[エヒメール] No.8 2003.3 ![]() |
「特集 たちあがるサイエンス」 ・愛媛の科学最前線 「対談 知事と話そう」 ・愛媛の地に染まる ●エッセイ ●愛媛「彩」時記 ●まちのエネルギー ●ザ・指導者 ●建築は語る ●愛媛の作家 あの作品に会いたい ●愛媛食の風土・早起き、まち歩き、市めぐり |
愛媛・食の風土![]() |
![]() |
|
![]() |
ぼて茶は、松山の郷土料理といわれながらも、家庭で受け継がれた料理というわけではない。茶せんでお茶を泡立てる必要があるからか、主に茶道をたしなむ人が楽しんでいた特別な郷土料理であった。 クコの葉(または番茶)と大豆を煮出したお茶を、塩をつけた茶せんで泡立てて、そこに黒豆ごはんと具の筍、椎茸、高野豆腐、奈良漬けのみじん切りを入れ、かき混ぜてからズズッと食べる。『ぼて茶』とは、番茶と大豆をゆっくり煮出したお茶のことだが、名前の由来は定かではない。料理自体は、手の込んだお茶漬けといったところだ。松山人にすっかり忘れ去られていたぼて茶だが、実は近年、春の季節料理として人気上昇中だ。火付け役は、松山市のお隣の北条市にある蓮生寺。20年前、月遅れの5月上旬に行われる花まつりの参拝客へ、お接待料理として出したのがきっかけで、今や『ぼて茶寺』の異名を持つほどである。「せっかくお参りに来ていたたくんじゃけん、お接待に甘茶だけではと思って、ぼて茶を始めたんです」とご住職の森岡文雄さん。「ぼて茶は、お茶の先生に教えていただいてたんです。お嫁に来たとき、このお寺の周りには、ぼて茶の材料が全部揃っとると思ったんですよ」と奥様の博子さんがおっしゃるように、椎茸、ふき、筍など、山里の寺の周りは、ぼて茶の具である山菜に事欠かない。ぼて茶を食べる人の多くが「春の香りがする」と言うそうだが、新緑に包まれた山里の寺でいただくとなると、春を五感で感じ、味わうことができるのだろう。 山陰にも同じ名の料理があるが、松山のものは藩に伝わる倹約料理で、前日の余りものを同じ形で食卓に出さないようにとの藩士の妻たちの工夫から生まれたとも、質素倹約のおふれが出た際に考案されたもてなし料理ともいうが、現代においては、手間暇かけた贅沢なお茶漬けとして人々に愛されている。 |
|
| ぼて茶の作り方 【材料(4人分)】 ぼて茶 大豆 20g 水15カップ クコ茶 一つかみ 黒豆ごはん 黒豆 20g 米 2カップ 塩 少々 具 かまぼこ(ピンク) 1/2本 奈良漬け 50g 干ししいたけ20g 筍70g 高野豆腐1丁 ふき 40g 砂糖 大さじ3 出し汁2カップ 薄口醤油 大さじ3 みりん 大さじ1 【作り方】 ぼて茶 (1)鍋などに材料を入れて、弱火で約2時間ほど煮出す。 (2)食べる直前に、茶碗に1/3位の熱いぼて茶を注ぎ、塩を少々つけた茶せんで泡立てる。 黒豆ご飯 (1)鍋などで、黒豆を煎ってから熱湯を入れて柔らかく煮る。 (2)米に黒豆の煮汁ごと加えて塩で味を整え、普通のご飯同様に炊飯器で炊く。 具 (1)筍と皮を取ったふきは茹で、高野豆腐と椎茸をそれぞれ戻してから、薄味を付ける。 (2)各具材を3mm角に小さく切る。 泡立てたぼて茶に、黒豆ご飯を入れ具をのせればできあがり。 |
![]() |
![]() |
今治(いまばり)の日曜朝市は、「今治銀座アーケード街」で、第2・4日曜日に開催されています。野菜や加工食品など、朝市ならではの品物も並びますが、ここの人気商品は、墓前や仏壇に供えるシキミ。2週間ごとというサイクルがシキミの取り換えに都合がよいのか、予約販売も多いとか。シキミを栽培する近隣の農家の人が、山から切り出したばかりのシキミの束に名前を書いて、お客さんが取りに来るのを待ち受けています。 自転車や手押しのカートでやってくるお客さんが多いのも、この朝市の特徴。近所の人が多いのでしょうか。カートにたくさんの荷物を乗せた女性にお話を伺いました。−何時に来られましたか? 「今日は、7時。遅いくらいよ。いっつもは6時半前には来るから、もう終わっとるかと思とったんよ、よかった」 −何を買われたんです? 「野菜と、仏さん用のシキミ。ここのシキミは、山から切りだしたとこやけん、葉っぱがきれいで、いっつも、ここで買いよるんよ」 シキミの束を抱えた人々が三々五々去っていきます。今日はみなさん、お墓参りに行くのでしょうか。ご先祖を敬う人々で賑わう今治の朝市は、そろそろ終わりを告げるようです。 |
|
|
|
|