつすことを予防できます(ただし、妊娠中は風しんの予防接種を受けられませんし、接種後2ヶ月間は避妊が必要です)。

1 風しんの定期予防接種対象者は、できるだけはやく予防接種を受けましょう。

 風しんの定期予防接種対象者は次の方です。

  • 1歳児
  • 小学校入学前1年間の幼児

2 妊婦を守るため、抗体価が十分であると確認できた方以外の次の方は任意での予防接種をご検討ください。

  • 妊婦の夫、子ども及びその他の同居家族
  • 10代後半から40代の女性(特に妊娠希望者または妊娠する可能性の高い方)
  • 産褥早期の女性

参考


AIが質問にお答えします<外部リンク>