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平成21年度退職者感謝状贈呈式知事あいさつ

ページID:0010914 更新日:2018年1月12日 印刷ページ表示

日時:平成22年3月31日(水曜日) 10時30分

場所:本館4階 正庁

 

ただ今、皆様を代表して、部長級の6人の方々に感謝状を手交させていただきました。本日付けで退職される190人の皆様に、直接手渡す時間が無いためであり、御了解いただきたいと思います。
30数年の長きにわたり、県庁で奉職された皆様方の御労苦に報いるには、わずか一枚の紙切れではありますが、県を代表して、また県民を代表して、お礼を申し上げる意味にお受け取りいただければ幸いです。
今日退職される方の多くが奉職された昭和47年は、沖縄が本土に返還され47都道府県体制が定まり、その秋には日中国交正常化という歴史的な出来事もあったほか、札幌で冬季オリンピックが開催されるなど、日本が大きな歩みを始めた年でありました。翌年の石油ショックという異常事態を切り抜けながら、高度急成長のピッチを高めた時でもあり、県政におきましても、それぞれ、やりがいのある多くの取り組みをしていただいたものと思っております。バブルの崩壊後、経済回復が至上命題とされ、大量の建設国債を発行した景気浮揚策が、その後の国・地方の財政に大きな影響を与えましたが、ある意味ではまだ、前向きで右肩上がりの力強い歩みが県政上もあったと思います。御承知のように、三位一体改革を受け、地方行財政が大ピンチの状態に置かれたため、大変申し訳ないことに、私の知事就任後11年間で県庁職員の定員は16.9%減少したほか、平成18年度から4年間、皆様方には臨時的給与カットという大幅な給与減額の中で、仕事に精励していただきました。ダブルハンディを負いながらの皆様の熱心な、真摯な仕事への取り組みに心から感謝申し上げます。
皆様方は、白石・伊賀・加戸3代の知事にわたって県政の中を歩んでこられました。11年間、皆様と共に、加戸県政を推進できたことを誇りに思っております。県政を担当した時に目指した、明るくさわやかで活力ある県政の実現のため、県民サービスの低下を最小限に防ぎつつ、それぞれの持ち場で全力を発揮し、御努力いただいたことに頭が下がる思いです。
中国の韓非子の言葉に「善く吏たる者は徳を樹(う)う」という言葉があります。吏は、事務吏員、技術吏員の吏で、公務員として仕事をするものは、人々に対して徳を植え付けていく、そういう格調の高い言葉ですが、私の表現を使えば、「善く愛媛県吏員たる者は愛を樹(う)う」と申し上げたいと思います。「愛と心のネットワーク」は、県民に対して愛の気持ちを多く植え付けていただくことで、愛媛県全体がお互いに助け合い、支え合う社会になるようにとの祈りを込めたスローガンでもございました。皆様方は、退職後、平均寿命で言えば20年間以上、この愛媛の地で第二の人生を生きていかれます。今までの、使命感という大きな軛(くびき)から解き放たれ、日本国憲法でも保障された、幸福を追求する権利を大いに行使できる時代を迎えますが、願わくば、余力があれば、社会貢献活動などを通して、さすがは県庁OB違うな、という評価を受けていただきたいと思います。
私が毎年、退職される方々にお送りしている歌があります。それは明治の歌人、与謝野晶子が詠んだ、「劫初(ごうしょ)よりつくりいとなむ殿堂にわれも黄金の釘一つ打つ」という歌です。劫初は、未来永劫の「劫」初、昔から造り営んでこられた殿堂とは、自分たちが描く、殿堂と考える存在で、皆様方にとっては愛媛県であり、愛媛県庁でもあります。この愛媛県という殿堂の中に、黄金の釘をあそこで打ったという思い入れを持ち、それを生きてきた一つの証しとして誇っていただきたいと思います。苦しい時、厳しい時に達成感があった仕事もあるでしょう。あるいは期待外れで失敗したり、成果が上がらなかったこともあるでしょう。全て含めて振り返ってみれば、それらは、愛媛県のために殿堂に打ち込んだ黄金の釘一本一本として、皆様方の心の中にいつまでも残っていくものと思っています。これから、健康で楽しい第二の人生を送っていただき、いつまでも県庁OBとして、残された後輩諸氏に、厳しい時も頑張れよとの激励とアドバイスを与えていただければ幸いです。
今日をもってお別れしますが、皆様方と残された県庁職員との間に、太い太い心の絆がいつまでも保たれますよう念願して、退職をねぎらう言葉とさせていただきます。県庁在職時代の御功績に感謝し、御苦労様でしたと申し上げます。本当にありがとうございました。

 

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