8 木材利用の留意点(6)


(3)−1 防火地域等の地域制限


防火上の地域による木造の制限
 市街地における火災の危惧を防ぐために、都市計画法により防火上の地域として「防火地域」「準防火地域」が指定されています。
 建築基準法では、これらの地域区分に応じて建築物の構造を階数や規模に応じて定めています。また延焼を防止するために22条区域を設けています。

@「防火地域」の木造建築の制限(法第61条)

 基本的には、耐火建築物しか建てることができません。  
*例外的には、延べ床面積100m2以下で2階以下の小規模建築物であれば、主要構造部を準耐火構造とすることで木造建築が可能です。

 しかし、実際には防火地域での木造建築はほとんど困難であると考えられますので、防火地域内の建築物であれば、鉄筋コンクリート造で建てて内装に木質建材を使用することが現実的です。
階数(除地階 延べ床面積>100m2 延べ床面積≦ 100m2
3階以上 耐火建築物
2階以下 準耐火建築物 耐火建築物

防火のための地域イメージ
防火のための地域のイメージ

A「準防火地域」の木造建築の制限(法第62条)

 準防火地域内では、かなり大きい規模の木造建築が建設可能です。
 木造建築にする為には、
@3階建て以下とする。(地階を除く)
A延べ床面積を1,500m2以下とする。
B準耐火建築物とする。
 (500m2以下の場合は準防3階仕様とする。)

 または、
500m2以下で2階建ての木造建築とする。
(ただし、所定の防火性能を有する構造とする。)
「所定の防火性能:外壁・軒裏及び屋根を防火性能とする。」

準防火地域」の木造建築の制限
図表8−5 準防火地域内における防火基準
階数(除地階) 延べ床面積≦500m 500m2<延べ床面積≦1,500m2 延べ床面積>1,500m2
4以上 耐火建築物 耐火建築物
耐火・準耐火建築物とするか、又は、準防3階仕様とする 耐火建築物、又は準耐火建築物に限る
(木造でも準耐火建築物なら可)
普通木造建築物
(所定の防火性能を有する)
(注)この他に建築物の用途・規模に応じて、耐火・準耐火の義務づけがある。


B「22条区域(防火地域・準防火地域以外)」の木造建築の制限

 特定行政庁が防火地域、準防火地域以外の市街地について指定する区域(建築基準法第22条)については、延べ床面積が3,000m2以下のものは構造上の制限なく建てられます。しかし、屋根は不燃化(瓦・スレート等:木材も認定を得れば可能)した材料で葺き、外壁および軒はモルタル漆喰で塗ったり、防火性能を持つサイディングを貼ることなどが必要となります。


C「その他の地域」

 22条区域と同様に、延べ床面積が3,000m2以下のものは構造上の制限無く木造で建てられます。


参考 

防火地域、準防火地域内の建物には、規模に関係なく屋根は瓦・スレート等で不燃化し外壁で延焼のおそれのある開口部には防火扉を設けることが求められています。


用語の解説
防火地域・・・
都市機能が集中している地域(役所、銀行、郵便局、種々のオフィス等)で、都市中心市街地や幹線道路沿いの商業・業務地区
準防火地域・・・
防火地域の周辺の商業、業務地区及び居住地区
22条区域・・・
屋根の不燃化等によって延焼を抑えるため、特定行政庁が指定した区域
準防3階仕様・・・
施行令第136条の2で規定されている準耐火地域内に建てられる3階建て木造建築物の仕様
 具体的には、外壁・軒裏を防火構造、屋根を防火性能とする。
特定行政庁・・・
市町村に建築主事のいる市町村長、いない場合は都道府県知事が指定した区域

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