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医師から都道府県知事等への届出基準

<五類感染症>
(7)後天性免疫不全症候群

届出様式 (PDFファイル 290KB)

(1)定義

 レトロウイルスの一種であるヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus; HIV)の感染によって免疫不全が生じ、日和見感染症や悪性腫瘍が合併した状態。

  

(2)臨床的特徴

 HIVに感染した後、CD4陽性リンパ球数が減少し、無症候性の時期(無治療で約10年)を経て、生体が高度の免疫不全症に陥り、日和見感染症や悪性腫瘍が生じてくる。

 

(3)届出基準

ア 患者(確定例)

 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から後天性免疫不全症候群が疑われ、かつ、(4)イの届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。

イ 無症状病原体保有者

 医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、(4)アの届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。

ウ 感染症死亡者の死体

 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、後天性免疫不全症候群が疑われ、かつ、(4)イの届出に必要な要件により、後天性免疫不全症候群により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。

 

(4)届出に必要な要件(サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準(厚生労働省エイズ動向委員会、2007)抜粋)

 

ア HIV感染症の診断 (無症候期)

(ア)

HIVの抗体スクリーニング検査法(酵素抗体法(ELISA)、粒子凝集法(PA)、免疫クロマトグラフィー法(IC)等)の結果が陽性であって、以下のいずれかが陽性の場合にHIV感染症と診断する。

(1)

抗体確認検査(Western Blot法、蛍光抗体法(IFA)等)

(2)

HIV抗原検査、ウイルス分離及び核酸診断法(PCR等)等の病原体に関する検査(以下「HIV病原検査」という。)

(イ)

ただし、周産期に母親がHIVに感染していたと考えられる生後18か月未満の児の場合は少なくともHIVの抗体スクリーニング法が陽性であり、以下のいずれかを満たす場合にHIV感染症と診断する。

(1)

HIV病原検査が陽性

(2)

血清免疫グロブリンの高値に加え、リンパ球数の減少、CD4陽性Tリンパ球数の減少、CD4陽性Tリンパ球数/CD8陽性Tリンパ球数比の減少という免疫学的検査所見のいずれかを有する。

イ AIDSの診断

アの基準を満たし、下記の指標疾患(Indicator Disease)の1つ以上が明らかに認められる場合にAIDSと診断する。ただし、(ア)の基準を満たし、下記の指標疾患以外の何らかの症状を認める場合には、その他とする。

指標疾患(Indicator Disease)

A.真菌症

1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)

2.クリプトコッカス症(肺以外)

3.コクシジオイデス症

1 全身に播種したもの

2 肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

4.ヒストプラズマ症

1 全身に播種したもの
2 肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

5.ニューモシスティス肺炎
 (注)P. cariniiの分類名がP. jiroveciに変更になった

B.原虫症

6.トキソプラズマ脳症(生後1か月以後)

7.クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)

8.イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)

C.細菌感染症

9.化膿性細菌感染症(13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌等の化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に、2つ以上多発あるいは繰り返して起こったもの)

1 敗血症、2 肺炎、3 髄膜炎、4 骨関節炎、

5 中耳・皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍

10.サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)

11.活動性結核(肺結核又は肺外結核)(※)

12.非結核性抗酸菌症

1 全身に播種したもの
2 肺、皮膚、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

D.ウイルス感染症

13.サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後で、肝、脾、リンパ節以外)

14.単純ヘルペスウイルス感染症

1 1か月以上持続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈するもの
2 生後1か月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの

15.進行性多巣性白質脳症

E.腫瘍

16.カポジ肉腫

17.原発性脳リンパ腫

18.非ホジキンリンパ腫(LSG分類により、1 大細胞型(免疫芽球型)、2 Burkitt型)

19.浸潤性子宮頚癌(※)

F.その他

20.反復性肺炎

21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex(13歳未満)

22.HIV脳症(認知症又は亜急性脳炎)

23.HIV消耗性症候群(全身衰弱又はスリム病)

(※)C11活動性結核のうち肺結核及びE19浸潤性子宮頚癌については、HIVによる免疫不全を示唆する所見がみられる者に限る。


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