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腸管出血性大腸菌(O157)感染症が増加しています!

ページID:0006705 更新日:2023年1月5日 印刷ページ表示

(平成23年8月12日更新)

県内各地でO157による腸管出血性大腸菌感染症が増加しています。

この感染症は経口感染で、菌で汚染された飲食物を摂取することで感染する場合や、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合があります。食品を扱う際には十分に手洗いをするとともに、レバーなど食肉はよく加熱し生食は控えましょう。特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう気をつけてください。なお下痢、腹痛、血便等の症状がある場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

腸管出血性大腸菌感染症の発生状況

図:腸管出血性大腸菌感染症届出数推移(血清型別)

例年、細菌が繁殖しやすい初夏から秋にかけて届出が増加します。

愛媛県内では、8月10日現在で平成22年(2011年)の累積届出数は9例ですが、7月に4例、8月に3例(いずれもO157)と各地で散発事例が続き、増加傾向がみられます。

全国では、5月に食中毒を含む集団感染事例が複数発生して急増し、その後一時減少しましたが、7月以降再び増加が続いています。(→国立感染症情報センター 感染症発生動向調査週報 2011年第29週<外部リンク>

腸管出血性大腸菌感染症とは

平成8年、岡山県や大阪府堺市において、O157の大規模な集団発生が起こり注目されました。その後、大規模な集団発生の報告は減少していましたが、今年は5月に富山県を中心として同系列の焼肉店で発生した食中毒(O111、O157など)で80例以上の感染者が報告され、重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(HUS)の発症が30例報告されています(→国立感染症情報センター 感染症発生動向調査週報 2011年第20週<外部リンク>第23週<外部リンク>)。また、同時期に発生した山形県のだんご店に関連した食中毒(O157)でも多数の患者が報告されています。

原因菌

腸管に出血を起こさせる毒素(ベロ毒素)を出すタイプの大腸菌(腸管出血性大腸菌)。

O157やO26、O111などがよく知られています。

症状

多くの場合、激しい腹痛を伴う水様性下痢で発症し、軽度の発熱や吐き気、風邪様症状もみられることがあります。血便が見られることもあり重症例では鮮血を多量に排出します。子供や高齢者では溶血性尿毒症症候群(HUS)といわれる急性腎不全や脳症(けいれんや意識障害)など重症な合併症を起こすことがあります。

感染経路

腸管出血性大腸菌で汚染された飲食物を摂取することによって感染する場合、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合、あるいは動物との接触によって感染する場合などがあります。

O157等の遺伝子型別検査はパルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)やMLVA法を用いて実施されています。患者便および原因食品から分離された株の遺伝子型を検査することで、広域的な感染の早期探知に活用されています(病原微生物検出情報 Vol.32 No.5<外部リンク>)。

感染予防

  • 大腸菌は熱には弱いため、食品は十分に加熱しましょう。(75℃、1分以上の加熱で死滅します。)生野菜などは流水で十分に洗い、調理後の食品はなるべく早く食べきるようにしましょう。
  • 特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう、気をつけましょう。
  • まな板や包丁など調理器具は、使用の都度、家庭用漂白剤や熱湯をかけて消毒するよう心がけましょう。
  • 調理前や食事の前、トイレ使用後、オムツ交換後などには、ていねいな手洗いとアルコールなどによる消毒を心がけましょう。手洗いはせっけんを使用し、すすぎは流水で十分行ってください。(→手洗いの方法
  • 下痢をしている方は、プールや公衆浴場の使用は控えてください。

<参考> 腸管出血性大腸菌感染症に関するホームページ

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