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O157などによる腸管出血性大腸菌感染症の発生状況

ページID:0006698 更新日:2021年12月1日 印刷ページ表示

(平成16年12月10日更新)

11月以降、O157による腸管出血性大腸菌感染症の届出が続いています。ご注意ください!

例年、秋になると集団発生以外の届出数は減少しますが、今年は10月以降再び増加し、11月は16例に上っています。2例は生レバーが原因と思われる食中毒によるものですが、残りは散発または家族内感染の事例です。

この感染症は経口感染で、菌で汚染された飲食物を摂取することで感染する場合や、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合があります。食品を扱う際には十分に手洗いをするとともに、レバーなど食肉はよく加熱し生食は控えましょう。特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう気をつけてください。なお下痢、腹痛、血便等の症状がある場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

県内における腸管出血性大腸菌感染者の発生状況

図:愛媛県における腸管出血性大腸菌感染症発生状況の画像

図 愛媛県における腸管出血性大腸菌感染症発生状況

表 保健所別届出数(2004年12月5日現在)

 

保健所管内

O157

O26

O63

合計

4月

松山市

1例

 

 

1例

今治中央

2例

 

 

2例

5月

松山市

 

2例(2例)

 

2例(2例)

新居浜

1例

 

 

1例

6月

松山市

3例

36例(36例)

 

39例(36例)

今治中央

1例

 

 

1例

松山中央

1例

1例

 

2例

7月

松山市

 

3例

 

3例

今治中央

1例

 

 

1例

大洲

1例

 

 

1例

8月

松山市

2例

 

1例

3例

新居浜

1例

 

 

1例

今治中央

1例

 

 

1例

八幡浜中央

 

14例(14例)

 

14例(14例)

9月

松山市

1例

 

 

1例

八幡浜中央

 

1例(1例)

 

1例(1例)

10月

松山市

3例

2例

 

5例

今治中央

1例

 

 

1例

大洲

1例

 

 

1例

11月

松山市

10例

 

 

10例

今治中央

3例

 

 

3例

松山中央

3例

 

 

3例

合計

37例

59例(53例)

1例

97例(53例)

():集団発生再掲

  • 2004年4月以降、愛媛県内における腸管出血性大腸菌感染症は32事例97例にのぼり、例年に比べて患者数が多くなっています。
  • 夏にはO26による集団発生が続発しました。
    5~6月には松山市の幼稚園児、家族及び接触者38例が、また8~9月に西予市の保育園児と家族15例の2事例が発生しました。
  • 11月以降はO157の発生が続いています。
    多くは散発または家族内感染ですが、2例はO157が原因と思われる食中毒によるものです。
  • 血清型別にみると、O157が37例、O26が59例、O63が1例発生しています。
  • 患者発生地区を保健所管内別にみると、松山市64例、八幡浜中央15例、今治中央9例、松山中央5例、新居浜、大洲各2例と県内各地域で発生しています。

腸管出血性大腸菌とは・・・

7年前1996年、岡山県や大阪府堺市において、O157の集団発生が起きたのは記憶に新しいことと思います。その後、大規模な集団発生の報告は減少しましたが、2003年の患者および無症状病原体保有者数は全国で2,986人でした。(病原微生物検出情報(IASR) Vol.25 No.6<外部リンク>)

  • 原因菌
    腸管に出血を起こさせる毒素(ベロ毒素)を出すタイプの大腸菌(腸管出血性大腸菌)。O157やO26、O111などがよく知られています。
  • 症状
    多くの場合激しい腹痛を伴う水様性下痢で発症し、軽度の発熱や吐き気、風邪様症状もみられることがあります。血便が見られることもあり重症例では鮮血を多量に排出します。子供や高齢者では溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremia Syndrome ; HUS)といわれる急性腎不全や脳症など重症な合併症を起こすことがあります。
    上記のような症状が現れたらすぐに医療機関を受診し、主治医の指示に従いましょう。

感染経路

  • 腸管出血性大腸菌で汚染された飲食物を摂取することによって感染する場合と、患者から排出された菌が手などに付着してヒトからヒトへ感染する場合があります。
  • O157の遺伝子型別検査はパルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)を用いて実施されていますが、患者便および原因食品から分離された株の遺伝子型を検査することで、広域的な汚染拡大が明らかになった例もあります。(病原微生物検出情報 Vol.22 No.11 速報<外部リンク>

予防策

  • 大腸菌は熱には弱いため、食品は十分に加熱しましょう。(75℃、1分以上の加熱で死滅します。)生野菜などは流水で十分に洗い、調理後の食品はなるべく早く食べきるようにしましょう。
  • 特に子供や高齢者は抵抗力が弱いので、生肉や加熱不十分な食肉を食べないよう、気をつけましょう。
  • まな板や包丁など調理器具は、使用の都度、家庭用漂白剤や熱湯をかけて消毒するよう心がけましょう。
  • ヒトからヒトへの感染を防止するには、調理前や食事の前、トイレ使用後、オムツ交換後に、石鹸で手洗いすることが大切です。

参考文献

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