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平成26年度10月知事定例記者会見(10月23日)の要旨について

ページID:0011202 更新日:2014年10月24日 印刷ページ表示

日時:平成26年10月23日(木曜日)

 11時26分~12時05分

場所:知事会議室

 

 

(南海放送(幹事社))

 9月議会も終わり、今回の任期の締めくくりとなる定例会見となるが、あらためて知事就任からこれまでで、特に成果が上がった施策、また逆に積み上がった課題は何であったと考えているのか。

 

(知事)

 4年間本当に瞬く間に過ぎ去ったような感がいたしますけれども、だいたい公約の実現を目指して、助走から離陸、上昇、そして飛躍と、1期目の4年間を1年ごとにそうしたくくりで捉えて、物事を進めてきたつもりでありますが、おおむね順調に駆け上がることができたのではないかと思っています。

 まず、就任早々なんですけど、やはり組織で物事は動いていかなければ成果につながらないということで、職員の意識改革と人事・組織改革に着手をさせていただきました。目的は、政策立案能力を持った組織への脱皮、それから、スピード感を持って成果を追求する体制づくり、ここらあたりを想定した改革でありましたけれども、例えば、特に全国に先駆けて設置した「営業本部」は、先ほども実績を発表させていただきましたが、国内外での精力的な営業活動によりまして、成約実績がどんどん上がってきているところでございます。今年度は、50億円も視野に入ってくるんではなかろうかと思っています。

 また、もう一つの柱は、基礎自治体重視の県政運営でありました。現場視点から社会保障制度や規制緩和の提言を市町と一緒になって議論した上で取りまとめ、国に改革を進めるとともに、また、常設した県・市町連携推進本部において、二重行政の解消、また新たな連携施策の創出を目指した動き、全市町との人事交流の拡大、また行革甲子園の開催など、「チーム愛媛」の推進も着実に形づくっていくことができたのではなかろうかと思っています。

 次に政策面でありますが、公約を実施に移すために、長期計画づくりに最初に着手をいたしました。「愛媛の未来づくりプラン」を就任早々に策定をさせていただきまして、本県の底力を引き出しながら、各分野において政策の種まきを行って、公約の実現に邁進してきたところでございます。県民の安全・安心を確保する防災・減災対策をはじめ、本県の基幹産業である農林水産業、ものづくり産業、観光振興、えひめ国体に向けた態勢整備等の重要課題に重点的に取り組ませていただきました。

 特に産業分野では、実需の創出に徹底的にこだわって、これは本当にやりながら走りながら出てきたアイデアでありますけれども「スゴ技」「すご味」「すごモノ」の3つのデータベースを構築させていただきまして、国内外でのトップセールスを展開し、本県の優れたものづくり技術や、「かんきつ」「愛育フィッシュ」「媛すぎ・媛ひのき」など農林水産品等の新たな市場開拓を行うとともに、南予地域の活性化に向けた「南予いやし博2012」の開催、あるいは中四国初の「国内線LCC松山―成田線」の新規就航、また宿願でありました「台北の松山空港と松山空港を結ぶチャーター便」のスタート、また日本で初めて供用中の高速道路本線を利用した「サイクリングしまなみ2013」の開催など、新たな観光戦略も展開させていただきました。しまなみ海道がアメリカのCNNによる世界7大サイクリングコースの一つにも選ばれました。また、今年度の夏休みの来訪希望先の伸び率で愛媛県がトップになるなど、まあ少しずつではありますが、本県の知名度も高まってきているのではなかろうかと思っております。

 4年目の総仕上げは、今月26日にフィナーレを迎えます「瀬戸内しまのわ2014」、「サイクリングしまなみ」、これをぜひとも成功させまして、サイクリストの聖地として、しまなみ海道を位置づけ、その魅力を世界にアピールするとともに、二次情報の提供によって、愛媛マルゴト自転車道構想に息吹を吹き込んでいきたいと思います。県下全てに波及させて、地域の主体的な取り組みを促進することにより、しまなみをサイクリストの聖地、そして愛媛県をサイクリングパラダイス、この目的に向かって、持続的な地域活性化へと結び付けていきたいと思っております。

 また、ミッシングリンクの解消を見据えまして、津島道路、また大洲・八幡浜自動車道の整備促進を図るとともに、非常に難航しましたけれども、本四架橋の出資問題、年間53億円を出し続けてきた愛媛の立場から、これは継続はできないという交渉に臨みまして、国との合意が得られるなど、懸案事項の解決に向けて前進させることができたんではなかろうかと思います。また、特に思い出深いのは、県民の皆さんに呼び掛けて創設した「えひめ愛顔の助け合い基金」では、愛媛ならではの被災地支援として、東北3県から2千人を超える高校生の修学旅行の招待が実現しました。本県の高校生と有意義な交流が図られて、人を支えることの尊さを学び、助け合い、支え合う愛顔と友情が芽生えたことは、何ものにも代え難い成果ではなかったかと感じております。

 振り返れば、全力で駆け抜けた4年間であり、公約に掲げたものにつきましては全て着手はさせていただきました。ただ、取り組みの成果がすぐに表れるものもありましたけれども、中長期的な課題も当然のことながらあります。挑戦や改革には終わりはないというふうに思います。

 特に、南海トラフ巨大地震に備えた防災・減災対策をはじめ、人口減少社会における地域経済の活性化、3年後に開催を控えるえひめ国体などの重要課題に引き続き注力するとともに、残念ながら遅々として進まなかったのが地方分権改革であります。国に実行を求め続けてはいますけれども、さらに一層地方全てが声を大にしなければならないし、またその裏付けとして地域が自立の意思を強めて時代に立ち向かう態勢を整えていく必要があろうかと思います。県勢発展に向けたそうした道筋を確かなものにしていかなければならないんではなかろうかと思っています。以上です。

 

(愛媛新聞)

 心残りだという地方分権改革だが、進まなかった理由はどういうことだと思うか。

 

(知事)

 やっぱり自らの改革というのはなかなか、特に国会、国の方は進みにくいハードルがあると思います。特にこの分権改革というのは、途中非常に、個人的にはですね、知事会でも発言をさせていただきましたけれども、道州制先にありきみたいなことが進もうとしていました。いわば、道州制さえやれば地方分権やったような感じになると。この議論は非常に危険だと思ったんで、やはり分権というのは、国は何をすべきところなのかということを固めた上で、それ以外を地方へ、それに基づいて権限と財源を移していく。さらに、地方においては、基礎自治体というものがどこまでできるかを検証し、その後に広域行政をどういう形で進めていくのかという段取りが、僕は正しい道筋だと思っているんで、それが最初のところで今の3番目のところが最初に持ってこられようとしていたんで、これでは屋上屋を重ねるような組織づくりに終わってしまうんで、真の地方分権は進まないと感じていました。だんだん、そういう道州制ありきというのはちょっと薄らいではいるんですが、そこに執着していたことによって、肝心の権限・財源移譲論議は全く進んでいないというのがこの4年間の実態だと思います。ただ、国の国債発行残高1,000兆円を超え、もはやこの体制でやっていけるはずもないわけでありますから、今申し上げたような地方分権の真の姿というものを追い求めていく声というのが地方からどんどん上げていかなければならないというふうに思っています。なぜ進まないかと言えば、持っている権限を手放すことに国の立場からすればなりますから、それに対する抵抗感というのが非常に強いんだろうということが容易に想像されるところです。先般も提案募集型の分権の応募に全国の自治体が応じましたけれども、応じたというか、我々が知事会を通じて、提案募集型をやるべきだということを言って実現したんですけれども、大半が全く遡上(そじょう)にも上らないというような実態が浮き彫りになっています。事程左様に、権限・財源を手放すということにつながる国の改革というのは、本当に実現するに至るまでには、相当な力が必要であるということを実感しています。また、一方、もう一つ進んでいないのが、消費税導入論議のときに、身を切る改革というものが各党合意で約束されていたはずでありますけれども、これも遅々として進んでいないということは皆さんも御案内のとおりであります。そういう意味で、真の改革、地方分権を主軸に置いた論議というのをもう一度高めていく必要性があるのではなかろうかと思っています。

 

 

(NHK)

 財務省が公立小学校の35人学級について、いじめとか不登校でも目立った改善が見られないということで40人学級に戻すというような方針を示したが、これについて、どのように考えているのか。

 

(知事)

 おそらくこれは財源論から出てきているとしか思えないですけれども、その財源論で、教育現場を、それを第一義にしてやるというのは極めて危険だと思います。もし戻すんだったら、理屈が必要ですよね。だから、単に改善が見られないというようなことで済まされる話ではなくて、35人でどういう授業が行われるようになったのか、子どもたちにどういうプラスの状況が生まれているのか、例えばきめ細かい指導であるとかいろいろあると思うんですけど、それも並行して議論した上での話なんですけれども、今回はいじめの改善が見られないというようなマイナス面だけの強調からぽんと出てきた話なんで、それはあくまでも財源論から出てきているから、これはちょっといかがなものかというふうに思います。

 

(南海報道)

 先日の県原子力防災訓練では、ブラインド訓練を新たに取り入れたが、訓練を終えての所感と課題についてどのように考えているのか。

 

(知事)

 今回はですね、前回の80機関の参加から85機関の参加へ訓練参加者が増えたこと、それから住民参加、関係者の参加も1万3千人から1万4千人に増えていること、こういう方が参加したらより一層重層な対策ができるんだ、という働きかけがその増加につながっているというふうに思います。前回の避難訓練でいろいろ課題も、検証の結果浮き彫りになってきておりましたので、そういったものを加味した訓練というものが今回の特色であったと思います。

 その一つがブラインド訓練の実施。今回、非常に局地的ではありますけれども、モニタリング本部においてブラインド訓練というものを初めて実施をいたしました。それから二つ目は複合災害への対応ということで、特に今回は、がれきの撤去と段差の解消という、大きな災害が起こったら、想定できる複合災害、これを訓練の中に取り入れたというのが二つ目の特色。それからもう一つ、三つ目が、伊方原発の西の方々の避難訓練というものを、海自の協力も得て本格的に実施をするということ。こういったことが特色であったかなと思います。

 特に、輸送だけではなくスクリーニングも含めてですね、民間の運輸関係機関、医療機関、そして公の自衛隊や海上保安部に加えてですね、官民一体となった陸・海・空あらゆる手段を用いた避難訓練を、特に、原発西の地域の避難については実施をさせていただきましたけれども、実は、LCACは今回初めて自分も間近に見させていただきました。港湾が使用できない場合は、大きな輸送手段の力になるということを感じました。本当に瞬間的というか、何十秒で空気が注入されて浮上し、速やかに海上に出ていけるという、車両何台をのせてもそれだけのパワーがあるということも目の前で確認させていただきました。避難のときには180人くらい一気に輸送できるということをお聞きしましたし、特に今回来た「しもきた」には2艇、それが常設されているということであります。「しもきた」の甲板には約2千人の方が乗船できるということでありましたから、これは本当にいざというときには非常に大きな力になるということを実感いたしました。今回の訓練を通じて、万が一事故が発生した時に備えまして、日頃から訓練を積み重ねて、関係機関との連携や住民の皆さんの備えなどについて習熟強化を図っていく重要性を改めて認識した次第でございます。ただ、いろいろな課題もあると思います。まだ検証結果が上がってきていないので、正式には申し上げられませんけれども、例えば、ニュース報道でお聞きしたところによりますと、いろんな課題、声があるということも拝聴させていただきました。その中で例えば、安定ヨウ素剤の訓練については、あめ玉をそれに見立てて、実際に服用指示をして食べてもらうという訓練の趣旨が住民の皆さんに十分伝わっていなかったという報告は受けております。そのほかにも今回新たに導入したブラインド訓練や道路啓開訓練はもちろん、避難先市町の受け入れ態勢も含めて、各訓練種目全般にわたって課題の抽出、対策の検討を進めていく必要があると思っております。今後、参加いただいた住民や関係機関へのアンケートの結果、さらに第三者機関に評価を依頼しておりますので、その結果を基に訓練の検証を行って、今後の改善につなげていきたいと思っております。

 

(南海放送)

 安定ヨウ素剤について、住民に伝わっていなかったということだが、原因はどういうところにあると思うか。

 

(知事)

 まだ、そこまでの検証が私のところに出てきていないんですけれども、現実そういうことが起こっていた、あめ玉をなめられずに皆さん来られているということでありますから、これは安定ヨウ素剤なんですよ、今ここで服用してくださいっていうような指示がしっかりと伝わっていなかったということだろうと思いますので、そのあたりが、誰がどうしなければいけなかったのかということは、検証の結果、浮き彫りになってくると思いますから、それを次の訓練に生かしていかなければいけないと思っています。

 

(南海放送)

 検証結果をいつまでにまとめるというめどはあるのか。

(知事)

 アンケートどれくらい。

 

(県民環境部長)

 だいたい年内には、アンケートも含めまして、検証結果を十分精査したいと思っております。

 

(あいテレビ)

 「サイクリングしまなみ」は8千人規模ということだか、どれくらいの地域から、どのくらいの人数が申し込んでいるのか。

 

(知事)

 ちょっと待ってください。数字を見ますとですね、応募総数は最終的に確定しましたので、最終的に8,029名になります。国内からは、全ての都道府県の方がエントリーされました。海外からは、中国、韓国、台湾、香港、インドネシア、シンガポールなどのアジア地域を中心に34の国の方、人数でいうと約600名、海外の方が応募いただきました。まあ1割近いですから、国際サイクリング大会と呼ぶにふさわしい状況となって、こういった方々が、サイクル好きの方が中心になっていると思いますけれども、フェイスブックでその感想をだあっと流すんですね。ですから、これが伝播していくんだろうというふうに思っていますので、大いに期待をしているところでございます。

 

(あいテレビ)

 天気がどうかなと。

 

(知事)

 そうですね、台風の発生はなさそうなんで。一応、週間天気予報を見ると、曇りマークが出ているんですが、雨の、降雨率っていうんですかね、40パーセントというふうに書いてあったんで、あとはもう祈るのみです。大丈夫です、きっと。

 

(あいテレビ)

 海外からは、アジアを中心に34の国からということだが、それはどう見ているか。

 

(知事)

 そうですね、確かに自分自身が動いて、紹介して来ていただいた国もありますけど、それ以外からもですね、やっぱりCNNの7大サイクリングコースに選ばれたとか、そういうのも非常に大きいと思いますし、また、世界一のメーカーとのタイアップをしたことがですね、これがPRに非常につながっていまして、それぞれの支店においてですね、世界中の国の支店において、しまなみのポスターを掲示していただいているんですね。そういったことも非常に、何と言うんですかね、しまなみ海道の知名度アップにつながって、エントリーにも関係してきているのかなと思っています。

 

(南海放送)

 ここまでは順調に準備が進んでいるのか。

 

(知事)

 これは身内の話になってしまうんですけども、一応、4年前の公約にですね、しまなみ海道を世界に、ということを書かしていただいたんですが、その経過の中でですね、国際サイクリング大会の開催というふうなことにつなげていきました。おそらく当初は4年間でここまでサイクリングが普及していくとは、自分自身もちょっとスピードが早かったなと思ってるんですけど、皆さんも思われていなかったかもしれないですし、また、昨年、ハードルは高かったですけども、供用済みの高速道路、愛媛側だけでの実施になりましたけれども、プレ大会が実施できたこと、その時に県庁職員、今治市職員、上島町の職員、みんな一丸となってですね、地域の住民の皆さんの協力をいただきながら成功裏に終えたことがですね、今年の開催につながっています。今年もですね、昨年の経験というものがあるんで、それを大いに生かしながらですね、県庁挙げて、万全の態勢を組んでいるところでありますけれども、8千人という期待どおりの参加者もそろいましたんで、これはほんと身内のことで恐縮なんですが、県庁職員よく仕上げてここまで、準備段階なんですけど、よく持ってきてくれたなと思います。

 

(愛媛新聞)

 先週頃から、政治と金の問題で経済産業大臣と法務大臣が辞任し、内閣改造から1カ月半でこのような事態になっているが、この問題についての所感を聞かせてほしい。

 また、特に経済産業省に関しては、鹿児島の方に川内原発の説明に行く予定が中止になったという話も出ており、今後、伊方原発にも大臣が説明に来る機会があると思われるが、このように大臣が交代してしまうということについて何か影響はあると考えているか。

 

(知事)

 まあこれは何ともコメントのしようがないんですけども、まあちょっとあの状態であると国会審議が立ちいかなくなってしまう状況になっていましたんで、辞任はやむを得なかったのかなというふうに思います。それがどういう影響をもたらすかは分かりませんけども、こちらはもう本当にやるべきことをやるのに徹していますので、稼働・再稼働についてはあくまでも安全委員会の議論を踏まえた上で、国が判断してからの話なんで、そのスケジュール感はわれわれがどうのこうのという話ではありませんから、それは見守るしかないと思っています。

 ただやっぱり政治資金の問題、あるいはそのいろんな物を配るという問題、まあそういうことはこれをまた一つの今まで法律ではいろいろ制約があるわけですから一斉にやめるということを政治家みんなが考えるべききっかけになればというふうに思っています。

 

(南海放送)

 政府が、来週、北朝鮮に代表団を派遣すると決めたことについて賛否あるようだが、それについて知事はどのように考えられていますか。

 

(知事)

 あのいろんな見方がありますけど、今のままいったら完全に相手のペースに振り回されているという感が拭えませんので、アクションを起こす必要性はあったんではなかろうかと僕は思っています。その時に毅然とした態度で、しかも交渉事ですから何がどういうふうにカードとして持たれているのかが僕は分かりませんけれども、非常に手強い交渉相手だと思いますんで、綿密な戦略を持っていくんであれば臨んでほしいなというふうに思います。

 

(南海放送)

 県内の方々も関係しているが、何らかの成果を持って帰ってもらいたいという気持ちはありますか。

 

(知事)

 そうですね、やっぱりわれわれの感覚とは全く異質な向こうの政府ですから、目的はもうともかく拉致被害者、特定失踪者も含めてですね、全員の帰国にあるわけですからそれは本当に関係者の方々皆が待ち望んでいることなんで何が何でもやっぱり成果、動くからには成果を追及してですね、頑張ってきて欲しいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 原子力防災訓練に関して、もし現状で、福島のような事故が起きた場合、どの程度実効性があると考えているのか。

 

(知事)

 まずですね、福島と同じことは起こりません。そこがまず前提として考え方がちょっと違うのかなと思うんですが、なぜならば、伊方の場合は津波はほとんど心配がないということですね。その根拠というのは、近くにプレートがないわけですから、伊方の場合は断層ですので、基本的に縦ずれは起こらず、横ずれなので、福島のような大津波が襲ってくる場所ではないと。もうひとつは水深も、あちらは1万メートルを超えてますけれども、伊方前面海域は100メートル以下なので、海水の量そのものが少ないので、この点でも津波の心配はない。もうひとつは、伊方自身が、福島の場合は海抜6メートルのところに原発がありましたけれども、伊方は10メートルのところに設置されていますから、そのなかで、縦ずれが起こったとしても4メートルぐらいの津波、起こらないんですけれども、4メートル程度の津波ですから、まず、大津波によって水をかぶって全電源が喪失するという可能性はない。そこが福島との決定的な違いだと思います。

 一方で、揺れによるリスクは当然同じようにありますから、そこで、愛媛県としては、揺れ対策の独自な要請を四電に対して行ってきたところです。ここがまず重要なところだと思います。その上でまず起こさないということが第一の手立てだと思っていますから、国が求めた電源対策以上のものを愛媛県としては求めさせていただきました。それが現地に行っていただけるとご覧いただけると思いますが、亀浦変電所から、伊方1号機、2号機、3号機に新たな送電線を設置したものです。これは国は全く求めてない話なんですけども、二重三重の電源対策を施してもらっています。これさえやっておけば暴走は止められるわけです。電源さえあれば冷却できるわけですから、たとえ揺れでどうなっても暴走は止めることができる。まずここは徹底してやっておく必要性を感じておりました。

 ただし、そこまでの手は打っているんだけれども、もしもそれでも全部の電源がなくなったときに避難をしなければならないということになりますので、今それを想定してやっているところであります。今回の件で陸路の問題はもう少し分析が必要かなと思うんですけれども、少なくとも海上、原発以西につきましては人数的にLCACや「しもきた」等との自衛隊関係、海上保安庁の連携をすれば人数的には回避できる。ただこれは大分県との詰めをしなければなりませんけれども、その上で大分県がどこが受け入れてくれるのかということは大分県と折衝中でありますから、こういったところはさらにやっていかなければならない課題も残っています。それともう一つは正直言って避難というよりはハードの問題なんですけれども、どうしても東側はですね、大洲・八幡浜道路の完成というものが是が非でも必要であるというふうに思っています。一斉に動いたときにですね、やっぱり今の道路環境では渋滞を起こすことは避けられないと思いますから、その観点からも大洲・八幡浜道路の完成にこだわって、これができるとかなり大きな避難の流れが変わってきますので、それまでは今あるものでやるしかないですから、しっかりとやっていかなければいけないと思っています。

 ただ、一つはですね、やっぱり訓練といっても全員が参加できるわけではないですよね。特に要介護者の方々をじゃあ訓練の時に車いすに乗せて外に出てもらって、実際にその方々を避難させることができるかどうかっていったら、訓練でそれをやるのはもし体調に何かがあったりした場合のことも考えなければいけませんので、今回も施設の職員さんに代わりにやっていただいているような訓練でありますから、この辺は確かに実際にそうなったらどうなるんだという皆さんのご指摘もあると思いますけれども、実際じゃあできるかというとなかなかできないところもありますので、こうした想定訓練の中で準備していくしかないので、その点では100パーセントかと言われるとそれはもう100パーセントではないというふうに思います。ただ、そこでできるだけのことをするということを積み重ねていきたいと思います。

 

(テレビ愛媛)

 具体的によく詰めた訓練をすればするほど、また再稼働に向けていろいろ議論を詰めれば詰めるほど、皆がリアルなことと感じ、漠然とした不安が広がっているというのが四国電力の今年の対話集会でも不安な声として多くなってきているが、このあたりはどう考えているのか。

 

(知事)

 もう一つは取り組んでいる状況というものをできるだけオープンにやってきているつもりなんですけれども、やっぱり情報の受け手というものは日々日々自らの関心がない場合というのはなかなか入ってこないものだと思います。ですから粘り強くですね、一つ一つの取り組みの情報発信というものを積み上げていくしかないなと思います。先ほどの電源の対策の問題にせよ、揺れ対策の問題にせよ、今県民の皆さまが全部公開しながらやっているんですけれども、どこまでご存知かといったらまだまだ多くの方がつまびらかに知っているわけではないと思いますので、こうしたようなことも対処してますよ、こうしたところも手を打っていますよというのをしっかりと伝えていく努力は、今後とも積み重ねて、不安の解消につなげていきたいと思っています。

 

(朝日新聞)

 伊方原発に関連して、今、規制委員会の審査を通った川内原発で、地元同意のあり方というのがクローズアップされているが、愛媛県の場合にも30km圏で7市町が関係しており、県と伊方町については安全協定に基づいた地元同意が図られると思われるが、それ以外の6市町については、四電の千葉社長は先の記者会見で、県が意見をまとめて集約して、県の同意が得られればという話しをしているようである。

 あらためて、6市町だけではないが、伊方町と愛媛県以外の住民や首長から再稼働に向けての異論なり不安なりが出た場合、県としてはどういう対応をしていくのか。

 

(知事)

 おそらくこの問題というのは、全国どこでもそうなんですけど、政治の世界においても両極の意見があるように、全員が一致することはあり得ないと思います。いろんな条件を踏まえて安全第一に追求していく。それがクリアできたときに国が求めてくるんでしょう。それから、議論に入っていくわけですけれども、全員が同じ意見になるということは100パーセントないと。だから、当然、立地地域、伊方町はもちろんのこと、周辺でもいろんな議論が起こってくると思います。そういう議論の中で、集約も図られてくると思います。それらの議論を踏まえて、最後には県議会という地域全体の代表的な機関がありますので、そこでこうした意見を踏まえたうえで議論が始まって、収斂(しゅうれん)されていくのではなかろうかなと思っております。明確にこことここを入れなきゃいけないとか、そういうことはなかなかしゃくし定規には語れないかなと思っていますね。

(南海放送)

 最終的には県議会の判断ということか。

 

(知事)

 県議会の議論というのは非常に重要だと思います。


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