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平成27年度当初予算案及び2月補正予算案に関する記者発表の要旨について

ページID:0008738 更新日:2015年5月13日 印刷ページ表示

 

その他の資料

 

日時 27年2月16日(月曜日)11時00分から11時51分

場所 知事会議室

平成27年度当初予算案及び26年度2月補正予算案等記者発表

(知事)

 平成27年度当初予算案等について、発表させていただきます。平成27年度は、愛顔あふれる愛媛づくりの第2ステージに向けて、新たなスタートを切る極めて重要な年でございまして、今回の当初予算については「ニューステージ・スタート予算」と位置付け、公約に掲げた新たな取り組みの芽出しを含め、新規施策を積極的に盛り込むことといたしました。

 特に、公約の3本柱、すなわち、一つ目が南海トラフ巨大地震等に備えたハード、ソフト両面にわたる「防災・減災対策」に最優先で取り組むとともに、二つ目の県内移住の促進や子育て支援などによる「人口減少対策」、三つ目のさらなる実需の追求による「地域経済の活性化」を重点的に推進するほか、営業活動の強化、医療・福祉の充実、本県の基幹産業である農林水産業の振興やえひめ国体の準備の本格化など、重要課題についても対応を加速し、公約の具体化を図りたいと思います。

 また、国の緊急経済対策に即応し、国からの交付金を最大限活用して地方創生、消費喚起や防災対策などの諸課題に迅速に対応する2月補正予算と合わせて、切れ目のない対策を講じることといたしました。

 それでは、重点施策でございます。まず、防災・減災対策でございますけれども、まずは、平成29年度までの完了に向けまして、県立学校施設の耐震化を着実に推進したいと思います。なお、特別支援学校は、27年度、来年度で完了するということでございます。また、数字で追いかけますと、知事就任時の県立高校耐震化率は47.6パーセントからスタートしましたが、今年度末、26年度末に81.8パーセントに到達すると見込んでおります。今回の27年度予算を実施いたしますと、想定で92.9パーセントまで引き上げられるのではなかろうかと思います。

 また、緊急避難道路の整備や、河川・海岸・港湾・砂防施設の改修・補強などを県単独によって引き続き推進します。また、広島市での土砂災害を受けまして、市町と調整をしておりました住民への災害情報の伝達方法改善事業、これに取り組む市町を新たに支援することといたします。中身につきましては、戸別受信機の整備などが柱となっています。また、老朽化した消防防災ヘリの更新や広域防災拠点への資機材整備による災害対応力の強化を図ってまいります。

 次に、人口減少対策でありますが、まずは何といっても大きなプランの策定が必要でありますので、人口減少問題に対応するための愛媛県版総合戦略を策定いたします。また、専従の移住相談員を新たに配置しまして、首都圏での移住情報の発信力強化と受入態勢の整備を通した県内への移住促進を図ってまいりたいと思います。また、公約にも掲げました携帯アプリ等を活用して、子どもの成長段階等に応じた情報提供や相談などを実施する子育てサポート体制の整備を図ってまいります。

 次に、地域経済の活性化でありますが、「スゴ技」「すご味」「すごモノ」を活用したトップセールスによる営業活動に加えまして、新たに「スゴVen.」データベースを作成いたしまして、ベンチャー企業の成長を支援していきたいと思います。また、新しい窯業技術センター、これも公約に掲げておりましたが、これの機能強化方策などの検討に着手してまいります。

 「サイクリングパラダイス」の実現に向けた愛媛マルゴト自転車道については、集中整備を行いまして、しまなみサイクリングの魅力発信などによる自転車新文化の一層の推進を図ってまいります。また、「しまのわ2014」のフォロー、そしてこれも公約に掲げました南予全域を舞台にした新たなイベントによる地域活性化策の支援を始めていきたいと思います。また、これも公約でございますが、松山空港への路面電車延伸に向けまして、松山市や伊予鉄道と連携して技術的課題などの具体的な検討に着手をしてまいりたいと思います。

 次に、農林水産業でございますが、「紅い雫」「ブランド牛」「スマ」など、1次産品のブランド戦略の展開と販路開拓支援などによる農林水産業の振興を進めてまいります。そしてまた、昨年大きな問題になりましたかいよう病、キウイフルーツでございますけれども、かいよう病で被害を受けたキウイ農家の営農再開支援を充実させてまいります。そしてまた、昨日まで行ってまいりましたが、軌道に乗りつつある台湾に加えまして、マレーシアなどへのかんきつ、シンガポールへの水産物など、農林水産品の輸出の拡大を図ってまいります。さらに主伐の導入と再造林への緊急支援、CLTの普及、PRや県産材の輸出促進など、林業躍進プロジェクトを推進してまいります。

 医療・福祉・環境でございます。こちらにつきましても、まず、人口減少や少子高齢化を踏まえ、公約にも掲げました全県的な医療体制の構築に向けた地域医療ビジョンを策定させていただきたいと思います。そして、次も公約でございますが、救急医療の充実に向けたドクターヘリの導入検討を始めます。また、エボラ出血熱に対応できる第一種感染症指定医療機関の整備を図ってまいります。また、市町における子ども医療費無料化等の取り組みの底上げ。具体的には、松山市に対する乳幼児医療費助成等の拡充を図って、他と比べて中核市ということで補助率を低減していた松山市をバックアップしまして、松山市の新たな医療助成施策を共同して行ってまいります。また、産廃特措法に基づき松山市が進めるレッグ最終処分場の環境保全に対しまして、県・市連携のもと、人的支援や技術的支援などを含め、総合的に支援を図ってまいります。この点に関しては原因をつくった業者に対して、引き続き松山市が厳しい態度で求償を求めていくということを前提としておりますが、一部市議会における問題点については、残念ながら、期待どおりの行動が起こっておりませんけれども、対処をするべきという判断で松山市との信頼関係のもとに県としてのバックアップ体制を定めたところでございます。

 次に、教育・国体・スポーツでありますが、東予・南予地域での特別支援学校分校等を27年4月に開設し、肢体不自由児の教育環境を改善してまいります。次に、これは大きな問題なんですが、私立高校の授業料減免事業については、低所得者対策として国が基金を創設しまして、実施をしてきたところでございます。ただし、この基金については、半額は県が負担するという制度になっておりましたけれども、今年度から国はこの基金を廃止するという方針を打ち出しています。現下の経済政策が進められている中での格差問題、特に低所得者対策というのは極めて重要な問題でございます。そういう中で、国がこの基金を取りやめるという判断はいかがなものかというふうに思っておりますが、これは議論をした結果、県の2分の1の分については、引き続き実施をするというふうなことにいたしました。そして、国の廃止される基金分については、単年度事業として、私学関係者それから、PTAの方々にお会いいたしまして、国に対して継続を求める運動を、要望活動を起こすということを前提に、とりあえず1年間という期間で、国の2分の1、これまで出していた2分の1の分を県費で負担して、低所得者対策を引き続き実施することとしております。

 続きまして、国体・障害者スポーツ大会の開催に向けた県民運動の展開を加速し、受入態勢の整備など準備を本格化してまいります。また、東京オリンピックを視野に入れて、将来、国際大会で活躍できるジュニアアスリートを発掘し、育成プログラムを策定する事業を新たに起こしたいと思います。

 次に、社会資本整備でございますが、大洲・八幡浜自動車道や九島架橋の着実な整備、JR松山駅鉄道高架事業の推進、東予港西条地区の泊地浚渫、松山港外港地区のガントリークレーン増設などに重点を置いて取り組むことといたしました。

 この結果、今回の当初予算額は、一般会計で約6,332億円、特別会計で約1,383億円、企業会計で約607億円になります。合計で約8,322億円となり、一般会計としては、前年度比261億円増、率にして4.3パーセントの増となり、知事就任以来、最大規模の予算とはなりますが、これは、国の社会保障と税の一体改革により、社会保障関係経費、これだけで57億円増、地方消費税に関する交付金、これで177億円が制度的に増加するためでございまして、こうした制度改革分が234億円、261億円のうち234億円が制度改革分でございまして、これを除きますと、6,098億円、金額で27億円増、率にして0.4パーセントという微増ということになります。十分に財政健全化にも目配りしながらスクラップアンドビルドによる施策の重点化を図って、メリハリの利いた予算に仕上げたというふうに思っております。

 次に、26年度2月補正予算についてでありますが、こちらは国の緊急経済対策に盛り込まれた新たな交付金を最大限活用して、地方創生の先行実施として、県産品の販路開拓や観光振興などの取り組みを実施するとともに、消費喚起策として、障害者授産品の購入によるさまざまな商品と交換可能なポイントが得られる制度の導入、そしてこれはよく使われている施策でありますが、プレミアム付き商品券、ただし、愛媛県の場合は市町との完全な連携というものを前提に行ってまいります。それから、旅行券というものも国のメニューにはありますが、こちらも愛媛らしさの魅力を付加しまして、サイクリング誘客を目的とした旅行券の発行、こうした消費刺激策については、今申し上げた市町との連携によるプレミアム付き商品券、サイクリングの誘客を目的とした旅行券、それから障害者の作られる物産を後押しするということで消費喚起に結びつけたポイント制度の導入、さらには県産品「すご味」「すごモノ」データベースを中心とした県産品の販路開拓に結びつく優待割引制度の事業、この四つというものを愛媛らしさというふうなことを加味した消費刺激策として実施していきたいと思っております。また、その他にも災害対応など、当面する諸課題にスピード感を持って対応することといたしました。

 さらに、国庫補助金の変動等による補正を行うとともに、今後、増加が予想される公共施設の老朽化対策に37億円、2年後の開催に向けて準備が本格化するえひめ国体に14億円、これはあらかじめ準備をすべきという判断からこうした多額の財政需要に対応するための基金の積み増しを行って、将来の財政負担の軽減を図ることといたしました。

 この結果、26年度2月補正予算は、一般会計で約23億4千万円の増額となっております。

 このほか、今回の2月定例県議会においては、福祉に関する相談体制の一元化と相談機能の強化を図るための条例改正などの議案を提出する予定としております。

 また、このうち、知事等の給与の特例に関する条例につきましては、これまでどおり、率先して行政改革に取り組む姿勢を示すため、従前の率、知事25パーセントカット、副知事15パーセントカットで、引き続き給与カットを実施することとしておりますが、期末手当のカットについては、他県を見ますと四国で実施しているのは愛媛県のみ、中四国では愛媛県と島根県のみということでございましたので、こちらの方は解消させていただきたいと考えております。以上でございます。

 

(愛媛新聞)

 今回、地域住民生活等緊急支援交付金ということで国の全額事業が一つの目玉として出ていると思うが、プレミアム付き商品券というと、以前は地域振興券というものがあったが、地域創生先行型と併せて、この制度の使い勝手というか、今後こうしてほしいという点があれば聞かせてほしい。

 

(知事)

 そうですね。商品券については、一時的な効果しかないんではないかというご意見や、それからこういったものを配ることが果たしてそれがいい政策なのかどうかという、そもそも論の意見があるということも間違いないことだと思っております。ただ、全国的に消費刺激をするんだというような国の方針もありますので、それらは受け止める中で実施に移すことといたしましたが、ただ単に今までとおり商品券を配るというのはどうなのかというようなことも議論いたしまして、愛媛県の場合、商品券につきましては、県と市町、団体、全ての市町と連携して行うと。他県では県だけで行うところもあるんですけれども、連携して行うということでまず、発行するというようなことといたしました。このことによって、一部のものは県内全域で使用可能とし、また商品購入だけでなくて、飲食や県内旅行にも幅広く活用ができるような、消費刺激効果を高めるものとして実施するということが特色であると思っています。ただ、これだけではあまりにも短絡的な施策になってしまいますので、先ほど申し上げました障害者の授産製品の後押しによる消費刺激、それからサイクリングというものの誘客を念頭に置いた旅行券。それから県産品の販路、需要拡大、実需拡大につながる割引優待制度、こういったような愛媛らしさというものを盛り込んだ施策を同時に実施することによって、実需を実際につくり出していくこと、また、特に障害者の授産品の点については、これは福祉政策との兼ね合いも含めて実施をするということが特色的なことではなかろうかと思っています。

 

(愛媛新聞)

 地方創生先行型の使い勝手というか、評価についてはどうか。

 

(知事)

 そうですね。まあ、やはりそうはいっても、ある程度国の関与、こういうものが事例にあるんだ、こういうものを中心にやれというところが、まだまだ地方分権という観点からいっても、その辺はもう地域を信じて任せていただくということが、本来の趣旨ではないかなと、現場を預かる立場としてはまだまだそういう気持ちは強いです。

 それから、先ほどのサイクリング誘客の旅行券につきましては、宿泊業やレンタルサイクル店、自転車店、JRに加えて、スポーツ用品店まで拡大すると。要はその旅行券以外でプレミアム分として500円の券が4枚付くことになっているんですけれども、これについては、レンタル店で自転車を借りるのもいいですし、愛媛県内の今申し上げた自転車店、スポーツ用品店等で、自転車関連商品を購入するときにも使えるというようなことといたしております。これによって利便性の向上を図るということでございます。

 

(南海放送)

 産廃支援について質問したい。3割負担ということで、20年間で約11億6,000万円負担するということだが、負担を3割と決めたということは、ある程度現場としての責任を認めたということなのか。

 

(知事)

 というか、産廃特措法の適用案件になりますので、国の補助も入ってくるわけですね。ですから、これと同事例というのは新潟県の事例がありますので、産廃特措法適用の案件について、3割負担というその新潟事例というものを参考にして決めさせていただきました。

 

(南海放送)

 負担を決めたということは、ある程度、県側にも当時の責任があったというふうに考えているのか。

 

(知事)

 この点については、前々からずっと言い続けているように、当初の設置届の受理をした時点では県が管轄していました。そのときに問題が発生しているのか否かということについては、証明ができないということで、そうはいってもこれは大きな県民、市民の安全に関わる問題なので、そういったことを証明はできないけれども、他県の事例を見ながら、サポートをするというふうな立場が県でございます。

 

(南海放送)

 まだ市議会には具体的な動きがないようだが、改めてどういったことを求めるか。

 

(知事)

 そうですね。やっぱりわれわれも精一杯のことをやって、これは原因をつくったところを徹底的に追及していくのが大前提。それを明らかにするためにも、いろんなところからあらゆる情報を俎上(そじょう)に乗せて、県民、市民の前にオープンにしていくということが必要でありますから、それはそれぞれの立場で実施をしていくべきだと思うんですけれども、そういう意味では市議会の問題というのは、私のメモの問題にしても議会で決議していただいたら、私は出すと言っていますから、そういったところの動きがないというのが残念です。

 

(読売新聞)

 人口減や地域活性化が、各地方自治体で大きなテーマであり、愛媛の場合、今回の予算では、「愛顔枠」というかたちで85事業が挙がっているが、この中で知事が目玉だと考えている事業があれば教えてほしい。

 

(知事)

 全部に思い入れがあるので。今回、特にどれだというよりは、2期目のステージに挑戦するにあたって、本当に自分なりにこういうのをやったらどうかというのをかなり新規事業として盛り込んだので優先度というのはあまりないですね。全部同時並行してやっていきます。ただ、その新しい新規事業、公約に盛り込んだ事業についても、すぐにできるものから長くかかるものもあるので、スタート予算、当初予算において、全ての項目について、芽出しをする。長くかかるものについても、芽出しをすることによって、県民に対しての約束を守っていくという姿勢を明確に打ち出すということが愛顔につながるというふうに思っています。

 

 

(愛媛新聞)

 

 芽出しという表現だが、今回、盛り込んだ中で南予博覧会と子育てワンストップ相談体制の構築等は、実現に向けて段階的に進めていくものと考えているのか。

 

(知事)

 まず子育てのアプリについては、今の若い人たちのライフスタイルに合わせた相談体制の構築ということで打ち出しているんですけれども、これは比較的早く実現にこぎつけることができるんではなかろうかと思います。それから、南予博覧会につきましては、これまでの町並博のイベント、これは僕のときでなく、加戸前知事のときでありますから、僕自身はそんなに深く中身を知っているわけではないんですが、いやし博については、2年前に行ったときに幾度となく、足を運ばせていただいているので、実感があるんですね。

 おそらく町並博でも同様の展開をしていたんだろうということを前提にすれば、合体することによって、南予全域をフィールドにした方が、より一層その地域の魅力を情報発信できるのではないかなと思っています。

 本当は準備期間が長ければ長いほどいいのかもしれませんが、今申し上げたようにいやし博での実績、それから同様にそうであろう町並博の実績、温もりも残っていると思いますので、真っさらからスタートするのではなく、その実績をベースにして展開できるということで十分可能ではないか、短期間で可能ではないかと判断しました。県内の動向を見ても、ぜひやりたいというような声を行く先々で、南予の地域に行ったときには、お聞かせいただいておりますので、今年度予算である程度の底上げの準備期間に当てて、来年度に本番を迎えたいなというふうなスピード感で持っていきたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 両方とも年度内には道筋を付けるということか。

 

(知事)

 そうですね。ある程度予算もプレ大会用に取っていますので、この予算を十分に活用して本番に備えるという、プレの準備は十分にできるんではないかなと思っています。

 

(長谷川副知事)

 子育てアプリは11月をめどに運用を開始する予定です。

 

(時事通信)

 南予博覧会の開催準備とか、最近、南予に企業立地が3件相次いであったが、今後、南予の活性化にどのようなビジョンを描いているのか。

 

(知事)

 人口減少問題がクローズアップされるときに、今後の人口動向の予測データが出ましたけれども、一番減少率が高いのが南予エリアでございました。ただこれは、何もしないということを前提に置いた場合の減少率でありますから、そういったようなところを鑑みて、南予をどうするべきかというのは、自分なりにもいろんな思いがございます。

 南予自体は、やはり1次産業というものが中心的な産業エリアでありますから、農林水産業の活性化なくしてその状況を食い止めることはできないというふうに判断しています。 また、もう一つの手法としては、自然を生かした観光振興。南予の対策というのはまさに、この二つが大きな柱になるのではなかろうかなと位置付けています。ですから、企業誘致というのは、具体的な雇用が発生しますので非常に効果的なんですが、そうはいっても、やみくもに企業を当たっても来てくれるはずもない。というのは、物流の面で地理的なハンディを負ってるエリアでもありますので、非常に難しいと思います。そこに企業を誘致するためには、やはりこの1次産業との連携というものを前面に押し出した展開を図っていくことで、それが可能になるのではないかというふうな考えを基本的に持っておりまして、そういった戦略が功を奏して、今回、南予地域の1次産品を直に活用するということに魅力を感じた企業が、立て続けに三つ誘致が実現しましたので、この方向性は間違っていないというふうに思っています。これと、それから1次産業の将来像を描くためには、販路の拡大が重要な課題になりますので、これは国内だけではなく、海外も視野に入れたマーケットの拡大、それから、その質を分かりやすく多くの方々に知ってもらうための、ブランド戦略の深堀り。こういったことを通じて、その質の高さというものを市場にアピールする。こんな側面支援も行っていきたいと思っています。

 いずれにしましても、今申し上げたような、1次産業と南予の自然を生かした観光振興策、これを徹底的に追求することによって企業の誘致、あるいは若者のIターン、Uターン、こういったことが副次的に起こってきて、人口減少対策にもつながっていくのではないかと期待しています。

 

(南海放送)

 南予博覧会のイメージだが、いやし博のようなフィールドミュージアムのイメージか。

 

(知事)

 そうですね。その拡大版として位置付けてもらったらいいんじゃないかなと思っています。

 

(南海放送)

 箱ものを造ることはないのか。

 

(知事)

 やりません。

 

(長谷川副知事)

 今、南予の9市町と話し合いをしているところですが、スケジュールとしては26年度、今年度中に基本計画案の策定にこぎ着けたらなと。27年度に実施計画を策定する作業に入りまして、7月ぐらいまでには実施計画を策定して、年度の後半からはプレイベントを実施する。28年度は本格的なイベントを実施したい。こういうめどで、今、南予の9市町と話し合いをしております。

 

(南海放送)

 実施計画は7月の策定になるのか。

 

(長谷川副知事)

 7月頃をめどに。あくまでもこれは県としての今の想定ですので、また、南予の9市町と話し合いながら具体的に作業を進めていきたいと考えております。今のスケジュールは、県が念頭に置いているスケジュールということでご理解いただければ。

 

(知事)

 それから、選挙中に聞いた声がありまして、これはなるほどなと思ったので、今回それを受け止めたかたちで、まだ決まっていないですけど、展開したいと思っているのが、伊予市の双海町、中山町の問題なんですね。今は合併して伊予市になっているんですが、双海、中山というのは地理的にも南予の入り口になるんですよ。例えば、中山から行って内子に入っていきますから、それから、双海だと海続きで長浜と隣接していますので、そういうイベントをやるときには、ぜひ中山や双海も一緒にやりたいという声が非常に強かったんですね。ですから、これは伊予市が最終的にどう判断されるかですけれども、できればこの南予博覧会には伊予市の旧中山町、双海町も一緒になった取り組みができないかなということは模索していきたいと思っています。

 

(日本農業新聞)

 先ほど、知事が述べた海外への販路の拡大についての質問だが、これからの輸出、将来の目標金額やビジネスとして成り立つ可能性等について示してほしい。

 

(知事)

 正直、価格的な競争力で言えば、中国産、韓国産には、価格面では勝てません。間違いなく。でも、品質の面では圧倒的に勝っていますね。これは、スーパーマーケットなんかに行って並んでいる商品の質を見る、あるいは食べてみたら、これは一目瞭然でございます。特に最近の傾向として、富裕層の間では、大陸某国の農産品の安全性に対しての懸念というのが急速に広がっているという事情がございます。

 ですから、当然のことながら、安全・安心、品質の面で信頼感のある日本の農林水産物については、十分にマーケットが成り立っていく可能性が出てきています。もう一つの背景は、アジアの所得水準が上がってきているということ。ということで、安全で良ければ購入したいというふうな気持ちというのも、この経済面の成長に伴って拡大しつつあるということは実感しています。ただ、このときに問題なのは、その商品のアピールは当然なんですけれども、どうやって物流も含めたビジネスとして組み立てられるのか、注文から物流、そして決済に到る、ビジネスのシステムというものが全体像としてしっかりできないと単発で終わるというふうに思います。だからこそ今回も、ただ単に県知事がトップセールスだと日系のデパートに行って物産を並べて、はい、しゃんしゃんというのは意味がないということで、現地のバイヤー、エンドユーザーと直接会って話をしています。それで、このときが勝負なんですけれども、要は、信頼のおける息の長い関係が続けられるパートナーに出会えるかどうかが全てだと思っています。ですから、1回行っただけではそういった人間関係はつくれませんので、2度、3度、そういう信頼関係を構築するために、システムができるまでは自分が先頭になって動いていく必要があるなと。制度ができてしまえば、後はその中で拡大していくと思いますけれども、その扉を開くための仕事が自分に課せられたテーマだと思っています。

(日本農業新聞)

 かんきつの目標額、例えば何年後に何億円とかそういうものはあるのか。

 

(知事)

 これは何とも言えないですね。というのは、特にかんきつについては、各国とも植物ということで輸入制限等、例えば農薬基準であるとか、かいよう病の問題であるとか、こういうものが各国で違いますし、また、一番デリケートな品目になりますので、こういったところの解消、例えば今、台湾だったら農水省経由で農薬基準をこういうふうにして交渉してくれとか、要望を上げているわけですよね。水産だったら通関のときの手続きの簡素化を求めたりですね、そういったことも併せて、これもビジネスのシステムの中の一つの大きなテーマになりますので、ただ単に行ってフェアをやるとか、売るというのは意味がない。トータルで考えて今、組み立てをしています。

 

(南海放送)

 27年度当初予算でも28年2月にマレーシアの百貨店で愛媛県フェアの開催等が措置されているが、今回のマレーシア、シンガポールの訪問での手応えはどうか。

 

(知事)

 今回はですね、特にマレーシアは個人的にも有望なマーケットだなというふうに思ってまして、たまたま私のいた商社の同期達がマレーシアにいるというのも、非常に今がチャンスだなと、そういったネットワークを使えるのも。というのもありますので、重点的に、今攻めようとしてます。

 入り口段階では去年、日系の百貨店でかんきつがどの程度受け入れられるのか試験的にやってみたのですが、非常に手応えがあったので、今回は実はそれだけではなくて、その百貨店では引き続きやってますけれども、かんきつだけではなくて、愛媛フェアを単独でやらしてくれと。それを今、「すご味」だけではなくて「すごモノ」も含めたですね、愛媛の知名度を上げるための仕掛けをしたいということで、来年ぐらいに、愛媛単独フェアというものを、その日系デパートで行うということと同時に、その時期に、これまた今回、取引、商談をやりたいということで話がついた水産等を中心としたスーパーマーケットの店舗展開をしているところがありまして、ここは今年度も3店舗新たに出す、来年は4店舗さらに出店するという非常に積極経営をしているところなんですね。そこも愛媛フェアを同時開催してもらうと。かつ、今までのつながりのあるシンガポールに拠点を置く飲食会社がですね、マレーシアにも10店舗以上持ってます。そこの社長ともシンガポールで話をしまして、こういうこと考えているんで、その百貨店で愛媛フェアをやるときに、その飲食のマレーシア店でも愛媛フェアを、そして、今の水産関係の小売店でも愛媛フェアをというふうに、一気にドンとやれないかということをちょっと考えています。

 

(南海放送)

 その時期は。

 

(知事)

 2月ぐらいですかね、1月か。旧正月の前が一番、かんきつにとっては一番いいんですよ。中華系が多いですから、旧正月の前になるとかんきつ等を贈るという風習があるんで、このときが中晩柑の品ぞろえも一番できる季節になりますから、愛媛が最も得意とする時期だと思いますので、この辺りでできないかなというふうに狙ってはいますけど、確約はできません、まだ。向こうも向こうで、このときは商売が一番いい時なんで、そこまで対応ができるかどうか分からないんで検討するということで、今回、やる方向は同意がとれましたので、どの時期にどういう規模でというのを、これから詰めていきたいと思っています。

 また、そのときに、今回、非常にかんきつについては、やはり甘平は試食したら値段をあまり見ないでどんどん買っていくんですね。全部売り切れました。それから魚については、マグロと、それからどこ行っても好評だったのが「みかんブリ」です。これは、どうしてこの匂いが消えるんだということで、ずいぶんと質問もいただきましたし、「みかんブリ」「みかん鯛」それからマグロ、それからスマの話をしますと非常に興味を持ちます。ですから、このあたりは十分に通用するものではないかなと。さらに、百貨店等では、今治タオルに対する関心が非常に強いと。ですから、いろんなものを組み合わせていけば、効果的なフェアというものが十分開催できるのではないかなと思っています。

 シンガポールでは、先ほど申し上げた飲食会社のほうでは、今、2カ月、3カ月にわたって、10店舗くらい持たれてるところなんですけども、寿司屋さんやってます。そこでは愛媛フェアを開催中です。メニューも愛媛のものばかりそろえてます。その1店舗に社長さんとランチを食べに行ったんですけども、ずっと2時ぐらいまで人が並んでるような、客数で言うと200席くらいあるお店なんですけども、そこがもう連日、そのテナントの中で1店舗だけが店の外に人が並んでいるというような人気店でございまして、ここの社長がマレーシアにも持っているので、非常に大事にしたいなと思っています。

 それから、もう一つは、今回、日本の全漁連がシンガポールに、日本の水産物をシンガポールの方々に紹介する基幹店として初出店しました。これは将来の物流というものの端緒を開くための出店なんで、おそらく3年ぐらいのプロジェクトだと思います。今月からオープンしたんですけれども、全漁連の「わだつみ」というレストランがオープンしたんですが、その第1号のフェアを、今回、愛媛県が担うこととなりまして、ちょうど私が行ったときからスタートすると。愛媛県の後は、次は宮崎がやるらしいんですが、47都道府県の先陣を切って愛媛フェアがトップで開催していただくこととなりました。

 

(南海放送)

 来年開催を検討されている愛媛フェアというのは、期間としてはどれぐらいの期間か。

 

(知事)

 それは全部これからです。

 

(愛媛朝日テレビ)

 松山空港への路面電車延伸について、改めてどのような思いで進めたいと考えているのか。

 

(知事)

 10年くらい前なんですけれどね。そもそも松山市長の時に坊ちゃん列車を復活するというのは、実は当時初めて市長に就任した時の公約に掲げていたんですよ。これは伊予鉄さんといろんな話し合いをしながら平成14年くらいに実現にこぎ着けました。それと並行してJRの駅前開発を当時の加戸前知事と私とで議論をしていたんです。そのときに、あの事業の採択を得るためには、やはりここはという魅力をどう出せるかにかかっている状況でしたので、そこで考えたのが鉄道高架の下に路面電車を直進させて、松山総合公園まで持っていくというプランだったんです。実はJRの下を他の会社の電車がくぐって交差するというのは日本で初めてのことなんですね。ですからそれが非常に大きなアピール点になりました。なぜそこにこだわったのかと言うと、当時から話していたのですが、市議会の議事録にも残っていると思いますが、ここまで伸ばしておけば山沿いに行けば、その先に松山空港があるので、でもその当時は自分のときの話ではないけれども次の時代にその可能性を残してバトンタッチしておくのも大事ではないかというような答弁だったと思いますけれども、当時からそれを想定していたんです。

 今、県の仕事をいただいて、もう少し前倒しできるかなというふうに思い始めたので、今回、検討を始めることといたしました。なぜ当時そこにこだわったかというと、どこの都市に行っても、飛行場に着いたら、中心部に入るアクセスはモノレールや地下鉄が定番であると。でも、それではアピールにならないと。便宜性というよりはユニークさの方がローカルな松山にはふさわしいのではないかと。だから空港に降りた所に坊ちゃん列車がもし停まって、ガタコトガタゴトと街中に入って行くという風景が実現すれば、それだけでとてつもない観光コンテンツになり得ると。便宜性の問題もあるのだけれども、それ以上にこの街とは一体何なのだというとてつもない情報発信力を持ち得るのではないかなと考えたので、そんな夢を追いかけたいなと思っています。

 

(愛媛新聞)

 地域経済活性化の中で、特にハード整備でマルゴト自転車道がかなり大きい額になっているが、投資することに対するどれくらいの経済効果、また波及効果を見込んでいるのか。また現段階で、全体整備計画のどの段階にあるのかということを教えてほしい。

 

(知事)

 見込みというのはソフト対策も含めてトータルプランでどうなっていくのか、そもそもサイクリング分野にどのくらいのスピードで日本国内にマーケットが形成されていくのか。これはもう流動的なので、いくらということは一概には言えないと思うんですが、方向性だけは確信をしています。

 今回もシンガポールに行ったときに、何回か行っていますが、ものすごい勢いで増えているんですよ。ですから、国際的な流れは間違いなくあるということは、最近行く先々で確信をしています。国内においてもですね、非常に今、急速にこのブームが拡大していることを実感していますので、おそらくそのスピードは一定の速度で上がっていくのではなくて、上がっていくと思いますけど、そこがどこで来るのかは僕も読み切れないところがあるので、何とも言えないのですけれども、要は何でもそうなんですが、先取りした所がその称号を得られるものだと思っていますので、ともかく大々的なブームが国内に来る前にある程度の準備を終えておくということが、これを生かす最大のポイントになると思っていますので、思い切った施策展開を図っていきます。そのことによって他県との差別化が図れますし、何よりも愛媛県にはしまなみ海道、なかんずく来島海峡大橋を持っているというのが最大の強みでありますから、これを生かさない手はないと思っています。それだけではなく、全県にその魅力を2次情報として広げていくということになれば、さらなる重層的な対応策、いわばわれわれが目指す「サイクリングパラダイス」という中での新たな観光振興策の先達になっていくことができるんではないかなと信じています。

 

(愛媛新聞)

 今、何合目くらいまで来ていると考えているか。

 

(知事)

 今はまだですね、ようやくしまなみから松山、それから佐田岬を終えた段階です。とりあえず26のコース、特に本格的な11のコースについては全市町やりますというメッセージとして、中間点でのブルーラインを敷いたとかですね。そういうところをきめ細かくやっていますので、大体、全部終わる平成29年が目標ですね。

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