専 技 情 報
病 害 虫
平成16年度 No.2
発生拡大が懸念される
「キュウリ黄化病」の防除対策
平成16年6月
農業経営課

 「キュウリ黄化病」はオンシツコナジラミにより病原が伝搬されるウイルス病です。
 本県では1980年に施設栽培で発生確認後、近年まで目立った被害はありませんでしたが、2002年に南予地域の夏秋キュウリで本病が発生し、側枝の発生悪化に伴い減収が認められ、大きな被害が生じました。
 2003年には南予地域で発生が広がり、本年4月には中予地域の施設栽培でも認められ、発生地域の拡大が懸念されています。
 そこで、本病に関して、主に愛媛県農業試験場が実施した試験成果を掲載しますので、防除指導上の参考にして下さい。

【 病 原 】

 BPYV(Beet pseudoyellows virus)(CuYV:Cucumber yellows virus)
 (伝染様式)オンシツコナジラミによる虫媒伝染(汁液・種子・土壌伝染はしない)
 ウイルスが検出された植物は、栽培キュウリのほか、タチアオイ(アオイ科)、ヘクソカズラ(アカネ科)、キャベツ(アブラナ科)、ムラサキカタバミ(カタバミ科)、ヒメジョオン(キク科)、スイバ(タデ科)、ツユクサ(ツユクサ科)、ケイトウ(ヒユ科)、アカツメクサ(マメ科)で認められた(2003年:愛媛農試)。

【本病の病徴】
 初期病徴葉では葉脈間に無数の小点を生じ、進行すると葉脈を残し黄化する。
 病徴が進んだ末期の罹病葉では、葉縁が下方に巻き込み硬化してくる。
 なお、果実では症状が認められない(表1、図1、2)。
図1 キュウリ黄化病の成熟葉での病徴
図1 キュウリ黄化病の成熟葉での病徴

      表1 キュウリ黄化病の病徴
表1 キュウリ黄化病の病徴

図2 キュウリ黄化病の初期病徴葉における透過光での特徴
図2 キュウリ黄化病の初期病徴葉における透過光での特徴

【 発生状況 】
 2003年、南予地域での露地栽培圃場において定期的な調査を行った結果、定植時期が早い圃場で発病進展が著しく、定植日が5月8日の圃場では、7月以降急増した(図3)。
図3 南予地域の露地栽培圃場でのキュウリ黄化病発生推移
図3 南予地域の露地栽培圃場でのキュウリ黄化病発生推移(2003年:愛媛農試)
(定植日:圃場A 5月8日、圃場B 6月8日、圃場C 6月16日)

【 防除対策 】
(1)媒介虫 オンシツコナジラミ対策
○ 薬剤防除
  ・定植時期及び生育期間中でのネオニコチノイド系殺虫剤の使用が効果的と思われる。但し、成虫に対する散布剤の効果は全般的にやや弱いので注意する。
  ・薬剤抵抗性の発現を避けるため、同一系統の薬剤については、連用しない。
  ・付近に桑園や養蚕施設がない施設栽培では、ラノーテープを使用する(有効成分が蚕に極めて強い毒性があるので注意する)。
  ・農薬使用においては、登録内容を遵守して使用する。
○ 施設栽培では、サイド部、出入口部を目合い1mm以下の防虫ネットで遮断したり、天ビニールに近紫外線カットフィルムを使用し、侵入防止を図る。
○ 栽培管理に伴う摘心等で生じた茎葉などは、圃場内に放置せず、圃場外で適正に処分する。
○ 作付け終了時には残渣処理を適切に行い、周辺圃場への分散を防ぐ。
○ 雑草上にも生息するので、周辺雑草を除去し、圃場衛生に努める。
  
(2)その他
○ 昨年は、5月中旬定植の圃場では7月に、6月上旬定植の圃場では8月に発生が拡大したので、同様な作型では圃場内観察を徹底し、発病株は早めに除去する。 
  特に、発生圃場周辺地域では注意する。
オオシツコナジラムに対する各種粒剤の効果

 ネオニコチノイド系殺虫剤は、35日後の寄生成虫数、幼虫数とも少なく、防除効果は高かった。


オンシツコナジラミに対する各種各種薬剤の効果

 ネオニコチノイド系殺虫剤は、若齢、老齢幼虫の双方に対して殺虫効果が高かった。また、産卵抑制効果も高かった。
 成虫に対しては、全般的に効果は低く、飛来した成虫に直接的に殺虫効果を示す剤は認められなかったが、定着、産卵を抑制する剤が認められた。